| 【発明の名称】 |
椅 子 |
| 【発明者】 |
【氏名】長光 諭司
【氏名】白石 光昭
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| 【要約】 |
【課題】パソコン等のOA機器を使用する際に、疲労の少ない椅子を提供する。
【解決手段】背もたれ16を、背もたれ上部16aと、背もたれ下部16bとで分割するとともに両者を蝶番27で連結して屈曲可能とし、背もたれ上部16aを支持杆28を介して、支基12の回転中心12bと連結し、着座部14及び背もたれ下部16bが後傾するにしたがって、背もたれ上部16aを支持杆28によって前方へ傾動させるようにしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着座部の下面に設けられ、ベース脚と連結される支基と、着座時に少なくとも背中の上部を支持する背もたれ上部と、腰部を支持し、後方へ前記支基を支点として前記着座部とともに傾動可能な背もたれ下部とを備える椅子において、前記背もたれ上部は、支持杆を介して、背もたれ下部の傾動支点とは異なる傾動支点で前記支基と連結され、背もたれ下部が後方に傾動したとき、背もたれ上部は、前記支持杆によって、背もたれ下部に対し前方に傾動し、背もたれ上部から背もたれ下部にかけて連続する屈曲面が形成されることを特徴とする椅子。 【請求項2】 支基に、支持杆の傾動支点を複数箇所設けることにより、支持杆の傾動支点の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載の椅子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に、パソコン等のOA機器の操作等に適した椅子に関する。 【0002】 【従来の技術】現在、仕事の際の様々な姿勢と、姿勢の変化に対応して、適切に体を支持するために、座面や背もたれを、傾斜又はシンクロリクライニングさせる機構を搭載した椅子が多く製品化されている。また、旅客機、鉄道、自動車等の一部のシートでは、体をリラックスさせながら、読書、飲食、モニタを見たり、外の景色が見やすいようにするために、背もたれの途中を前後に屈曲させるようにし、背もたれ下部と、背もたれ上部とを違った角度で傾斜させる機構のものがある。 【0003】これらの多くは、パラレルリンク機構を用い、上下に2分割された背もたれの下部をリンク部分に取り付けるとともに、同じく上部をリンク上部の連結フレームから伸びた背もたれフレームに取り付け、リクライニングしたときに、背もたれの傾斜角度を変えることができるようにしたもの、又は特開平8-173265号公報記載のシートのように、リンク構造を利用して、背もたれの下部分を落とし込ませるようにしたものである。 【0004】近年、オフィス等においても、パソコン等のOA機器を使用する場合には、体を後傾させた状態で、モニタ画面を見るために、頭部を前方に向かって少し起こすという姿勢を採るケースが増加している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来の椅子では、リンク部の上に別の背もたれ支持フレームを構成し、この連結部分に大きな力が集中するために、通常よりも背もたれ保持管を大きくする必要があり、この結果、椅子全体が重くなる、大型化するという難点がある。また、事務用椅子にも、前述の機構を応用したものがあるが、従来の椅子は、背もたれ上部及び下部がそれぞれ別体なために、後傾したときに、両者の間が直線的に屈折して、その部分では背中のカーブと、背もたれ上部及び下部間に生ずるカーブとが合わず、体が浮いた状態となり、この結果、安定した後傾姿勢を採ることができなくなり、疲労の原因となっている。 【0006】また、従来の椅子では、後傾姿勢を採った場合に、背もたれに、もたれ掛かった状態では自然な視線の方向が水平よりも上方を向いてしまう。このため、一般に、水平から5゜〜10゜下方が、机上のモニタ画面を見る角度としては、適当であると言われているが、従来の椅子で、この姿勢を無理に採ろうとすると、頭部を前に起こさなければならず、これが、肩こりや首の疲れの原因となる。 【0007】本発明は、従来の技術が有する上述のような問題点に鑑みてなされたもので、長時間、短時間等、様々な時間間隔でいろいろに姿勢が変化する作業において、常に適切な姿勢を保持することができる椅子を提供することを目的としている。