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【発明の名称】 むち打ち軽減ヘッドレスト
【発明者】 【氏名】西田 清美

【氏名】開田 優二

【要約】 【課題】人体頭部の衝突時のヘッドレストの変形量を低減することでむち打ちを軽減する。

【解決手段】表皮表面上の所定点Pに半球形状で重さ 6.8kgの頭部模型5を所定点Pの法線方向から所定点Pに速度6.2km/hrで衝突させ、頭部模型5が所定点Pに接触してからヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が40mm以下であり、かつそのときヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN以下であることを特徴とする。これにより人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変形量を小さくすることができ、むち打ちを軽減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袋状の表皮と、該表皮内に配置されステーをもつ芯材と、該表皮と該芯材の間に充填されたコア材とからなる車両用のヘッドレストにおいて、シートバックの最上部からの距離が最大となるように該ヘッドレストを使用した時に該ステーが該シートバックに係合保持される位置で該ステーの一端を固定し、人体頭部が当接する部分の該表皮表面上の所定点Pに半球形状で重さ 6.8kgの頭部模型を該所定点Pの法線方向から該所定点Pに速度6.2km/hrで衝突させる衝撃試験を行った場合に、該頭部模型が該所定点Pに接触してから該ヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの該所定点Pの移動量が40mm以下であり、かつ該衝撃試験時に該ヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN 以下であることを特徴とするむち打ち軽減ヘッドレスト。
【請求項2】前記コア材は反撥弾性率が30%以下のウレタンフォームからなることを特徴とする請求項1に記載のむち打ち軽減ヘッドレスト。
【請求項3】 前記芯材は棒材又はパイプ材からなり略U字形状をなすことを特徴とする請求項2記載のむち打ち軽減ヘッドレスト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車など車両の座席に設けられて人体頭部を支持するヘッドレストに関し、さらに詳しくは追突事故などの場合に人体頭部が衝突した衝撃を吸収して、むち打ち症を軽減できるむち打ち軽減ヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】衝突時の衝撃を吸収して人体を衝撃から保護するために、近年の自動車には種々の衝撃吸収装置が設けられている。例えばステアリングホイールやインストルメントパネルにはエアバッグが内蔵され、衝突時にエアバッグが瞬時に膨張することで乗員がステアリングホイールやインストルメントパネルに衝突するのを防止している。
【0003】また特開昭58-53560号公報には、エアピン孔をもつ中空蛇腹状の衝撃吸収体を備えたステアリングホイールが提案されている。この提案によれば、衝撃が加わり衝撃吸収体が圧縮された際に、エアピン孔から空気を逃散させつつ空気圧縮抵抗で衝撃エネルギーを吸収することができる。したがってスプリングバック(反力)が生じることなく、衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0004】さらに、ドアトリムの衝撃吸収構造として、図3に示す技術も知られている。この衝撃吸収構造は、ドアトリム 100の腰部 101内に配設される腰部衝撃吸収部材 102と、肩部 103内に配設される肩部衝撃吸収部材 104から構成されている。両衝撃吸収部材 102,104はそれぞれウレタンフォームからなり、取付部位の内面形状に対応する取付面を有してブロック状に形成されている。
【0005】この衝撃吸収構造は、ドア側面から加わる衝撃エネルギーにより両衝撃吸収部材 102,104が座屈することで、その衝撃エネルギーを吸収しようとするものである。また自動車のヘッドレストは、内部に芯材を有し表面に表皮体が被覆された発泡成形体から形成されている。発泡成形体としてはウレタンフォームが主流であり、表皮体の皺を防止して外観品質を高くするために、あるいは使用フィーリングを高くするために、反撥弾性率が50%以上のウレタンフォームが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでむち打ち症に影響を与える要因としては、追突時などにヘッドレストに人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変形量と、ヘッドレストの反撥弾性による人体頭部のリバウンド量が大きな因子である。つまりヘッドレストの変形量が大きい場合、及びリバウンド量が大きい場合には、人体頭部の衝突時に頸椎を中心とした頭部の揺動幅が大きくなってむち打ち症になり易い。
【0007】このうちヘッドレストの変形量は、人体頭部が接触する表面から芯材までの間に存在する発泡体の厚さが大きく影響する。つまり発泡体のその部分の厚さが厚くなると変形量も大きくなるから、その部分の厚さを薄くすれば変形量を小さくすることができる。しかし発泡体の厚さを薄くすると、通常の使用時に芯材の存在が感じられるようになって使用フィーリングが損なわれるという問題があり、その部分の発泡体の厚さは40mm以上が必要とされている。しかし従来のヘッドレストにおいては、この厚さでは人体頭部の衝突時の変形量が大きくなり、むち打ちを軽減することは困難である。
