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【発明の名称】 ビルトイン機器の取付装置及び取付方法
【発明者】 【氏名】坂田 博史

【要約】 【課題】ビルトイン機器の取付けが容易にできると共に、取付相手部材の開口部の多少の寸法の違いにも関係なくその取付けができるようにする。

【解決手段】キッチンキャビネットの天板1(取付相手部材)に形成された開口部2の周縁部上に配置される取付枠3を具えると共に、天板1の開口部2の周縁部下に位置させた食器洗浄機9(ビルトイン機器)をその天板1の開口部2の周縁部を挟んで取付枠3に結合するねじ33(結合手段)を具えることにより、食器洗浄機9を天板1の開口部2の下方から上方の取付枠3へと進めてその取付けができ、食器洗浄機9の全体を一旦天板1の上方に持上げるような無理な作業を必要としないようにした。又、食器洗浄機9は天板1の開口部2の周縁部にではなく取付枠3に結合されるものであり、寸法関係は取付枠3と合致していれば良い。これにより、天板1の開口部2の寸法が多少違っていても、それに関係なく取付け得るようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 取付相手部材に形成された開口部の周縁部上に配置される取付枠を具えると共に、前記取付相手部材の開口部の周縁部下に位置させたビルトイン機器をその取付相手部材の開口部の周縁部を挟んで前記取付枠に結合する結合手段を具えたことを特徴とするビルトイン機器の取付装置。
【請求項2】 ビルトイン機器を結合手段による結合前に取付枠に係合させて保持することが可能な係合手段を具えたことを特徴とする請求項1記載のビルトイン機器の取付装置。
【請求項3】 ビルトイン機器の結合手段による結合後に調整されてビルトイン機器を下方より支持する調整脚を具えたことを特徴とする請求項1記載のビルトイン機器の取付装置。
【請求項4】 ビルトイン機器の結合手段による結合後にビルトイン機器下方のスペースを覆い隠すカバーを具え、このカバーに他の用品を支持する支持部を設けたことを特徴とする請求項1記載のビルトイン機器の取付装置。
【請求項5】 取付相手部材に形成された開口部の周縁部上に配置される取付枠を具え、この取付枠の一方側とこれとは反対側の他方側とにそれぞれ係合部を設けると共に、ビルトイン機器の上部の一方側とこれとは反対側の他方側とにそれぞれ被係合部を設け、その一方側の被係合部を、前記取付相手部材の開口部下方でのビルトイン機器の他方側の下角部を支点にしての回動により前記取付枠の一方側の係合部に係合させ、その後に、その係合部分を支点にしてのビルトイン機器の回動により、該ビルトイン機器の他方側の被係合部を前記取付枠の他方側の係合部に係合させて保持し、更にその後に、ビルトイン機器を前記取付枠に結合するようにしたことを特徴とするビルトイン機器の取付方法。
【請求項6】 ビルトイン機器の一方側の被係合部を、取手を兼ねるように形成したことを特徴とする請求項5記載のビルトイン機器の取付方法。
【請求項7】 ビルトイン機器の下部に回動自在に調整脚を設けると共に、該調整脚の下端部に高摩擦部材から成る脚クッションを設け、ビルトイン機器を一方側の被係合部と取付枠の一方側の係合部との係合部分を支点にして回動させるときに、前記調整脚及び脚クッションがビルトイン機器の反対方向への回動を阻止するように機能することを特徴とする請求項5記載のビルトイン機器の取付方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は開口部を形成した取付相手部材にビルトイン機器を取付けるためのビルトイン機器の取付装置及び取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばビルトイン形食器洗浄機等のビルトイン機器は、システムキッチンにおけるキッチンキャビネットの天板等を取付相手部材として取付けられるようになっている。この場合、取付相手部材には開口部がキッチンキャビネットの据付業者等によってあらかじめ形成され、この開口部が形成された取付相手部材に、ビルトイン機器が上方より開口部を通し挿入して取付けられるか、又は下方に設けた調整台に載せられて押上げられることにより取付けられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の取付方法のうち、前者のビルトイン機器を上方より取付相手部材の開口部を通し挿入して取付ける方法では、ビルトイン機器の全体を一旦取付相手部材の上方に持上げる必要があり、重量の大きなビルトイン機器や、高さの大きなビルトイン機器では、その作業が困難であった。
