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【発明の名称】 変形可能な縁台
【発明者】 【氏名】水野 照夫

【要約】 【課題】必要なときに簡単に広い面積を持ったベランダとして利用でき、じゃまにならないように片付けることも簡単な変形可能な縁台を提供すること。

【解決手段】縁台1の固定台2は第1の方向Aに延びたほぼ長方形をしており、この固定台2の上側にはスノコ板31が着脱可能に取り付けられている。固定台2には固定台2に収納した第1の状態および第1の方向Aに直交する方向に延長された第2の状態に変化可能な可変台4が取り付けられている。この可変台4は2本の床受梁43、44を備えており、固定台2に取り付けられたスノコ板31を取り外して装着できるようになっている。従って、通常は床受梁43、44を固定台2に収納して狭い面積の濡れ縁として利用でき、必要なときには2本の床受梁43、44を旋回してスノコ板31を付け替えるといった簡単な作業で広い面積のベランダとして利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の方向に延びたほぼ長方形の縁台を構成する固定台と、この固定台に収納された第1の状態および前記第1の方向に直交する第2の方向に延長された第2の状態に変形可能な可変台と、前記固定台および前記第2の状態に変化した可変台の何れにも装着可能な床部材とを有することを特徴とする変形可能な縁台。
【請求項2】 請求項1において、前記可変台は、第2の方向に旋回可能に前記固定台に取り付けられた2本の旋回腕部を備えていることを特徴とする変形可能な縁台。
【請求項3】 請求項2において、前記旋回腕部は、前記固定台に旋回可能に取り付けられた床受梁と、この床受梁の先端に旋回または着脱可能に取り付けられた自在脚とを備えていることを特徴とする変形可能な縁台。
【請求項4】 請求項2において、前記床部材は断面が長方形の複数のスノコ板を備えており、このスノコ板は前記固定台には短辺が上下になるように着脱でき、前記第2の状態に変化した可変台には長辺が上下になるように着脱できることを特徴とする変形可能な縁台。
【請求項5】 請求項2において、前記床部材は、前記第2の状態に変化した可変台上を伸縮可能なローラーまたは滑走片の少なくともいずれかが取り付けられた複数の伸縮根太を備えていることを特徴とする変形可能な縁台。
【請求項6】 請求項1において、前記第2の状態に変形した前記可変台に装着された床部材の上に設置可能なシートと、このシートを巻き取り収納可能な収納装置とを有することを特徴とする変形可能な縁台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベランダとしても利用できる変形可能な縁台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋外で焼き肉パーティーなどを楽しめるように、ベランダを設けている家がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、ベランダを設けると庭の面積が削減されるためにベランダを設けず、パーティーを行うときだけ茣蓙を敷いて、その上で行うようにしている家がある。しかしながら、地面の湿気で茣蓙が濡れたり、風通しが悪く、また、庭に石や植物があると茣蓙も敷けず、ベランダのように快適な環境でパーティーを行うことはなかなか難しい。
【0004】そこで、本発明においては、必要なときだけ広い面積を持ったベランダとして利用でき、使用後にもじゃまにならないように誰でも簡単に片付けることができる台を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明においては、通常は濡れ縁などとして利用できる縁台であって、必要なときだけ縁台の長手方向(第1の方向)と直交する第2の方向に面積を拡げられるようにした変形可能な縁台を提供するようにしている。すなわち、本発明の変形可能な縁台は、第1の方向に延びたほぼ長方形の縁台を構成する固定台と、この固定台に収納された第1の状態および第1の方向に直交する第2の方向に延長された第2の状態に変形可能な可変台と、固定台および第2の状態に変化した可変台の何れにも装着可能な床部材とを有することを特徴としている。
