| 【発明の名称】 |
内歯式リクライニングデバイス |
| 【発明者】 |
【氏名】吉 田 知 徳
【氏名】江 口 森 幸
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| 【要約】 |
【課題】内歯式リクライニングデバイスを薄型化、小型化する。シートバックに後方負荷及び前方負荷が加えられた時に、ベース部材と回動アームとの間のガタを抑制し、着座者の不快感を防止する。
【解決手段】ベース部材1の凹部10内にインナーツース12A,12Bを案内側壁9a,9bで案内して摺動自在に配設する。インナーツース12A,12Bを摺動させるカム16を配設する。インナーツース12A,12Bの外歯13の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材1における凹部10の案内側壁9a,9b間の中心が同一の幅方向に微小間隔L1,またはL2ずらして形成する。回動アーム2に前後方向の負荷が加えられた際に、インナーツース12A,12Bをベース部材1における凹部10の一方の案内側壁9aで支持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シートクッションに固定されるベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アームと、前記ベース部材及び回動アーム間に介装された前記ベース部材に形成された凹部内にその案内側壁で進退自在に案内され且つ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、該摺動係止部材をその外歯が前記回動アームに形成した内歯に噛合するロック位置及び前記外歯が内歯から離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカムと、該カムを回動させる操作レバーとを少なくとも備えた内歯式リクライニングデバイスにおいて、前記摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されていることを特徴とする内歯式リクライニングデバイス。 【請求項2】 シートクッションに固定されるベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アームと、前記ベース部材及び回動アーム間に介装された前記ベース部材に形成された凹部内にその案内側壁で進退自在に案内され且つ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、該摺動係止部材をその外歯が前記回動アームに形成した内歯に噛合するロック位置及び前記外歯が内歯から離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカムと、該カムを回動させる操作レバーとを少なくとも備えた内歯式リクライニングデバイスにおいて、前記摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成されていることを特徴とする内歯式リクライニングデバイス。 【請求項3】 前記ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内歯式リクライニングデバイス。 【請求項4】 前記ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内歯式リクライニングデバイス。 【請求項5】 前記摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心を微小間隔ずらして形成することにより、前記ベース部材に形成された凹部内の何れか一方の案内側壁と摺動係止部材の何れか一方の側壁が当接状態となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内歯式リクライニングデバイス。 【請求項6】 シートクッションに固定されるベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アームと、前記ベース部材及び回動アーム間に介装された前記ベース部材に形成された凹部内にその案内側壁で進退自在に案内され且つ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、該摺動係止部材をその外歯が前記回動アームに形成した内歯に噛合するロック位置及び前記外歯が内歯から離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカムと、該カムを回動させる操作レバーとを少なくとも備えた内歯式リクライニングデバイスにおいて、前記摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成され、前記回動アームに前後方向の一方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材が前記ベース部材における凹部の一方の案内側壁で支持され、前記回動アームに前後方向の他方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材の外歯が前記ベース部材の係止歯部の少なくとも一箇所で噛合し得るようになされていることを特徴とする内歯式リクライニングデバイス。