【0004】又、この前者の取付方法のみならず、後者のビルトイン機器を取付相手部材の下方に設けた調整台に載せて押上げられることにより取付ける方法でも、最終的にはビルトイン機器を取付相手部材の開口部に合致させてその周縁部にねじ等にて固着するものであり、取付相手部材の開口部が正確な寸法に形成されていないとその取付けができない。しかしながら、その開口部はビルトイン機器の取付業者以外の前記キッチンキャビネットの据付業者などいわば第三者によってあらかじめ形成されるのが普通であり、寸法がビルトイン機器と合わないことが往々にしてあって、ビルトイン機器の取付けができないことを間々生じていた。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、ビルトイン機器の取付けが容易にできると共に、取付相手部材の開口部の多少の寸法の違いにも関係なくその取付けができるビルトイン機器の取付装置及び取付方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のビルトイン機器の取付装置は、取付相手部材に形成された開口部の周縁部上に配置される取付枠を具えると共に、上記取付相手部材の開口部の周縁部下に位置させたビルトイン機器をその取付相手部材の開口部の周縁部を挟んで上記取付枠に結合する結合手段を具えたことを特徴とする。
【0007】このものによれば、ビルトイン機器は取付相手部材の開口部の下方から上方の取付枠へと進めてその取付けができるもので、ビルトイン機器の全体を一旦取付相手部材の上方に持上げるような無理な作業を必要としない。又、ビルトイン機器は取付相手部材の開口部の周縁部にではなく取付枠に結合されるもので、寸法関係は取付枠と合致していれば良く、取付相手部材の開口部の寸法が多少違っていても、それに関係なく取付けることができる。
【0008】又、本発明のビルトイン機器の取付方法は、取付相手部材に形成された開口部の周縁部上に配置される取付枠を具え、この取付枠の一方側とこれとは反対側の他方側とにそれぞれ係合部を設けると共に、ビルトイン機器の上部の一方側とこれとは反対側の他方側とにそれぞれ被係合部を設け、その一方側の被係合部を、上記取付相手部材の開口部下方でのビルトイン機器の他方側の下角部を支点にしての回動により上記取付枠の一方側の係合部に係合させ、その後に、その係合部分を支点にしてのビルトイン機器の回動により、該ビルトイン機器の他方側の被係合部を上記取付枠の他方側の係合部に係合させて保持し、更にその後に、ビルトイン機器を前記取付枠に結合するようにしたことを特徴とする。
【0009】このものによれば、ビルトイン機器は、取付相手部材の開口部の下方でまず他方側の下角部を支点にして回動させ、次いで、ビルトイン機器の一方側の被係合部と取付相手部材の一方側の係合部との係合部分を支点にして回動させることにより、その係合保持ができるもので、上述同様、ビルトイン機器の全体を一旦取付相手部材の上方に持上げるような無理な作業を必要としない。又、この場合、それらの係合はビルトイン機器を順次回動させるだけのことでできるもので、手際良くその係合ができる。更に、この場合、ビルトイン機器は取付相手部材の開口部の周縁部にではなく取付枠に保持されるもので、寸法関係は取付枠と合致していれば良く、取付相手部材の開口部の寸法が多少違っていても、それに関係なく保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につき、図1ないし図3を参照して説明する。まず図2には、ビルトイン機器の取付相手部材としての、例えばシステムキッチンにおけるキッチンキャビネットの天板1を示しており、これには開口部2を形成している。この開口部2は、この場合、矩形で、その幅はA、奥行はBである。
