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【発明の名称】 シート
【発明者】 【氏名】田中 秀徳

【氏名】堀江 雅人

【氏名】杉浦 歳機

【要約】 【課題】軽量で、低コストで、クッションパッド支持部の変更が容易なシートを提供することを課題とする。

【解決手段】フロア側に固着された第1のレール53,53′と、第1のレール53,53′に移動可能に係合した第2のレール55,55′とからなる一対のシートトラック51,51′と、シートトラック51,51′の第2のレール55,55′に設けられた一対のロアアーム57,57′と、ロアアーム57,57′の前部間を橋渡しするように設けられたフロントパネル60と、ロアアーム57,57′の後部間を橋渡しするように設けられたロッド(後部補強部材)59と、一対のロアアーム57,57′,フロントパネル60,ロッド59によって形成される空間内に、フロントパネル60と協働してクッションパッドを支持するクッションパッド支持部70を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フロア側に固着された第1のレールと、該第1のレールに移動可能に係合した第2のレールとからなる一対のシートトラックと、前記シートトラックの第2のレールに設けられた一対のロアアームと、該ロアアームの前部間を橋渡しするように設けられたフロントパネルと、前記ロアアームの後部間を橋渡しするように設けられた後部補強部材と、前記一対のロアアーム,前記フロントパネル,前記後部補強部材によって形成される空間内に、前記フロントパネルと協働してクッションパッドを支持するクッションパッド支持部を設けたことを特徴とするシート。
【請求項2】 前記クッションパッド支持部は、前記一対のロアアームに設けられた第1及び第2のばねブラケットと、一方の端部が第1のばねブラケットに、他方の端部が第2のばねブラケットにそれぞれ係止されたばねとからなることを特徴とする請求項1記載のシート。
【請求項3】 前記クッションパッド支持部は、前記後部補強部材に設けられたリアばねブラケットと、一方の端部がフロントパネルに、他方の端部がリアばねブラケットにそれぞれ係止されたばねとからなることを特徴とする請求項1記載のシート。
【請求項4】 前記クッションパッド支持部は、前記フロントパネルと前記後部補強部材とに係合する板材であることを特徴とする請求項1記載のシート。
【請求項5】 前記クッションパッド支持部と、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とを一体化したことを特徴とする請求項1記載のシート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に設けられるシートに関する。
【0002】
【従来の技術】次に、図面を用いて従来例を説明する。図7は従来のシートの分解斜視図である。
【0003】図において、一対のシートトラック1,1′は、フロア側に固着される第1のレール3,3′と、第1のレール3,3′に移動可能に係合した第2のレール5,5′とからなっている。
【0004】これらシートトラック1,1′の第2のレール5,5′には、一対のロアアーム7,7′が取り付けられる。ロアアーム7,7′の前部の対向する面には、フロントクッションパンブラケット9,9′が、ロアアーム7,7′の後部の対向する面には、リアクッションパンブラケット11,11′がそれぞれ取り付けられている。
【0005】座面となるシートクッション13は、ロアアーム7間を橋渡しするように、フロントクッションパンブラケット9,9′及びリアクッションパンブラケット11,11′上に取り付けられている。
【0006】シートクッション13は、クッションパッド17と、クッションパッド17を覆う表皮19と、クッションパッド17を支持するクッションパン15とからなっている。
【0007】更に、クッションパン15は、薄板をプレス成形して製造されるもので、着座者の臀部が載置される部分には、乗り心地を良くするためのダンパとして機能するSばね21がシートトラックの移動方向と直交する方向に設けられている。
【0008】又、図8に示すように、表皮19の下部は、クッションパン15の下部に巻き込まれている。23は、シートトラック1,1′の後部を橋渡しするように設けられ、シートの剛性を高める後部補強部材としてのロッドである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成のシートは、多くの部品で構成されているため、重量が重くなり、コストも高くなる問題点がある。
【0010】又、例えば、クッションパッド支持部としてのSばねが、シートトラックの移動方向と直交する方向に設ける構成からシートトラックの移動方向と同じ方向に設ける構成へ変更する場合には、クッションパン15ごと作り直さなければならない。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、軽量で、低コストなシートを提供することにある。第2の目的は、クッションパッド支持部の変更が容易なシートを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1記載の発明は、フロア側に固着された第1のレールと、該第1のレールに移動可能に係合した第2のレールとからなる一対のシートトラックと、前記シートトラックの第2のレールに設けられた一対のロアアームと、該ロアアームの前部間を橋渡しするように設けられたフロントパネルと、前記ロアアームの後部間を橋渡しするように設けられた後部補強部材と、前記一対のロアアーム,前記フロントパネル,前記後部補強部材によって形成される空間内に、前記フロントパネルと協働してクッションパッドを支持するクッションパッド支持部を設けたことを特徴とするシートである。