【0008】また発泡体の硬度を高くすれば、人体頭部が衝突した際の変形量を小さくすることが可能となる。しかしこの場合には最大発生荷重が大きくなり、しかも通常の使用時における使用フィーリングが損なわれるという問題がある。また特開昭58-53560号公報に記載されているようなエアピン孔をもつ衝撃吸収体を設けることも考えられるが、ヘッドレストの使用フィーリングが損なわれたり、外観が損なわれたりする場合があり、また変形量の低減という観点からは有効でない。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、使用フィーリングや外観品質を従来と同等に維持しつつ、人体頭部の衝突時のヘッドレストの変形量及びリバウンド量を低減することでむち打ちを軽減できるヘッドレストを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1に記載のむち打ち軽減ヘッドレストの特徴は、袋状の表皮と、表皮内に配置されステーをもつ芯材と、表皮と芯材の間に充填されたコア材とからなる車両用のヘッドレストにおいて、シートバックの最上部からの距離が最大となるようにヘッドレストを使用した時にステーがシートバックに係合保持される位置でステーの一端を固定し、人体頭部が当接する部分の表皮表面上の所定点Pに半球形状で重さ 6.8kgの頭部模型を所定点Pの法線方向から所定点Pに速度6.2km/hrで衝突させる衝撃試験を行った場合に、頭部模型が所定点Pに接触してからヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が40mm以下であり、かつ衝撃試験時にヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN 以下であることにある。
【0011】また請求項2に記載のむち打ち軽減ヘッドレストの特徴は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、コア材は反撥弾性率が30%以下のウレタンフォームからなることにある。さらに請求項3に記載のむち打ち軽減ヘッドレストの特徴は、請求項2に記載のヘッドレストにおいて、芯材は棒材又はパイプ材からなり略U字形状をなすことにある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のむち打ち軽減ヘッドレストでは、人体頭部が当接する部分に重さ 6.8kgの半球形状の頭部模型を速度6.2km/hrで衝突させた時に、頭部模型が所定点Pに接触してからヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が40mm以下であり、その衝突時にヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN以下としている。このようなヘッドレストとすることにより、人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変形量を小さくすることができ、むち打ちを軽減することができる。
【0013】ここで頭部模型としては、図2に示すように重さ 6.8kgの半球形状をなすものが用いられる。その半球部の曲率半径は82.5mmのものが望ましく、半球部の曲面部が所定点Pに衝突される。所定点Pの位置は、人体頭部が当接する部分の表皮表面上にあり、ヘッドレストを上下方向にほぼ均等に2分割する平面と左右方向に2分割する平面とが交差して形成される直線と表皮との交点とする。
【0014】そして試料としてのヘッドレストの人体頭部が当接する部分である所定点Pに、所定点Pの法線方向から頭部模型を速度6.2km/hrで衝突させる。このとき、頭部模型が所定点Pに接触してからヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が40mm以下であり、その衝突時にヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN 以下であれば、一般的な形状のヘッドレストを座席シートに取り付けて人体頭部が衝突したと想定した場合に、むち打ち軽減効果が絶大となる。
【0015】ここで頭部模型が衝突すると、ヘッドレストのコア材が変形するばかりでなく、芯材にも主として弾性変形が生じる。したがって頭部模型の移動量は、コア材の変形量と芯材の変形量との合計量となるから、頭部模型の移動量が所定点Pから芯材までの距離を超える場合もあり得る。上記衝撃試験においてヘッドレストの所定点Pの移動量が40mmを超えると、頭部の揺動量が大きくなってむち打ち軽減には適さない。また衝突時に発生する最大荷重が0.7kN を超えると、衝突時に人体頭部に損傷を与える可能性が高くなる。
【0016】請求項2にいう反撥弾性率は、JIS-K-6401に準じて下記のようにして測定される。
(1)試験機磁石又はその他の方法によって試験片の上面から 460mmの距離から、JIS-B-1501(玉軸受用鋼球)に規定する5/8並級の鋼球を回転しないように自由落下させる機構をもつ試験機を用いる。
(2)試験方法試験片を試験機の水平な台上に設置し、直径16mm、重さ 16.3gの鋼球を試験片の上面 460mmの距離から自由落下させ、その時の最高反撥距離を測定する。試験は、3個の試験片の各々について行うか、又は1個の試験片の3箇所についてそれぞれ3回以上行い、それぞれの回数のうち最高反撥距離を記録する。
(3)計算反撥弾性率Rは、次の式によって算出し、3個の平均値で表す。
【0017】R= 100×D1 /D0 [ここに、D0 :落下距離 460(mm)、D1 :反撥距離(mm)]
ところで、従来は反撥弾性率が50%以上でないと良好な使用フィーリングが得られないとされていた。しかしながら本発明者らの研究によれば、使用フィーリングを反撥弾性率のように鋼球を自由落下させるような大きな加速度で評価するのは不適当であって、より小さな加速度での衝突で評価されるべきものであることが明らかとなった。そしてコア材の発泡特性を適切に設定することにより、反撥弾性率を30%以下としても良好な使用フィーリングが得られることが明らかとなったのである。
