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【発明の名称】 移動ラックのベースフレーム連結構造
【発明者】 【氏名】中西 靖

【要約】 【課題】簡単にかつ直線性よく移動ラックのベースフレーム同士を長手方向に連結することができるベースフレーム連結構造を提供する。

【解決手段】移動ラックの底枠2を構成するベースフレーム31、32同士を長手方向に連結するために、連結部材1を設けその両端部1a、1eにボルト41、ナット42を利用して前記各ベースフレーム31、32の端部31a、32aをそれぞれ取り付けるように構成したものにおいて、前記ボルト41、ナット42による取り付け動作に伴って、ベースフレーム31、32と連結部材1とをテーパ係合させるテーパ係合部6を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】移動ラックの底枠を構成するベースフレーム同士を長手方向に連結するために、連結部材を設けその両端部にボルト等の取付部材を利用して前記各ベースフレームの端部をそれぞれ取り付けるように構成したものにおいて、前記取付部材による取り付け動作に伴って、ベースフレームと連結部材とをテーパ係合させるテーパ係合部を設けたことを特徴とする移動ラックのベースフレーム連結構造。
【請求項2】テーパ係合部が、略水平に挿入した取付部材であるボルトの緊締力により連結部材とベースフレームとをテーパ係合させ得るように構成したものである請求項1記載の移動ラックのベース連結構造。
【請求項3】テーパ係合部を構成するテーパ面が、前記長手方向に沿って設けられた上下に対をなすものであり、この対をなすテーパ面間の距離寸法が、側方に向かって徐々に拡大または縮小するように構成されている請求項1または2記載の移動ラックのベース連結構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書庫等で用いられる移動ラックにおいて、その底枠を構成するベースフレームを長手方向に延長する際に用いられるベースフレーム同士の連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図書館や倉庫等で用いられ、床に配設されたレール上を移動可能な移動ラックには、必要に応じて、移動方向と直交する方向である左右方向の長さを設定できるようにするため、底枠を構成する前後の各ベースフレームに、それぞれ連結部材を介して長手方向にさらにベースフレームを継ぎ足すための連結構造を設けている場合がある。しかして従来の連結構造としては、図8、図9に示すように、ベースフレーム31A、32Aを、立設板3Bとその両縁部からそれぞれ水平に延出された上板3C及び下板3Dとを具備した側方に開口する横断面コの字形のチャンネル状部材とするとともに、連結部材1Aをベースフレーム31A、32Aの開口に嵌まり込む大きさの同様な形状でより短尺のチャンネル状部材とし、この連結部材1Aの両端部にそれぞれベースフレーム31A、32Aを取着して、ベースフレーム同士31A、32Aを長手方向に連結できるようにしたものが知られている。具体的に各ベースフレーム31A、32Aを連結部材1Aに取りつけるには、それらの上板3C、1C同士及び下板3D、1D同士を、上下に貫通するボルト41Aにより締着するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した横断面コの字形のチャンネル部材を利用した連結構造では、ベースフレームに連結部材を取り付ける際にある程度のがたを設けておくことが必要である。しかしながら、このがたによって、単にベースフレーム同士を連結しただけでは直線性をだせず、従来は、これらベースフレーム同士の連結時に直線性をだすための調整作業が必要であった。特に、この種の移動ラックは通常現場で組み立てられるため、直線性をだすための調整作業に多大な時間と労力を費やしていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問題点を考慮して、簡単にかつ直線性よく移動ラックのベースフレーム同士を長手方向に連結することができるベースフレーム連結構造を提供することを目的としたものである。そしてそのためにベースフレームを連結部材に取り付ける際にテーパ係合するテーパ係合部を設けた構成にしている。
