| 【発明の名称】 |
防滑性敷物 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 純男
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| 【要約】 |
【課題】屋内床面に専ら使用される敷物で、天然草の風合いを有し、保温性やクッション性に優れ、かつ防滑性を備えた敷物とする。
【解決手段】無機充填剤を1〜30重量%含有する熱可塑性樹脂から成形したフラットヤーンを経緯糸に用いた織布2と発泡シート体3とを接着層4を介して貼り合わせ、前記発泡シート体3の裏面に防滑性樹脂層5を積層してなる防滑性敷物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無機充填剤を1〜30重量%含有する熱可塑性樹脂から成形したフラットヤーンを経緯糸に用いた織布と厚み1〜15mmの発泡シート体とを接着層を介して貼り合わせ、前記発泡シート体の裏面に防滑性樹脂層を積層してなる防滑性敷物。 【請求項2】 防滑性樹脂層は動摩擦係数0.5以上で、厚みが30〜120μmである請求項1記載の防滑性敷物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、屋内床面に専ら使用される敷物に関し、詳しくは天然草の風合いを有し、保温性やクッション性に優れ、かつ防滑性を備えた敷物に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、特にマンション等の住宅において、生活の洋風化の傾向から部屋が洋間となり床のフローリング(木床)化が進んでいる。一方、こうした洋間の空間を日本間的に変えて使用することも流行しており、そのためにフローリングに日本的な花ござや置き畳などを敷設した使用方法がある。 【0003】従来、花ござや畳は藺草に代表される天然草によって作られてきたが、天然草はその風合いは好まれるものの、天然素材であるから耐摩耗性や耐久性に劣り、またダニをはじめとして害虫が発生するなどの問題点から、近時は合成繊維材料で代替する試みがある。藺草を例にとると、塑形筋目入りのテープ状合成樹脂を渦巻状とし、成織した畳表の構造(実開昭55-132248号公報)や、熱可塑性樹脂からなる凹凸皺を有する中空紐状体を狭い空隙を通過させて不規則に収束形成した模造イグサ(特開昭63-274533号公報)や、熱可塑性樹脂フィルムが無秩序に折り畳まれた内層部を樹脂塗膜で被覆した人工イ草(特開平6-41809号公報)などが開示されている。 【0004】しかし、これらの合成樹脂繊維材料を用いて織成して敷物として使用した場合に、天然素材に類似した外観は得られるものの、弾力性に乏しいためその上で人が挙動すると滑り易く、転倒すると敷物との摩擦によって皮膚を損傷し、また敷物は通常床に固定されていないため移動し易く、その上を人が歩行して蹴り作用が加わると敷物自体が床面上を滑って動き、人が転倒する危険性が指摘されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような課題を解決するために、敷物表層に天然草の風合いを有すると共に、適度な保温性や踏圧感を与えるクッション性を有し、かつ良好な防滑性を備えた敷物を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、無機充填剤を1〜30重量%含有する熱可塑性樹脂から成形したフラットヤーンを経緯糸に用いた織布と厚み1〜15mmの発泡シート体とを接着層を介して貼り合わせ、前記発泡シート体の裏面に防滑性樹脂層を積層してなる敷物である。そして、防滑性樹脂層は動摩擦係数が0.5以上で、厚みが30〜120μmであるものが、好ましい。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の敷物は、図1に示すように、表層から順に、フラットヤーン織布2/接着層4/発泡シート体3/防滑性樹脂層5で構成される積層体である。以下に各構成部材について説明を加える。 【0008】先ず、本発明の敷物において、その表層は無機充填剤を1〜30重量%含有する熱可塑性樹脂から成形したフラットヤーンを経緯糸に用いて織成される織布2である。 【0009】このフラットヤーンを成形する熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン−ビニル共重合体などが挙げられるが、連続生産での安定品質と経済的に量産し得る点でポリオレフィン系樹脂が好ましい。このポリオレフィン系樹脂として、具体的には高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などのポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、シンジオタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂が代表的に挙げられ、これらは単独または2種以上の混合物として使用してもよい。これらの中では、押出・熱延伸の成形性が良好で、本発明で必須となる無機充填剤を配合しても機械的強度などの低下が少なく受容性を有するものとして、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが最も好ましい。 【0010】前記フラットヤーンは、成形する熱可塑性樹脂中に無機充填剤を添加することによって、外観、光沢や触感などの合成樹脂に起因する人工的な感触から天然草の風合いに近付ける。無機充填剤として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、弁柄、その他の無機顔料などが挙げられるが、特に炭酸カルシウムが好ましい。