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【発明の名称】 収納装置
【発明者】 【氏名】西尾 稔

【氏名】新妻 富士夫

【氏名】岡野 信夫

【氏名】中山 直己

【氏名】中川 浩

【要約】 【課題】収納空間内の空気は滞留により湿度や温度が上昇し、収納空間壁面や収納物にかびが発生したり、食品等の収納物が腐敗しやすい。又収納空間内は空気の滞留により揮発性有機化合物のガスが充満し、扉を開けた時に有機化合物ガスの吸引により居住者の健康を害したり、刺激臭により強い嫌悪感を与えることがある。

【解決手段】居住空間の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後再度その空気を居住空間に循環する、又は床下の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後その空気を居住空間に循環する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 居住空間の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後再度その空気を居住空間に循環することを特徴とする収納装置。
【請求項2】 複数の収納空間を備え、各収納空間で滞留又は/及び流動した空気を、共通の通気空間を介して居住空間に循環することを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項3】 収納空間を構成する扉、側板、上板、背板、下板の少なくとも一構成要素を、有孔板材で構成したことを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項4】 床下の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後その空気を居住空間に循環することを特徴とする収納装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部空間の空気を換気する収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の収納装置には内部空間の空気を換気する構造はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の収納装置では、収納空間内の空気の換気がなされないため空気の滞留により湿度や温度が上昇し、収納空間壁面や収納物にかびが発生したり、食品等の収納物が腐敗しやすい。又収納空間内は空気の滞留により収納空間の構成材料から揮散するVOC,ホルムアルデヒド等揮発性有機化合物のガスが充満し、扉を開けた時に有機化合物ガスの吸引により居住者の健康を害したり、刺激臭により強い嫌悪感を与えることがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決した本発明の収納装置は、居住空間の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後再度その空気を居住空間に循環すること、又は床下の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後その空気を居住空間に循環することを特徴とするものである。
【0005】各構成要件について、詳説する。収納空間には、キッチンの調理台下部の収納空間や吊り戸棚或いは食器棚、寝室のクロ−ゼットや収納壁、和室の押入れ、リビングル−ム窓下の収納棚等がある。構造的には、和室の押入れのように建物と一体に構成されたものと、コンポ−ネントされた収納家具を居住空間に設置して構成されたものがある。
【0006】床下空気とは、一階床と地盤面の間を流通する空気であり、床下空気を給気すると、風による圧力変動の影響を受けることなく定常状態で換気が行え、過剰換気が防止できる。又床下の空気の温度は四季を通じた温度変化が比較的小さく安定しているので、屋内の温度環境制御が乱れたり空調の熱負荷が大きく増加することがない。床下の地表面全面に樹脂シ−トを敷くと、地表面からの水分蒸発が抑制され、床下空気の湿度を適度に保てることになり好ましい。
【0007】収納空間に導入された空気が、収納空間で滞留又は/及び流動した後再度居住空間に循環するためのエネルギ−としては、収納空間内外の温度差に基づく圧力差を活用して所謂自然換気によることでもよいが、空気経路の中に電動ファンを設置して強制的に循環してもよい。
【0008】収納壁や和室押入れ等複数の収納空間が縦又は横に隣接する場合、各収納空間で滞留又は/及び流動した空気を共通の通気管を介して居住空間に循環すると、複数の収納空間をリンクさせて空気循環でき、更に電動ファンを設置して強制的に空気循環する場合には、空気循環経路や設備が合理的に設計できるとともにメンテナンスが簡単になり好ましい。
【0009】収納空間を構成する扉、側板、上板、背板、下板の少なくとも一構成要素を、鉄、アルミニウム、プラスチック等の有孔板材で構成することにより居住空間の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後、再度その空気を居住空間に循環する構造を採用すると、別途空気循環用の開口を設ける必要がなくシンプルな構造になり、しかも広い面積から均一に空気の入替えが行えるため収納空間の換気効果が高くなり好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を示す図面に基づき説明する。図1の収納装置は、キッチン調理台下部に一体に設けられた収納装置であり、台輪4の開口から居住空間3の空気を収納空間1に導入し、収納空間1で滞留及び流動した後再度その空気を扉5の開口から居住空間3に循環する。棚板6の奥部分にも開口を設け収納空間1内での空気の流動を促進する。
【0011】図2及び図3の収納装置は、キッチン調理台下部に一体に設けられた収納装置であり、台輪4の開口から居住空間3の空気を収納空間1に導入し、収納空間1で滞留及び流動した後再度その空気を天板7奥部分の開口から居住空間3に循環する。棚板6の奥部分及び左右収納空間1の仕切り板8にも開口を設け、収納空間1内での空気の流動を促進する。