【0006】本発明の変形可能な縁台は、可変台を固定台から延長した第2の状態にし、その第2の状態の可変台に床部材を装着することにより、広い面積を持ったベランダとしての機能を発揮させられる。一方、可変台を固定台に収納された第1の状態にし、床部材を固定台に装着すると面積の狭い縁台として利用できる状態になる。従って、ベランダとして利用したい時に第2の状態にして広く快適な台を用意でき、その一方で、通常は濡れ縁などとして利用できる縁台として設置しておける。
【0007】可変台としては、第2の方向に旋回可能に固定台に取り付けられた2本の旋回腕部を備えた構成にすることにより、ヒンジと旋回腕部といった簡易な構造になる。このため、木製などの庭にマッチした構造体でも比較的容易に作成できる。さらに、可変台が固定台に収納された第1の状態と固定台から延長された第2の状態に切り換えるのに2本の旋回腕部を旋回させるだけの作業ですみ、作業が簡単で力もいらない。
【0008】旋回腕部は、固定台に旋回可能に取り付けられた床受梁と、この床受梁の先端に旋回または着脱可能に取り付けられた自在脚とを備えていることが好ましい。このようにすれば、旋回腕部を延長した第2の状態において床部材を装着した床受梁を自在脚によって支えることができ、また、床受梁を旋回する際には地面にある石や草などの凹凸に自在脚が引っかからないように、自在脚を旋回させて地面から離れた位置に退避したり、自在脚を取り外したりすることができる。
【0009】床部材が断面が長方形の複数のスノコ板を備えていると、このスノコ板を固定台には短辺を上下にして面積が狭くなるように着脱でき、第2の状態に変化した可変台には長辺が上下になるようにして面積が広くなるように着脱できる。また、スノコ板はダボホゾで取り付けるなどの方法で固定台および可変台の何れにも装着可能となる。また、固定台上ではスノコ板は狭い面積に並べて装着された状態にあり、このスノコ板を、第2の状態に延長して広い面積となった可変台に装着すると、スノコ板同士の隙間が大きくなってしまうが、可変台に装着する際には長辺が上下になるように取り付けられるようになっているのでその隙間の大きさを改善できる。
【0010】また、床部材が、第2の状態に変化した可変台上を伸縮可能なローラーまたは滑走片の少なくともいずれかが取り付けられた複数の伸縮根太(引き出し根太)を備えていると、伸縮根太を伸ばして第2の状態に変化した可変台に設定でき、逆に伸縮根太を縮めて面積の狭い固定台に伸縮根太を収めることができる。伸縮根太にはローラーまたは滑走片の少なくともいずれかを取り付けておくことにより、伸縮時に摩擦が少なく、伸縮根太を円滑に伸縮することができる。
【0011】これらのスノコ板または伸縮根太などによって十分な強度の床部材を構成でき、この上にコンパネ(型枠用合板)のような平板を敷いて広くほぼ平坦な床を形成でき、パーティー等に利用できる。また、第2の状態に変形した可変台に装着された床部材の上にシートを敷いてもほぼ平坦な床を構成できる。そして、このシートを巻き取り収納可能な収納装置を設けることにより、シートを簡単に収納できるので、シートの収納場所に困らず、シートの片付けや準備を簡単に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0013】[第1の実施の形態]図1に本発明の第1の実施の形態に係る変形可能な縁台の斜視図を示し、図2(a)にその平面、図2(b)にその正面、さらに図2(c)にその側面を示してある。本例の変形可能な縁台1は、木材によって形成されており、長方形の縁台を形成する固定台2と、この固定台2の上に取り付けられた床部材3と、固定台2に収納された第1の状態および固定台2から延長された第2の状態に変形できる可変台4とを有しており、図1および図2の各図は可変台4が第1の状態にあるときを示している。
【0014】固定台2は、第1の方向Aに延びたほぼ長方形の構成をしており、その角部にそれぞれ鉛直に立てられた4本の支柱5を有している。これらの支柱5は下側で長方形に組まれたツナギ梁7によって接続され、これらのツナギ梁7はさらに短辺方向に延びた複数の小梁8によって補強されている。さらに、支柱5の上部は短辺方向がツナギ梁6で組み合わされ、長辺方向が床部材としての機能も備えた固定されたスノコ板32によって組み合わされている。このように、固定台2は単体で縁台の架台としての機能を有し、この上に床を構成する部材を取り付けてある。