【0011】これに対して、取付枠3は開口部2に合わせ矩形の開口部4を有するもので、その開口部4の幅はa、奥行はbであり、それぞれ天板1の開口部2の幅A、奥行Bよりも小さい(A>a、B>b)。又、取付枠3は外形も矩形であり、その周囲部には下面にパッキン5(図1参照)を装設し、内周縁部(開口部4の周縁部)に取付孔6を多数ほゞ均等間隔置きに形成している。更に、この取付枠3内周部の左右両側の各中央部には、係合部7を形成している。この係合部7は取付枠3から下方へ例えば切起こすことにより形成したもので、それぞれ係合孔8を有している。
【0012】一方、ビルトイン機器としての例えば食器洗浄機9は、この場合、矩形筒状の洗浄槽10を主体とするもので、この洗浄槽10の上面の開口部11の周囲部には、上面にパッキン12を装設すると共に、内周縁部に取付孔13を有するボス14を多数ほゞ均等間隔置きに突出形成している。このボス14は上記取付枠3の取付孔6と対応するものであり、その位置を取付枠3の取付孔6とそれぞれ合致させている。
【0013】更に、洗浄槽10の上面の開口部11の内周縁部中、左右両側の各中央部には被係合部15を形成している。この被係合部15は上記取付枠3の係合部7と対応するもので、前記係合孔8と係合する凸部状を成しており、その係合孔8との係合を容易にするための斜面16を有している。
【0014】このほか、洗浄槽10の左右の両外側面部には例えばコ字形の取手17(図2では一方側のみ示している)を設けており、前後の左右両側部から下方へは調整脚18を突設している。この調整脚18はともにほゞU字形をなすものであり、これに対して、洗浄槽10は、図1に示すように、上面が開放する有底の槽本体10aと、これの周囲全部を囲って下面が開放する外囲壁10bとを上部で連ねて一体に形成したもので、その外囲壁10bの下面の開放部から槽本体10aと外囲壁10bとの間に調整脚18を上下移動可能に挿入し、その上下移動により調整脚18を外囲壁10bから下方への突出量調整可能に設けている。なお、この場合、外囲壁10bの内面には上下に延びるリブ19を形成しており、このリブ19に調整脚18を沿わせることによって、調整脚18の上下移動を案内するようにしている。
【0015】又、図2に示すように、調整脚18の両外面側と前面側には、固定孔20を長手方向に多数ほゞ均等間隔置きに形成しており、これに対して、洗浄槽10の外囲壁10bには、その固定孔20の一つと螺合して調整脚18を任意の調整位置に固定する固定手段であるねじ21を、前側では前方より、後側では側方よりそれぞれ螺挿している。なお、洗浄槽10の外囲壁10bには調整脚18を部分的に露出させる開口部22をも形成している。
【0016】更に、洗浄槽10の槽主体10a内には、図1に示すように、被洗浄物である食器23を収容する食器かご24を配設すると共に、噴水アーム25及びヒータ26を配設しており、又、槽主体10a外の下方部にはポンプ27を配設していて、このポンプ27により噴水アーム25から洗浄水を噴出させて食器23の洗浄をするようになっている。なお、ポンプ27は逆転によって洗浄水の排出をするもので、ヒータ26は洗浄時に洗浄水の加熱をし、乾燥時に槽主体10a内の空気の加熱をするようになっている。このほか、槽主体10a外には、槽主体10a内に給水する給水弁や、槽主体10a内に給風する送風装置を設けており、これらによって、食器23の洗浄をし、更に乾燥までする洗浄機構28を構成している。
【0017】加えて、洗浄槽10の外囲壁10bに対しては、図2及び図3に示すように、カバー29を設けている。このカバー29は、洗浄槽10の外囲壁10b外下方部の上記洗浄機構28の部品群が配設されるスペース30を前方より覆い隠すもので、L字状に曲成した両側部29aの弾性力によって外囲壁10bの前側外面に装着されるようになっており、その前面部には、他の用品例えばナイフその他の台所用品31を支持する支持部32を複数設けている。
【0018】次に、上記構成のものにおいての食器洗浄機9(ビルトイン機器)の取付方法を述べる。最初に取付枠3をキッチンキャビネットの天板1の開口部2の周縁部上に配置し、次いで、食器洗浄機9を前方より天板1の開口部2の下方に配置した状態から、取手17を持って上方へ進め、取付枠3を上方より押えた状態にて、被係合部15を係合部7の係合孔8に係合させる。これにより、食器洗浄機9は取付枠3に天板1の開口部2の周縁部を挟んで保持されるものであり、従って、係合部7と被係合部15はその係合による保持をする係合手段として機能するものである。