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シートクッションに対してシートバックを傾動させる内歯式リクライニングデバイスに係り、更に詳述すれば、シートクッションに固定されるベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アームと、前記ベース部材及び回動アーム間に介装された前記ベース部材に形成された凹部内にその案内側壁で進退自在に案内され且つ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、該摺動係止部材をその外歯が前記回動アームに形成した内歯に噛合するロック位置及び前記外歯が内歯から離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカムと、該カムを回動させるレバーとを少なくとも備えた内歯式リクライニングデバイスに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の内歯式リクライニングデバイスとしては、従来、図16(a),(b),(c)乃至図19に示すものが提案されている。 【0003】この従来例は、図16(a),(b),(c)に示すように、シートクッションに固定されるベース部材1と、このベース部材1に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アーム2と、前記ベース部材1及び回動アーム2間に介装された前記ベース部材1に形成された凹部10内にその案内側壁9a,9bで進退自在に案内され且つ先端に外歯13を形成した上下一対の摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bと、これらインナーツース12A,12Bをその外歯13がベース部材1に形成した係止歯部11a,11b及び前記回動アーム2に形成した内歯21aに夫々噛合するロック位置及びこれら係止歯部11a,11b及び内歯21aから離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカム16と、このカム16を回動させるレバー(図示せず)に連結された枢軸4とを少なくとも備えている。 【0004】そして、摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bのカム16側の対向端面には、その中央部に上下方向係止部14dが、この上下方向係止部14dの左右位置に左右方向係止部14a,14bが形成され、これら係止部14a,14b及び14dにカム16に形成した係止部16a,16b及び16dが係合することにより、インナーツース12A,12Bが外方のロック位置に移動してそれらの外歯13が回動アーム2の内歯21aに噛合し、これによりベース部材1に対する回動アーム2の回動が阻止されるロック状態に保持される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記従来の内歯式リクライニングデバイスにあっては、カム16によって摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bをロック位置とした時に、双方の係止部14a,14b及び14dと16a,16b及び16dが係合するので、インナーツース12A,12Bの左右方向及び上下方向が規制されて、回動アーム2に時計方向に過大な外力が作用した時に、摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bに作用する回転力に抗する保持力を確保することができ、摺動係止部材の変形や傾きを確実に防止して、案内側壁やカムの圧壊を防止することができる利点がある。 【0006】ところが、ベース部材1の案内側壁9a,9bとインナーツース12A,12Bの側壁とは、製造時の寸法バラツキを吸収するために、図17に示すように、ある程度のクリアランスが必要であり、これら間にガタが生じると共に、強度を確保するために回動アーム2とインナーツース12A,12Bとの噛合を確実にさせることからベース部材1の係止歯部11a,11bのピッチ円は図18及び図19に示すように回動アーム2の内歯21aのピッチ円以上の径に選定されており、ベース部材1及びインナーツース12A,12B間でガタが生じる。 【0007】このように、ベース部材1及びインナーツース12A,12B間で微少なガタが生じると、回動アーム2に取付けられたシートバックの上端ではかなり大きなガタに拡大されることになり、シートバックに後方負荷及び前方負荷が加えられた時に着座者に不快感を与えると共に、商品価値が低下するという未解決の課題がある。 【0008】本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、薄型化が図れ、小型化することができ、ロック状態におけるベース部材と回動アームとの間のガタを抑制し、シートバックに後方負荷及び前方負荷が加えられた時に、着座者の不快感を防止すると共に、商品価値を向上させることができる内歯式リクライニングデバイスを提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記未解決の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る内歯式リクライニングデバイスは、シートクッションに固定されるベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され且つシートバックに固定された回動アームと、前記ベース部材及び回動アーム間に介装された前記ベース部材に形成された凹部内にその案内側壁で進退自在に案内され且つ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、該摺動係止部材をその外歯が前記回動アームに形成した内歯に噛合するロック位置及び前記外歯が内歯から離間するロック解除位置間で移動させる回動可能なカムと、該カムを回動させる操作レバーとを少なくとも備えた内歯式リクライニングデバイスにおいて、前記摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されていることを特徴とする。 