【0015】本例の縁台1の床を構成する部材(床部材)3は固定台2の上側のツナギ梁6に架け渡された取り外し可能なスノコ板31と、固定台2の構造梁としての機能も備えた固定されたスノコ板32によって構成されている。図2(c)に示すように、取り外し可能なスノコ板31は、断面が長方形の短辺が上下になるように取り付けられており、ツナギ梁6の上に架け渡されている。スノコ板31の一方の短辺側の面31aには突き出したダボホゾ16が形成されており、ツナギ梁6にはダボ穴17にダボホゾ16を嵌め込んで固定できるようになっている。また、スノコ板31の一方の長辺側の面31bには、スノコ板31を取り外した後に、第2の状態になった可変台4に装着するためのダボホゾ16が形成されており、複数のスノコ板31同士はこのダボホゾ16が干渉しない十分な間隔をあけてツナギ梁6に取り付けできるようになっている。取り外し可能なスノコ板31はツナギ梁6から簡単に着脱でき、その後90°回転させると第2の状態になった可変台4に取り付けできる。
【0016】図3に、固定台2に収納された第1の状態から、固定台2に対して延長された第2の状態に可変台4を変形する様子を示してある。また、図4に、第2の状態になった可変台4にスノコ板31を移設している様子を示してある。可変台4は、4本の支柱5のうちの第1の方向(長手方向)Aに隣接した2本の支柱5にそれぞれヒンジ12で旋回可能に取り付けられた2本の旋回腕部41および42を備えている。これらの旋回腕部41および42は、支柱5から水平方向に延びた床受梁43および44と、床受梁43および44の先端43aおよび44aに取り付けられた自在脚45および46を備えている。床受梁43および44はヒンジ12によって取り付けられており、図1および図2に示すように、これらの床受梁43および44が取り付けられた2本の支柱5の間に入るように第1の方向Aと平行に延び、固定台2に収納された第1の状態から、図4に示すように、第1の方向Aと直交する第2の方向Bに延長された第2の状態までに根元部分を中心として旋回することができる。
【0017】2本の床受梁43および44はそれぞれの支柱5にほぼ同じ高さ位置に取り付けられており、第2の状態に設定した2本の床受梁43および44の上にはスノコ板31をほぼ水平に架け渡すことができるようになっている。このため、固定台2に収納した第1の状態では2本の床受梁43および44が重なるので、2本の床受梁43および44は第1の状態では支柱5の間で一方の床受梁43が固定台2の内側に入り、他方の床受梁44が固定台2の外側になるように支柱5に取り付けられている。従って、外側にある床受梁44の設定可能な最大の長さは、これらの床受梁9が取り付けられた支柱5の間隔Lとほぼ同じ長さであるが、内側にある床受梁43は図5にこの縁台1を上から見た様子を示すように、第1の状態から第2の状態に旋回する際に内側の床受梁43の先端43aが外側の床受梁44の根元44bにぶつからないように、支柱5の間隔Lよりも床受梁44の水平方向の厚さtだけ短くなっている。
【0018】図2(b)および図3に示すように、床受梁43および44の先端43aおよび44aに取り付けられた自在脚45および46はヒンジ12によって取り付けられ、上下方向に旋回できるようになっている。従って、自在脚45および46を下側に延ばすことにより、第2の状態に延長した床受梁43および44の荷重を支えることができる。また、床受梁43および44を旋回させる際には、自在脚45および46を上方に折りたたんでおくことにより、自在脚45および46が地面の凹凸に引っかからないようにすることができる。さらに、床受梁43および44を旋回する際に自在脚45および46を手などで押さえておくのは面倒なので、自在脚45および46には突起14が形成され、床受梁43および44にはこの突起14が嵌まる穴15が形成されて自在脚45および46を上方に折りたたんだ状態に固定できるようになっている。
【0019】図4および図5に示すように、第2の状態に延長した2本の床受梁43および44の上には固定台2から取り外した複数のスノコ板31が架け渡され、スノコ板31は床受梁43の先端43aおよび44aから根元43bおよび44bにかけて互いに適当な間隔を開けて配列される。このため、床受梁43および44の上面43cおよび44cには複数のダボ穴17が形成されており、図4に示すように、固定台2に取り付けられていたスノコ板31の長辺側の面31bに形成されたダボホゾ16がそのダボ穴17に嵌まるようになっている。従って、スノコ板31は固定台2の上には断面の長方形の短辺が上下を向くように取り付けられ、床受梁43および44の上では断面の長方形の長辺が上下を向くように取り付けられる。よって、固定台2に固定されたスノコ板32と床受梁43および44の上面43cおよび44cに取り付けられたスノコ板31の高さが変わらないように、床受梁43および44の上面43cおよび44cはツナギ梁6の上面6aよりも高い位置にある。
