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【発明の名称】 病院用ベンチ
【発明者】 【氏名】難 波 好 文

【氏名】松 本 光 世

【要約】 【課題】

【解決手段】前方下りの緩やかな傾斜を付けた座面1と、背もたれ2の上面2bから前面2aにかけてを大略円弧状断面の膨脹部に形成した背もたれ2を具備してベンチを構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方下りの緩やかな傾斜を付けた座面と、背もたれの上面から前面にかけてを大略円弧状断面の膨脹部に形成した背もたれを具備することを特徴とする病院用ベンチ。
【請求項2】 背もたれは、膨出部を有する上部側の前後幅を下部側の前後幅より大きく形成し、かつ、背面をフラットに形成した請求項1の病院用ベンチ。
【請求項3】背もたれは、座面に腰掛けたときその背もたれ上面に肘を支持させることができる高さに形成した請求項1又は2の病院用ベンチ。
【請求項4】 座面の高さを標準的なベンチの座面の高さに比べ高目に形成すると共に、背もたれの座面からの高さを標準的なベンチの背もたれの高さよりも低く形成した請求項1〜3のいずれかのベンチ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は病院の待合室等に置き、特に妊産婦や腰痛者のように通常姿勢でベンチに腰を下し難い者、例えば、妊産婦のように前かがみ姿勢をとり難い者が使用して有用なベンチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に病院の待合室には、来院者が腰掛けて使用するためのベンチが配置されているが、従来のベンチは一般の健常者が使用するためにデザイン,設計されたものであるため、来院者の体形や体調等、体の状態によっては使用し難い場合があった。
【0003】即ち、図4に例示した一般的或は標準的なベンチは、普通の人が安定に腰掛けて使用することができるようにするため、前面がほぼ平坦で後方へ少し傾斜した背もたれBrと、やや後方下りの傾斜が付された座面Sとを具備して形成されているが、このような形態のベンチであると、例えば腹部が前方へ大きく突出した妊産婦や腰を痛めた者は、その腰部を座面Sの奥深く、即ち、背もたれ側に寄せて位置付けることが、その体形や腰の痛みに起因して相当に困難であるか、或は、腰かけることができないこともあるからである。なお、図4において、Fはベンチのフレーム、Lはこのフレームの四隅に設けた脚である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者らは、上記のような点に鑑み、妊産婦や腰痛者等のように前かがみ姿勢をとり難い者であっても楽に腰掛けることができるベンチが病院の待合室等にあれば、そのような人であってもベンチを利用でき、例えば病院での待ち時間を過ごす上で便利であるとの結論に達し、鋭意研究,実験を重ねた結果、本発明ベンチの完成をみたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の下に完成された本発明ベンチの構成は、前方下りの緩やかな傾斜を付けた座面と、背もたれの上面から前面にかけてを大略円弧状断面の膨脹部に形成した背もたれを具備することを特徴とするものであり、本発明ベンチは上記構成に加え、前記背もたれを、その上部側の前後幅を下部側の前後幅より大きく形成したり、或は、背もたれを前記座面に腰掛けてその背もたれの上面に肘を支持させることができる高さに形成することも特徴とするものである。
【0006】また、本発明ベンチは、上記構成において、座面の高さを標準的なベンチの座面の高さに比べ高目に形成することにより、腰をかがめ難い妊産婦や腰痛者が身体を斜めにした状態で腰を下し易くすると共に、背もたれの座面からの高さを標準的なベンチの背もたれの高さよりも低く形成することにより、前記体勢で腰を掛ける者が肘を付いて自分の体勢を支えることができるようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明ベンチの実施の形態について図に拠り説明する。図1は本発明ベンチの一例の側面図、図2は図1のベンチの正面図、図3は図1のベンチの使用状態を示す側面図、図4は従来の一例の側面図である。
【0008】図において、1は本発明ベンチの座面で、その上面1aが前方下りの傾斜、ここでは大略1/200程度の下り勾配をなし、奥行きが400〜450mm程度、好ましくは420〜430mmに形成されている。2は前記座面1の後端から背もたれ上面2bにかけての前面1aの上半部が大略円弧状をなす断面の膨出面に形成されている。