【0005】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明に係る移動ラックのベースフレーム連結構造は、移動ラックの底枠を構成するベースフレーム同士を長手方向に連結するために、連結部材を設けその両端部にボルト等の取付部材を利用して前記各ベースフレームの端部をそれぞれ取り付けるように構成したものにおいて、前記取付部材による取り付け動作に伴って、ベースフレームと連結部材とをテーパ係合させるテーパ係合部を設けたことを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、従来のように単にボルト締着するものと比べ、テーパ係合部によって、ベースフレームを連結部材に強固に取り付けることができ、しかも、連結部材を取り付けた際のテーパ係合作用により連結すべき両ベースフレームの姿勢が直線状に矯正される。したがって、直線性をだす細かな調整作業なしに、ベースフレーム同士を直線状に連結することが極めて容易にできる。しかも、従来であれば、ベースフレームを連結部材に取り付けるためには、ボルト等の取付部材を長手方向に少なくとも2ヶ所配設して、位置決めと連結支持を行えるようにしなければならなかったが、テーパ係合部が、連結支持の一部と位置決め機能を担うので、取付部材を、例えば長手方向に1ヶ所だけ配設した構成のものも実現可能となる。すなわち、取付部材の削減が可能になり、同時に組み立て作業時間の短縮にも貢献できることになる。
【0007】特に組み立ての作業性を向上させるには、テーパ係合部が、連結部材とベースフレームとを略水平に挿入した取付部材であるボルトの緊締力によりテーパ係合させ得るようにした構成のものが好ましい。なぜならば、連結部材とベースフレームとを近接押圧させテーパ係合させる場合、このボルトを側方から操作して螺着することができるからである。
【0008】連結するベースフレーム同士の直線性を向上させるためには、テーパ係合部を構成するテーパ面が、前記長手方向に沿って設けられた上下に対をなすものであり、この対をなすテーパ面間の距離寸法が、側方に向かって徐々に拡大または縮小するように構成されているものが好適である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜5を参照して説明する。図1は、本実施例における移動ラックの底枠2の概略構成を示す分解斜視図である。同図に示すように本実施例の移動ラックの底枠2は、移動ラックの進行方向に対し直交して前後に配設されたベースフレーム31、31と、これら前後用のベースフレーム31にそれぞれ長手方向Aに連結した延長用のベースフレーム32と、これら前後用ベースフレーム31、31間および延長用ベースフレーム32、32間に、横架させたローラ支持枠21とを具備する。各ベースフレーム31、32は、同様の断面形状をなすもので、起立させて用いる立設板3aとその両縁部からそれぞれ水平に延出された上板3b及び下板3cとを具備した内側方に開口するチャンネル状部材である。ローラ支持枠21は、レール(本実施例では3本であるが図示していない)に対応する位置において、その両端をベースフレーム31、32に取着されるものである。各ローラ支持枠21の両端部にはレール上を転動するローラ23がそれぞれ枢着されている。各ローラ支持枠21の一端側に枢着された各ローラ23は、その軸同士を中間軸26によって連結され、連動するように構成されている。中間軸26によって連結された各ローラ23は、中央のローラ支持枠21に取り付けられた電動モータ24により、ギヤ25を介して駆動される。なお、図示しないが、この底枠上に支柱やパネル等が配設されて、移動ラックが構成される。
【0010】しかして本実施例では、前後用のベースフレーム31、31に、それぞれ延長用のベースフレーム32、32を連結する際に、ベースフレーム連結構造5を利用する。このベースフレーム連結構造5は、連結部材1の両端部1a、1eにそれぞれベースフレーム31、32の端部31a、32aをテーパ係合部6を利用して取り付けることによりベースフレーム31、32同士を長手方向Aに連結するものである。
【0011】連結部材1は、図2〜図5に示すように、鉛直にして使用する起立板部1bと、この起立板部1bの上縁から斜め上方に向かって一体に延出させた上斜板部1cと、この起立板部1bの下縁から斜め下方に向かって一体に延出させた下斜板部1dとを具備した側方に開口する板金製のものである。各ベースフレーム31、32の端部31a、32aには、フレーム金具34を溶接等によって取り付けている。このフレーム金具34は、連結部材1の起立板部1bと同一もしくは若干大きい幅寸法を有しベースフレーム31、32における立設板3aの開口側側面に密着する起立板部34bと、この起立板部34bの上縁から斜め上方に向かって一体に延出させた上斜板部34cと、この起立板部34bの下縁から斜め下方に向かって一体に延出させた下斜板部34dと、上斜板部34cの端縁から水平方向に一体に延出されベースフレーム31、32の上板3bに密着する上水平板部34eと、下斜板部34dの端縁から水平方向に一体に延出されベースフレーム31、32の下板3cに密着する下水平板部34fとを具備した側方に開口する板金製のものである。