【0020】本例の変形可能な縁台1を、図1に示す例えば濡れ縁などとして利用できる幅の狭い縁台1の第1の状態から、図4に示す広いベランダのように利用できる第2の状態に変形する過程(方法)をまとめると、次のようになる。
【0021】図3に示すように、固定台2の外側の床受梁44を旋回して第2の方向Bに延長する。この際、先端の自在脚46を折りたたんでおけるので、自在脚46が地面を擦ることはなく、地面に石や草などがあっても簡単に拡げることができる。床受梁44を第2の方向Bに延長した後、折りたたんであった自在脚46を下側に延ばす。同様に、内側にある床受梁43を固定台2から延長し、自在脚45を下側に延ばす。
【0022】次に、図4に示すように、固定台2のツナギ梁6の上面6aに取り付けられていたスノコ板31を2本の床受梁43および44の上に付け替える。この付け替えの際には、スノコ板31はツナギ梁6に取り付けられていたときは短辺を上下に向けていたのに対して、床受梁43および44に取り付けるときには長辺が上下に向くように倒し、スノコ板31の長辺側の面31bに形成されていたダボホゾ16が床受梁43および44に形成されたダボ穴17に嵌まるように取り付ける。このように、ツナギ梁6の上では短辺が上下を向くように取り付けることにより短く形成されたツナギ梁6の上に多くのスノコ板31を並べることができるようにしてあり、長く延長された床受梁43および44の上に並べる際には長辺が上下を向くように取り付けることにより、各スノコ板31の部材間の隙間がそれほど大きくならないようにしている。また、床受梁43および44の上面43cおよび44cはツナギ梁6の上面6aよりも高い位置に形成されているので、スノコ板31は床受梁43および44の上に倒して取り付けることによりその高さ方向の長さが短くなってもスノコ板31の上面の高さ位置は変わらず、固定台2に固定されたままのスノコ板32の上面と同一平面上にある。このようにして、図5に示すように、床受梁43および44の長さ分だけ幅が拡がった広い面積の縁台1を構成することができる。
【0023】この状態で、床受梁43および44の上に取り付けたスノコ板31の隙間が小さく、その上を歩いたりするのに支障がなければそのままで面積の広い台(ベランダ)として利用できるが、隙間が大きい場合には、図6に示すように、スノコ板31の上にベニヤ板やコンクリートパネル等の板材を敷くことができる。図6に示す縁台1は、固定台用の板材21と、可変台用の板材22を備え、それぞれの板材21および22の長さは、固定台2の下に重ねて収納できる長さとなるように分割されている。図7(a)に示すように、第2の状態に変形した縁台1の上に板材21および22を設置することによりスノコ板31の隙間をカバーすることで平坦な面を形成することができ、パーティー等に使用しやすい床を提供できる。図7(b)に示すように、板材21および22には両側の端のスノコ板31および32に当たる位置にいざり止め23を取り付けてスノコ板31および32に係合し、板材21および22がずれるのを防止できる。このような板材21および22の表面をそのまま用いてもよく、あるいは板材21および22の上に茣蓙等のシートを敷くことも可能である。
【0024】このように、本例の変形可能な縁台1は、必要なときに支柱5に取り付けた2本の床受梁43および44を第1の方向Aと直交する第2の方向Bに延長し、取り外し可能なスノコ板31を床受梁43および44に架け渡すことにより、面積が広いベランダとしての機能を発揮させられる。面積の広い縁台1が不要なときには、スノコ板31を床受梁43および44の上から取り外し、再び固定台2のツナギ梁6の上に戻し、床受梁43および44を固定台2に収納することができるので、面積の狭い縁台1となる。この面積の狭い縁台1は、例えば、家の雨戸の外側に接するように設置するなどして、一般家庭でも広く使われている濡れ縁として利用することができるので、収納庫などの収納場所を確保しておく必要がなく、収納場所に困らない。
【0025】また、可変台4は床受梁43および44を旋回可能に固定台2に取り付けた構造をしているので、ヒンジ12によって取り付けるといった簡単な構造になり、例えば木製などの庭にマッチした構造体でも比較的容易に作成できる。さらに、固定台2に収納された第1の状態と固定台2から延長された第2の状態に切り換えるのに床受梁43および44を旋回させるだけですみ、作業が簡単で力もいらない。