【0013】一対のロアアームと、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とによって形成される空間内にクッションパッド支持部を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0014】又、クッションパッド支持部は、一対のロアアームと、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とによって形成される空間内に形成されることにより、クッションパッド支持部の変更が容易となる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明でのクッションパッド支持部は、前記一対のロアアームに設けられた第1及び第2のばねブラケットと、一方の端部が第1のばねブラケットに、他方の端部が第2のばねブラケットにそれぞれ係止されたばねとからなるシートである。
【0016】ばねを用いて、クッションパッドを支持することにより、乗り心地が良好となる。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明でのクッションパッド支持部は、前記フロントパネルに設けられたフロントばねブラケットと、前記後部補強部材に設けられたリアばねブラケットと、一方の端部がフロントばねブラケットに、他方の端部がリアばねブラケットにそれぞれ係止されたばねとからなるシートである。
【0017】ばねを用いてクッションパッドを支持することにより、乗り心地が良好となる。請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明でのクッションパッド支持部は、前記フロントパネルと前記後部補強部材とに係合する板材であるシートである。
【0018】板材を用いることにより、コストを低くできる。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の前記クッションパッド支持部と、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とを一体化したことを特徴とするシートである。
【0019】クッションパッド支持部と、フロントパネルと、後部補強部材とを一体化したことにより、更にコストを低くできる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(1) 第1の実施の形態例本発明の第1の実施の形態例のシートの分解斜視図である図1において、一対のシートトラック51,51′は、フロア側に固着される第1のレール53,53′と、第1のレール53,53′に移動可能(図において矢印A方向)に係合した第2のレール55,55′とからなっている。
【0021】これらシートトラック51,51′の第2のレール55,55′には、一対のロアアーム57,57′が取り付けられる。ロアアーム57,57′の前部には、ロアアーム57,57′を橋渡しするようにフロントパネル60が設けられている。
【0022】又、59は、シートトラック51,51′の後部を橋渡しするように設けられ、シートの剛性を高める後部補強部材としてのロッドである。そして、一対のロアアーム57,57′と、フロントパネル60と、ロッド59とによって形成される空間内には、フロントパネル60と協働してクッションパッドを支持するクッションパッド支持部70が設けられる。
【0023】本実施の形態例のクッションパッド支持部70は、ロアアーム57,57′の中央部から後部にかけて取り付けられる第1のSばねブラケット62,第2のSばねブラケット62′と、一方の端部が第1のSばねブラケット62に、他方の端部が第2のSばねブラケット62′にそれぞれ係止されたSばね65とからなっている。
【0024】そして、フロントパネル60及びクッションパッド支持部70上に、クッションパッド75が載置される。又、クッションパッド75を覆う表皮80の下部は、図2に示すように、ロアアーム57に設けられた取付金具82を用いてロアアーム57に係止されている。
【0025】尚、本実施の形態例では、ロアアーム57に表皮80の下部を係止する取付金具82を設けたが、図3に示すように、ロアアーム57に表皮取付部57aを設け、表皮取付部57aに表皮80の下部を係止するようにしても良い。
【0026】上記構成によれば、一対のロアアーム57,57′と、フロントパネル60と、ロッド59とによって形成される空間内にクッションパッド支持部を70を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0027】又、Sばね65を用いたことにより、乗り心地が良好となる。更に、従来のシートにおいては、クッションパッド支持部の構成を変更する場合、クッションパン自体から変更しなければならなかったが、本発明においては、クッションパッド支持部を、一対のロアアームと、フロントパネルと、ロッドとによって形成される空間内に形成することにより、クッションパッド支持部の変更が容易となる。
