| 【発明の名称】 |
座席の表皮支持構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 満
【氏名】田中 慎二
【氏名】日向野 裕士
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| 【要約】 |
【課題】座席のスライドファスナの端部を、座席の表皮の決まった位置に安定的に収めること及び収納後は引き出しにくい座席の表皮支持構造を提供すること。
【解決手段】座席20を構成するシートバック3の表皮7に切り欠き8が形成され、該切り欠き8の双方に支持されるスライドファスナ9のエレメント11同士がスライダー12によって噛合解離可能なると共に該エレメント11の端部が前記シートバック3の端部3aより延在されてなり、エレメント11の一方の端部11aが、前記表皮7の裏面側に折り返して該表皮7に支持されてなること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 座席を構成するシートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の表皮に切り欠きが形成されてなり、該切り欠きの双方に支持されるスライドファスナのエレメント同士がスライダーによって噛合されることで該切り欠きが閉じられ且つ解離されることで該切り欠きが開かれると共に該エレメントの端部が前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる座席の表皮支持構造において、前記エレメントの一方の端部が、前記表皮の裏面側に折り返して該表皮に支持されてなることを特徴とする座席の表皮支持構造。 【請求項2】 請求項1に記載の座席の表皮支持構造であって、前記エレメントは、布状のテープに断続的に支持されてなり、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の部位では、前記切り欠きの縁部の外側面側且つ自由端側に該テープが支持され、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる部位では、前記切り欠きの縁部の内側面側且つ自由端部より離間した部位に支持されてなり、適宜の位置で前記テープを捻転させてなることを特徴とする座席の表皮支持構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の座席、特に、パッドを張った状態で覆う表皮の着脱性向上のために、表皮に切り込みを形成して、該切り込みに支持したファスナを締めることにより、該表皮を緊張した状態でパッドに保持できる座席の表皮支持構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の座席1は、図6に示すように、シートクッション2及びシートバック3よりなり、夫々の構成部材は、図示しないフレームと、該フレームを覆うクッション性を有するポリウレタンフォームなどにより成形されてなるパッド4、5と、該パッド4、5を覆う布などの表皮6、7とよりなる(類似技術として実開平6ー38794号公報参照)。 【0003】前記表皮6、7の内、例えばシートバック3に設けられる表皮7は、前記パッド5の上に被せるに際し、意匠上乗員などから見えやすい部位、例えば両肩部7a,7a(一方の肩部7aのみを示し、他方側の肩部7aは図示を省略した)を袋状にし、後部面7bに左右に離間した切り欠き8を形成している。 【0004】該表皮7の後部面7bの後部RR側の面には、図7に示すように、スライドファスナ9のテープ10、10が前記切り欠き8に沿って縫製Hにより固定されてなる。該テープ10、10夫々の離れた側の縁部10b、10bには、エレメント11、11が固設されてなる。該エレメント11、11の上端部には、予めスライダー12が噛合されてなる。 【0005】前記スライドファスナ9の下端部9a、つまり、テープ10の下端部10aは、図6に示すように、前記シートバック3の下端部3aの位置より更に寸法H分垂下した位置にあり、該下端部9aには、ストッパ13が設けられる。 【0006】該ストッパ13は、図8に示すように、前記シートバック3の表皮7の後部面7b側のテープ10の下端部10aに固持された第1補強用テープ14に支持されてなリ且つ前記エレメント11と一体の蝶棒15と、前記シートバック3の表皮7の側部面7c側のテープ10の下端部10aに固持された第2補強用テープ16に支持されてなリ且つ前記エレメント11と一体の箱棒17とよりなる。 【0007】前記スライドファスナ9の蝶棒15を持って、第1補強用テープ14を、図9に示すように、手前側に捻転させる。次に、図10に示すように、スライダー12を下端部9aまで下方DWに移動させることで、エレメント11上を移動させると、該エレメント11、11が噛合されることで、切り欠き8を締める状態にすることができる。こうして、表皮7の後部面7bと表皮7の側部面7c,7c(一方の側部面7cのみを示し、他方側の側部面7cは図示を省略した)が一体になる。前記スライダー12によって、該エレメント11、11が解離することで、切り欠き8を開く状態にすることができる。 