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【発明の名称】 布 団
【発明者】 【氏名】渡辺 雅世

【要約】 【課題】少量の保温材でも十分な嵩高が得られ、肌への密着性に優れ、高い保温効果を発揮し、且つ簡易に製造可能な布団を提供する。

【解決手段】下布2及び上布3の内側略中央に中布4を配し、中布4の左右両側端部を、下布2には直接縫い付け、上布3にはマチ布43を介して縫い合わせると共に、中布4の中央部を上布3の横幅を略二等分する線分に沿って縫い付け、布団1の中央部で区画部61と区画部61とが重なるように形成する。各区画部には羽毛や真綿などの保温材5を詰め入れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 縁端部において結合される上布と下布の間に中布を介在させ、重合する布同士を縦横に区画し、各区画部内に保温材を詰め入れてなる布団において、下布と中布との区画部の横幅を上布と中布との区画部の横幅よりも幅広に設けると共に、当該区画部内で中布の横幅を上布乃至下布の横幅よりも幅広に設けた構成を有する布団。
【請求項2】 布団の左右両側に中布が介在しない区画部を設けてなる請求項1に記載の布団。
【請求項3】 中布の左右両端部と上布はマチ布を介して接続し、中布の左右両端部と下布は直接接続してなる請求項1又は2に記載の布団。
【請求項4】 中布の左右両端部と下布はマチ布を介して接続し、中布の左右両端部と上布は直接接続してなる請求項1又は2に記載の布団。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布団に充填される羽毛や真綿などの保温材の偏り防止のため、布団の上布と下布の間を複数の区画に仕切った構造の布団に関する。
【0002】
【従来の技術】布団内部を複数の区画に仕切る場合、上布と下布を直接縫い合わせると、縫い合わせに沿って保温材が全く存在しない薄肉の部分が生じ、この部分で保温や吸湿効果が低下する。そのため、この種の布団は、布団の上布と下布の何れか一方又は双方に適宜な幅のマチ布を縦横に縫い付け、上布と下布を向かい合わせにした状態でマチ布の端部と、これと対向する他方の布又はマチ布とを縫い合わせて立体マチを構成し、この立体マチにより保温材が布団全体に渡り適宜な厚みで充填されるように形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の布団では、嵩高を増すには、立体マチを高くし、且つ多量の保温材を充填しなければならず、増加できる嵩高にも限界があった。また、マチ布の縫い付けも面倒であった。
【0004】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑み、内部を縦横複数の区画に形成した布団において、同一量の保温材を使用したとしても、従来のものよりも嵩高を増すことができ、肌への密着性に優れ、高い保温効果を発揮することができ、且つ加工に手間がかからず簡易に製造可能な布団を形成することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明の布団は、縁端部において結合される上布と下布の間に中布を介在させ、重合する布同士を縦横に区画し、各区画部内に保温材を詰め入れた構成を有していて、下布と中布との区画部の横幅を、これと布団の略中央部で重なる上布と中布との区画部の横幅よりも幅広に設けると共に、当該区画部内で中布の横幅を上布乃至下布の横幅よりも幅広に設けたことを特徴としている。これによれば、中布の上下両面で区画部が重なって形成され、両区画部で幅広の中布自体がマチの作用をなして区画部の間隙幅にゆとりを与え、布団がまんべんなく膨らむ。従って、肌への密着性が高まり、十分な保温効果が得られる。また、マチ布の接続箇所が少なくて済み、加工も容易となる。
【0006】布団の左右両側には、中布が介在しない区画部を設けることが好ましい。上述の通り使用時に肌に接する布団の中央部には区画部が重なって形成されており、布団の左右両側は肌への接触が少ないため、肌への密着性が低下することはなく、このように設けることにより、布団の構造が簡潔化され、加工が容易となる。
