| 【発明の名称】 |
リクライニングユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】持田 美喜雄
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、コンパクトでかつコストを低減できるリクライニングユニットを得ることにある。
【解決手段】座部側連結部54と背もたれ側連結部39とを備え、かつ、軸方向に移動される可動軸48を正逆回転可能なモータ33で移動させることにより両連結部39、54の間の距離を変化させて、背もたれの角度を調節するリクライニングユニットを前提とする。可動軸48が突没可能に収容される固定筒部47の外径より大径なコイルばね35を、固定筒部47の外周と可動軸とにわたって配置して、このばねで可動軸48を付勢する。ばねは、背もたれが倒れる時にエネルギーを蓄え、この蓄えたエネルギーを背もたれが起きる時に可動軸48に放出して、この軸を背もたれが起きる方向に移動さる。それにより、背もたれが起きる時のモータ33の負荷を減らすことを特徴としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】座部側連結部と背もたれ側連結部とを備え、かつ、軸方向に移動される可動軸を正逆回転可能なモータで移動させることにより前記両連結部間の距離を変化させて、前記背もたれの角度を調節するリクライニングユニットにおいて、前記両連結部間に、前記背もたれが倒れる時に付勢エネルギーを蓄えるとともに、前記背もたれが起きるときに前記蓄えた付勢エネルギーを前記可動軸に放出する付勢手段を設けたことを特徴とするリクライニングユニット。 【請求項2】前記付勢手段は前記可動軸が突没可能に収容される固定筒部の外径より大径なコイルばねであって、このばねを前記固定筒部の外周と前記可動軸とにわたって配置して前記可動軸を付勢したことを特徴とする請求項1記載のリクライニングユニット。 【請求項3】前記付勢手段は前記可動軸が突没可能に収容される固定筒部の内径より小径なコイルばねであって、このばねを前記固定筒部に収容して前記可動軸を付勢したことを特徴とする請求項1記載のリクライニングユニット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、起倒可能な背もたれを有したリクライニング・シートやリクライニング・チェア等に装備されて、前記背もたれの角度を調節するリクライニングユニットに関する。 【0002】 【従来の技術】リクライニングユニットの中にはモータの動力を利用するものがあり、その従来例が図11及び図12に示されている。 【0003】図11に示すリクライニング・チェア1は、金属製の丸パイプやチャンネル材等を溶接止め等により組合わせてなるフレーム2の上面に座部3を取付けるとともに、この座部3の後側に位置して背もたれ4を配置して形成されている。背もたれ4は、その下端から突出された取付け板5の長手方向中間部を、フレーム2の後部に溶接止めして斜め上向きに突設された第1ブラケット6に枢軸7を介して連結され、それにより、枢軸7を支点に回動して座部3に対する角度を調節できるように取付けられている。 【0004】座部3の下側にはリクライニングユニット8が配置されている。このユニット8は、後述の構造により長さを可変できるものであって、その長手方向一端部に有した座部側連結部9は、フレーム2の前部に溶接止めされて斜め下向きに突出されたブラケット10に枢軸11を介して回動可能に連結されている。又、前記ユニット8がその長手方向の他端部に有した背もたれ側連結部12は、前記取付け板5の下端部に枢軸13を介して回動可能に連結されている。 【0005】従来のリクライニングユニット8の構成は図12に示される。つまり、歯車減速機構21が内蔵されたギヤボックス22には、正逆回転が可能な電動式モータ23と固定筒部24とが夫々固定され、固定筒部24の先端開口を通って突没可能な可動軸25が固定筒部24に収容されている。モータ23には前記機構21の入力歯車21aに噛み合う駆動歯車26が取付けられている。前記可動軸25の内側に固定されたナット部材27には、減速歯車機構21の出力歯車21cに連結されて固定筒部24の中心部に軸方向に延びて突出された送りねじ軸28が貫通し螺合されている。そして、この送りねじ軸28の軸線延長上において、ギヤボックス22に前記背もたれ側連結部12が一体に形成されているとともに、可動軸25の先端部に前記座部側連結部9が取付けられている。 