【0012】図4の収納装置は、キッチン調理台下部に一体に設けられた収納装置であり、床9の開口及び収納装置の底板10の開口を通して床下2の空気を収納空間1に導入し、収納空間1で滞留又は/及び流動した後再度その空気を扉5の開口から居住空間3に循環する。棚板6の奥部分にも開口を設け収納空間1内での空気の流動を促進する。この収納装置は床下2の空気を収納空間1を介して居住空間3に給気して居住空間3の換気を行うため、風による圧力変動の影響を受けることなく定常状態で居住空間3の換気が行え、過剰換気が防止できる。又床下空気の温度は四季を通じた温度変化が比較的小さく安定しているので、屋内の温度環境制御が乱れたり空調の熱負荷が大きく増加することがない。床下2の空気を給気する床9の開口及び収納装置の底板10の開口には、虫侵入防止用のネットを設けたり、或いはフィルタ−を設けて空気清浄機能を付加することが出来る。
【0013】図5の収納装置は、キッチン調理台下部に一体に設けられた収納装置であり、床9の開口及び収納装置の底板10の開口を通して床下2の空気を収納空間1に導入し、収納空間1で滞留又は/及び流動した後再度その空気を天板7奥部分の開口から居住空間3に循環する。棚板6の奥部分にも開口を設け、収納空間1内での空気の流動を促進する。
【0014】図6及び図7の収納装置は、キッチン調理台下部に一体に設けられた収納装置であり、床下2の空気を床9の開口通して収納装置の底板10と床9の間の閉空間11に導入する。この空気はダンパ12の切り替えに応じ、図6に示す場合には底板10の開口から収納空間1に導入し、収納空間1で滞留又は/及び流動した後再度その空気を扉5の開口から居住空間3に循環する。尚収納空間1内での空気の流動の促進のため、棚板6の奥部分に開口を設ける。又図7に示す場合には空気を収納装置の底板10と床9の間の閉空間11に導入された床下2の空気を、台輪4の開口から居住空間3に給気して居住空間3の換気を行う。ダンパ12の切り替えは、リンク機構を使用した手動方式や、モ−タ−を使用した電動方式等の駆動機構を採用する。この収納装置においては、ダンパ12の切り替えにより、必要な場合に図6に示すモ−ドで収納空間内の空気の換気を図り、それ以外においては図7に示すモ−ドで床下2の空気を、居住空間3に給気して居住空間3の換気を図ることができる。
【0015】図8の収納装置は、壁の床から天井まで一連に設けられた所謂収納壁であり、台輪4の開口から居住空間3の空気を収納空間1と建物の天井面、壁面及び床面の間に連続して形成された通気空間13に導入し、図8に示すようにダンパ12が閉鎖状態では、通気空間13の空気が収納空間1に循環し、収納空間1で滞留又は/及び流動した後通気空間13に戻り、収納壁上部の化粧板14の開口から居住空間3に循環する。尚収納空間1内での空気の流動の促進のため、棚板6の奥部分に開口を設ける。通気空間13の終端に電動ファン15を備え、空気循環を促進するとともにこれを制御している。又ダンパ12が全開状態では、居住空間3から通気空間13に導入された空気のほとんどは、そのまま通気空間13を上昇して化粧板14の開口から居住空間3に循環して、所謂サ−キュレ−タ−として機能する。更にダンパ12が半開状態では、居住空間3から通気空間13に導入された空気の一部が収納空間1を循環する。
【0016】図9の収納装置は、キッチン上部に取り付けられる所謂吊り戸棚であり、側板16及び左右の仕切り板17がパンチィングメタルからなる有孔板材18で構成している。この収納装置では別途空気循環用の開口を設ける必要がなくシンプルな構造になり、しかも収納空間内の水平方向に全面に亘り均一な空気の循環が行えるため換気効果が高くなる。
【0017】図10の収納装置は、床下2の空気を収納空間1の奥部に設けた縦空気管19を介して、2階の居住空間20に導入するもので、2階の居住空間20に床下空気を直接供給でき、2階の居住空間20を含めた住居全体の空気循環が円滑に行える。同時に台輪4から1階の居住空間3の空気を収納空間1に導入して循環する。
【0018】
【発明の効果】本発明の請求項1の収納装置は、居住空間の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後再度その空気を居住空間に循環することを特徴とするので、収納空間内の空気が換気されることにより、湿度や温度の上昇による収納空間壁面や収納物のかび発生や、食品等の収納物が腐敗が生じることがなく、収納空間や収納物の耐久性が向上するとともに、収納空間内の空気の循環により、収納空間の構成材料から揮散するVOC、ホルムアルデヒド等揮発性有機化合物のガスが希釈され、扉を開けた時に有機化合物ガスの吸引により居住者の健康を害したり、刺激臭により嫌悪感を与えることがない。
【0019】また請求項2の収納装置は、上記請求項1の発明の効果に加えて、複数の収納空間を備え、各収納空間で滞留又は/及び流動した空気を、共通の通気空間を介して居住空間に循環することを特徴とするので、複数の収納空間をリンクさせて空気循環でき、更に電動ファンを設置して強制的に空気循環する場合には、空気循環経路や設備が合理的に設計できるとともにメンテナンスが簡単になる。
【0020】また請求項3の収納装置は、上記請求項1の発明の効果に加えて、収納空間を構成する扉、側板、上板、背板、下板の少なくとも一構成要素を、有孔板材で構成したことを特徴とするので、別途空気循環用の開口を設ける必要がなくシンプルな構造になり、しかも広い面積から均一に空気の入替えが行えるため収納空間の換気効果が高くなる。
【0021】また請求項4の収納装置は、床下の空気を収納空間に導入し、収納空間で滞留又は/及び流動した後その空気を居住空間に循環することを特徴とするので、収納空間や収納物の耐久性が向上するとともに、収納空間内の空気の循環により、揮発性有機化合物のガスが希釈され、居住者の健康を害したり、刺激臭により嫌悪感を与えることがない。しかも床下空気を導入するため、風による圧力変動の影響を受けることなく定常状態で換気が行え、過剰換気が防止できる。又床下の空気の温度は四季を通じた温度変化が比較的小さく安定しているので、屋内の温度環境制御が乱れたり空調の熱負荷が大きく増加することがない。
【出願人】 【識別番号】000004673
【氏名又は名称】ナショナル住宅産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−244066
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−64636