【0007】上記中布の両縁端部と上布はマチ布を介して接続し、少なくとも中布の左右両端部と下布は布団縦方向に直接接続して各々区画することが好ましい。中布の左右両端部と下布をマチ布を介して接続し、少なくとも中布の左右両端部と上布を布団縦方向に直接接続するようにしてもよい。中布を上布又は下布に直接接続することにより、従来の如き布団全体に立体マチを設けた布団と比較してマチ布の生地の使用量が減り、布団全体の軽量化が図れ、接続部分も少なくて済み、加工が容易となる。なお、上記布の接続は、縫い付けや加熱圧着、接着、貼着その他適宜な手段により行なうことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。図中、符号1は本発明の布団、2は下布、3は上布、4は中布、21,31,32,41,42,43はそれぞれ下布、上布及び中布に取り付けられた帯状のマチ布、5は布団に充填された羽毛や真綿などの保温材を示しており、図示されているように本発明の布団1は、それぞれ対応位置にマチ布21,31を取付けた下布2と上布3との間に、上下両面にマチ布41を取付けた中布4を配し、重合する下布2と中布4同士、上布3と中布4同士及び下布2と上布3同士を各々縦横に区画縫製し、各区画部内には保温材5を詰め入れて布団内部で保温材が偏らないようにすると共に、中布4の上下両面において区画部同士が重なり合い、左右両縁を除く布団1の略中央部で保温材5が二重に積層されるように形成したものである。
【0009】図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1は本形態の布団の横断面図、図2は側部を断面で示した布団の外観図、図3は布団内部のマチ布の配置を各布を展開して示した図である。
【0010】下布2及び上布3は共に同一長さ及び幅寸法の生地を用いて形成してある。下布2の内側面には、その左右両端部に亘る長さの4本のマチ布21,21,21,21が、下布2の長手方向(縦方向)に略等間隔を開け、且つ互いに平行に配して縫着してある。上布3の内側面には、上記マチ布21と同数の左右両端部に亘るマチ布31,31,31,31が各々対応位置に縫着してあると共に、長手方向両端部に亘る長さの2本のマチ布32,32がそれぞれ左右両端縁より内方に適宜な間隔を開けた位置で、上記マチ布31と直交するよう長手方向に配して縫着してある。
【0011】中布4は、上記両布2,3と略同じ長さ寸法及び少なくとも上記上布3のマチ布32,32の配置間隔(図3中、D32)よりも大きい幅寸法(同、D4 )の生地を用いて形成してある。中布4は、その下布2と重合する側の面に下布2の各マチ布21と同数の長手方向両端部に亘るマチ布41,41,41,41が各々対応位置に縫着してあると共に、その上布3と重合する側の面には上布3の各マチ布31と同数の左右両端部に亘るマチ布42,42,42,42が各々対応位置に縫着してある。また、中布4の左右両端縁上側には長手方向両端部に亘る長さのマチ布43,43が縫着してある。
【0012】下布2及び上布3の生地としては、肌触りの良い絹や綿生地などが好適であり、中布4には軽量なナイロン織物などを用いることができる。保温材5としては、羽毛や真綿、合成繊維、羊毛、カシミヤ、キャメルなど、軽量で温度保持効果や吸湿効果が良好なものが適当である。
【0013】これら各布よりなる本形態の布団1の製造は、例えば、羽毛の場合の一例として説明すると、上布3の内側面に中布4を重ね合わせ、両布のマチ布31とマチ布42、及びマチ布32とマチ布43,43とを順次縫着し、これと併せて上布3の横幅を略々二等分する分割線に沿って中布4の略中央部を直接縫着し、両布間を縦横に区画する。
【0014】次に、中布4が縫着された上布3を下布2に重ね合わせ、マチ布41とマチ布21とを縫着すると共に、下布2のマチ布21と上布3のマチ布31とを縫着し、さらに両布の周端縁部の少なくとも三辺を結合して、中布4が介在しない区画部を設ける。
【0015】そして、開口した一辺側より保温材吹き込み治具(図示せず)の管部を布団内部に導入し、これを下布2、上布3及び中布4の各布間に形成された区画部内に挿通して保温材を適量吹き込み、全区画部に保温材を詰め入れた後、当該開口した一辺の上下両布2,3を結合し、内部を閉塞することによって布団1が完成する。