【0019】この後、取付枠3の取付孔6から洗浄槽10の取付孔13へねじ33(図1参照)を螺挿して締付けることにより、洗浄槽10(食器洗浄機9)を取付枠3に結合する。従って、この場合、取付枠3の取付孔6と、洗浄槽10の取付孔13、及びねじ33は、上記洗浄槽10と取付枠3との結合に供する結合手段として機能するものである。
【0020】更に、その後、ねじ21を緩めて調整脚18を下端がキッチンキャビネットの底面34(図1及び図3参照)に達するまで引出し、その位置で、ねじ21に合った固定孔20、あるいは最寄りの固定孔20にねじ21を螺進させて係合させることにより、調整脚18を固定し、食器洗浄機9を下方より支持するようにする。そして、最後に、洗浄槽10にカバー29を装着し、外囲壁10b外下方部の洗浄機構28の部品群が配設されたスペース30を覆い隠す。
【0021】このように本構成のものでは、食器洗浄機9(ビルトイン機器)をキッチンキャビネットの天板1(取付相手部材)の開口部2の下方から上方の取付枠3へと進めてその取付けができるもので、食器洗浄機9の全体を一旦天板1の上方に持上げる従来のもののような無理な作業を必要とせず、容易に取付けることができる。
【0022】又、本構成のものの場合、食器洗浄機9は従来のもののような天板1の開口部2の周縁部にではなく取付枠3に結合されるもので、寸法関係は取付枠3と合致していれば良く、天板1の開口部2がビルトイン機器の取付業者以外の第三者によって形成される関係でその寸法が多少違っていても、それに関係なく取付けることができる。
【0023】加えて、特に上記構成のものの場合、食器洗浄機9を取付枠3にねじ33にて結合する前に取付枠3に係合させて保持することが可能な係合部7及び被係合部15から成る係合手段を設けており、これによって、食器洗浄機9を取付枠3に保持した状態にてねじ33による結合作業ができるから、作業者がその手で保持し続ける必要がなく、作業が一層容易にできる。
【0024】更に、食器洗浄機9を取付枠3に結合した後、突出調整されて食器洗浄機9を下方より支持する調整脚18を具えており、これによって、食器洗浄機9を取付状態に合わせて支持することができ、その取付状態をより堅固になすことができる。
【0025】そして、食器洗浄機9を取付枠3に結合した後、外囲壁10b外下方部の洗浄機構28の部品群が配設されたスペース30を覆い隠すカバー29を具えており、これによって、キッチンキャビネットの扉35(図3参照)を開けときにも洗浄機構28の部品群が見えることのないようにし得て、体裁を良くすることができる。
【0026】しかも、カバー29には例えばナイフその他の台所用品31など他の用品を支持する支持部32を設けており、これによって、他の用品の収納が、カバー29を利用してできると共に、取付けた食器洗浄機9とキッチンキャビネットの扉35との間のキャビネット内スペース36をも利用してできるようになり、スペース効率を良くすることができる。
【0027】以上に対して、図4ないし図9は本発明の第2実施例を示すもので、以下、第1実施例と異なる点についてのみ述べる。このものの場合、取付枠3の一方側である前部の左右両側に係合部41を形成しており、他方側である後部の中央部にも係合部42を形成している。このうち、係合部41は取付枠3から下方へ例えば切起こすことにより形成したもので、それぞれ前向きにフック部43を有している。又、係合部42は取付枠3から下方へ折曲することにより形成したもので、係合孔44を有している。加えて、取付枠3の外周部にはこれを包み込むパッキン45を装設している。
【0028】これに対して、キッチンキャビネットの天板1には、開口部2の前部の左右両側に上記取付枠3の係合部41が通る大きさの孔46を形成しており、一方、食器洗浄機9の洗浄槽10には、一方側である前部の左右両外側面に被係合部47(一方側のみ図示)を形成しており、他方側である後部の内面中央部にも被係合部48を形成している。
【0029】このうち、被係合部47は上記取付枠3の係合部41と対応するもので、取手を兼ねる例えばコ字形に形成している。又、被係合部48は取付枠3の係合部42と対応するもので、前述の被係合部15同様に、係合孔44と係合する凸部状を成しており、その係合孔44との係合を容易にするための斜面49を有している。