【0006】このリクライニングユニット8において図11(B)の状態からモータ23が一方向に回転(正転)されると、歯車減速機構21の減速比に応じて送りねじ軸28が正転されるから、この軸28に螺合されているナット部材27との噛み合いの変化に基づきが可動軸25が固定筒部24の先端開口からより長く突出されて、両連結部9、12間の距離が長くなる。この場合、リクライニングユニット8の可動軸25は、フレーム2に座部側連結部9が連結されていることにより前方への移動を禁じられているから、背もたれ側連結部12が後方に向けて相対的に移動する。したがって、図11(A)に示されるように枢軸7を回動支点として背もたれ4を起こすことができる。 【0007】この逆に、図11(A)の状態からリクライニングユニット8のモータ23が逆転されると、歯車減速機構21の減速比に応じて送りねじ軸28が逆転されるから、この軸28に螺合されているナット部材27との噛み合いの変化に基づき可動軸25が固定筒部24内に没入する方向に動かされて、両連結部9、12間の距離が短くなる。そのため、リクライニングユニット8の背もたれ側連結部12がリクライニング・チェアの前方に向けて相対的に移動する。したがって、図11(B)に示されるように枢軸7を回動支点として背もたれ4を倒すことができる。 【0008】以上のようにリクライニングユニット8は、そのモータ23を正転及び逆転させることにより、モータ23の回転量に応じて可動軸25を固定筒部24に対して軸方向に移動させるとともに両連結部9、12間の距離を変化させ、それに応じて背もたれ4の角度を調節するようになっている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従来のリクライニングユニット8は、背もたれ4を起こすときにも、又、倒す時にも、その動作を担う動力として、モータ23の回転動力のみに専ら依存している。しかし、背もたれ4には使用者の上半身が寄りかかっていて、その重さが負荷となって加わっていることが普通であり、背もたれ4を倒すときよりも背もたれ4を起こすときの方が必要とする動力はかなり大きい。このようなことからリクライニングユニット8は、大きな負荷を受ける背もたれ4を起倒できるように設計しなければならないため、背もたれ4の起倒に必要な動力をモータ23の回転動力のみに専ら依存している従来のリクライニングユニット8では、高出力のモータ23を搭載する必要がある。したがって、それに伴いユニット8全体を大形化せざるを得ないとともに、コストも向上してしまうという問題がある。 【0010】本発明が解決しようとする第1の課題は、コンパクトでかつコストを低減できるリクライニングユニットを得ることにある。 【0011】また、本発明が解決しようとする第2の課題は、前記第1の課題を解決するにあたり、よりコンパクトにできるリクライニングユニットを得ることにある。 【0012】さらに、本発明が解決しようとする第3の課題は、前記第1の課題を解決するにあたり、外観が良いとともに、長期にわたり安定した特性を維持できるリクライニングユニットを得ることにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、座部側連結部と背もたれ側連結部とを備え、かつ、軸方向に移動される可動軸を正逆回転可能なモータで移動させることにより前記両連結部間の距離を変化させて、前記背もたれの角度を調節するリクライニングユニットを前提とする。 【0014】そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、前記両連結部間に、前記背もたれが倒れる時に付勢エネルギーを蓄えるとともに、前記背もたれが起きるときに前記蓄えた付勢エネルギーを前記可動軸に放出する付勢手段を設けたものである。 【0015】この請求項1の発明において、ユニットの両端部間に設けた付勢手段は、背もたれが倒されるときに可動軸を付勢する付勢エネルギー蓄え、この蓄えたエネルギーを背もたれが起こされるときに背もたれが起きるように可動軸に放出する。それにより、前記のように放出される力とモータの動力とが合わさって背もたれを起こすことができ、背もたれに寄りかかった使用者の上半身の重さに基づくモータに対する負荷が、背もたれを起こす時と倒す時とで大きく異なることをなくして、前記負荷の差を小さくできる。 【0016】前記第2の課題を解決するために、請求項1に従属する請求項2の発明は、前記付勢手段は前記可動軸が突没可能に収容される固定筒部の外径より大径なコイルばねであって、このばねを前記固定筒部の外周と前記可動軸とにわたって配置して前記可動軸を付勢したことを特徴としている。 