【0009】上記の座面1と背もたれ2とは、一例として次の構成によって本発明ベンチの一例に形成されているので、次にこの点について説明する。3は上記座面1と背もたれ2とが取付けられて支持される平面矩形状をなすフレーム、4はこのフレーム3の四隅に下方に設け垂設した脚である。この脚4を具備したフレーム3の上には、上記の座面1と背もたれ2のいわば芯部材となる座フレーム11と背もたれフレーム21とが設けられ、これらの各11,21の外面に、座面1と背もたれ2とが、一例として発泡ウレタンをクッション材とし、このクッション材を人工皮革等の外皮で被覆することにより形成されて、本発明ベンチの一例に構成されるのである。
【0010】上記の本発明ベンチは、まず、座面1の前端における上面の高さを、一般的なベンチのその部位の標準的高さ380mm程度に比べ少し高め、具体的には、400〜500mm程度に形成すると共に前方下り傾斜面に形成した点が、通常のベンチと異なっている。これは、妊産婦や腰痛者のように、低い位置にある座面に腰を落して掛ける動作を行い難い人であっても、比較的に容易に腰をおろすことができ、また、その状態から立上り易くするためである。なお、座面1の高さの調節は、脚4の高さをそれぞれの高さに見合ったものに予め調節しておき、これを選択的に取付けるか、又は、一種類の脚を、その高さを調節可能に形成しておき、この脚を用いればよい。
【0011】次に、本発明ベンチでは、背もたれ2の全高を、座面1の後端部の上面からみて低目、具体的には280mm程度の高さに形成し、この背もたれ2の上面2bに、座面1に浅く腰をおろした人が余裕をもって肘をかけることができるようにしている。これは、座面1の前半側に腰をおろし、傾いた姿勢で背もたれ2に背中をあずけた着座者が背もたれ上面に置いた自分の肘によっても身体を支えることができるようにして、着座時の姿勢保持、或は、立上る際の身体の支えとすることができるようにするためである。
【0012】特に、本発明ベンチは、背もたれ2において、その前面2aの上半部から上面にかけてを、大略円弧状断面の膨出面に形成すると共に、この前面2aの上半部の前後幅(厚さ)を下半側の厚さよりも十分に大きくし、更に、背もたれ2の背面2cをフラットに形成している点が、最大の特徴的構成である。その理由は、図3の使用態様に例示するように、お腹の大きな妊産婦N、或は、図示しない腰痛者が座面1に浅く(座面1の手前側)に腰掛けて上体を斜めに倒し乍ら背もたれ2の上部に身体Bをあずけても、この背もたれ2における上半部の膨出した部分(前面)2aに背中がよく支持されるようにするためである。
【0013】また、背もたれ背面2cを垂直なフラット面にしたのは、室内等の壁際に本発明ベンチを置く場合のスペース効率を考慮したためであり、また、壁際に置いても、背もたれ上半部の厚みが前方側へ膨出した形態で大きいため、着座者の頭部が壁に触れたりしないので腰掛けにくくなることはない。図3において、二点鎖線Mは通常の人の着座姿勢を示している。なお、本発明ベンチは、室内用のみならず、屋外用に形成して公園等の屋外に置いて使用してもよい。この場合、座面1や背もたれ2の材質は、耐候性のある材料、例えば、木,プラスチック,金属で形成することとなる。
【0014】
【発明の効果】本発明ベンチは以上の通りであって、従来、病等院の待合室等に置いてあるベンチは、座面に深く腰掛け、背もたれに着座者の腰部から背中部分をほぼ密着状態で支持させるようにした座面と背もたれの形態であったため、お腹の大きな妊産婦や、腰痛のある者のように、体形や腰の状況等によって座面に深く腰をかけることができない者にとっては、きわめて使用し難いものであった。しかし、本発明ベンチでは、座面を前方下りの浅い傾斜面に形成すると共に、背もたれも低く、しかも、その背もたれの上半部に大きな厚みを持たせ、かつ、その背もたれの前面から上面にかけてを略円弧状断面の膨出した形状としたので、座面に浅くしかかけられない者であっても、前記背もたれの前面上半部の断面円弧状の膨出部が、様々な角度で斜めになって前記背もたれに背中をあずけた着座者の背中を十分に支えることができ、また、この姿勢で背もたれ上面に肘を突くこともできるので、前記妊産婦や腰痛者であっても楽にベンチを利用することができるほか、座った後の立上り動作も容易に行うことができるという、従来の一般的形態のベンチでは得ることのできない使用感を得ることができる。
【0015】また、本発明ベンチは、座面の奥深くに腰掛けることができる通常の者に対しても、上記背もたれ前面上半部の膨出部が着座者の背中から腰部にかけて効果的にサポートできるので、通常ベンチとしても良好な掛け心地が得られる。
【出願人】 【識別番号】000127282
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
【出願日】 平成9年(1997)6月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助 (外1名)
【公開番号】 特開平11−9388
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−184646