【0030】更に、洗浄槽10の下部の左右両外側面部の後側には、ほゞU字形を成す調整脚50の両端部を枢軸51により回動自在に取付け、左外側面部の前側に止め板52を同じく枢軸53により回動自在に取付けている。この止め板52は固定孔54を長手方向に多数ほゞ均等間隔置きに有するものであり、その固定孔54の一つを調整脚50にねじ55により係止させることにより、調整脚50の固定をするようになっている。
【0031】しかして、調整脚50の下端部には、脚クッション56を取付けた脚取付板57を枢軸58によって回動自在に取付けている。脚クッション56はゴム等の高摩擦部材から成るもので、厚みは後部より前部が大きく、下面部に鋸歯状の凹凸部59を形成している。
【0032】この構成で、食器洗浄機9を取付ける場合には、最初に取付枠3の係合部41をキッチンキャビネットの天板1の孔46に挿通して、取付枠3の全体を開口部2の周縁部上に配置する。
【0033】一方、食器洗浄機9は、ねじ55を外すことにより調整脚50を止め板52から解離した状態にて、まず図5に示すように、洗浄槽10を前方から天板1の開口部2の下方、中でもその開口部2直下の位置よりやゝ前方の位置に置き、この状態から、取付枠3を上方より押えた状態にて、図6に示すように、洗浄槽10の後部の下角部60をキッチンキャビネットの底面34に接触させながら、該下角部60を支点にして洗浄槽10を後方へ矢印Xで示すごとく回動させる。
【0034】すると、洗浄槽10の前部の被係合部47が後上方へ位置を移して取付枠3の前部の係合部41に合い、フック部43に係合する。しかして、その後、図7に示すように、その係合部分を支点にして洗浄槽10を後方へ矢印Yで示すごとく回動させると、今度は、図8に示すように、洗浄槽10の後部の被係合部48が後上方へ位置を移して取付枠3の後部の係合部44に合い、係合孔44に係合する。
【0035】かくして、食器洗浄機9を取付枠3に係合させて保持し得るものであり、その後、図9に示すように、取付枠3の取付孔6から洗浄槽10の取付孔13へねじ33を螺挿して締付けることにより、洗浄槽10(食器洗浄機9)を取付枠3に結合する。
【0036】このとき、調整脚50は枢軸51を中心に下方へ回動して脚クッション56をキッチンキャビネットの底面34に接触させており、そこで、次には止め板52を枢軸53を中心に回動させて、調整脚50の止め孔61(図5ないし図8参照)に合った固定孔54の一つからその止め孔61へねじ55を螺挿して締付けることにより、調整脚50を固定し、食器洗浄機9を下方より支持するようにする。そして、最後に、洗浄槽10に前述のカバー29を装着する。
【0037】このものでも、前述同様、食器洗浄機9の全体を一旦天板1の上方に持上げるような無理な作業を必要とせず、容易に取付けることができる。又、この場合、取付枠3の前部の係合部41に対する食器洗浄機9の前部の被係合部47の係合、及び取付枠3の後部の係合部42に対する食器洗浄機9の後部の被係合部48の係合は、洗浄槽10を順次回動させるだけのことでできるもので、手際良くその係合ができるものであり、これによって取付作業を一層容易になすことができる。
【0038】加えて、更にこの場合にも、食器洗浄機9は天板1の開口部2の周縁部にではなく取付枠3に結合されるもので、寸法関係は取付枠3と合致していれば良く、天板1の開口部2がビルトイン機器の取付業者以外の第三者によって形成される関係でその寸法が多少違っていても、それに関係なく取付けることができる。
【0039】又、特に上記構成のものの場合、洗浄槽10の前部の被係合部47は取手を兼ねるように形成したものであり、これによって、洗浄槽10を最初に回動させる折り、その被係合部47を取手として持って洗浄槽10を回動させることができ、作業をしやすくできると共に、別途取手を設けるものよりコスト安に提供することができる。
【0040】更に、洗浄槽10の下部には回動自在に調整脚50を設けると共に、該調整脚50の下端部に高摩擦部材から成る脚クッション56を設けており、これによって、図7に示すように、食器洗浄機9を洗浄槽10の前部の被係合部47と取付枠3の前部の係合部41との係合部分を支点にして後方へ回動させるときに、該食器洗浄機9が前方へ戻り回動しようとすると、脚クッション56をキッチンキャビネットの底面34に接触させた調整脚50が、その脚クッション56をキッチンキャビネットの底面34により摩擦制止されて食器洗浄機9の前方への戻り回動を阻止する。