【0017】この請求項2の発明は、両連結部間に配置される付勢手段としてのコイルばねは、背もたれを倒したときに縮められるとともに、背もたれを起こしたときに伸張されて蓄えたエネルギーを背もたれが起きるように可動軸に放出するので、請求項1の発明と同様の作用を得ることができる。それに加えて、コイルばねを固定筒部の外周に配置したので、固定筒部の先端に連ねてコイルばねを配置したり、或いは可動軸の固定筒部側の端面に連ねてコイルばねを配置する場合に比較して、コイルばねを縮めた状態でのコイルばね配設スペースをユニットの軸方向に特別に要することがない。その分、両連結部間の距離を短くできるとともに、コイルばねを長くできてモータの動力を補助する放出エネルギーも大きくできる。 【0018】前記第3の課題を解決するために、請求項1に従属する請求項3の発明は、前記付勢手段は前記可動軸が突没可能に収容される固定筒部の内径より小径なコイルばねであって、このばねを前記固定筒部に収容して前記可動軸を付勢したことを特徴としている。 【0019】この請求項3の発明は、両連結部間に配置される付勢手段としてのコイルばねは、背もたれを倒したときに縮められるとともに、背もたれを起こしたときに伸張されて蓄えたエネルギーを背もたれが起きるように可動軸に放出するので、請求項1の発明と同様の作用を得ることができる。それに加えて、コイルばねが固定筒部に収容されているから、視認されることがない。その上、固定筒部でコイルばねを保護できるとともに、コイルばねが露出している場合のようにコイルばねの素線間の隙間に異物が挟まってしまう恐れも防止できる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。なお、この説明にあたって、リクライニング・チェア(又はリクライニング・シート)の構成は、図11を参照して既に説明したものと同じであるから、同一部分には同じ符号を付して、ここでは説明を省略する。 【0021】前記チェア1の座部3の幅方向中央位置の下側に配置されるリクライニングユニット31は、図2から図4に示されるように減速装置32と、電動式のモータ33と、伸縮機構34と、付勢手段としてのコイルばね35とを具備している。 【0022】減速装置32について説明する。図2から図4中36はギヤボックスであって、これは、一面が開口されたボックス本体37と、この本体37にその開口された一面を塞いでねじ止めされたボックス蓋38とからなる。ボックス蓋38の外面には前記取付け板5に枢軸11を介して回動可能に連結される背もたれ側連結部39が一体に突設されている。ギヤボックス36内には、入力歯車40と、この歯車40の中央部に連結された中間歯車41と、この歯車41に噛み合わされた出力歯車42とからなる減速歯車機構が収容されている。なお、符号43は入力歯車40と一体化された中間歯車42を回転自在に支持する歯車支え軸である。又、ボックス本体37内には後述する送りねじ軸用の軸受部44が一体に形成されている。 【0023】モータ33には正逆回転可能なものが採用され、これはボックス本体37の底壁37a外面に固定されている。モータ33のモータ軸33aは前記底壁37aを貫通し、このモータ軸33aには駆動歯車45が連結されている。この歯車45は入力歯車40と噛み合わされている。 【0024】図2及び図3に示されるように伸縮機構34は、送りねじ軸46と、固定筒部47と、可動軸48と、ナット部材49とを備えている。 【0025】送りねじ軸46は、ボックス36内に挿入される非ねじ軸部46aと、この軸部46aと一体であってボックス本体37の底壁37aを貫通してギヤボックス36の外部に突出されたねじ軸部46bとからなる。この送りねじ軸46は、前記軸受部44に非ねじ軸部46aを貫通して回転自在に支持されている。なお、図示しないが例えば軸受部44をその両端方向から挟むように配置される止め輪を非ねじ軸部46aに取付ける等の適当な位置決め手段により、送りねじ軸46は軸方向には移動できないように設けられている。非ねじ軸部46aにはこれと一体に回転するように前記出力歯車42が取付けられている。この取付けは、図4に示されるように非ねじ軸部46aにその軸直角方向に貫通して設けた伝達ピン50を、出力歯車42の中心部に径方向に延びて設けられた伝達溝42aに嵌合させることによってなされている。 【0026】ボックス本体37の底壁37a外面には、送りねじ軸46と同心的な短い連結筒部51が一体に突設されている。この筒部51の内面に嵌着して両端開口の前記固定筒部47がギヤボックス36にモータ33と同じ方向に突設されている。なお、固定筒部47はボックス本体37と一体に形成してもよい。