【0018】そこで請求項2に記載の発明の最大の特徴は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、コア材は反撥弾性率が30%以下のウレタンフォームからなることとしている。すなわち反撥弾性率が30%以下の低反撥弾性コア材を用いることにより、使用フィーリングを良好に維持しつつスプリングバックを低減することが可能となる。つまり請求項1に記載の発明のヘッドレストに大きな衝撃が加わると、衝撃によりコア材全体が弾性変形する。このときコア材は30%以下の反撥弾性率を有しているため、弾性変形した後のスプリングバックが小さい。これによりむち打ち症が軽減される。
【0019】そして荷重が解除されると、コア材は徐々に元の形状に復元されるので、再びヘッドレストとしての使用が可能となる。なお、コア材の反撥弾性率が30%を超えると、スプリングバックが大きくなってむち打ち症の軽減が困難となる。請求項1に記載の発明のヘッドレストに用いられるコア材は、例えば熱可塑性エラストマ、シリコーンゲルなどから形成することもできるが、平均分子量が4000以下のポリオール成分を NCOインデックス60〜 110で反応させて発泡されたウレタンフォームから形成することが望ましい。このようなウレタンフォームを用いることにより、良好な使用フィーリングと耐スプリングバック性(スプリングバックの低減量が大きいこと)とを両立することができる。なお、平均分子量が3000以下のポリオール成分を用いることがさらに望ましい。
【0020】反撥弾性率が30%以下のウレタンフォームを形成するためには、ポリオール成分の平均分子量を4000以下(望ましくは3000以下)とする必要がある。ポリオール成分としては、フォームの基材となる比較的高分子量の主ポリオールの他に、比較的高分子量の補助ポリオール、架橋剤や鎖延長剤として機能する低分子量のポリオールなど、種々のポリオールを混合して用いられるが、これらのポリオールの数平均分子量とその配合割合から求められる算術平均値(平均分子量)を4000以下とすることにより、得られるウレタンフォームの反撥弾性率を30%以下とすることができる。
【0021】イソシアネートとしては、TDI、MDI、HMDIなど種々のイソシアネートを用いることができるが、TDIを用いると得られるウレタンフォームの反撥弾性率を30%以下に調製しやすく特に好ましい。NCOインデックスが60未満であると、ウレタンフォームの形成が困難となり、NCOインデックスが 110を超えるとウレタンフォームの反撥弾性率を30%以下とすることが困難となる。特に好ましい NCOインデックスの範囲は70〜95である。
【0022】ところで、コア全体が衝撃吸収特性を有するヘッドレストを提案してきたが、コア材の必要部位のみ衝撃吸収部材を設けることもできる。ヘッドレストには、座席シートに着脱自在に固定するために、一般に金属製のステーが固定されている。このステーはコア材内部に埋設された芯材と接続されている。この芯材としては、ステーと一体の棒材又はパイプ材からなる略U字型のものを用いるのが最も安価とすることができる。
【0023】しかしながら略U字型の芯材では、荷重を受ける面積が小さいため、ヘッドレストの変形量が大きくなり、むち打ち軽減には逆効果となると従来は考えられていた。そのため高価となるものの、荷重の受け面となる面構造をもつもの、あるいは棒材又はパイプ材からなる略M字型のものなどが広く用いられている。しかし請求項2に記載のヘッドレストにおいては、請求項3に記載のように、棒材又はパイプ材からなり略U字形状をなす芯材を用いても衝撃時のコア材への食い込み量を低くすることができ、ヘッドレストの変形量を小さくすることができるので、むち打ちを軽減することができる。また芯材のコストが安価であるので、コスト面からも好ましい。
【0024】
【実施例】以下、試験例及び実施例により本発明をより具体的に説明する。
(1)試験例<試験片A>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が3500のポリオール成分が57重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー43重量部と、水3重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは95である。得られた発泡体を厚さ30mmに切断し、試験片Aを得た。
【0025】<試験片B>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が3000のポリオール成分が69重量部と、TDI31重量部と、水 2.9重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは80である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Bを得た。
【0026】<試験片C>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が2600のポリオール成分が58.9重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー41.1重量部と、水4重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは80である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Cを得た。
【0027】<試験片D>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が1750のポリオール成分が72重量部と、TDI28重量部と、水 1.0重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは 110である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Dを得た。