【0041】よって、その食器洗浄機9の前方への戻り回動に悩まされることなく洗浄槽10の後部の被係合部48を取付枠3の後部の係合部44に係合させることができ、取付作業を更に容易になすことができる。
【0042】加えて、調整脚50の固定は、該調整脚50に止め板52を一か所ねじ55により止めることで行い得るものであり、前述のような調整脚18の一つ一つをそれぞれ両側部でねじ21により係止するような手間を必要としないので、作業を一段と容易になすことができる。
【0043】図10ないし図12は本発明の第3実施例を示すもので、これも以下、第1実施例と異なる部分についてのみ述べる。このものの場合、取付枠3の左右両側の各中央部には係合部71を形成している。この係合部71は取付枠3の内縁部から外方へそして下方へと折曲することにより形成したもので、それぞれ、前向きにフック部72有している。又、係合部71の外法間隔cはキッチンキャビネットの天板1の開口部2の幅Aよりも大きい(c>A)が、該開口部2の対角長さ中の係合部71の幅d以下の幅の隅部を除いた分の長さCよりも小さい(c<C)。
【0044】そして、この場合、食器洗浄機9の洗浄槽10には、重心近傍である左右の両外側面の上部に被係合部73(一方側のみ図示)を形成している。この被係合部73は上記取付枠3の係合部71と対応するもので、取手を兼ねる例えばコ字形に形成している。洗浄槽10には、このほか、上面の開口部11の左右の両外縁部の中央部に凹部74を形成している。
【0045】更に、洗浄槽10の前部と後部のそれぞれ下部にはコ字状の調整脚75を上下移動可能に挿設しており、この調整脚75には止め板76をそれぞれ片側(後側のものは左側、前側のものは右側)に枢軸77によって回動自在に取付けている。この止め板76は固定孔78を長手方向に多数ほゞ均等間隔置きに有するものであり、これに対して、洗浄槽10も左右の両外側面の下辺部に固定孔79を長手方向に多数ほゞ均等間隔置きに有し、この洗浄槽10の固定孔79に止め板76の固定孔78を選択してねじ80により係止させることにより、調整脚75の固定をするようになっている。
【0046】この構成で、食器洗浄機9を取付ける場合には、最初に取付枠3を、図11に示すように、係合部71が天板1の開口部2の対角線上に位置する角度で、その係合部71を開口部2に挿入しつつ、取付枠3の全体を天板1上に置き、その後、取付枠3を係合部71が開口部2の左右の両側縁部に至る矢印Zで示す方向に水平に回転させる。すると、係合部71が、図12に示すように、天板1の開口部2の左右の両側縁部下に至ってそれと係合し、上方への抜けが阻止される状態になる。かくして、取付枠3を天板1の開口部2の周縁部上に固定状態に配置する。
【0047】次いで、食器洗浄機9を前方より天板1の開口部2の下方に配置した状態から、被係合部73(取手)を持って上方へ進め、係合部71のフック部72に係合させる。かくして、食器洗浄機9を取付枠3に係合させて保持し得るものであり、その後、前述同様に、取付枠3の取付孔6から洗浄槽10の取付孔13へねじ33を螺挿して締付けることにより、洗浄槽10(食器洗浄機9)を取付枠3に結合する。
【0048】更に、調整脚75をキッチンキャビネットの底面34に達するまで引出し、その位置で、洗浄槽10の固定孔79に止め板76の固定孔78を選択してねじ80により係止させることにより、調整脚75の固定をし、食器洗浄機9を下方より支持するようにする。そして、最後に、洗浄槽10に前述のカバー29を装着する。
【0049】このものでも、食器洗浄機9の全体を一旦天板1の上方に持上げるような無理な作業を必要とせず、容易に取付けることができる。又、この場合、取付枠3を天板1の開口部2の周縁部に固定した上で、該取付枠3に対する食器洗浄機9の係合、ねじ止め(結合)を行うので、この食器洗浄機9の係合、ねじ止めを行う折りに取付枠3を天板1の上方で押える別の作業者を必要とせず、一連の作業をすべて一人の作業者で行うことができる。
