| 【発明の名称】 |
家具における表面板構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】福原 敦志
【氏名】松本 博一
|
| 【要約】 |
【課題】薄金属板製の机天板の表面に張設する合成樹脂製の化粧板の材料を変更して、耐久性、耐衝撃性を向上させる。
【解決手段】机天板2における金属製のベース板5の表面に低結晶性のポリオレフィン樹脂からなるシートをその射出成形方向が互いに交叉するようにして2〜3層に積層した合成樹脂製のシート9a,9b,9cを貼着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テーブル等の家具における表面板を金属製のベース板とその表面側に貼着する合成樹脂シートとにより構成し、該合成樹脂シートは、低結晶性ポリオレフィンシートを2〜3層に積層したもので構成したことを特徴とする家具における表面板構造。 【請求項2】 複数の前記低結晶性ポリオレフィンシートをその射出成形方向が互いに交叉するように積層したことを特徴とする請求項1に記載の家具における表面板構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、表面を合成樹脂シートで被覆した机天板等の家具における表面板の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のスチール製の机における机天板30は、表面が傷つき難いように、ベースとなる鋼板31の表面に合成ゴム系溶剤形接着剤もしくは合成ゴム系ラテックス形接着剤32を介してメラミン樹脂からなる化粧板33を貼着しているのが通常であった(図3参照)。尚、符号34は机天板30の側縁に沿設した合成樹脂製のエッジ部材であり、鋼板31と化粧板33との側縁をカバーすることにより、その側縁に外部の物品が衝突するのを防止している。 【0003】ところで、メラミン樹脂は、機械的強度があり、表面硬度が高くて耐傷性に優れ、耐熱性、着色性が良好であるため、机天板の表面材に必要な性質を多く備えていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メラミン樹脂は熱硬化性樹脂であり、且つ弾性に乏しいからクラックが入り易いという問題があった。さらに、寸法変化性が大きいから、前述のような接着剤によりベースとなる鋼板に強固に接着していたので、廃棄処分時に鋼板とメラミン樹脂製化粧板との分離も困難であるという問題もあった。 【0005】本発明は、前記従来の技術的課題を解決するためになされたものであって、機械的強度がありながら、耐衝撃性が高く、且つ寸法安定性も良好な家具における表面板構造を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、テーブル等の家具における表面板を金属製のベース板とその表面側に貼着する合成樹脂シートとにより構成し、該合成樹脂シートは、低結晶性ポリオレフィンシートを2〜3層に積層したもので構成したことを特徴とするものである。 【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家具における表面板構造において、前記複数の低結晶性ポリオレフィンシートをその射出成形方向が互いに交叉するように積層したものである。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明を事務用の机の机天板に適用した実施形態について説明する。図1は事務用のスチール製の机1を示し、該机1の机天板2は、左右両側の脚体3、3上に図示しない固定金具を介して固定され、左右両脚体3,3後部上側と机天板2の後縁とは後幕板4にて隠されている。 【0009】図2は机天板2の拡大断面図を示し、ベース板5は厚さ1.5mm〜3mm程度の鋼板からなり、上板部の四周側を下向きに屈曲させ、その側縁を合成樹脂製の前エッジ材6、左右両側を側エッジ材7にて覆うように連結固定している。前記ベース板5の上面(表面)には、複数枚の低結晶性ポリオレフィン製のシート9a,9b,9cを積層状に配置している。本発明に係る低結晶性ポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性エラストマーの一種であるポリオレフィン系ポリマーの結晶相をいい、ポリエチレン樹脂(PE)及びポリプロピレン樹脂(PP)等を含むが、本実施例では、プロピレンモノマーをベースとした低結晶性のポリオレフィン樹脂である。この樹脂の比重は0.901 〜0.87であるが、好ましくは、比重は0.9 以下のものを使用する。 【0010】また、この材料は耐熱性が高く、他方、脆化温度は−15℃〜−13℃である。さらに、焼却時にダイオキシンが発生しないから環境汚染の問題がない。前記複数枚の低結晶性ポリオレフィンのシート9a,9b,9cを積層板に成形するには、各シートを押出成形、カレンダ成形、射出成形したときの押出方向、カレンダ方向、射出方向(以下、前記方向を射出成形方向という)を互いに90度ずつずらせる等交叉させて重ね、平板状の金型間に入れて加熱圧縮して、積層板を形成する。各シートの厚さ寸法は0.15mm〜0.3mm 程度であり、積層板の仕上がり厚さ寸法は0.5mm 〜1.0mm 程度である。前記ベース板5の表面側に配置するシート9aはアクリル系の粘着剤や、ポリオレフィン系のホットメルト粘着剤にてベース板5に貼着しても良い。 【0011】本発明に係る低結晶性ポリオレフィンのシート9a,9b,9cの積層板をベース板5の表面に張設した後、ベース板5と前記積層板とを一体的にプレス下降することで、ベース板5の側縁の曲げ加工時に、低結晶性ポリオレフィンのシートがひび割れすることなく加工曲面に沿って変形することができる。これにより、いわゆるポストフォーミング加工(シート貼着後のプレス成形加工)が至極容易にできる。 【0012】また、前記積層板に成形するとき、シート成形時の射出成形方向を互いに直交する(平面視で90度交叉する)ように重ねることにより、積層板の寸法安定性が至極良好となる。例えば、温度60℃、相対湿度95%の雰囲気で24時間放置しても、低結晶性ポリオレフィンのシート9a,9b,9cの積層板(700mm×700mm 正方形)の変形量は、0〜±0.5mm 程度であった。また、無配向となるので、シートを剥がすときに一定方向に裂けることがなく、剥がし易くなるという効果を奏する。 【0013】なお、本発明の家具は、テーブル等の机天板にかぎらず、棚板やキャビネットのケース本体等にも適用できることはいうまでもない。 【0014】 【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載の発明は、テーブル等の家具における表面板を金属製のベース板とその表面側に貼着する合成樹脂シートとにより構成し、該合成樹脂シートは、低結晶性ポリオレフィンシートを2〜3層に積層したもので構成したことを特徴とするものである。 【0015】このように、金属製のベース板に貼着する合成樹脂シートは、低結晶性ポリオレフィンシートを2〜3層に積層したから、従来のメラミン樹脂製化粧板を貼着したものよりも、機械的強度がありながら、耐衝撃性が高くなるという効果を奏する。そして、前記合成樹脂シートをアクリル系粘着剤にて金属板に貼着すれば、後に廃棄処理の際に剥がしやすくなるという効果も奏する。 【0016】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家具における表面板構造において、前記複数の低結晶性ポリオレフィンシートをその射出成形方向が互いに交叉するように積層したものであるから、1枚のシートであれば縦方向と横方向で伸縮性能がことなるが、方向を異なるようにして積層することで縦横の伸縮性が均一化される結果、請求項1に記載の発明の効果に加えて寸法安定性も良好となるという効果を奏するのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000139780 【氏名又は名称】株式会社イトーキクレビオ
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−276259 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−83169 |
|