【0028】<試験片E>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が4500のポリオール成分が66重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー44重量部と、水3重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは70である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Eを得た。
【0029】<試験片F>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が5000のポリオール成分が64.2重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー35.8重量部と、水3重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは80である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Fを得た。
【0030】<試験片G>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が2600のポリオール成分が48.8重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー51.2重量部と、水4重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは 120である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Gを得た。
【0031】<試験片H>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が1750のポリオール成分が76重量部と、TDI24重量部と、水 1.0重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは90である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Hを得た。
【0032】<試験片I>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が1750のポリオール成分が80重量部と、TDI20重量部と、水 1.1重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは70である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Iを得た。
【0033】<試験片J>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が1500のポリオール成分が82重量部と、TDI18重量部と、水 1.1重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは60である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Jを得た。
【0034】<試験片K>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が6000のポリオール成分が66重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー70重量%とTDI30重量%とからなるイソシアネート混合物34重量部と、水 2.2重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは95である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Kを得た。
【0035】<試験片L>各種ポリオールを混合して得られた平均分子量が6000のポリオール成分が56重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー85重量%とTDI15重量%とからなるイソシアネート混合物44重量部と、水 1.8重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは90である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Lを得た。
【0036】<試験>試験片A〜Lについて、密度を測定するとともに、厚さ方向に25%、50%及び75%圧縮するのに要する荷重を測定した。また前述した方法により反撥弾性率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

表1より、試験片A,B及び試験片Cのように、ポリオールの平均分子量が2000〜4000の範囲にあり、かつ NCOインデックスが60〜 110の範囲にあれば、反撥弾性率が20〜30%となり、使用フィーリングの良さと耐スプリングバック性とが両立している。しかし試験片Gのようにポリオールの平均分子量が2000〜4000の範囲にあっても、 NCOインデックスが 110を超えると反撥弾性率が35%と大きくなり、使用フィーリングは優れているものの耐スプリングバック性が低下していることがわかる。
【0038】そして試験片E,F,K,Lのように、ポリオールの平均分子量が4000を超えると反撥弾性率が35%以上となり、使用フィーリングは優れているものの耐スプリングバック性が低下していることがわかる。さらに原料の組成を試験片D,H,I,Jのようにすることにより、反撥弾性率をさらに低くすることができる。