【0028】以下に説明する第2の実施の形態例及び第3の実施の形態例で変更が容易なことを説明する。
(2) 第2の実施の形態例図3は本発明の第2の実施の形態例を説明する分解斜視図である。尚、本実施の形態例と第1の実施の形態例との相違点はクッションパッド支持部であり、他の部分は同一なので、第1の実施の形態例と同一部分には、同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0029】本実施の形態例のクッションパッド支持部170は、ロッド59に取り付けられるリアばねブラケット100と、一方の端部がリアばねブラケット100に、他方の端部がフロントパネル60にそれぞれ係止されたSばね105とからなっている上記構成によれば、一対のロアアーム57,57′と、フロントパネル60と、ロッド59とによって形成される空間内にクッションパッド支持部を170を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0030】又、Sばね105を用いたことにより、乗り心地が良好となる。又、クッションパッド支持部を第1の実施の形態例から本実施の形態例の構成に変更する場合、第1の実施の形態例での第1及び第2のばねブラケット62,62′と、Sばね65の代わりに、リアばねブラケット100とSばね105を用いるだけで可能となる。
【0031】(3) 第3の実施の形態例図6は本発明の第3の実施の形態例を説明する分解斜視図である。尚、本実施の形態例と第1の実施の形態例との相違点はクッションパッド支持部であり、他の部分は同一なので、第1の実施の形態例と同一部分には、同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0032】本実施の形態例のクッションパッド支持部270は、フロントパネル60とロッド59とに係合する板材250とした。上記構成によれば、一対のロアアーム57,57′と、フロントパネル60と、ロッド59とによって形成される空間内にクッションパッド支持部を270を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0033】又、板材250を用いたことにより、低コストである。又、クッションパッド支持部を第1の実施の形態例から本実施の形態例の構成に変更する場合、第1の実施の形態例での第1及び第2のばねブラケット62,62′と、Sばね65の代わりに、板材250を用いるだけで可能となる(4) 第4の実施の形態例図6は本発明の第4の実施の形態例を説明する分解斜視図である。尚、図6において、第1の実施の形態例を説明する図1及び図2と同一部分には、同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0034】300は、ロアアーム57,57′の前部の間を橋渡しするように設けられたフロントパネル部301と、フロントパネル部301と協働してクッションパッド75を支持するクッションパッド支持部302と、ロアアーム57,57′の後部の間を橋渡しするように設けられた後部補強部303とからなクッションパッド支持部材である。
【0035】上記構成によれば、一対のロアアーム57,57′と、フロントパネル60と、ロッド59とによって形成される空間内にクッションパッド支持部材300を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0036】又、フロントパネル部301と、クッションパッド支持部302と、後部補強部303とを一体的に形成したことにより、第3の実施の形態例より更に低コストとなる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明によれば、一対のロアアームと、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とによって形成される空間内にクッションパッド支持部を設けることにより、従来用いられてきたクッションパンが不要となり、シートが軽量で低コストとなる。
【0038】又、クッションパッド支持部は、一対のロアアームと、前記フロントパネルと、前記後部補強部材とによって形成される空間内に形成されることにより、クッションパッド支持部の変更が容易となる。
【0039】請求項2及び請求項3記載の発明によれば、ばねを用いて、クッションパッドを支持することにより、乗り心地が良好となる。請求項4記載の発明によれば、板材を用いてクッションパッドを支持することにより、コストを低くできる。
【0040】請求項5記載の発明によれば、クッションパッド支持部と、フロントパネルと、後部補強部材とを一体化したことにより、更にコストを低くできる。
【出願人】 【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
【公開番号】 特開平11−178677
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−352796