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【発明の名称】 昇降式収納棚
【発明者】 【氏名】花井 義泰

【要約】 【課題】収納機能に優れ、設置場所の制限が少なく、見栄えのよい昇降式収納棚を得る。

【解決手段】ワイヤ28で収納棚30が吊下され、ガイドレール46及びガイド44に案内されながら昇降装置42によって昇降する。収納棚30がワイヤ28で直接吊下されているので、収納棚30が占めるスペースが、実質的な収納空間となり、また、吊下式なので、垂れ壁等にも設置することができる。シャッター34が収納棚30と共に昇降して、ワイヤ28及びガイドレール46を遮蔽するようになっているので、見栄えが良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前面に設けられた開閉部材を開放して食器等を収納できる収納棚と、吊り材で吊下して前記収納棚を昇降させる昇降装置と、前記収納棚と壁面とに設けられ収納棚を案内するガイド手段と、を有することを特徴とする昇降式収納棚。
【請求項2】 前記収納棚と共に昇降し前記吊り材及び前記ガイド手段を遮蔽する遮蔽部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の昇降式収納棚。
【請求項3】 前記ガイド手段が、前記収納棚の裏面に昇降方向に沿って延設されたガイドレールと、前記壁面に設けられ前記ガイドレールが摺動可能に係合するガイドと、で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の昇降式収納棚。
【請求項4】 前記ガイド手段を構成するガイドレール又はガイドが、前記壁面に固定されるボードに予め設けられていることを特徴とする請求項1に記載の昇降式収納棚。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キッチン等の壁面に取付けられる昇降式収納棚に関する。
【0002】
【従来の技術】図9及び図10に示すように、キッチン94のスペースを有効に利用するため、食器等を収納するときには降下させ、収納後は上昇させることができる昇降式キャビネット70が提案されている(特開昭63−102710号参照)。
【0003】しかし、この昇降式キャビネット70は、外箱72と収納棚74とで構成されており、外箱72と収納棚74の間に昇降ガイド86等が配置されるので、収納棚74の実質的な容量が小さく、大皿等が収納しずらい。また、昇降装置82からワイヤ80を巻き出し、収納棚74を完全に降下させないと扉76が開放できず、使い勝手がよくない。
【0004】このため、図11に示すように、ガイド機構84を介して収納棚86を壁面88に直接昇降可能に取付け、ガススプリング90の押上力と収納棚86の自重を利用して昇降させる昇降式キャビネットがある(特開平3−215212号参照)。
【0005】しかし、上記の昇降式キャビネットでは、ガススプリング90を収納棚86の下方に配置する必要があり、常に露出するので、見栄えがよくない。また、対面キッチンでは、垂れ壁(図4参照)に収納棚86を取付けることになるが、下方に受けとなるものがないため、ガススプリング90を取付けることができず、昇降式キャビネットが設置できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事実を考慮して、収納機能に優れ、設置場所の制限が少なく、見栄えのよい昇降式収納棚を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、吊り材で収納棚が吊下され、ガイド手段に案内されながら昇降装置によって昇降する。収納棚の前面には、開閉部材が設けられており、昇降位置にかかわらず、開閉部材を開いて食器等を収納できる。また、収納棚が吊り材で直接吊下されているので、キッチンにおいて収納棚が占めるスペースが、実質的な収納空間となり、また、吊下式なので、垂れ壁等にも設置することができる。
【0008】請求項2に記載の発明では、遮蔽部材が収納棚と共に昇降して、吊り材及びガイド手段を遮蔽するようになっているので、見栄えが良い。
【0009】請求項3に記載の発明では、ガイド手段が、収納棚の裏面に昇降方向に沿って延設されたガイドレールと、壁面に設けられガイドレールが摺動可能に係合するガイドと、で構成されている。
【0010】このように、ガイドレールを収納棚の裏面に設け、壁面側にはガイドを設けることによって、ガイドを収納棚で常に隠すことができる。従来では、ガイドレールが壁面側に取付けられているので、収納棚が上昇したときは、ガイドレールの下部がむき出しになり、収納棚が下降したときは、ガイドレールの上部が露出する。
【0011】請求項4に記載の発明では、ガイド手段を構成するガイドレール又はガイドが、壁面に固定されるボードに予め設けられている。
【0012】このため、施工現場において、複数個数のガイドレール又はガイドを天井との取り合い、垂直性等を配慮して壁面に取付ける施工方法と比較すると、位置決めボートを位置出しして壁面に取付けるだけで、ガイドレール又はガイドの位置決めが完了するので、取付作業が短時間で完了する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図3に示すように、第1形態に係る昇降式収納棚では、天井10に昇降装置42を構成するモータボックス12が配置されている。このモータボックス12の中には、ボタンスイッチ14を操作することにより正転逆転する駆動モータ16が配設されている。
【0014】この駆動モータ16の駆動力は減速機(図示省略)を介して駆動ギア20に伝達される。駆動ギア20は、架台22に回動可能に支持されたドラム24の回転軸26に固定されている。ドラム24には、収納棚30を吊下したワイヤ28が巻き取られており、ドラム24を回転させることで、ワイヤ28を巻出し或いは巻取り、収納棚30を昇降させる構成である。