この固定筒部47の内側には送りねじ軸46の外周面にねじ山が形成されたねじ軸部46b全体が収容されている。固定筒部47の先端部にはばね受52が取付けられている。ばね受52は、例えば円筒部の一端に固定筒部47の先端面を覆うばね座用のフランジを有してなり、その円筒部の内周面で可動軸48の移動を案内する摺動ガイドを兼ねている。このガイド作用により、可動軸48の軸方向移動を送りねじ軸46の軸線に対して傾かないように案内して、可動軸48の移動を円滑に行なえるようなっている。 【0027】可動軸48は、中空軸からなり、その一端部の内側にはナット部材49が嵌着されている。ナット部材49は短い軸状をなしている。この可動軸48はナット部材49を固定した端部側を先頭にして固定筒部47内に移動自在に遊挿されているとともに、ナット部材49には送りねじ軸46のねじ軸部46bが螺合して貫通されている。可動軸48の先端面には円板状のばね受53が溶接止めされているとともに、このばね受53に溶接止めされて座部側連結部54が固定されている。この連結部54は前記フレーム2の前部に溶接止めされて斜め下向きに突出されたブラケット10に枢軸11を介して回動可能に連結される。 【0028】この座部側連結部54と前記背もたれ側連結部39とは、送りねじ軸46の軸線延長上に夫々配設されている。そして、これら両連結部39、54間には、前記背もたれ4が倒れるときに付勢エネルギー(ばね力)を蓄えるとともに、背もたれ4が起きるときに蓄えた付勢エネルギーを伸縮機構34が伸びるように可動軸48に放出する前記コイルばね35が設けられている。具体的には、このばね35は、両端部を固定側のばね受52と可動側のばね受53とに夫々支持させて、これら両ばね受52、53間に圧縮された状態に挟まれて設けられている。コイルばね35には、背もたれ4を倒す場合と背もたれ4に使用者が寄りかかった状態で背もたれ4を起こす場合においてモータ33に対する負荷が均等化するようなばね定数を有したばねを採用することが望ましい。 【0029】次に、前記構成のリクライニングユニット31の動作を背もたれ4の角度調節とともに説明する。 【0030】図1(A)のように背もたれ4が起立している時には、リクライニングユニット31は図2に示される様態に保持されている。この状態において図示しない操作部の釦操作等によりモータ33が正転されると、歯車減速機構の減速比に応じて送りねじ軸46が正転されるから、この軸46のねじ軸部46bに螺合されているナット部材49との噛み合いの変化に基づきが可動軸48が固定筒部47内に没入するように移動されて、両連結部39、54間の距離が短くなる。例えば可動軸48が最大に移動される時には、図2に示す伸張寸法Aから図3に示す短縮寸法Bへと短くなる。なお、可動軸48の軸回り方向の回転は、フレーム2の第2ブラケット10に枢軸11を介して座部側連結部54が連結されていることにより防止される。 【0031】ところで、こうしたフレーム2と座部側連結部54との連結により、リクライニングユニット31の可動軸48が前方及び後方へ移動することは禁じられているから、前記のような伸縮機構34の縮小動作にしたがって相対的には背もたれ側連結部39が前方に向けて移動される。そのため、図1(B)に示されるように枢軸7を回動支点として背もたれ4を斜めに倒すことができる。 【0032】そして、前記のようなリクライニングユニット31の伸縮機構34の短縮動作に従い、コイルばね35は縮められて可動軸48を固定筒部47から突出する軸方向に付勢する付勢エネルギー(反発力)を蓄え、最終的には図3に示される密着巻きの状態となって両ばね受52、53間に挟持される。ところで、このように背もたれ4を任意角度に倒す際に使用者の上半身の重さを背もたれ4が受けている場合が多いから、その場合においては前記重さによる背もたれ4への負荷をコイルばね35を圧縮する力として利用できる。そのため、モータ33の動力のみに頼ることなく前記短縮動作と共にコイルばね35を圧縮でさせることがきるから、コイルばね35の存在がモータ33の高出力化を余儀なくさせる要因となることがない。 【0033】又、背もたれ4が斜めに倒されている時には、既に説明したようにリクライニングユニット31は図3に示される様態に保持されている。この状態において図示しない操作部の釦操作等によりモータ33が逆転されると、歯車減速機構の減速比に応じて送りねじ軸46が逆転されるから、この軸46のねじ軸部46bに螺合されているナット部材49との噛み合いの変化に基づき可動軸48が固定筒部47内から突出する方向に動かされて、両連結部39、54間の距離が図3に示す短縮寸法Bから図2に示す伸張寸法Aへと長くなる。