【0016】区画部内への保温材吹き込み治具の管部の導入は、マチ布に上記管部が挿通する程度の小孔を形成しておくことにより行なうことができる。また、下布2と上布3の結合は、周縁を互いに縫い合わせる他、ファスナーなど結合部材を用いて開閉自在としてもよい。布団1を製造する上記手順は一例であり、これと異なる任意の手順により製造可能である。例えば、区画部を形成する都度、随時保温材を詰め入れていくようにしてもよい。
【0017】このように形成された本形態の布団1によれば、図1に示されているように、中布4の下面側に下布2との区画である区画部61が形成され、中布4の上側面には上布3との区画である区画部62,62が上記区画部61と重なって形成され、且つこれら区画部において幅広の中布4が下布2及び上布3との間でマチの作用をなすため、布団1にまんべんなく膨らみが与えられ、使用した際の肌への密着性が高まり、布団全体で均一な保温効果を得ることができる。また、区画部61,62,62は、幅広の中布4を用い、これを下布2及び上布3に直接縫い付けて形成されているので、従来の如き布団全体に立体マチを設けた布団と比較して使用するマチ布の生地が少なくなり、布団全体の軽量化が図れると共に、縫い付け部も少なく構成が簡潔となり、加工も容易である。布団1の左右両側には、中布4が介在しない区画部63、63が設けてあるが、使用の際に肌に接するのは重合する区画部61,62,62の部分であるため上記密着性及び保温効果を低下させるようなことはなく、このように設けることにより、構成を簡潔化し、加工を容易にすることができる。
【0018】布団1の区画は、下布2と中布4との区画部61を、布団1の略中央部で重なる上布3と中布4との区画部62よりも幅広に設け、且つ当該両区画部61,62内で中布4の横幅が下布2又は上布3の横幅よりも幅広に設けたものであれば、適宜な大きさ及び数とすることができる。
【0019】例えば図4及び図5に示した第2の実施形態は、下布2、上布3及び中布4に取り付ける帯状のマチ布21,31,32,41,42,43の内、各布の横方向に延びるマチ布21,31,41,42を各々3本として対応位置に配置し、これらを各布間で互いに縫着することにより、布団1の長手方向を四つに区画するように設けると共に、上布3の内側面の横幅を略々三等分する分割線上に中布4を直接縫着し、且つ下布2の内側面の横幅を略々二等分する分割線上に中布4の略中央部を直接縫着することにより、中布4の下面側に二つの区画部61,61が、中布4の上側面には三つの区画部62,62,62が互いに重なって形成されるように設けたものである。このように構成しても、布団1の中央部で重なる各区画部61,62において幅広の中布4がマチの作用をなし、各区画部の間隙幅にゆとりを与えて布団1をまんべんなく膨らませ、肌への密着性を高め、保温効果に優れたものとすることができる。なお、上記実施の形態で布同士の接続を縫い付けにより行ったが、これに代え或いはこれと共に、熱圧着その他適宜な接続手段を利用可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の布団によれば、布団の略中央部で区画部が重なり、保温材が積層されるように設けてあるので、嵩高が増して肌への密着性に優れたものとなり、立体マチにより区画した従来の布団よりも高い保温効果を得ることができる。また、嵩高が増すにも関わらず、マチ布の使用量が少なくて済むので布団全体が軽量化し、且つ縫着(接続)部が少なくなって構成が簡潔化し、加工に手間がかからず、簡易且つ安価に製造することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】597099896
【氏名又は名称】渡辺 雅世
【出願日】 平成9年(1997)7月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−28139
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−187977