【0026】さらに、床受梁43および44に取り付けられた自在脚45および46は床受梁43および44とほぼ平行に折りたたんだ状態および床受梁43および44から下方に向けてほぼ垂直に伸びた状態に旋回できるので、床受梁43および44を第1の状態および第2の状態に回転移動する際に自在脚45および46を折りたたむことにより、自在脚11が地面の凹凸に引っかからないようにすることができる。このため、この縁台1を設置した庭に植物を植えたり、石を置くこともできる。
【0027】床部材3は、取り外し可能なスノコ板31を備えているので、固定台2から取り外して第2の状態に変形した可変台4に簡単に取り付けることができる。また、その逆も同様に、スノコ板31を可変台4から取り外して固定台2に簡単に取り付けることができる。また、取り外し可能なスノコ板31は、固定台2のツナギ梁6に架け渡した状態ではその断面の長方形の短辺が上下を向くように配置されているので、固定台2の幅(第2の方向Bの長さ)を狭くしても、固定台2の上に多数のスノコ板3を並べることができる。また、第2の状態に変形した床受梁43および44の上にスノコ板31を並べる際には、狭い面積に並べてあったものを広い面積に並べるので部材間の隙間が大きくなってしまうが、スノコ板31の断面の長方形の長辺が上下を向くように配置することにより、その隙間が大きくなることを改善できる。
【0028】なお、変形可能な縁台1の材料は木材に限るものではなく、アルミニウム、スチール等の他の部材を利用してもよい。また、スノコ板31の本数などの、固定台2の大きさ、スノコ板31の太さ、スノコ板31同士の間隔等の条件によって変化する部分が本例に示した本数、形状等に限られないことはもちろんである。
【0029】[第2の実施の形態]図8(a)に、本発明の第2の実施の形態に係る変形可能な縁台1を正面から見た様子を示し、図8(b)に、その側面を示してある。また、図9(a)に、本例の縁台1を変形した様子を上から見た図を示し、図9(b)に、その側面を示してある。なお、本例の変形可能な縁台1は、第1の実施の形態で説明した変形可能な縁台1と基本的な構成が同様なので、共通する部分については同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0030】本例の変形可能な縁台2は、第2の状態に変化した床受梁43および44に取り外し可能なスノコ板31を装着するためのダボホゾ16を床受梁43および44(図8(a)では、床受梁44の側だけを示している。)の側に形成し、ダボ穴17をスノコ板31の側に形成してある。すなわち、床受梁43および44の上面43cおよび44cには、複数のダボホゾ16が突き出しており、取り外し可能なスノコ板31の長辺側の面31bにはダボ穴17が形成されている。図8(b)に示すように、取り外し可能なスノコ板31は、固定台2に装着されている状態では長辺側の面31bが隣り合うように配置されているので、本例のように長辺側の面31bにダボホゾ16等の突起物がない分だけスノコ板31同士の間隔を狭めて配置できる。従って、固定台2の幅(第2の方向Bの長さ)を広くとらなくても、多くのスノコ板31を固定台2に装備できる。
【0031】このようにすると、第2の状態に変形した床受梁43および44の上に装着するスノコ板31の本数を増やすことができる。従って、床受梁43および44の上に取り付けたスノコ板31の隙間を狭めることができる。また、取り外し可能なスノコ板31の本数が多くなるので、図9(a)および(b)に示すように、第2の状態に変形したときに、変形した床受梁43および44の上に設置するスノコ板32の枚数よりも多く固定台2の上に設置できる。従って、余分なスノコ板32を固定台2の強度部材として利用できる。また、このスノコ板32は固定台2の上に固定しておくことも可能である。従って、第2の状態に変形した縁台1の上に板材21および22などを載せなくても利用しやすい台を提供できる。また、第2の状態に変形した縁台1の上面の隙間を完全にカバーしたい場合でも、型枠用合板などの板材21および22のように強度の高いものでなく、図10(a)に示す塩化ビニール製のシート24を利用できる。
【0032】このシート24は、図10(b)に断面を示すように、一定方向の折れ線がついた波状面25を備えている。従って、図11に示すように、波状面25が延びている方向Cをスノコ板31および32の延びている方向(第1の方向A)と直交する方向に合わせてシート24を敷けば、その上でパーティー等を行うのに十分な強度を発揮できる。また、シート24は波状面25を利用して筒状に巻き取りやすく、軽い材質なので、その準備や収納が簡単である。本例では、このシート24を2枚用いて、第2の状態に変形した縁台1の上面を覆っている。
