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【発明の名称】 使い捨てブラシ
【発明者】 【氏名】大辻 一也

【氏名】大川 雅之

【氏名】堤 泰樹

【氏名】浜田 薫

【要約】 【課題】製造が容易で安価な、不織布のみから形成された、実用性の高い使い捨てブラシを提供すること。

【解決手段】使い捨てブラシ1は、基板11、及び該基板11の一面1sに該基板11の一部を突出させて形成した多数の突起12,12・・を有し、一枚の不織布から形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有し、不織布から形成されている、使い捨てブラシ。
【請求項2】 上記突起は、その先端部から基部方向への圧縮に対し、耐えられる最大圧縮荷重が1N以上であることを特徴とする請求項1記載の使い捨てブラシ。
【請求項3】 上記突起は、その高さが3〜30mmであることを特徴とする請求項2記載の使い捨てブラシ。
【請求項4】 上記突起は、その先端部に曲率半径0.5〜2.5mmの曲面を有していることを特徴とする請求項3記載の使い捨てブラシ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造が容易で、不織布のみから形成された、安価で実用性の高い使い捨てブラシに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紙や繊維を材料としたブラシとして、種々のものが提案されている(実開平6−66367号公報,実開平4−36906号公報,特開平9−135728号公報,実開昭62−69910号公報)。実開平6−66367号公報に記載のブラシは、ブラシの櫛部分を繊維で被覆したもので、製造が比較的困難であり、実開平4−36906号公報に記載のブラシは、ブラシの櫛部分が超極細繊維からなる不織布で形成され、櫛部分以外は他の材料で形成されおり、構造が複雑で比較的高価なものであり、これらのブラシは使い捨てではない。実開昭62−69910号公報に記載のブラシは、紙製の使い捨てブラシであるが、強度的に十分でなく実用性の低いものである。
【0003】従って、本発明の目的は、製造が容易で、不織布のみから形成された、安価で実用性の高い使い捨てブラシを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有し、一枚の不織布から形成されている、使い捨てブラシを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明使い捨てブラシの好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の使い捨てブラシを示す斜視図、図2は本実施形態の使い捨てブラシの一部の突起を拡大して示す側面図、図3は本実施形態の使い捨てブラシの一使用状態を示す斜視図である。
【0006】本実施形態の使い捨てブラシ1は、図1に示すように、基板11、及び該基板11の一面1sに該基板11の一部を突出させて形成した多数の突起12,12・・からなり、一枚の不織布から形成されている。
【0007】上記基板11は、平面視において、全体的に丸みを帯びた長方形形状の両長辺の中央外側に略半円状のフラップ14,14を延設した形状をしている。基板11の一面1sには、各フラップ14,14と上記突起12,12との境界部分において、該フラップ14,14をそれぞれ、該面1sの裏面側へ折り曲げ易くするための段差16,16が、上記長辺と略平行に形成されている。
【0008】上記突起12,12・・は、図2に示すように、上記基板11の一部を突出させることにより、該基板11の一面1sに互いに等間隔に形成されており、それぞれ、同じ大きさで内部が中空の山型形状をしている。
【0009】上記基板11を形成する上記不織布としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サクション不織布、ヒートボンド不織布、メルトブローン不織布、及びニードルパンチ不織布等が挙げられる。これらの不織布の坪量は、好ましくは50〜500g/m2 、更に好ましくは200〜300g/m2 である。
【0010】上記不織布を形成する繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)の単独繊維若しくは2以上の混合繊維、及びこれらの繊維から形成された芯鞘構造複合繊維、サイドバイサイド構造等を有する複合繊維等が挙げられ、特に、突起の成形性、及び高嵩高さ性等の点から芯鞘構造複合繊維が好ましい。また、上記不織布を形成する繊維の直径は、上記突起12に適度な圧縮強度を与える上で、1〜100デニールが好ましい。
【0011】本実施形態の使い捨てブラシ1は、上記フラップ14,14がマジックテープ(登録商標)2などを介して連結されており、図3に示すように、使用者の手に固定されて、上記突起12,12・・が動物及びカーペット等の毛hに擦り付けられて使用される。尚、上記マジックテープ2は、その一端が、一方のフラップ14のみに固定されていても良い。また、上記使い捨てブラシ1には、ブラッシング用等の各種薬液を含浸させることもできる。薬液を含浸させた使い捨てブラシ1を用いると、肌、毛又は毛根に薬液を付与できるので、薬液の種類に応じて種々の薬液付与効果が得られる。薬液としては、例えば、育毛剤、染毛剤、殺菌剤、消臭剤、及びシャンプー等が挙げられる。更に、上記使い捨てブラシ1の突起12の内部には、該突起12の圧縮強度を向上させるために、別部材を充填することもできる。
【0012】本実施形態の使い捨てブラシ1において、上記突起12は、その先端部13から基部15方向への圧縮に対し、耐えられる最大圧縮荷重〔後述の方法で測定〕が好ましくは1N以上、更に好ましくは3〜15Nである。該突起12が1N以上であると、ブラッシング中、突起が変形し、地肌への突起の到達感が少なくなることがなく好ましい。ここで、「突起の変形」とは、ブラシの使用中に突起が潰れ、弾性的に原形に復帰し難くなることを意味し、「地肌への突起の到達感」とは、例えば頭髪のブラッシングでは、突起が地肌に接触し、適度なマッサージ感が得られることをいう。
【0013】また、上記突起12は、髪が整えられる感覚や薬液の毛のつけ根又は皮膚までの到達性及び強度の点で、その高さHが好ましくは3〜30mm、更に好ましくは5〜20mmである。ここで、「髪が整えられる感覚」とは、梳かすことにより、適度な抵抗感を伴って髪が整えられる感覚をいう。
【0014】また、上記突起12は、その先端部13に好ましくは曲率半径R0.5〜2.5mm、更に好ましくは1〜1.5mmの曲面を有している。該曲率半径Rが、上記範囲であるとブラッシング中に頭髪の痛みを感じたり、強度不足となる虞がなく、また、地肌への突起の到達感、薬液の毛のつけ根又は皮膚までの到達性の点で好ましい。
【0015】また、上記突起12は、その剛性及び髪が整えられる感覚の点で、その基部15の直径Dが好ましくは5〜15mm、更に好ましくは7〜12mmである。
【0016】更に、上記突起12,12・・は、上記一面1sにおいて、好ましくは2〜40個/10cm2 の密度、更に好ましくは3〜20個/10cm2 の密度で形成されている。各突起12,12間の間隔Pは、該突起12の大きさ及び該密度により自ずと規定されるが、好ましくは5〜22mmであり、更に好ましくは10〜18mmである。上記突起12の密度が、上記範囲であると、毛を梳く感覚、薬液の各毛のつけ根及び皮膚までの到達性、並びに所定の突起高さの形成の点で好ましい。
【0017】本実施形態の使い捨てブラシ1は、不織布のみから形成されるため、製造が容易で安価であり、使い捨てであるから、衛生的である。また、本実施形態の使い捨てブラシ1によれば、上記突起12が、不織布のみからなっていても十分な強度を有し且つブラッシング対象との十分な接触面積を有するため、効率良くブラッシングできる。また、本実施形態の使い捨てブラシ1は、不織布からなるため、犬、猫等の毛におおわれた動物、頭髪、カーペット、毛皮製品のブラッシング及び処理に好適である。
【0018】本実施形態の使い捨てブラシは、例えば、下記の如き製造方法により製造される。まず、繊維をカットした後、カード機でウェブを形成し、更にヒートロールを通して不織布を製造する。
【0019】次に、得られた不織布を適当な幅にスリットした後、雌雄金型を用いてこの不織布をプレスすることにより一個の使い捨てブラシ分の上記突起12,12・・及び上記段差16,16に相当する部分を該不織布上に複数形成する。また金型の温度は120〜200゜C、プレス圧は0.5〜20kgf/cm2 、プレス時間は3〜15秒が、それぞれ好ましい。次に、プレス処理された上記不織布を、使い捨てブラシ1個分の上記突起12,12・・及び上記段差16,16が本実施形態の如く内部に位置して形成されるように、上記基板11の平面視形状にカットして、本実施形態の使い捨てブラシ1を得る。
【0020】
【実施例】本発明の使い捨てブラシの実施例を下記〔表1〕に示す。
【0021】
【表1】