【0008】続いて、図12に二点鎖線で示すように、前記シートバック3の下端部3aより垂下されてなる前記スライドファスナ9の下端部9aを、図11の破線及び図12の実線で示すように、該表皮7の後部面7bとシートバック3の下端部3aとの間に形成した隙間18から、表皮7の裏面側に押し込むことで、あたかも前記スライドファスナ9の下端部9aは、前記シートバック3の下端部3aと同一位置にあるような印象を与えるようにしている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のスライドファスナ9の下端部9aは、前記シートバック3の表皮7の裏面側に押し込まれているだけであるので、図11に矢印で示すように、前記シートバック3の表皮7の裏面内で、スライダー12の摘み12aが自由に動き得る状態にあり、該摘み12aが自動車の走行振動などによって異音を発生させるおそれがあり、改善が求められている。 【0010】また、前記シートバック3を組立て製造する過程で、前記スライドファスナ9の下端部9aを、前記シートバック3の表皮7の裏面内に隙間18より押し込むことになるが、その押し込む位置が、作業者によって、また時によって異なり、安定的な押し込む位置が定まっていず、改善が求められている。 【0011】また、前記表皮7の後部面7bと前記表皮7の下面7dとの間に形成した隙間18内には、容易に手を差し込むことが可能であるので、座席1を自動車に搭載した後に、子どもなどが、その手を該隙間18に挿入して、前記スライドファスナ9の下端部9aを引っ張ると、それにつれて、スライドファスナ9を引き出すことが可能であり、改善が求められている。 【0012】前記した発明が解決しようとする課題は、シートバック3独特の課題ではなく、シートクッション2でも有する課題である。かかる場合、シートバック3の下端部3aは、シートクッション2の後端部或いは前端部と読み替え、表皮7の肩部7a、後部面7bは、夫々表皮6の前端部或いは後端部のコーナー部、下部面と読み替え、スライドファスナ9の下端部9aは、スライドファスナ9の後端部或いは前端部と読み替え、テープ10の下端部10aは、テープ10の後端部或いは前端部と読み替えることで、理解できよう。 【0013】本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、スライドファスナの端部を、座席の表皮の決まった位置に安定的に収めることを可能にすると共に収納後は引き出しにくい座席の表皮支持構造を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、座席を構成するシートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の表皮に切り欠きが形成されてなり、該切り欠きの双方に支持されるスライドファスナのエレメント同士がスライダーによって噛合されることで該切り欠きが閉じられ且つ解離されることで該切り欠きが開かれると共に該エレメントの端部が前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる座席の表皮支持構造において、前記エレメントの一方の端部が、前記表皮の裏面側に折り返して該表皮に支持されてなることを特徴とする。 【0015】請求項1の発明によれば、前記スライドファスナのスライダーを操作してエレメントを噛合させれば、折り返した一方側のエレメントによって、表皮の裏側にスライダーが案内され、スライドファスナの端部を、座席の表皮の決まった位置に安定的に収めることが可能になると共に収納後は該スライダーが引き出しにくいことになる。 【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載の座席の表皮支持構造であって、前記エレメントは、布状のテープに断続的に支持されてなり、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の部位では、前記切り欠きの縁部の外側面側且つ自由端側に該テープが支持され、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる部位では、前記切り欠きの縁部の内側面側且つ自由端部より離間した部位に支持されてなり、適宜の位置で前記テープを捻転させてなることを特徴とする。 【0017】請求項2の発明によれば、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の部位では、前記切り欠きの縁部の外側面側にあるエレメントをスライダーによって噛合させれば、前記切り欠きによって分断された表皮が一体になり、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる部位では、前記切り欠きの縁部の内側面側にあるエレメントに前記スライダーが案内されて、該スライダーは表皮の内側に移動し、該移動がテープの捻転によるからスムーズにできることになる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0019】図1乃至図5は、本発明の実施の形態を示し、図1は座席の斜め後部よりのスライドファスナを開いた状態での斜視図、図2は図1のスライドファスナの一方の下端部を折り返した状態の図1相当斜視図、図3は図2のA部分の拡大斜視図、図4は図2のX−X線に沿った断面図、図5は図2の状態からスライドファスナを閉じた状態での斜視図である。 