【0010】請求項1の発明においては、摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されているので、操作レバーを操作して、カムを回動させることにより、摺動係止部材を移動させて、その先端に形成された外歯を回動アームの内歯に噛合させるロック状態とすることができる。このロック状態では、摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されていることにより、摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の側壁に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0011】また、請求項2に係る内歯式リクライニングデバイスは、前記摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成されていることを特徴とする。 【0012】この請求項2の発明においては、摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成されているので、複数の摺動係止部材がカムによって押圧されてロック位置となった時に、複数の摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の一方の側壁に上下方向で同一方向に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0013】また、請求項3に係る内歯式リクライニングデバイスは、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていることを特徴とする。 【0014】この請求項3の発明においては、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されているので、ベース部材における凹部の側壁の高さを低くしても確実な噛合状態を得ることができ、ベース部材の薄型化が図れ、ベース部材と回動アームとの間のガタが更に解消される。 【0015】また、請求項4に係る内歯式リクライニングデバイスは、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていないことを特徴とする。 【0016】この請求項4の発明においては、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていないので、簡易構造の経済性に優れた内歯式リクライニングデバイスを得ることができ、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0017】また、請求項5に係る内歯式リクライニングデバイスは、前記摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心を微小間隔ずらして形成することにより、前記ベース部材に形成された凹部内の何れか一方の案内側壁と摺動係止部材の何れか一方の側壁が当接状態となることを特徴とする。 【0018】この請求項5の発明においては、ベース部材における凹部の案内側壁間の中心を微小間隔ずらして形成することにより、前記ベース部材に形成された凹部内の何れか一方の案内側壁と摺動係止部材の何れか一方の側壁が当接状態となるので、複数の摺動係止部材がカムによって押圧されてロック位置となった時に、複数の摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の一方の側壁に上下方向で同一方向に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0019】また、請求項6に係る内歯式リクライニングデバイスは、前記摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成され、前記回動アームに前後方向の一方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材が前記ベース部材における凹部の一方の側壁で支持され、前記回動アームに前後方向の他方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材の外歯が前記ベース部材の係止歯部の少なくとも一箇所で噛合し得るようになされていることを特徴とする。 【0020】この請求項6の発明においては、回動アームに前後方向の一方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材が前記ベース部材における凹部の一方の側壁で支持され、前記回動アームに前後方向の他方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材の外歯が前記ベース部材の係止歯部の少なくとも一箇所で噛合し得るようになされているので、シートバックに前後方向の何れの方向から負荷が加えられても、ベース部材と回動アームとの間にガタを発生させる虞れがない。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内歯式リクライニングデバイスを図面を参照して説明する。図1乃至図3は、本発明の実施の形態を示す分解斜視図、正面図及びそのA部拡大図であり、シートクッション(図示せず)の側部に固定されるベース部材1に対してシートバック(図示せず)の側部に取付けられた回動アーム2が操作レバー3に固着された枢軸4を中心として回動自在に保持されている。 