【0033】また、本例では、図12に床受梁44および自在脚46の部分断面を示すように、自在脚45および46を折りたたんだ状態に固定するための機構として、自在脚45および46にはねじ26を取り付けておき、床受梁43および44にはインサート27が取り付けてある。このねじ26はビス29で固定された止め具28によって自在脚44および46に取り付けてあり、ねじ26をインサート27から取り外してもねじ26を自在脚44および46に装着しておくことができる。
【0034】なお、本例においてもスノコ板31の本数などが本例に示した数に限定されないことはもちろんである。
【0035】[第3の実施の形態]図13に、本発明の第3の実施の形態に係る変形可能な縁台1を上から見た様子を示し、図14に、本例の縁台1を正面から見た様子を示してある。また、図15には、本例の縁台1を横で切った断面を示し、図16に、本例の縁台1を正面で切った断面を示してある。なお、本例の変形可能な縁台1においても、第1の実施の形態で説明した変形可能な縁台1と共通する部分については同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0036】本例の変形可能な縁台1は、固定台2の上面を構成している床部材3が、固定されたスノコ板(固定板)32と、後述する伸縮根太(引き出し根太)38を内蔵したスノコ板(延設用板)33とを備えている。これらの固定板32および延設用板33は固定台2の短辺方向(第2の方向B)に沿って平坦な面を構成するように並んでおり、延設用板33は複数の固定板32の間に適当なピッチで配置されている。例えば本例では、図16に示すように固定板32と延設用板33が2:1で配置されている。
【0037】図15に示すように、固定板32の前端32aは、固定台2の長手方向Aに沿って延びた押さえ板58によって固定されている。一方、延設用板33の前端33aには、固定台2の長手方向Aに延びた枢56が配置されており、この枢56に延設用板33に収納された伸縮根太38の先端が取り付けられ、後述する図19に示すように、枢56を引き出せば伸縮根太38が延設用板32の内部から延びるようになっている。固定板32および延設用板33の後方には根太止め52が取り付けられており、固定台2の両側にわたされた後部枢57との間に後述するシート24を出し入れできる隙間63が設けられている。
【0038】固定台2の支柱5はコンクリートなどの台71の上に設置可能になっており、図15に示すように、固定台2の前方の支柱5aに根太掛け51が取り付けられており、固定板32および延設用板33の前方を支えている。支柱5aをつなぐツナギ梁7には、固定台2の前面をカバーし、後述する可変台4をカバーできるデザインパネル64がヒンジ12によって開閉可能に取り付けられている。
【0039】図17に、床部材3より下の固定台2に可変台4が収納されている様子を示してある。また、図18に、本例の縁台1を第2の状態に変形した様子を示し、図19に、その様子を横から見た断面を示してある。図17に示すように、本例では、第1の実施の形態で説明した縁台1と同様に、2本の旋回する床受梁43および44(旋回腕部41および42)を可変台4として備えている。従って、図18に示すように、床受梁43および44を旋回して第2の状態に変形できるようになっており、その上に伸縮根太38を装着できるようになっている。
【0040】図15および図16に示すように、伸縮根太38を収納したスノコ板(延設用板)33は、ほぼ正方形の断面形状をしたアルミニウム製の筒状部材であり、この中に、伸縮根太38が内蔵されている。伸縮根太38もアルミニウム製であり、ほぼ正方形断面をしたパイプ状の1番根太35と、2番根太36と、さらに3番根太37を備え、これらが同軸状に組み合わさって伸縮できるようになっている。1番根太35の先端35aには枢56が固定されており、図18に示すように、枢56を前方(矢印Dの方向)に引き出せば、1番根太35、2番根太36および3番根太37の順にスライドして引き出される。図15および図19に示すように、1番根太35、2番根太36および3番根太37の後端部35b、36bおよび37bにはローラー53が取り付けられており、1番根太35に装着されているローラー53が2番根太36の内周底面の上を転がり、その他の根太36および37も同様になっている。従って、枢56を持って誰にでも簡単に伸縮根太38を操作できる。また、2番根太36、3番根太37およびスノコ板38の先端部36a、37aおよび38aには、図19に3番根太37の先端37aを拡大して断面で示すように、ローラー53が引っ掛かるように内側向けて折れ曲がったストッパー39が形成されており、これらの内側から引き出される1番根太35、2番根太36および3番根太37が抜けるのを防止している。