また、パソコン等のOA機器を使用する際に、胸椎より上の頭部を前に起こしてモニタ画面を見ながら、それより下の部分は後傾して、リラックスした姿勢を採ることのできる椅子を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、次のようにして上記課題を解決している。 (1)着座部の下面に設けられ、ベース脚と連結される支基と、着座時に少なくとも背中の上部を支持する背もたれ上部と、腰部を支持し、後方へ前記支基を支点として前記着座部とともに傾動可能な背もたれ下部とを備える椅子において、前記背もたれ上部は、支持杆を介して、背もたれ下部の傾動支点とは異なる傾動支点で前記支基と連結され、背もたれ下部が後方に傾動したとき、背もたれ上部は、前記支持杆によって、背もたれ下部に対し前方に傾動し、背もたれ上部から背もたれ下部にかけて連続する屈曲面が形成されることを特徴とする。 【0009】(2)請求項1において、支基に、支持杆の傾動支点を複数箇所設けることにより、支持杆の傾動支点の位置を変更可能としたことを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る椅子の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。 【0011】図1及び図2は、本実施形態の椅子の要部を示している。これらの図に示すように、本実施形態の椅子は、ベース脚(10)と、支基(12)と、着座部(14)と、背もたれ(16)等とから構成されている。 【0012】ベース脚(10)には、キャスタ(18)が取り付けられている。支基(12)の上部には、着座部(14)が設けられており、着座部(14)は、座面をなすクッション材(20a)と、クッション材(20a)を支持するシェル(20b)とからなっている。 【0013】支基(12)は、シェル(20b)の下面に、前後傾動可能に取り付けられており、着座部(14)を支基(12)の支点(12a)を中心として、所定の弾性力で後傾させることができるようになっている。また、支基(12)は、脚柱(13)と一体をなしており、脚柱(13)とともにベース脚(10)上を回転することができるようになっている。 【0014】背もたれ(16)は、着席者の背中の上部、特に、胸椎から上の部分を重点的に支持する背もたれ上部(16a)と、腰部を支持する背もたれ下部(16b)とからなっている。背もたれ上部(16a)と、背もたれ下部(16b)とは、シェル(24a)、(24b)に内蔵された蝶番(22)によって回動可能に連結されている。シェル(24a)、(24b)には、ウレタン等のクッション材(25a)、(25b)が取り付けられている。 【0015】これらのクッション材(25a)、(25b)の裏面側には、テープ状の支持部材(27)が図2に示すように、3箇所で両クッション材(25a)、(25b)の間を連結しており、一定の張力が両クッション材(25a)、(25b)間に付与されている。なお、この支持部材(27)の材質としては、所定の張力を有する布、ワイヤ、ばね等が好適である。 【0016】背もたれ下部(16b)と、着座部(14)とは、シェル(20b)、(24b)の側面に沿って取り付けられた保持管(26)によって連結されており、背もたれ下部(16b)と、着座部(14)とが同期して、1点鎖線で示すように、後方へ傾動することができるようになっている。 【0017】一方、背もたれ上部(16a)は、その上端部の連結片(17)によって、後方へ傾斜する支持杆(28)の上端と連結されており、着座部(14)及び背もたれ下部(16b)の後傾に伴って、支持杆(28)の上部は、1点鎖線に示すように後方へ移動し、背もたれ上部(16a)を背もたれ下部(16b)に対して、支基(12)の回転中心(12b)に沿って、2点鎖線に示すように前方に傾動させるようになっている。なお、支持杆(28)の下端における回転中心(12b)は、支基(12)に合計3箇所設けられ、所望の回転中心(12b)に支持杆(28)の下端を固定することにより、背もたれ上部(16a)の背もたれ下部(16b)に対する前傾角度αを変化させることができるようになっている。 