この時にも、可動軸48の軸回り方向の回転は、座部側連結部54がフレーム2の第2ブラケット10に枢軸11を介して連結されていることにより防止される。そのため、伸縮機構34の伸張動作に伴ってリクライニングユニット31の背もたれ側連結部39はリクライニング・チェア1の後方に向けて相対的に移動する。したがって、図1(B)に示されるように枢軸7を回動支点として背もたれ4を起こすことができる。 【0034】このように背もたれ4を起立させる動作における前記のようなリクライニングユニット31の伸縮機構34の伸張動作に従い、両ばね受52、53間のコイルばね35は、それに蓄えられた付勢エネルギーを放出しながら伸張されるから、可動軸48がより多く固定筒部47外に突出するように付勢される。その結果として前記取付け板5の枢軸7を中心とする回動を介して背もたれ4を起立方向に付勢することができる。 【0035】そして、一般的に、背もたれ4を起立させる時には背もたれ4が使用者の上半身の重さを受けている場合が多い。しかし、このような上半身の負荷に拘らず、コイルばね35の反発力を背もたれ4を起こす力として利用できるので、前記のように放出される力とモータ33の動力とを合わせて背もたれ4を起こすことができる。こうしてコイルばね35が可動軸48を介して背もたれ4に加える補助的な起こし力により、背もたれ4を起こす時と倒す時とにおいて、背もたれ4に寄りかかった使用者の上半身の重さに基づくモータ33に対する負荷が大きく異なることをなくして、前記負荷の差を小さくできる。 【0036】したがって、背もたれ4を起こす時と倒す時の負荷が差に拘らず背もたれ4を起倒できるように高出力のモータを搭載してリクライニングユニット31を設計する必要がなくなる。言い換えれば、モータ33に小形でかつ低出力のものを採用でき、それにより、モータ33ひいてはリクライニングユニット31をコンパクトに形成できるとともに、コストも低減することができる。 【0037】図5〜図7は本発明の第2の実施の形態を示している。この実施の形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる部分は、固定筒部のばね受の位置とそれに伴う圧縮状態でのコイルばねの配置等である。 【0038】すなわち、この第2の実施の形態において、ばね受52は固定筒部47の先端面に代えて、この先端面から所定距離ギヤボックス36側に後退した先端部外周に嵌合して取付けられている。前記所定距離Cは、図7に示されるようにコイルばね35が縮められて密着巻きされた状態での長さ(密着高さ)に等しくすることが最も好ましいが、前記密着高さより長くてもよく、又、多少短くてもよい。そして、コイルばね35には固定筒部47の外径よりも大きな内径を有したものが使用され、このばね35は図6及び図7に示されるように固定筒部47の先端部を内側に配置して両ばね受52、53間に圧縮された状態に挟まれて設けられている。言い換えれば、コイルばね35は、固定筒部47の先端部外周と可動軸48の先端部とにわたって配置されて、可動軸48をその先端方向に常に付勢して設けられている。又、55は固定筒部47の先端に取付けられた摺動ガイドである。なお、以上説明した点以外の構成は前記第1の実施の形態と同じである。 【0039】したがって、この第2の実施の形態においても、両連結部39、54間に配置された付勢手段としてのコイルばね35が、背もたれ4を倒したときに縮められるとともに、背もたれ4を起こしたときに伸張されて蓄えたエネルギーを伸縮機構34が伸びるように可動軸48に放出するので、請求項1の発明と同様に前記第1の課題を解決できる。 【0040】それに加えて、伸縮機構34を最大に縮めた時にコイルばね35の少なくとも大部分が固定筒部47の先端部外周に配置されるので、固定筒部47の先端に連ねてコイルばね35を配置したり、或いは可動軸48の固定筒部47側の端面に連ねてコイルばね35を配置する場合に比較して、コイルばね35を縮めた状態でのコイルばね配設スペースをリクライニングユニット31の軸方向に特別に要することがない。 【0041】すなわち、前記密着高さCに相当する分のコイルばね配設スペースがリクライニングユニット31の軸方向長さを長くする原因となることがない。したがって、両連結部39、54間の距離A及びBを短くできて、リクライニングユニット31をよりコンパクトにできる。 【0042】しかも、固定筒部47の先端面よりばね受52がギヤボックス36側に寄っていることにより、それに応じてより長いコイルばね35を使用できる。