【0022】ベース部材1は、図1乃至図4に示すように、シートクッションのフレームに固定される取付部6a,6bと、その上方に形成された中央部に枢軸4を挿通する挿通孔7を形成した円形凹部8とが形成されている。 【0023】円形凹部8の底板部8aの中央部には、この円形凹部8の中心点を通る垂線と平行な上下に延長する左右一対の案内側壁9a,9bとこれら案内側壁9a,9bの上端及び下端に連接された上記中心点を中心とする円弧でなる円弧状側壁9c,9dとから略長方形状に形成された凹部10が形成されている。ここで、円弧状側壁9c,9dには図2に示すように夫々後述する摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bの外歯13と噛合する係止歯部11a,11bが形成されている。 【0024】そして、凹部10内に摺動係止部材としての上下一対のインナーツース12A,12Bが案内側壁9a,9bによって案内されて半径方向に進退自在に配設されている。これら摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bには、その外周側に外歯13が形成されていると共に、内周側にカム面14が形成されている。 【0025】図5乃至図7に示すように、前記複数のインナーツース12A,12Bの外歯13の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材1における凹部10の案内側壁9a,9b間の中心(中心線)が同一の幅方向に微小間隔L1ずらして形成されている。前記微小間隔L1は、本実施の形態では、例えば0.005mm程度である。尚、前記インナーツース12A,12Bの外歯13の歯部基準とベース1の係止歯部11a,11bの歯部基準とは同一に形成されている。 【0026】そして、インナーツース12A,12Bの夫々のカム面14は、挿通孔7の中心を中心として点対称に形成され、内周面の左右端部側に対称に形成された内方に行くに従い上下方向の外方に傾斜する略45度の係止部14a,14bと、この係止部14aから時計方向に形成された外方に弯曲する弯曲部14cと、この弯曲部14cの端部に形成された水平方向に延長する係止部14dと、この係止部14dから時計方向に係止部14bに至って外方に鉤状に弯曲形成された弯曲部14eとで構成されている。 【0027】更に、凹部10のインナーツース12A,12B間には、枢軸4に形成された二面幅に嵌合して回動されるカム16が配設されている。このカム16は、各インナーツース12A,12Bに対向する面に夫々、カム面14の係止部14a,14bに当接する係止部16a,16bと、係止部16aから時計方向に内方側に弯曲する弯曲部16cと、この弯曲部16cの端部に形成された係止部14dに当接する係止部16dと、この係止部16dより時計方向に外方に鉤状に突出形成された突出部16eと、この突出部16eと係止部16b間に形成された内方に弯曲する弯曲部16fとを有するカム面が形成されている。 【0028】回動アーム2は、上端側にシートバックに取付ける取付穴18が形成された取付部2Aと、この取付部にリベットによって一体に固定された回動部2Bとで構成され、回動部2Bの下端側にベース部材1の凹部10の円弧状側壁9c,9dの半径と同一半径の円筒状凹部19を有し、この円筒状凹部19の中央部に前述した枢軸4を挿通する挿通孔20が形成されていると共に、円筒状凹部19を形成する内壁に上述したインナーツース12A,12Bの外歯13に噛合する内歯21aが形成されている。 【0029】そして、ベース部材1及び回動アーム2は、図1に示すように、二面幅を有する枢軸4をベース部材1の外側から挿通孔7、カム16及び回動アーム2の回動部2Bの挿通孔20に挿通した状態で操作レバー3の挿通孔22に嵌挿されて一体化されている。 【0030】そして、操作レバー3とベース部材1に取付けたホルダー23との間にコイルスプリング25が介挿され、このコイルスプリング25によって操作レバー3及び枢軸4が図1で見て反時計方向に付勢されている。 【0031】更に、回動アーム2は、ホルダー23に中心側端部が固定された渦巻き状のリターンスプリング26の外周端が係止されることにより、シートバックをシートクッション側に付勢するように、図1で見て反時計方向に付勢されている。 【0032】次に、前記実施の形態の動作を説明する。今、図1に示すように、枢軸4がコイルスプリング25によって反時計方向に付勢されてホルダー23に係合しているものとする。この状態では、カム16の係止部16a,16b及び16dが夫々図14(a)に示すようにインナーツース12A,12Bのカム面14の係止部14a,14b及び14dに当接する反時計方向回動位置をとる。 【0033】このため、インナーツース12A,12Bがベース部材1の凹部10の案内側壁9a,9bに案内されて夫々外方に摺動し、その先端部に形成された外歯13が回動アーム2における回動部2Bの内歯21aとベース部材1の係止歯部11a,11bとに夫々噛合した状態となっている。 【0034】図7に示すように、複数のインナーツース12A,12Bの外歯13の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材1における凹部10の案内側壁9a,9b間の中心が同一の幅方向に微小間隔L1ずらして形成されているので、外歯13と回動アーム2の内歯21aとの噛合状態では、案内側壁9aとインナーツース12A,12Bの側壁との間のクリアランスは0であり、案内側壁9bとインナーツース12A,12Bとの間にはクリアランスが形成されている。 【0035】また、図5に示すように、ロック解除状態では、案内側壁9a,9bとインナーツース12A,12Bの側壁との間には夫々クリアランスが形成されている。