| 【発明の名称】 |
転倒防止陳列台 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐野 剛志
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| 【要約】 |
【課題】陳列台を上方から吊り下げることにより、大きな振幅の振動にも十分な振動吸収機能を発揮して陳列品の転倒を防止する。
【解決手段】陳列品12を載置する台座14を備え、この台座14をこれの上方に適宜間隔をもって配置される天井16に、所定長さLを有する吊下げ部材18を介して揺動自在に吊り下げる。吊下げ部材18は、両端部を回動自在にピン22,24結合するワイヤーを用いる。台座14はその周囲に強化ガラス26を巡らして上端を天板28で閉止し、天板28の中央部に吊下げ部材18を結合する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 陳列品を載置する台座を備え、この台座をこれの上方に配置される保持部材に、所定長さを有する吊下げ部材を介して揺動自在に吊り下げたことを特徴とする転倒防止陳列台。 【請求項2】 陳列品を載置する台座と、この台座を囲繞して床面に配置されるフレームとを備え、上記台座を該フレームに所定長さを有する吊下げ部材を介して揺動自在に吊下げたことを特徴とする転倒防止陳列台。 【請求項3】 上記フレームと、このフレームが配置される床面との間に免震装置を介在したことを特徴とする請求項2に記載の転倒防止陳列台。 【請求項4】 上記吊下げ部材は、ばね部材のみ、またはばね部材と減衰部材とを併設して構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の転倒防止陳列台。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地震による陳列台の揺動を抑制して、この陳列台に設置された陳列品が転倒するのを防止するようにした転倒防止陳列台に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、陳列台には、商品の販売を目的としたショーケースや博物館等におけるように展示だけを目的としたショーケース等があるが、いずれの陳列台においても、地震に遭遇した場合には、陳列台が揺動し、その商品その他の展示品等の陳列品が破損する恐れがある。そこで、陳列台と床面との間に免震装置を介在して、床面からの入力を低減し、もって陳列品の転倒を阻止することが考えられる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陳列台と床面との間に免震装置を介在した場合でも、この免震装置の性能に限度があり、陳列品の転倒が防止される床面からの入力振幅が比較的小さなものとなってしまう。このため、振幅が大きな大地震等による床面からの入力に対しては上記免震装置で免震許容される範囲を越えることになり、十分な免震効果が得られず、場合によっては陳列品が転倒して破損されてしまうという課題があった。 【0004】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、陳列台を上方から吊り下げることにより、陳列品を転倒させる台座法線方向と直交方向に陳列品に作用する外力を小さくし、大きな振幅の振動にも十分な転倒防止機能を発揮することができる転倒防止陳列台を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明の請求項1に示す転倒防止陳列台は、陳列品を載置する台座を備え、この台座をこれの上方に配置される保持部材に、所定長さを有する吊下げ部材を介して揺動自在に吊り下げる。 【0006】また、本発明の請求項2に示す転倒防止陳列台は、陳列品を載置する台座と、この台座を囲繞して床面に配置されるフレームとを備え、上記台座を該フレームに所定長さを有する吊下げ部材を介して揺動自在に吊下げる。 【0007】更に、本発明の請求項3に示す転倒防止陳列台は、上記フレームと、このフレームが配置される床面との間に免震装置を介在する。 【0008】更にまた、本発明の請求項4に示す転倒防止陳列台は、上記吊下げ部材を、ばね部材のみ、またはばね部材と減衰部材とを併設して構成する。 