【0022】上記実施例1〜3のブラシは、全て芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘部がポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンの混合物からなる芯鞘構造の複合繊維不織布を、適宜な大きさにカットし、それぞれ雌雄金型を用いて金型温度120〜200゜C、プレス圧0.5〜20kgf/cm2 、プレス時間3〜15秒で成形したものである。
【0023】上記〔表1〕における最大圧縮荷重の測定は、次の方法によった。
「突起の最大圧縮荷重測定方法」(株)オリエンテック製テンシロンRTM25において、最大荷重50Nのロードセルを用いヘッドスピード100mm/min.の圧縮条件下で得られた荷重と変位の関係図の中で、測定開始後最初のピークをその突起の耐えられる最大圧縮荷重とした(n=10の平均値。それぞれ突起1個について測定。)。
【0024】また、上記〔表1〕における各実施例の評価は、次の方法によった。
〔髪が整えられる感覚、突起の皮膚への到達感及び使用中の突起の変形の評価方法〕被験者10人にそれぞれ実施例1〜3の使い捨てブラシを用いて自分の頭髪をブラッシングさせ、それぞれ、良くない(=1ポイント)、やや良くない(=2ポイント)、やや良い(=3ポイント)、良い(=4ポイント)とし、次に、これらのポイントを集計し、4〜12ポイント×、13〜21ポイント△、22〜30ポイント以上を◎とした。
【0025】本発明の使い捨てブラシは、上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、上記基板11のサイズを、使用者の手の平サイズとしているが、用途に応じて適宜変更し得る。また、上記突起12,12・・は、上記基板11の面1s上に等間隔で配列されているが、ランダムな配列を含めて種々の配列とすることもできる。また、上記突起12,12・・それぞれの形状及びサイズを同じものとしたが、山型状以外に、鋸刃状や角錐台状等としても良く、各突起のサイズを異ならせても良い。
【0026】また、本発明の使い捨てブラシは、上述の製造方法以外の製造方法でも製造可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明の使い捨てブラシは、製造が容易で、不織布のみから形成された、安価で実用性の高いものである。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開平11−332650
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−149041