このロック解除状態より、図6に示す如く、インナーツース12A,12Bをロック方向に移動させると、外歯13と内歯21aとが噛合を開始する迄の間ではインナーツース12A,12Bがその左右側壁を案内側壁9a,9bと略平行とした状態で外方に移動する。 【0036】然し乍ら、外歯13と内歯21aとが当接すると、インナーツース12A,12Bの直進が阻止されることにより、外歯13と内歯21aの噛合開始点を中心としてインナーツース12A,12Bが図6で見て案内側壁9a側に微小間隔L1移動することにより、製造公差によるクリアランスを越えてインナーツース12A,12Bの左側壁が夫々同一方向に移動し、インナーツース12A,12Bの左側壁が夫々案内側壁9aに当接する。 【0037】この結果、ベース部材1の係止歯部11a,11bとインナーツース12A,12Bの外歯13とがピッチ円差によって確実に噛合していない状態であっても、ベース部材1に対する回動アーム2のロック状態を維持する。 【0038】即ち、このロック状態では、インナーツース12A,12Bの一方の側壁部がベース部材1の凹部10の案内側壁9a,9bの一方に確実に当接していると共に、外歯13が回動アーム2における回動部2Bの内歯21aに噛合しており、インナーツース12A,12Bとベース部材1及び回動アーム2との間にガタが生じることを確実に防止することができ、ベース部材1と回動アーム2とのロック状態を良好に確保することができる。 【0039】このロック状態から操作レバー3をコイルスプリング25に抗して図1で見て時計方向に回動させると、これに応じてカム16も図14(b)に示すように時計方向に回動することにより、カム16の係止部16a,16b及び16dがインナーツース12A,12Bのカム面14の係止部14a,14b及び14dとの係止状態を脱することになる。 【0040】このロック解除状態でシートバックを所望の傾動角に傾動させると、これに応じて回動アーム2が回動し、これによってその内歯21aからインナーツース12A,12Bに伝達される力によって、インナーツース12A,12Bが夫々内方に摺動し、内歯21aとインナーツース12A,12Bの外歯13との噛合状態が解除されることによりロック状態が解除され、シートバックを所望傾動角に傾動させることができる。 【0041】そして、シートバックの所望傾動角への傾動が終了したら、操作レバー3の回動を解除することにより、カム16が反時計方向に回動することにより、インナーツース12A,12Bを夫々半径方向である外方に摺動させて、その外歯13をベース部材1の凹部10における係止歯部11a,11b及び回動アーム2の内歯21aに噛合させることによりロック状態に復帰する。 【0042】このロック状態で、例えば衝突事故によってシートバックに後方側への過大な衝撃力が作用した場合には、この衝撃力が回動アーム2に伝達されて、これが時計方向に回動しようとする。この回動アーム2の時計方向の回動力は、その内歯21aに外歯13が噛合しているインナーツース12A,12Bに伝達されて、これらに時計方向の回転力が作用することになる。 【0043】このように、各インナーツース12A,12Bに時計方向の回転力が作用すると、例えばインナーツース12Bでは、インナーツース12Bの左右側部12a,12bの上端側内周面において、係止部14a,14b及び14dがカム16の係止部16a,16b及び16dに夫々接触しているので、係止部14b,16bによって左側部12aの上方への移動と内方への移動が確実に規制され、係止部14a,16aによって右側部12bの上方への移動と内方への移動が確実に規制される。 【0044】図8及び図9には、本発明の異なる実施の形態が夫々示されており、前述せる実施の形態と対応する部分には同一符号を付してこれ以上の詳細説明はこれを省略するも、前記ベース部材1に前記摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bの外歯13が噛合する係止歯部11a,11bが形成されていないものである。この実施の形態では、簡易構造の経済性に優れた内歯式リクライニングデバイスを得ることができ、ベース部材1と回動アーム2との間のガタが解消される。 【0045】尚、前記実施の形態においては、夫々一対のインナーツース12A,12Bを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インナーツース12A,12Bの何れか一方を省略することもでき、更には所定角間隔を保って放射状に3組以上のインナーツースを設けるようにしてもよい。 【0046】また、図10乃至図13には、本発明の更に異なる実施の形態が夫々示されており、前述せる実施の形態と対応する部分には同一符号を付してこれ以上の詳細説明はこれを省略するも、複数のインナーツース12A,12Bの外歯13の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材1における凹部10の案内側壁9a,9b間の中心が同一の幅方向に微小間隔L2ずらして形成されている。前記微小間隔L2は、本実施の形態では、例えば0.1mm程度と前記実施の形態より大きく形成されている。 【0047】従って、図13に示す如く、前記回動アーム2に前後方向の一方向の負荷、例えば後方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材としてのインナーツース12A,12Bが前記ベース部材1における凹部10の一方の側壁9aで支持され、ガタの発生がなく、前記回動アーム2に前後方向の他方向の負荷、例えば前方向の負荷が加えられた際に、前記インナーツース12A,12Bの外歯13が前記ベース部材1の係止歯部11a,11bの少なくとも一箇所で噛合しているので、同様にガタの発生がないものである。 