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【発明の名称】 車両用アームレスト
【発明者】 【氏名】細田 浩嗣

【要約】 【課題】適正高さのアームレストを備えると共にアームレストを収納して可倒式クッションを前倒ししたときの高さを着座可能な高さに設定して座席間の移動を容易にした車両用アームレストを提供すること。

【解決手段】車両用シート11 ,12 のシートバック3,3相互間に、少なくとも一方のシートバック3に着脱自在に固定された可倒式クッション14を配設し、この可倒式クッション14の前面に、回動可能なアームレスト23を備えたことにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用シートのシートバック相互間に、少なくとも一方のシートバックに着脱自在に固定された可倒式クッションを配設し、この可倒式クッションの前面に、回動可能なアームレストを備えたことを特徴とする車両用アームレスト。
【請求項2】 上記可倒式クッションを前倒ししたときに可倒式クッションの面位置を、車両用シートのシートクッションと略同一面位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用アームレスト。
【請求項3】 上記可倒式クッションの少なくとも一側面に係合部を設け、この係合部に係合する係止手段をシートバックに形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用アームレスト。
【請求項4】 上記可倒式クッションを前倒ししたときにコンソールボックスの蓋を構成するように形成し、この可倒式クッションをシートバックに組み付けたときに、該可倒式クッションから分離してコンソールボックスの開口部を塞ぐ蓋を、上記可倒式クッションに一体的に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用アームレスト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート相互間に、最適高さに配置することができる車両用アームレストに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図13に示すように、車両のシート100相互間には、コンソールボックス101が設けられている。このコンソールボックス101は、コンソールボックス本体102と蓋103とで構成されており、この蓋103の高さは、シート100のクッション104の面位置より、通常、高く形成されて、アームレストとして利用できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術によると、コンソールボックス101が飛び出しているため、座席を横に移動するときにコンソールボックス101が邪魔になり、席の移動が困難であった。また、停車時等にコンソールボックス101は座れるようには成形されていないので、コンソールボックス101の蓋103に着座することはできなかった。さらに、コンソールボックス101の多くは、アームレストを兼用しているが、アームレストとしては位置が低すぎる課題がある。
【0004】本発明は上記課題を解決し、適正高さのアームレストを備えると共にアームレストを収納して可倒式クッションを前倒ししたときの高さを着座可能な高さに設定して座席間の移動を容易にした車両用アームレストを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するため、車両用シートのシートバック相互間に、少なくとも一方のシートバックに着脱自在に固定された可倒式クッションを配設し、この可倒式クッションの前面に、回動可能なアームレストを備えたことにある。また、本発明は、可倒式クッションを前倒ししたときに可倒式クッションの面位置を、車両用シートのシートクッションと略同一面位置に形成したことにある。さらに、本発明は、可倒式クッションの少なくとも一側面に係合部を設け、この係合部に係合する係止手段をシートバックに形成したことにある。またさらに、本発明は、可倒式クッションを前倒ししたときにコンソールボックスの蓋を構成するように形成し、この可倒式クッションをシートバックに組み付けたときに、該可倒式クッションから分離してコンソールボックスの開口部を塞ぐ蓋を、上記可倒式クッションに一体的に形成したことにある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0007】図1および図2において、自動車等の車両用シート(以下、シートと呼ぶ。)11 ,12 は、シートクッション2と、シートクッション2の後端部にリクライニング機構(図示せず)を介して設けられたシートバック3とで構成されている。シートクッション2の下面には左右一対のフレーム4が取り付けられている。
【0008】フロントシートの場合、フレーム4の下部には、図面では示していないが、通常、ブラケットが溶着されており、このブラケットを、スライドレールに取り付けることによってシート11 ,12 を前後にスライドさせることができる。
【0009】上記シート11 ,12 相互間には、コンソールボックス5が配設されており、このコンソールボックス5は、箱体6の上部開口端の前後にフランジ部71 ,72 が、左右にフランジ部81 ,82 がそれぞれ形成されており、前後のフランジ部71 ,72 は横断面半円状に形成して引っ掛け部9を構成している。このコンソールボックス5は、一方のシート11 のフレーム4に装着された支持フレーム10に上記引っ掛け部9を介して装着されている。上記支持フレーム10は、フレーム4を構成するパイプ11の上下方向のパイプ11aに、それぞれ車体幅方向に向けて延設された支持アーム12,12と、これら支持アーム12,12の先端部相互間に掛け渡された接続杆13とで構成されており、上記支持アーム12,12に前後の引っ掛け部9を引っ掛けることによりコンソールボックス5が支持されている。
【0010】上記シート11 ,12 のシートバック3,3相互間には、少なくとも一方のシートバック3に後述するロック機構を介して連動可能に取り付けられた可倒式クッション14が設けられている。
【0011】このロック機構は、可倒式クッション14の側面上端部に装着された係合部としてのストライカ15を、シートバック3の側面に設けられた係止手段としてのロック装置16に係合させて固定されるものである。ストライカ15はU字状に形成した金具の両端を可倒式クッション14の内部構造体(図示せず)に螺合あるいは溶接等によって固定されたものである。一方、ロック装置16はシートバック3の側部に内蔵されたもので、シートバック3の側部に、前端から側方にかけて形成された切り込み溝17に向けてロック装置16の掛けがね部16aが開口するように配設されている。このロック装置16は、シート11 の上端に突出して設けられたノブ18によって、掛けがね部16aを引き上げてストライカ15との係合を解除するものである。