【0009】以上の構成により本発明の転倒防止陳列台の作用を以下述べると、請求項1では陳列品を載置する台座が上下にピン接合部等を有する吊下げ部材を介して保持部材に揺動自在に吊り下げられるので、該吊下げ部材の長さを適宜調節しておくことにより、台座は保持部材に対して大きな変位量をもって水平方向に相対変位が可能となると同時に台座への入力は台座法線方向に変換される為、地震により保持部材が揺動された場合にも、台座に載置された陳列品を転倒させるような入力が防止され、大地震にあって振幅が大きい場合にも、陳列品が転倒するのを防止して保護することができる。 【0010】また、請求項2では陳列品を載置する台座が、床面に配置されるフレームから吊下げられたので、台座はフレームに対して水平方向の相対変位が可能となると同時に台座への入力は台座法線方向に変換される。このため、上記請求項1と同様に地震によりフレームが揺動された場合にも、台座に載置された陳列品が転倒するのを防止して保護することができる。また、台座はフレーム内に吊り下げたので、これら台座とフレームとを1つのユニットとして移動できるため、このフレームを移動することにより陳列場所を任意に配置換えし易くなる。 【0011】更に、請求項3では上記フレームと、このフレームが配置される床面との間に免震装置を介在したので、地震が発生された場合に該フレームには該免震装置を介して減衰された振動が入力されるため、該フレームの揺動を低減することができる。そして、このように揺動が低減されたフレームに吊下げ部材を介して台座を吊り下げてあるので、該台座に載置される陳列品の転倒防止効果が増大される。 【0012】更にまた、請求項4では上記吊下げ部材を、ばね部材のみ又はばね部材と減衰部材とを併設して構成したので、該吊下げ部材自体の伸縮が許容されて上記台座および陳列品を質量とするマスダンパを構成できるため、床面の上下方向への振動にも対応可能となり、上記ばね部材によるばね定数及びダンパの減衰性能を適宜設定することにより、台座上の陳列品の転倒防止効果を更に増大することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の転倒防止陳列台の第1実施形態を示す正面図である。 【0014】即ち、図1の転倒防止陳列台10は基本的な構造を示し、陳列品12を載置する台座14を備え、この台座14をこれの上方に適宜間隔をもって配置される保持部材としての天井16に、所定長さLを有する吊下げ部材18を介して揺動自在に吊り下げ、該台座14が床面20から適宜な高さhだけ上方に配置されるようになっている。 【0015】上記吊下げ部材18は、全体的に可撓性を備えた紐状体でもよく、また、図示するように両端部を回動自在にボールジョイント22,24やユニバーサルジョイント結合等のピン接合とする限りにおいて、曲げ剛性および剪断剛性の大きなワイヤーや鋼棒を用いることができる。上記台座14はその周囲に強化ガラス26等を巡らして上端を天板28で閉止し、該天板28の中央部、つまり重心上に上記吊下げ部材18を結合してある。 【0016】従って、この実施形態の転倒防止陳列台10にあっては、陳列品12を載置する台座14が吊下げ部材18を介して天井16に揺動自在に吊り下げられるので、吊下げ部材18の長さLを適宜設定しておくことによって、台座14は天井16に対して大きな変位量をもって水平方向の相対変位が可能となると同時に台座14への入力は台座法線方向に変換されるようになる。このため、地震が建物に入力されて天井16が揺動された場合にも、台座14に載置された陳列品12を転倒させるような入力が防止され、大地震にあって振幅が大きい場合にも、陳列品12が転倒するのを防止して保護することができる。 【0017】また、入力される地震が過大な場合でその振幅が大きい場合にも、天井16と台座14との相対移動量が大きいため、大振幅に十分に対応して台座14の揺動を小さく抑制できる。このため、上記台座14に載置された陳列品12が転倒するのを防止して損傷とか破損される割合を大幅に低減し、その保護機能を著しく向上することができる。勿論、この実施形態では吊下げ部材18の長さLは、台座14および陳列品12の荷重を質量とする振り子動作の振動系が、地震により入力される振動に共振しない長さに予め設定されることはいうまでもない。 【0018】図2は本発明の第2実施形態を示す転倒防止陳列台10aの正面図で、この実施形態を上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。 【0019】即ち、この実施形態の転倒防止陳列台10aは、床面20に載置されるフレーム30を設け、このフレーム30の頂部に吊下げ部材18を介して台座14を揺動自在に吊下げるようになっている。