【0048】更に、上記実施の形態では、シートクッション及びシートバックの片側にリクライニング機構を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図15に示すように、シートクッション及びシートバックの反対側にもベース部材1及び回動アーム2を対称的に配置し、これらの枢軸を連結ロッド30によって連結することにより、シートの両側にロック機構を設けるようにしてもよい。 【0049】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されているので、操作レバーを操作して、カムを回動させることにより、摺動係止部材を移動させて、その先端に形成された外歯を回動アームの内歯に噛合させるロック状態とすることができる。このロック状態では、摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が微小間隔ずらして形成されていることにより、摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の側壁に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタを確実に防止することができ、着座者の不快感を確実に防止することができると共に、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。 【0050】また、請求項2に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成されているので、複数の摺動係止部材がカムによって押圧されてロック位置となった時に、複数の摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の一方の側壁に上下方向で同一方向に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタを確実に防止することができ、着座者の不快感を確実に防止することができると共に、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。 【0051】また、請求項3に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されているので、ベース部材における凹部の側壁の高さを低くしても確実な噛合状態を得ることができ、ベース部材の薄型化が図れ、ベース部材と回動アームとの間のガタを更に確実に防止することができ、着座者の不快感を確実に防止することができると共に、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。 【0052】また、請求項4に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、ベース部材に前記摺動係止部材の外歯が噛合する係止歯部が形成されていないので、簡易構造の経済性に優れた内歯式リクライニングデバイスを得ることができ、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0053】また、請求項5に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、ベース部材における凹部の案内側壁間の中心を微小間隔ずらして形成することにより、前記ベース部材に形成された凹部内の何れか一方の案内側壁と摺動係止部材の何れか一方の側壁が当接状態となるので、複数の摺動係止部材がカムによって押圧されてロック位置となった時に、複数の摺動係止部材の一方の側壁が必ずベース部材の凹部の一方の側壁に上下方向で同一方向に当接することになり、ベース部材と回動アームとの間のガタが解消される。 【0054】また、請求項6に係る内歯式リクライニングデバイスによれば、前記摺動係止部材が複数設けられ、前記複数の摺動係止部材の外歯の幅方向中心のピッチ円の中心点を通る垂線に対して前記ベース部材における凹部の案内側壁間の中心が同一の幅方向に微小間隔ずらして形成され、前記回動アームに前後方向の一方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材が前記ベース部材における凹部の一方の側壁で支持され、前記回動アームに前後方向の他方向の負荷が加えられた際に、前記摺動係止部材の外歯が前記ベース部材の係止歯部の少なくとも一箇所で噛合し得るようになされているので、シートバックに前後方向の何れの方向から負荷が加えられても、ベース部材と回動アームとの間にガタを発生させる虞れがなく、着座者の不快感を確実に防止することができると共に、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。 【0055】本発明によれば、薄型化が図れ、小型化することができ、ロック状態におけるベース部材と回動アームとの間のガタを抑制し、シートバックに後方負荷及び前方負荷が加えられた時に、着座者の不快感を防止すると共に、商品価値を向上させることができる内歯式リクライニングデバイスを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000210089 【氏名又は名称】池田物産株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋山 修
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| 【公開番号】 |
特開平11−169253 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−362526 |
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