【0012】テーパ係合部6は、図2〜図5に示すように、連結部材1における上下斜板部1c、1dの反開口側表面にそれぞれ形成され、上下に対をなすテーパ面6aと、フレーム金具34の上下斜板部34c、34dにおける開口側表面にそれぞれ形成され上下に対をなすテーパ面6bとをテーパ係合させてなるものである。本実施例では対をなすテーパ面間の距離寸法が、内側方に向かって徐々に拡大するように構成されている。しかして、本実施例では、連結部材1の起立板部1bに貫通させたボルト挿通孔43と、これに対応する位置において、フレーム金具34の起立板部34bとベースフレーム31、32の立設部と貫通させたボルト挿通孔44とを設けている。そして、テーパ係合させる、すなわちこれらテーパ面6a、6b同士を押圧密着させるために、これらボルト貫通孔43、44に挿通するボルト41と、このボルト41に螺入するナット42とを具備させている。なお、本実施例ではこれらボルト41、ナット42が取付部材に相当する。
【0013】具体的に前後用の各ベースフレーム31に延長用のベースフレーム32を連結するには、次のように行う。連結部材1の一端部1aと前後用のベースフレーム31の一端部31aとをテーパ面6a、6b同士が向き合うように配置するとともに、ボルト挿通孔43、44にボルト41を外側から貫通させ、内方に突出した部分にナット42を螺入して緊締する。このことにより、連結部材1とベースフレーム3とは水平方向に相寄り、テーパ面6a、6b同士が食い込むように押圧密接される。同様にして連結部材1の他端部1eに延長用のベースフレーム32の一端部32aを取り付ける。
【0014】この結果、テーパ係合部6を構成するテーパ面6a、6b同士による面接触で、各ベースフレーム31、32は連結部材1に強固に取り付けられるだけでなく、ボルト41、ナット42の締着作業だけで何ら直線性をだすための調整作業を行わなくても、連結部材1とベースフレーム31、32とがテーパ係合作用で強制的に直線状に正確に設定される。すなわち、ベースフレーム31とベースフレーム32とを非常に直線性よく連結できることになる。また、ボルト41とナット42との締着作業が側方から行えるので締着作業の簡単化が図れる。さらに、テーパ係合部による連結強度が期待できることから必要とするボルト41、ナット42の個数を従来に比べ減少させることができ、部材の削減と、締着作業の簡単化に寄与させることができる。
【0015】なお、本発明は上述した実施例に限られず種々の変形が可能である。例えば、図6、図7に示すように、ベースフレーム31とベースフレーム32とを連結するための連結部材101を複数本上下に配置しても良い。この変形例では実施例と同様の形状をなしテーパ面16aを有する2本の連結部材101を上下に配置し、これに対応させて2対のテーパ面16bを有するフレーム取付金具134をベースフレーム31、32に固着している。なお、本変形例中実施例と対応する部材には同一の符号を付している。
【0016】また、テーパ係合部のテーパ面は、必要に応じてその傾斜方向を種々に設定してもかまわないし、角度等も適宣に設定することが可能である。要は、連結部材とベースフレームとを近づけるにしたがって、食い込むように構成されたものであればよい。また、フレーム金具を設けず、ベースフレームの形状そのものを、フレーム金具を長手方向に延長させたものにしてテーパ面を形成するようにしてもよい。3本以上のベースフレームを必要に応じて長手方向に連結する場合でも、上述したベースフレーム連結構造を適用できるのは言うまでもない。
【0017】その他、本発明は、図示例に限られず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、従来のようにボルト締着した場合と比べ、テーパ係合部によってベースフレームを連結部材に強固に取り付けることができる。しかも、連結部材を取り付けた際のテーパ係合作用により連結すべき両ベースフレームの姿勢が直線状に矯正される。したがって、移動ラックをレール上等の現場で組み立てる場合などでも、ベースフレーム同士を非常に直線性良く連結することが極めて容易にできる。その上、テーパ係合部が、連結支持の一部と位置決め機能を担うので、従来ボルト等の取付部材に一部担わせていたこれらの機能を不要にでき、取付部材の配設数を削減することなどができるようになる。
【0019】テーパ係合部が、連結部材とベースフレームとを略水平に挿入したボルトの緊締力によりテーパ係合させ得るようにした構成のものであれば、ボルトを用いて、連結部材とベースフレームとを近接押圧させ、テーパ係合させる場合、このボルトを側方から操作して螺着することができるので、組み立て作業の簡単化により寄与できる。
【0020】テーパ係合部を構成するテーパ面が、長手方向に沿って設けられた上下に対をなすものであり、この対をなすテーパ面間の上下寸法が、側方に向かって徐々に拡大または縮小するように構成されていれば、連結するベースフレーム同士の直線性を特に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
【公開番号】 特開平11−318592
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−129845