ここで、無機充填剤の配合量は1〜30重量%であり、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。即ち、無機充填剤の配合量が1重量%より少ないとテカリ感が生じて風合いに劣り、また30重量%より多いと分散不良を生じ易く糸切れなど成形性が悪化する傾向にあり、得られるフラットヤーンの機械的強度も著しく低下したものとなる。 【0011】このように所定量の無機充填剤を配合した原料樹脂を用いてフラットヤーンを形成する方法は、一般的な成形方法が採用できるもので、例えば熱可塑性樹脂を押出機に投入して、単層あるいは複層のインフレーション法またはTダイフラット法により、ダイスから溶融状態で押し出し、冷却して製膜したフィルムをスリットした後に熱板接触式、熱ロール式、熱風オーブン式等の熱延伸法によって3〜10倍程度に縦一軸方向に延伸配向し、さらに熱弛緩処理を施してフラットヤーンとする。本発明において用いるフラットヤーンは、敷物の表層を構成するものであるから要求される物性によって幅や厚みは異なるものであるが、繊度として示すと概ね500〜5,000drであり、成形性や後の織成効率の点から1,000〜3,000drがより好ましい。 【0012】得られたフラットヤーンは、公知のスルザー型、エアージェット型、ウォータージェット型、レピア型織機などによって織成され織布2とする。この織成組織は特に制限されるものではなく、代表的な平織をはじめ、綾織、模紗織、絽織、絡み織などが採用できる。ここで、フラットヤーンの織成においては、経糸および緯糸に対して1種類のフラットヤーンを使用してもよいが、樹脂、無機充填剤や顔料、また糸幅、糸厚や繊度などを変更した2種類以上のフラットヤーンを任意の割合で組み合わせることによって織布に新たな機能や意匠性を付与することもできる。例えば、経緯糸にポリエチレン系樹脂からなるフラットヤーンとポリプロピレン系樹脂からなるフラットヤーンを混織したものは、ポリプロピレンの有する弾力性、耐圧縮歪性、耐屈曲性と、ポリエチレンの有する柔軟性、低温接着性を共に備えたものとなる。 【0013】次に、フラットヤーン織布2と貼り合わせる発泡シート体3は、柔軟性およびクッション性を有するシート状物であって、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン或いは各種エラストマーなどの合成樹脂発泡体や、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムなどのゴム質体やゴム質発泡体などが挙げられる。ここで、発泡シート体3の厚みは0.8〜12mmの範囲であることが好適とされる。つまり、一般的な発泡倍率で形成したレベルである密度10〜50kg/m3の発泡体においては、厚み0.8mm未満では敷物構成部材としての充分な緩衝効果が得られないばかりでなく製造工程における張力に充分に耐えるだけの強力がないために効率に劣り、一方、厚み12mmを超えると巻体として大きくなりすぎ作業性が悪化すると共に、敷物となった際に踏圧感が異質なものとなる。 【0014】この発泡シート体3の製造方法としては、押出機を用いてシートを成形する際に、気体または加熱により気化する物理型発泡剤を押出機の途中に設けられた圧入孔から圧入する気体混入法が一般的である。物理型発泡剤としては、空気、窒素、水、炭酸ガスなどの無機系ガスや、フロン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの有機系発泡剤等が挙げられる。また、加熱により分解ガスを発生する熱分解型発泡剤を予め樹脂に練り込んでシートを成形し、次いで発泡剤の分解温度以上に加熱する発泡剤分解法もある。熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。 【0015】この発泡シート体3は、前述のフラットヤーン織布2と接着層4によって貼り合わせて一体化される。具体的方法としては、サンド樹脂による溶融押出ラミネート法や、ドライラミネート法、熱圧着ラミネート法をはじめ、ウレタン系、ビニル系、アシド系、エポキシ系などの各種接着剤やその粉体またはホットメルトウエブを用いる方法などが挙げられるが、高速での安定加工性や広幅への対応が容易である点で溶融押出ラミネート法が最も好ましい。この場合にサンド樹脂に用いるものとしては、両部材を強固に接着するために両部材と同種・同系の樹脂または極性基を有するポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。 【0016】そして、表層となるフラットヤーン織布2と接着層4を介して一体化した発泡シート体3の裏面には、被膜とした状態で摩擦抵抗の大きい樹脂を被覆する。つまり、敷物の裏面にこのような防滑性樹脂層5を形成することによって、人が敷物の上を歩行などして蹴り作用が加わっても敷物の裏面と床面が滑動することなく、防滑性に優れた敷物を得ることができるのである。ここで、具体的に防滑効果を示す値としてJIS−K7125により測定した動摩擦係数が0.5以上である被膜を防滑性樹脂層5とすることが好ましい。 【0017】防滑性樹脂層5としては、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−プロピエン共重合体などのエチレン系樹脂や、スチレン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系などの熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、前述の動摩擦係数の範囲を満足するものを選択すればよい。