【0041】また、図18および図19に示すように、1番根太35、2番根太36および3番根太37の先端35a、36aおよび37aには、第2の状態に変形した床受梁43および44の上に載り、これらの根太35、36および37を支えられる大引き54が取り付けられている。大引き54は、根太35、36、37と直行する方向Aに延びている。大引き54の両端の上部にはローラー60が取り付けられており、このローラー60が床受梁43および44に載り、伸縮根太38の動きに伴って床受梁43および44の上を移動する。この点でも伸縮根太38の操作が簡単で十分な強度を確保できる。さらに、大引き54の上部にローラー60を設けてあるので、収納時には床受梁43および44と並べて収納でき、強度の高い断面積の大きな大引きが使える。また、大引き54は、収納時の互いの干渉を防止できるように完全に固定されておらず、前後に若干動き、しまいやすいようになっている。
【0042】図19に示すように、床受梁43および44の先端43aおよび44aには着脱可能な自在脚45および46(図19には、一方の自在脚45だけを示してある。)が蝶ネジ72によって取り付けられており、床受梁43および44の荷重を支えることができるようになっている。また、床受梁43および44を旋回する際には、自在脚45および46を取り外して旋回のじゃまにならないようにすることができる。従って、床受梁43および44の旋回時に自在脚45および46が地面に引っかかったりせずに簡単に変形できる。さらに、自在脚45および46はジャッキハンドル73によって床受梁43および44の高さ調整をすることができるようになっている。例えば、地面74がでこぼこしていてたり、地面74に自在脚45がめり込まないように板73を敷いてその上に自在脚45および46を載せたりすれば、床受梁43および44の高さが変わってしまう。また、伸縮根太38は3番根太37、2番根太36、1番根太35の順に細くなっているため、前方は固定台2の上面よりも高さが低くなってしまう。これらのような、種々の要因による高さ変化を自在脚45および46によって調整することができる。
【0043】また、図15および図19に示すように、固定台2にはシート収納装置61が内蔵されている。シート収納装置61は固定台2の長手方向(第1の方向A)に延びた回転ドラム型をしており、固定台2の外側にその回転軸62が突き出している。回転軸62にはハンドル(図示せず。)が取り付けられており、シート収納装置61を回転させると、固定台2の上面の後方(矢印Eの方向)に形成された隙間63を通して第2の状態に変形した縁台1の上面に敷くシート24を巻き取り収納可能になっている。また、隙間63からシート24を固定台2の内部に引き込んだり、引き出したりする際に、シート24が当たる根太止め52やツナギ梁7には、シート24が円滑に移動できるようにシート用ローラー59が取り付けられている。
【0044】本例では、図10(b)に示した断面をもつシート24を用いて第2の状態に変形した縁台1の上面を覆えるようになっている。本例では、図10(a)と異なり、伸縮根太38と直交するようになっており、強度が高く、平坦な床を手軽に形成できる。さらに、シート収納装置24が軸61で巻き取り可能な方向なので簡単に出し入れできる。
【0045】ここで、本例の変形可能な縁台1を変形する手順をまとめると、次のようになる。まず、図15に示す第1の状態から、デザインパネル64を開き、2本の床受梁43および44を第2方向Bに旋回する。そして、床受梁43および44の先端に蝶ネジ72で自在脚45および46を取り付ける。
【0046】この状態で、伸縮腕部38の先端に取り付けられた枢56を引き出すと、1番根太35、2番根太36、3番根太37が順々に引き出される。これに伴って、1番根太35から3番根太37のそれぞれに取り付けられている大引き54が床受梁43および44の上面に沿って移動し、第2の状態に縁台1を変形できる。