【0050】加えて、更にこの場合にも、食器洗浄機9は天板1の開口部2の周縁部にではなく取付枠3に結合されるもので、寸法関係は取付枠3と合致していれば良く、天板1の開口部2がビルトイン機器の取付業者以外の第三者によって形成される関係でその寸法が多少違っていても、それに関係なく取付けることができる。
【0051】又、特に上記構成のものの場合、洗浄槽10の被係合部73は洗浄槽10の重心近傍に設けており、これによって、食器洗浄機9を取付枠3に係合保持した状態のバランスを良くし得、その後のねじ止め作業を安定した状態で行うことができる。
【0052】更に、この場合にも、洗浄槽10の被係合部73は取手を兼ねるように形成しており、これによって、洗浄槽10を持上げる折り、その被係合部73を取手として持って洗浄槽10を上げることができ、作業をしやすくできると共に、別途取手を設けるものよりコスト安に提供することができる。
【0053】そして、調整脚75の固定も、該調整脚75に取付けた止め板76を洗浄槽10に一か所ずつねじ80により止めることで行い得るものであり、調整脚18の一つ一つをそれぞれ両側部でねじ21により係止するような手間を必要としないので、作業を一段と容易になすことができる。
【0054】なお、ビルトイン機器としては、上述の食器洗浄機に限られず、例えば厨芥を粉砕処理する厨芥処理機や、厨芥を一時的に溜め置く厨芥ポケット等であっても良い。又、取付相手部材もキッチンキャビネットの天板には限られず、他のキャビネットのテーブルボード等であっても良い。
【0055】又、ビルトイン機器は取付相手部材の下方に前方からではなく側方あるいは後方から収納して取付けるようにしても良いもので、これにより、各係合部及び被係合部もそれぞれ左右に分けてではなく前後に分けて設けるようにしても良く、特に第2実施例のものの一方側及び他方側は前部及び後部ではなく左側部及び右側部であっても良い。
【0056】更に、ビルトイン機器を取付枠に最終的に結合する結合手段としては、ねじ以外、例えばリベット等であっても良い。そのほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおりのもので、下記の効果を奏する。請求項1のビルトイン機器の取付装置によれば、ビルトイン機器の取付けが、ビルトイン機器の全体を一旦取付相手部材の上方に持上げるような無理な作業をしいられることなく容易にできると共に、取付相手部材の開口部の多少の寸法の違いにも関係なく所望にその取付けを行うことができる。
【0058】請求項2のビルトイン機器の取付装置によれば、ビルトイン機器を取付枠に係合保持した状態で該取付枠に対する結合作業ができるから、作業者がその手でビルトイン機器を保持し続ける必要がなく、作業が一層容易にできる。請求項3のビルトイン機器の取付装置によれば、ビルトイン機器を取付状態に合わせて下方より支持することができて、その取付状態をより堅固になすことができる。
【0059】請求項4のビルトイン機器の取付装置によれば、カバーにより体裁を良くし得ると共に、他の用品の収納がそのカバーを利用してでき、且つ、取付けたビルトイン機器周りのスペースをも利用してできるようになり、スペース効率を良くすることができる。
【0060】請求項5のビルトイン機器の取付方法によれば、ビルトイン機器の取付けが、ビルトイン機器の全体を一旦取付相手部材の上方に持上げるような無理な作業をしいられることなく容易にできると共に、ビルトイン機器を順次回動させるだけのことで手際良くでき、そして、取付相手部材の開口部の多少の寸法の違いにも関係なく所望にその取付けを行うことができる。
【0061】請求項6のビルトイン機器の取付方法によれば、ビルトイン機器を回動させる折りに、被係合部を取手として持ってその回動を行うことができ、作業をしやすくできると共に、別途取手を設けるものよりコスト安に提供することができる。請求項7のビルトイン機器の取付方法によれば、ビルトイン機器を回動させた後の戻り回動に悩まされることなく取付枠に対するビルトイン機器の係合ができて、取付作業を更に容易になすことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)6月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開平11−9369
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−170077