(2)実施例及び比較例(実施例1)図1に本発明の一実施例の衝撃吸収ヘッドレストを示す。このヘッドレストは、略U字形状の鋼製の棒材からなり両端にステー10をもつ芯材1と、芯材1を被覆して型成形されたコア材2と、コア材2表面を被覆した袋状の表皮3とから構成されている。コア材2は、全体が試験片Cと同一組成のウレタンフォームから形成されている。
【0039】このヘッドレストは、芯材1を型内に配置し、発泡ウレタン樹脂を型内に注入して発泡成形することで芯材1とコア材2を一体化した後、別に形成された袋状の表皮3を被覆して製造された。なお、このヘッドレストは、芯材1と袋状の表皮3とを型内に配置し、発泡ウレタン樹脂を表皮3内に注入して発泡成形することで表皮3及び芯材1と一体的に接合したコア材2を形成することもできる。
【0040】得られたヘッドレストは、図2に示すようにステー10が治具4に固定された。すなわちヘッドレストは、人体頭部が当接する所定点Pが上方に位置し、所定点Pの法線が鉛直となるようにして、所定点Pからステー10の固定点までの水平距離Lが 183.5mmとなるように固定された。所定点Pから芯材1までの垂直方向の距離は40mmである。
【0041】なお所定点Pは、ヘッドレストを上下方向にほぼ均等に2分割する平面と左右方向に2分割する平面とが交差して形成される直線と、表皮3表面との交点とした。またステー10は、シートバックの最上部からの距離が最大となるようにヘッドレストを使用した時に、ステー10がシートバックに係合保持される位置が固定点とされている。そして図2の状態で、所定点Pからの法線が鉛直方向となっている。
【0042】そして、上方から重さ 6.8kgの頭部模型5を自然落下させて所定点Pに衝突させる衝撃試験を行う。ここで頭部模型5は曲率半径82.5mmの半球部50からなり、半球部50の球面が下方へ向かって自然落下される。なお半球部50には、反射鏡51と加速度計52が取り付けられている。そして頭部模型5の下方には光学距離センサ6が設けられ、反射鏡51と光学距離センサ6との距離が検出可能となっている。
【0043】そして頭部模型5を衝突速度6.2km/hrで所定点Pに衝突させたときに、頭部模型5が表皮3に接触してから跳ね返されるまでの頭部模型5の移動量を光学距離センサ6で測定するとともに、加速度計52により衝突時に発生する最大荷重を測定した。それぞれ2回の測定を行い、平均値を算出して結果を表2に示す。なお、厳密には所定点Pの移動量を測定するべきであるが、その測定は困難な場合が多い。そこで本実施例では頭部模型5の移動量を測定することとした。ステー10の撓みなどが加わって所定点Pが円弧状に移動したときに測定値との間に若干のずれが発生するが、実際には誤差範囲であり所定点Pの移動量≒頭部模型5の移動量となる。
【0044】また所定点Pをヘッドレストの上下方向(図2では紙面の左右方向)にそれぞれ30mmずらしたオフセット位置とし、その所定点Pに頭部模型5を衝突させ、同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
(実施例2)芯材1の形状を略M字形状としたこと以外は実施例1と同様のヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
【0045】(実施例3)芯材1の中央部に荷重の受け面となる面構造をもつ鉄製のアジャスタが保持されていること以外は実施例1と同様のヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
(比較例1)コア材2の全体を試験片Lと同一のウレタンフォームから形成したこと以外は実施例1と同様にしてヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
【0046】(比較例2)コア材2の全体を試験片Lと同一のウレタンフォームから形成したこと以外は実施例2と同様にしてヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)コア材2の全体を試験片Lと同一のウレタンフォームから形成したこと以外は実施例3と同様にしてヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】表2より実施例1〜3のヘッドレストは、頭部模型の移動量(すなわち所定点Pの移動量)が40mm以下であり、かつ最大発生荷重が0.7kN 以下であって、比較例1〜3のヘッドレストに比べていずれも小さい値を示し、むち打ち軽減効果に優れていることが明らかである。さらに実施例1のヘッドレストでは、略U字形状の芯材を用いているにもかかわらず、従来の面構造型の芯材を用いた比較例3に比べても高いむちうち軽減効果が得られ、芯材の単純化によるコスト低減を図ることができる。
【0049】また所定点Pを上下方向にそれぞれ30mmずらしたオフセット位置としても、頭部模型の移動量(すなわち所定点Pの移動量)が40mm以下であり、かつ最大発生荷重が0.7kN 以下であって、むち打ち軽減効果に優れていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】すなわち請求項1〜3に記載の衝撃吸収ヘッドレストによれば、使用フィーリングに優れ、かつ追突されたときにヘッドレストに加わる衝撃がコア材で吸収されるとともにコア材のスプリングバックが小さいため、むち打ちを軽減することができる。
【出願人】 【識別番号】000219668
【氏名又は名称】東海化成工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
【公開番号】 特開平11−155679
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−326447