【0047】このように、本例の変形可能な縁台1は、枢56を持って操作するだけで簡単に床を広げることができ、十分な強度の床を形成できる。伸縮根太38を完全に伸ばした後、自在脚45および46のジャッキハンドル73によって伸縮根太38の高さ調整を行い、前方の枢56の上面と後部枢57の上面がほぼ水平になるようにする。そして、シート24を収納装置61から引き出し、縁台1の上面をシート24で覆う。これにより、平坦な面積の広い床面が形成され、焼き肉や屋外パーティーなどに利用できるベランダを形成できる。また、シート24の上に茣蓙等を敷くことも可能である。また、第2の状態に変形した縁台1を元の面積の狭い縁台1に戻すには、上記の逆手順を行えばよいので、簡単で力もいらない。
【0048】このように、本例の変形可能な縁台1も、固定台2と、旋回して変形する可変台4(床受梁43および44)を備えており、必要なときに可変台4を変形して面積の広いベランダとしての機能を発揮することができ、通常は濡れ縁などとして利用できる。このため、収納場所に困らず、必要なときに広く快適に利用できる床面を庭などに作れる。
【0049】また、本例では、可変台4で上記の例と同様に簡単に変形できるとともに、床部材3が伸縮根太38を備えているので、伸縮根太38を伸縮することでその上に床を形成できる。伸縮根太38にはローラー53が取り付けられているので、伸縮時にローラー53が回転または滑ることにより、伸縮根太38を円滑に伸縮することができる。従って、スノコ板の移動が簡単であり、力もいらず、老若男女を問わず容易に変形が可能である。
【0050】また、本例の縁台1では、可変台4に装着された床部材3の上に敷くシート24がシート収納装置61に収納されている。従って、床部材3の上に簡単にシート24を敷いて平坦な面を形成でき、シート収納装置61にシート24を巻き取ることができるので、シートの収納場所に困ることもない。
【0051】なお、本例に限らず上述した変形可能な縁台1は、アルミニウム製(アルミニウム合金を含む)の部材などを例に説明しているが、木材、プラスチックなど適当な部材を用いてもよいことはもちろんである。
【0052】また、本例では、伸縮根太38は3段に形成されているが、4段以上であってももちろんよい。伸縮根太38にはローラー53が取り付けられているが、ローラー53の代わりに、摩擦の少ない部材を滑走片として取り付けてもよい。
【0053】本例では、伸縮根太38の抜けを防止するために、2番根太36、3番根太37およびスノコ板33の先端部36a、37aおよび33aにストッパー39を形成してローラー53が引っ掛かるようにしているが、この代わりに、またはこれと併用して、パンタグラフのように折りたたみ可能に組み合わさった棒で大引き54同士を繋ぐことにより、伸縮根太38の抜けを防止することもできる。すなわち、伸縮根太38を縮めた状態ではこの棒が折りたたまれ、伸縮根太38を最も伸ばした状態で棒が延びきるようにすれば、伸縮根太38をそれ以上引き出すことができないので、伸縮根太38の抜けを防止することができる。また、このような棒の代わりに、伸縮根太38を最も伸ばした状態で弛みがなくなる長さの紐で大引き54同士を繋いでもよい。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の変形可能な縁台は、第1の方向に延びたほぼ長方形の固定台の上面に床部材が取り付けられており、この固定台に収納した第1の状態および固定台の延びた第1の方向に対して直交する第2の方向に延長した第2の状態に変化可能な可変台を備え、この可変台に床部材を装着できるようになっている。従って、通常は可変台を固定台に収納した第1の状態にして、例えば濡れ縁などの普通の縁台として使用し、焼き肉パーティー等を行うときには可変台を延長した第2の状態にしてその上に床部材をのせ、面積の広いベランダを構成できるようにしている。可変台を2本の旋回腕部を備えたものにした場合には、旋回腕部を旋回させるだけの簡単な作業で第1の状態および第2の状態に切り換えでき、床部材の装着も単純な作業なので、複雑な動作や力を必要とせず、誰でも簡単に簡易のベランダを作成できる。また、このようなベランダは、床部材を可変台の上から固定台の上に戻し、可変台を固定台に収納するだけで面積の狭い縁台となり、例えば濡れ縁として利用できるので、別の収納庫を確保する必要がなく、収納に困らない。
【出願人】 【識別番号】597102901
【氏名又は名称】水野建築有限会社
【出願日】 平成9年(1997)7月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−42141
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−202730