上記フレーム30は、台座14を上下方向および水平方向にそれぞれ適宜間隔をもって囲繞するように等配置される数本の上下フレーム30aと、これら上下フレーム30aの上端部間を連結する水平フレーム30bとを備え、該水平フレーム30bの中央部に上記吊下げ部材18が結合される。 【0020】従って、この実施形態では台座14が床面20に配置されるフレーム30から吊下げ支持されたので、該台座14は上記実施形態同様に該フレーム30に対して水平方向の相対変位が可能となると同時に台座14への入力は台座法線方向に変換されるようになる。このため、地震が建物に入力されて天井16が揺動された場合にも、台座14に載置された陳列品12を転倒させるような入力が防止され、大地震にあって振幅が大きい場合にも、陳列品12が転倒するのを防止して保護することができる。また、上記台座14はフレーム30内に吊り下げたので、これら台座14とフレーム30とを1つのユニットとして移動できるため、フレーム30を移動することにより陳列場所を床面20上で任意に配置換えし易くなる。 【0021】図3は本発明の第3実施形態を示す転倒防止陳列台10bの正面図で、この実施形態を上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。 【0022】即ち、この実施形態では上記フレーム30と、このフレーム30が配置される床面20との間に免震装置40を介在することにより構成される。この場合、上記フレーム30に底板32が設けられ、該底板32と床面20との間に上記免震装置40が構成される。該免震装置40の基本構造としては、フレーム30を安定的に支持できるように底板32下に配置される複数個のスプリング42を用い、これらスプリング42を底板32と床面20との間に介装して、フレーム30と床面20との間に作用する上下変位および水平変位を吸収するようになっている。 【0023】従って、この実施形態では地震が発生された場合に、フレーム30には上記免震装置40を介して減衰された振動が入力されることになり、該フレーム30の揺動を低減することができる。そして、このように揺動が低減されたフレーム30に吊下げ部材18を介して台座14が吊り下げられるため、該台座14に生ずる揺動を建物側に直接吊り下げる場合に比較して大幅に低減することができ、延いては、該台座14に載置される陳列品12の転倒防止効果が増大されることになる。 【0024】ところで、上記免震装置40はスプリング42を用いて構成し、上下方向および水平方向の振動低減を図る場合を開示したが、地震による振動は主に水平振動であるため、免震装置を免振ゴム、ボールやローラ等のベアリングおよびキャスター等の水平転動部材を用いて構成することもできる。また、図4に示すようにフレーム30の水平方向の免震機能を更に向上し、かつ、フレーム30の位置決め機能を付加した免震装置40aを用いることもできる。 【0025】即ち、図4に示す免震装置40aは、フレーム30が配置される床面20上に表面を滑らかに形成した滑り板52を設ける一方、該滑り板52上にはフレーム30の底板32に対応させて複数個の摺動ケース54を配置し、これら摺動ケース54に該底板32を載置するようになっている。摺動ケース54の下側には上記滑り板52との間の摩擦係数を小さくするため、テフロン等の底摩擦材で形成された摺動子54aが取り付けられている。また、本実施形態では上記摺動ケース54内に粘弾性材料(例えばゴム)56を充填してあり、一方、上記底板32には移動用に複数のキャスター58が設けられ、これらキャスター58が上記摺動ケース54内のゴム56上に係合状態で載置される。また、上記摺動ケース54は滑り板52の中央部に立設された支柱60にそれぞれスプリング62を介して連結される。 【0026】従って、上記免震装置40aでは、地震の水平振動成分により各摺動ケース54が滑り板52上を低摩擦係数をもって相対摺動して、フレーム30に入力される水平振動を効果的に低減することができる。また、地震が治まって水平振動が除去されると、各摺動ケース54はスプリング62を介して支柱60に連結されているので、フレーム30はそれぞれのスプリング62のばね力が釣り合う位置、つまり初期位置に自動的に復帰される。また、摺動ケース54内に充填したゴム56により床面20からフレーム30に伝達される水平および上下方向の微振動を遮断することができる。 【0027】図5は本発明の第4実施形態を示す転倒防止陳列台10cの正面図で、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。 【0028】即ち、この実施形態では吊下げ部材18を、互いに例えば並列配置されるばね部材18aと減衰部材18bとで構成してある。