したがって、そのばね長さに応じた大きなばね力を得られるので、モータ33の動力を補助する放出エネルギーも大きくできる。 【0043】又、前記のようにばね受52を密着高さCだけ後退させて配置した構成によれば、それよりも固定筒部47の先端面側に配置した場合に比較して長いコイルばね35を使用できるとともに、両連結部39、54間の距離A及びBを短くできる点で優れており、前記後退位置よりも更にギヤボックス36側に寄せてばね受52を配置した場合に比較して、コイルばね35を縮めた時に確実に密着巻き状態に縮めて、モータ33の動力を補助する放出エネルギーを大きく確保できる点で優れている。 【0044】図8〜図10は本発明の第3の実施の形態を示している。この実施の形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる部分は、コイルばねの配置等である。 【0045】すなわち、この第3の実施の形態において、コイルばね35にはその外径が固定筒部47の内径よりも小径なものが採用されている。このばね35は、固定筒部47内に収容され、ギヤボックス36の底壁37aと固定筒部47内に常に配置された可動軸48の端部とに両端を支持されて、これら端部及び底壁37aをばね受としてこれらの間に圧縮された状態に挟まれて設けられている。言い換えれば、コイルばね35は固定筒部47内に収容されて可動軸48を軸方向に付勢して設けられている。 【0046】又、図9及び図10中55は固定筒部47の先端に取付けられた摺動ガイド、56及び57は、コイルばね35の端部内側に嵌合してこのばね35を位置決めするために、底壁37a及びナット部材49に一体に突設されたリング状凸部である。なお、以上説明した点以外の構成は前記第1の実施の形態と同じである。 【0047】したがって、この第3の実施の形態においても、両連結部39、54間に配置された付勢手段としてのコイルばね35が、背もたれ4を倒したときに縮められるとともに、背もたれ4を起こしたときに伸張されて蓄えたエネルギーを伸縮機構34が伸びるように可動軸48に放出するので、請求項1の発明と同様に前記第1の課題を解決できる。 【0048】それに加えて、コイルばね35が固定筒部47に収容されているから、視認されることがなく、したがって、リクライニングユニット31の外観を向上できる。その上、前記のようにコイルばね35を覆い隠した固定筒部47でコイルばね35を保護できるとともに、コイルばね35が露出している場合のように、コイルばね35の素線間の隙間に異物が挟まって、それによりばね特性が変化する恐れが防止されるので、長期にわたり安定した特性を維持できる。 【0049】なお、本発明は前記各実施の形態には制約されない。例えば、第1、第2の実施の形態においては、コイルばね35を露出させないようにするために、伸縮機構34の伸縮動作に伴って伸び縮みする蛇腹状のゴム製カバーを設けてもよい。 【0050】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0051】請求項1に記載の発明によれば、背もたれに寄りかかった使用者の上半身の重さに基づくモータに対する負荷の差を、背もたれを起こす時と倒す時とで小さくしたから、小形でかつ低出力のモータを採用でき、それにより、コンパクトに形成できるとともに、コストも低減できる。 【0052】請求項1に従属する請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、両連結部間の距離を短くできるとともに、コイルばねを長くできてモータの動力を補助する放出エネルギーも大きくできるから、よりコンパクトにできる。 【0053】請求項1の発明に従属する請求項3に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、コイルばねが視認されることがなく外観が良いとともに、固定筒部でコイルばねを保護してその素線間の隙間に異物が挟まる恐れも防止できるので、長期にわたり安定した特性を維持できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003562 【氏名又は名称】東芝テック株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−103963 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−267153 |
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