【0012】この可倒式クッション14は、下端部に挿通されたピン19を介してシートバック3をシートクッション2に回動可能に取り付けるナット付きボルト20に取り付けられている。シートバック3は下端部に突出した取付ステー21に形成された取付孔21aを、シートクッション2の後部上端部に設けられた取付ステー22の取付孔22aに合わせてナット付きボルト20を挿通し、図示しないナット等によってシートクッション2に取付けられている。このナット付きボルト20のナット部にピン19の先端部に設けられたネジ部19aを螺合して、可倒式クッション14が装着されている。この可倒式クッション14の前面には、クッションの一部を切り欠くようにして形成されたアームレスト23が回動可能に具備されている。このアームレスト23の下端部は、可倒式クッション14の切り欠き部14aの両端に突設された一対の取付ステー24にボルト25およびナット25aを介して回動可能に取り付けられており、可倒式クッション14の立設位置で、図3に示すように、シートクッション2と略平行状態を保つように配設されている。
【0013】この可倒式クッション14は、前倒ししたときに、図4に示すように、背部が両隣りのシートクッション2と略面一に形成されており、かつ、倒した状態で上記コンソールボックス5の蓋26を兼ねるように形成されている。この可倒式クッション14の構造は、図5に示すように、パッド27の表面を表皮281 ,282 で覆うように形成されている。
【0014】上記可倒式クッション14は、図6に示すように、シートバック3,3とともに後方に倒すことができ、図7に示すように、シート11 ,12 後部側の後部シート29とともにフラット状態にすることができる。
【0015】上記構成によると、可倒式クッション14を起こしてストライカ15をシートバック3のロック装置16によって固定する。そして、アームレスト23を前方側に回動させて、シート11 ,12 相互間にアームレスト23を装備することができる。こうして、アームレスト23は適正位置に配設されるので、走行時の肘掛けとして最適である。次に、アームレスト23を収納して可倒式クッション14を前倒しすると、コンソールボックス5の蓋26を兼ねることができる。そして、可倒式クッション14はシートクッション2と略同一面位置となるので、座席の高さが一定となり、車幅方向に移動して座席を変更することを容易に行うことができる。
【0016】図8ないし図11は本発明の他の実施の形態で、図2と同一部分は同符号を付して、その説明を省略して示す。この場合、可倒式クッション30は、三分割されて形成されており、前面にアームレスト23が装着され、後面に着脱自在の蓋31を配設したものである。蓋31は裏面の一端部に幅方向の凹条32が形成され、この凹条32を介して前部側のフランジ部71 に載置して、コンソールボックス5に蓋31をするものである。蓋31の裏面には、面ファスナー33とロック装置34が設けられており、この面ファスナー33とロック装置34によって、可倒式クッション30の本体部35に組み付けられている。可倒式クッション30の本体部35には、蓋31に装着された面ファスナー33に接合する面ファスナー33aと、ロック装置34が把持する相手となるピン19が露出している。ピン19は可倒式クッション30を支持する軸を利用したもので、可倒式クッション30の本体部35に穴36を空けて露出させている。そして、可倒式クッション30は、蓋31を外して、図10に示すように、シートバック3,3とともに後方に倒した際に、コンソールボックス5の上方の開口部37に蓋31を載せる。こうして、図11に示すように、シート11 ,12を後部シート29とともに略フラット状態にしたときに完全に開口部37を塞ぐことができる。図12は、シートバック3,3を起こしてベンチシートととして使用する状態を示したものである。
【0017】上記実施の形態の効果は次の通りである。アームレスト23は適正位置に配設されるので、肘掛けとして最適である。アームレスト23を収納して可倒式クッション14を前倒しすると、コンソールボックス5の蓋26を兼ねることができる。そして、可倒式クッション14はシートクッション2と略同一面位置となるので、座席の高さが一定となり、車幅方向に移動して座席を変更することを容易に行うことができる。さらに、可倒式クッション14の構造は、パッド27の表面を表皮281 ,282 で覆うように形成されているので、座席として腰掛けた場合にも、座り心地が良い。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による車両用アームレストによれば次のような効果を奏することができる。請求項1において、車両用シートのシートバック相互間に、少なくとも一方のシートバックに着脱自在に固定された可倒式クッションを配設し、この可倒式クッションの前面に、回動可能なアームレストを備えたので、アームレストの高さを最適高さに設定することができる。請求項2において、可倒式クッションを前倒ししたときに可倒式クッションの面位置を、車両用シートのシートクッションと略同一面位置に形成したので、着座可能であるとともに、逆側の席への移動を容易に行うことができる。請求項3において、可倒式クッションの少なくとも一側面に係合部を設け、この係合部に係合する係止手段をシートバックに形成したので、可倒式クッションをシートバックに追従させることができる。可倒式クッションを二点で支持することができることから、固定が確実であるとともに可倒式クッションが回転しない。よって、可倒式クッションの上に物を載せた場合にも落下することがない。請求項4において、可倒式クッションを前倒ししたときにコンソールボックスの蓋を構成するように形成し、この可倒式クッションをシートバックに組み付けたときに、該可倒式クッションから分離してコンソールボックスの開口部を塞ぐ蓋を、上記可倒式クッションに一体的に形成したので、シート相互間の隙間を塞ぐことができることから、ベンチシートとして利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚男 (外4名)
【公開番号】 特開平11−9385
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−164049