また、この実施形態では上記ばね部材18aとして引張りコイルスプリング等が用いられ、かつ、減衰部材18bとしてダンパが用いられている。 【0029】従って、この実施形態では吊下げ部材18はばね部材18aにより伸縮が許容されるため、台座14および陳列品12を質量としてマスダンパが構成され、かつ、この伸縮方向の振動を減衰部材18bで減衰できるようになっている。つまり、吊下げ部材18は、台座14とフレーム30とが上下に相対変位する場合のみならず、水平方向の相対変位によって振り子運動する場合にも伸縮される。このため、上記ばね部材18aおよび上記減衰部材18bで構成された吊下げ部材18は、ばね部材18aのばね定数及びダンパの減衰性能を適宜設定しておくことにより、床面振動の上下振動成分および水平振動成分をも効果的に減衰し、台座14の揺動を著しく低減することができる。 【0030】また、この実施形態ではフレーム30が免震装置40を介して支持された場合を図示するが、この免震装置40が用いられない図2に示す第2実施形態の場合、および図1に示したフレーム30が用いられない第1実施形態にあっても、それぞれの吊下げ部材18に適用して高い効果を発揮することはいうまでもない。更に、この実施形態ではばね部材18aおよび減衰部材18bを並列配置した場合を開示したが、これらばね部材18aおよび減衰部材18bを直列配置することによっても振動減衰効果を得ることができ、また、ばね部材18aのみによって吊下げ部材18を構成することもできる。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に示す転倒防止陳列台にあっては、陳列品を載置する台座が吊下げ部材を介して保持部材に揺動自在に吊り下げられるので、該吊下げ部材の長さを適宜調節しておくことにより、台座は保持部材に対して大きな変位量をもって水平方向に相対変位を可能となると同時に台座への入力は台座法線方向に変換される為、地震により保持部材が揺動された場合にも、台座に載置された陳列品を転倒させるような入力が防止され、大地震にあって振幅が大きい場合にも、陳列品が転倒するのを防止して保護することができる。 【0032】これ故、大地震にあって振幅が大きい場合にも、これに十分に対応して台座の揺動を小さく抑制できるため、この台座に載置された陳列品が転倒するのを防止して損傷とか破損される割合を大幅に低減し、その保護機能を著しく向上することができる。 【0033】また、本発明の請求項2に示す転倒防止陳列台にあっては、陳列品を載置する台座が、床面に配置されるフレームから吊下げられたので、台座はフレームに対して水平方向の相対変位が可能となると同時に台座への入力は台座法線方向に変換される為、地震により保持部材が揺動された場合にも、台座に載置された陳列品を転倒させるような入力が防止され、大地震にあって振幅が大きい場合にも、陳列品が転倒するのを防止して保護することができる。 【0034】これ故、地震によりフレームが揺動された場合にも台座の揺動が抑制されて、この台座に載置された陳列品が転倒するのを防止して保護することができる。また、台座はフレーム内に吊り下げたので、これら台座とフレームとを1つのユニットとして移動できるため、このフレームを移動することにより陳列場所を任意に配置換えし易くなる。 【0035】更に、本発明の請求項3に示す転倒防止陳列台にあっては、上記フレームと、このフレームが配置される床面との間に免震装置を介在したので、地震が発生された場合に該フレームに入力される振動は該免震装置を介して減衰されるため、該フレームの揺動を低減することができる。そして、このように揺動が低減されるフレームに吊下げ部材を介して台座が吊り下げられるので、該台座に生ずる揺動を更に低減することができ、該台座に載置される陳列品の転倒防止効果を増大することができる。 【0036】更にまた、本発明の請求項4に示す転倒防止陳列台にあっては、上記吊下げ部材を、ばね部材のみ、またはばね部材と減衰部材とを併設して構成したので、該吊下げ部材自体の伸縮が許容されて上記台座および陳列品を質量とするマスダンパを構成できるため、台座の揺動低減効果を更に増大することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−266951 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−70645 |
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