これらの中では、耐熱性、加工性などの点からエチレン−アクリル酸エチル共重合体が最も好ましい。 【0018】この防滑性樹脂層5の形成方法は、発泡シート体3の裏面に溶融状態で直接被覆する溶融押出ラミネート法や、予め製膜したフィルムの状態で貼合わせるドライラミネート法や熱圧着ラミネート法などが採用できる。ここで、防滑性樹脂層5の厚みとしては、用いる発泡シート体3の密度や敷物用途などによっても異なるが、好ましくは30〜120μm、より好ましくは50〜80μmとされる。即ち、厚みが30μm未満では密着性が不充分で耐久性に劣り、一方厚み200μmを超えると剛性が増加して折畳み等が困難となり、重量も増加して不経済となる。 【0019】 【実施例】 試験方法1.動摩擦係数:JIS−K7125に準拠。 2.滑り抵抗値:敷物を100mm角で裁断した試料片の防滑面を表にして平面板上に両面テープで固定し、それを反転させて試料面を下にして平滑な表面の合板上に置き、その中心部に1kgの錘を載せた状態で、試料片の端部を水平方向に緩やかに引っ張り、その平衡した張力をバネ秤で測定した。 【0020】実施例1熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(MFR=2.7g/10min.)93重量%、無機充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径=3.6μm)6重量%及び弁柄1重量%からなる樹脂組成物を押出機に投入し、インフレーション法によりフィルムを形成し、このフィルムをスリットして熱板接触式延伸法で縦一軸方向に6倍延伸した後、熱弛緩処理を施して繊度1,250drのポリプロピレン製フラットヤーンを製造した。また、高密度ポリエチレン(MFR=2.0g/10min.)95重量%、炭酸カルシウム(平均粒径=3.6μm)5重量%、ブラウン系顔料0.5重量%からなる樹脂組成物を押出機に投入し、インフレーション法によりフィルムを形成し、このフィルムをスリットして熱板接触式延伸法で縦一軸方向に5.5倍延伸した後、熱弛緩処理を施して繊度1,500drの高密度ポリエチレン製フラットヤーンを製造した。このポリプロピレン製フラットヤーンを経糸とし、高密度ポリエチレン製フラットヤーンを緯糸として、スルザー型織機により打込密度12×12本/インチの平織で20mm、綾織(1/3,3/1)で100mmの格子柄による密な織布2となした。経糸と緯糸との色調の差及び平織と綾織との織り方の差でもって、図2に示すような織模様の織布2が得られた。 【0021】次に、発泡シート体3として、密度25kg/m3で、2.2mm厚みのポリエチレン系発泡シートを選び、前述の織布2と貼り合わせるに際し、エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR=8.0g/10min.、VA含有量=5重量%)をサンド樹脂に用いる溶融押出ラミネート法により供給して、厚み25μmの接着層4を形成し積層一体化した。 【0022】続いて、この積層体の発泡シート体側には、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(MFR=5.0g/10min.、EA含有量=9重量%、動摩擦係数=0.75)を用いて、溶融押出ラミネート法によって厚み60μmで被覆して防滑性樹脂層5を形成し、1.8×2.7mのサイズに裁断した後、その周囲を細幅テープで巻回して縫い付け、実施例1の敷物とした。 【0023】比較例1実施例1の敷物を構成する防滑性樹脂層に替えて、低密度ポリエチレン(MFR=7.0g/10min.、動摩擦係数=0.40)による被膜を形成した他は、実施例1と同様に敷物を作成した。 【0024】実施例2実施例1で用いた織布2、発泡シート体3としてポリプロピレン系発泡シート(密度32kg/m3、厚み3.5mm)、接着層4として直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=8.5g/10min.)、防滑性樹脂層5としてエチレン−プロピエン共重合体(MFR=6.0g/10min.、動摩擦係数=0.60)の厚み80μmのシートを使用して、その他実施例1と同様に敷物を作成した。 【0025】比較例2実施例2の敷物を構成する防滑性樹脂層に替えて、低融点ポリプロピレン(MFR=12.0g/10min.、動摩擦係数=0.35)による被膜を形成した他は、実施例2と同様に敷物を作成した。 【0026】実施例及び比較例の敷物について、防滑性能の評価をまとめて表1に示す。 【0027】 【表1】
【0028】 【発明の効果】以上のように本発明の敷物は、所定量の無機充填剤を含有したフラットヤーンを経緯糸に用いた織布を表面材として設けているので天然草の風合いを有しながら防虫性や防かび性などと共に充分な耐久性や耐屈曲性をもち、発泡シート体を中間に積層しているために保温性やクッション性を備え、さらに裏面に防滑性樹脂層を被覆しているので、滑り易いフローリングや畳、塩化ビニル製タイルなどの床面に直接敷設することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000234122 【氏名又は名称】萩原工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−56585 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−232518 |
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