【0018】次に、本実施形態の椅子の作用について説明する。 【0019】まず、着席者が後傾すると、図1に示すように、着座部(14)及び背もたれ(16)が実線に示す状態から1点鎖線で示すように傾動する。即ち、着座部(14)と背もたれ下部(16b)が同期して後傾するとともに、背もたれ上部(16a)が支持杆(28)によって前方へ導かれて傾動する。このため、背もたれ上部(16a)と背もたれ下部(16b)との間に、連続する屈曲部が生じることになる。 【0020】背もたれ上部(16a)と背もたれ下部(16b)との間には、これらのクッション材(25a)、(25b)の間を連結する所定の張力の支持部材(27)が取り付けられているため、背もたれ上部(16a)と背もたれ下部(16b)とが屈曲した際に、クッション材(25a)、(25b)に対して、前側(矢印方向)に押圧力が生じ、屈曲部が極端に屈曲するのが防止される。これにより、滑らかな曲面を得ることができ、椅子の座り心地を向上させることができる。 【0021】このように、本実施形態の椅子によれば、着席者が後傾したときに、背もたれ上部(16a)を前方に傾動させながら、着席者の背中を支持するようにしているので、パソコン等のOA機器を使用する場合に、頭部を前に起こしてモニタ画面を見ながら、腰部より下の部分は後傾させるリラックスした姿勢を容易に採ることができる。 【0022】即ち、図3に示すように、従来の椅子の場合には、着席者が後傾すると、自然な視線の方向が水平よりも上方を向いてしまうため、頚椎(30)を無理に前方に曲げて、水平から10゜くらい下方を見ないと、机上のモニタ画面(32)を見ることができず、疲れの原因となっていた。一方、本実施形態の椅子の場合は、図4に示すように、後傾姿勢を採った場合は、背もたれ上部(16a)が前方に傾動し、着席者の背中を押すように支持するために、頚椎(30)、胸椎(31)、腰椎(33)、つまり脊柱の曲線が従来の椅子の破線に示すカーブからX-X線に沿ったカーブとなり、着席者の視線は、ほぼ水平となる。このため、モニタ画面を見るのに適した水平から5゜〜10゜下方を見る姿勢を容易に採ることができる。 【0023】また、後傾した際に、背もたれ上部(16a)と背もたれ下部(16b)との間に生じる屈曲面は、クッション材(25a)、(25b)の間を連結する支持部材(27)によって前方へ押圧されるので、滑らかな曲面となり、背中のカーブにフィットして座り心地が向上する。さらに、従来のパラレルリンク式の機構を有する椅子に比較して構造が単純化されているので、椅子全体の軽量化を図ることができるとともに、十分な強度を得ることができる。 【0024】なお、本実施の形態では、背もたれ上部(16a)によって胸椎から上の部分を重点的に支持するようにしているが、背もたれ上部(16a)の高さをハイバックタイプとして、胸椎から上方の頭部全体を支持するようにしてもよい。また、本実施形態の椅子は、座面を傾斜させる連動機構には、影響を及ぼさないので、既存の椅子についても、背もたれ上部(16a)を前傾させるよう容易に応用することが可能である。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏することができる。 (a)請求項1の発明によると、着席者が後傾したときに、背もたれ上部を背もたれ下部に対して前方に傾動させながら、着席者の背中を支持するので、OA機器等を使用してデスクワークを行う場合に、頭部を前に起こすのが容易に行え、腰部より下の部分は後傾させるリラックスした姿勢を採ることが可能となる。 【0026】(b)請求項2の発明によると、支持杆の回転中心を支基に合計3箇所設けているので、所望の回転中心に支持杆を固定することにより、背もたれ上部の背もたれ下部に対する前傾角度を一定範囲で変化させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000561 【氏名又は名称】株式会社岡村製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−75990 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−244294 |
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