【0015】また、モータボックス12には、支持板32が配設されている。この支持板32には、シャッター34が巻き取られた回転ドラム36が回動可能に支持されている。回転ドラム36は、駆動モータ16と同期して回転する昇降モータ38で回転する。さらに、シャッター34の下端部は、ボックス型の収納棚30に連結されており、収納棚30と一体となって昇降する。
【0016】なお、シャッター34は、収納棚30の上方を取り囲むように3組配置されており、又は両側面が側壁の場合は前面のみにシャッターを配置し、収納棚30が下降したとき、どの角度からもワイヤ28が見えないように遮蔽している。
【0017】一方、収納棚30の裏面(壁面40側)には、断面がT字状のガイド44が取付けられている(図8参照)。そして、壁面40には、ガイド44が係合した状態で摺動可能なチャンネル形状のガイドレール46が、収納棚30の昇降方向に沿って延設されている。
【0018】この構成により、収納棚30が昇降時にぐらつかず、また、ワイヤ28が弛むようなことがあっても、ガイド44がガイドレール46の下端部に設けられたストッパー48に当り、落下しないようになっている。
【0019】さらに、ガイドレール46の上部には、収納棚30の上昇を制限する昇降用リミットスイッチ50が、下部には収納棚30の下降を制限する下降用リミットスイッチ52が設けられており、収納棚30が所定の位置にくると、駆動モータ16及び昇降モータ38を停止させるようになっている。
【0020】また、収納棚30の正面は開口されており、扉54がヒンジ56を介して開閉可能に取付けられている。扉54には、把手58が設けられており、両側開きに開放できるようになっている(図8参照)。
【0021】次に、本形態に係る昇降式収納棚の作用を説明する。
【0022】図2に示すように、上方に位置している収納棚30を下降させるには、図1に示すボタンスイッチ14の下降ボタン(図示省略)を押す。これにより、駆動モータ16及び昇降モータ38が正転して、ワイヤ28を巻き戻し、且つシャッター34を下降させる。
【0023】ここで、ボタンスイッチ14の停止ボタン(図示省略)を押すと、収納棚30を任意の高さ止めることができ、扉54を開いて食器等を収納できる。また、収納棚30はワイヤ28で直接吊下されているので、キッチン60における収納棚30が占めるスペースが小さくなり、実質的な収納空間も大きくなる。
【0024】また、停止ボタンを押さなくても、ガイド44が下降用リミットスイッチ52に当り、駆動モータ16及び昇降モータ38を停止させるので、下降中に他の家事をすることができる。さらに、収納棚30が下降した状態において、図3に示すように、シャッター34でワイヤ28及びガイドレール46が覆われているので、キッチン60の見栄えが良くなる。
【0025】なお、収納棚30は吊下式であるため、下方に押上げ機構を設ける必要がないので、図4及び図5に示すように、対面式キッチン等に用いられる垂れ壁62に取付けることもできる。
【0026】次に、第2形態に係る昇降式収納棚を説明する。
【0027】第2形態では、昇降装置42の基本構成は同一であるが、昇降装置42が、収納棚30の天壁30Aに固定され、ワイヤ28及びシャッター34が天井10に接続されている点が異なる。
【0028】このような構成を採用することで、収納棚30が重くなり不利となるが、施工現場において、天井10に昇降装置42を取付ける必要がないので、施工が短時間で完了する。
【0029】また、第2形態では、収納棚30の裏面にガイドレール46が取付けられ、壁面40にはガイド44が取付けられている。このため、ガイド44を収納棚30で常に隠すことができる。
【0030】次に、第3形態に係る昇降式収納棚を説明する。
【0031】第3形態では、図8に示すように、壁面40にボルト66で固定されるボード64にガイドレール46が埋め込まれている。
【0032】これは、収納棚30を収まりよく壁面40に取付ける施工時間を短縮するため、工場にてボード64にガイドレール46がガイド44との取り合い及び垂直性等を配慮して精度良く取付けられている。従って、施工現場では、壁面40にボード64を固定した後、上方からガイド44を係合させ、ストッパー板68でガイドレール46の上方を塞ぐだけでよい。
【0033】なお、本形態では、ボード64にガイドレール46を取付けたが、逆に、ボードにガイド44を取付け、収納棚にガイドレールを取付けてもよい。また、ガイド機構は、上述したガイドレール及びガイドに特定されるものでなく、収納棚を安定して昇降させることができるものであれば形状等は問わない。
【0034】さらに、本発明は、キッチンだけでなく、玄関、サニタリ等のウォールキャビネットに適用することができる。また、昇降装置を後付けすることができるので、既存の固定式キャビネットをそのまま利用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上構成としたので、請求項1の発明では、昇降位置にかかわらず、開閉部材を開いて食器等を収納できる。また、実質的な収納空間が大きくなる。請求項2の発明では、遮蔽部材が吊り材及びガイド手段を遮蔽するので、見栄えが良い。請求項3の発明では、収納棚が昇降したとき、ガイドレールの両端部がむき出しにならない。請求項4の発明では、ガイドレール又はガイドの位置決めが短時間で完了する。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開平11−309026
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−117516