【0020】符号20は、本発明の座席で、該座席20は、図1に示すように、シートクッション2及びシートバック3よりなり、夫々の構成部材は、図示しないフレームと、該フレームを覆うクッション性を有するポリウレタンフォームなどにより成形されてなるパッド4、5と、該パッド4、5を覆う布などの表皮6、7とよりなる。 【0021】前記表皮6、7の内、例えばシートバック3に設けられる表皮7は、前記パッド5の上に被せるに際し、意匠上乗員などから見えやすい部位、例えば両肩部7a,7a(一方の肩部7aのみを示し、他方側の肩部7aは図示を省略した)を袋状にし、後部面7bに左右に離間した切り欠き8を形成している。 【0022】該表皮7の後部面7bの後部RR側の面には、図4に示すように、スライドファスナ9のテープ10、10が前記切り欠き8に沿って縫製Hにより固定されてなる。該テープ10、10夫々の離れた側の縁部10b、10bには、エレメント11、11が固設されてなる。該エレメント11、11の上端部には、図1に示すように、予めスライダー12が噛合されてなる。 【0023】前記スライドファスナ9の下端部9a、つまり、テープ10の下端部10aは、図1に示すように、前記シートバック3の下端部3aの位置より更に寸法H分垂下した位置にあり、該下端部9aには、前記ストッパ13が設けられる。 【0024】前記エレメント11、11の一方(図2では左側)側のエレメント11は、図2乃至図4に示すように、表皮7の後部面7b及び側部面7c側に沿った位置にあっては、従来例で示したのと同じように、切り欠き8より離間した部位に支持されてなり、前記シートバック3の下端部3aより下側の位置にあっては、表皮7の側部面7cの下端部の近傍で、該側部面7cの裏面側に折り返す際に、前記テープ10を180度略水平方向に捻転させることで、前記エレメント11が前記切り欠き8と略同一の位置になるようにして、表皮7の側部面7cに縫製Hにより支持されてなる【0025】従って、本実施態様によれば、かかる構成よりなるから、前記スライドファスナ9の蝶棒15を持って、第1補強用テープ14を、手前側に捻転させる。次に、スライダー12を、エレメント11上を移動させることで、該エレメント11、11が噛合され、切り欠き8を締める状態にすることができる。こうして、表皮7の後部面7bと表皮7の側部面7c,7c(一方の側部面7cのみを示し、他方側の側部面7cは図示を省略した)が一体になる。前記スライダー12によって、該エレメント11、11が解離することで、切り欠き8を開く状態にすることができる。 【0026】該スライダー11は、エレメント11の下端部11aから折り返した一方側のエレメント11によって、表皮7の裏側に案内され、図5に示すように、スライドファスナ9の端部を、座席1の表皮7の決まった位置に安定的に収めることが可能になると共に収納後は該スライダー12が引き出しにくいことになる。 【0027】以上の説明は、座席1のシートバック3を代表して説明したが、本発明はシートバック3に限定するものではなく、シートクッション2にも適用できるものであり、シートバック3と同じ効果を有するものである。つまり、従来例の説明でも用いたように、下端部という表現を前端部又は後端部という上下関係から前後関係に読み替えれば、本発明の趣旨が理解されよう。 【0028】 【発明の効果】請求項1の効果は、前記スライドファスナのスライダーを操作してエレメントを噛合させれば、折り返した一方側のエレメントによって、表皮の裏側にスライダーが案内され、スライドファスナの端部を、座席の表皮の決まった位置に安定的に収めることが可能になると共に収納後は該スライダーが引き出しにくいことになる。 【0029】請求項2の効果は、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の部位では、前記切り欠きの縁部の外側面側にあるエレメントをスライダーによって噛合させれば、前記切り欠きによって分断された表皮が一体になり、前記シートクッション及びシートバックの少なくとも一方側の端部より延在されてなる部位では、前記切り欠きの縁部の内側面側にあるエレメントに前記スライダーが案内されて、該スライダーは表皮の内側に移動し、該移動がテープの捻転によるからスムーズにできることになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000210089 【氏名又は名称】池田物産株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−169263 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−343301 |
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