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【発明の名称】 歯ブラシ収容具
【発明者】 【氏名】坂本 克巳

【氏名】中嶋 十全

【要約】 【課題】歯ブラシをそのヘッド部分を下にして差し込むだけで、簡単に且つ安定して支持することができ、収納中に歯ブラシを殺菌でき、歯ブラシに付着した水分が漏れ出す心配のない歯ブラシ収容具を提供すること。

【解決手段】歯ブラシ収容具1は、開閉自在の蓋4と、歯ブラシ2を倒立すると共にそのヘッド部分2aの先端を載置して収容する歯ブラシ収容区画5とを有するケース3を備え、歯ブラシ収容区画5の下部に臨んで歯ブラシ2のブラシ部分に対向する冷陰極放電管型UV殺菌灯13を配設する。歯ブラシ収容区画5の下方に、水受け皿42を着脱自在に設けても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉自在の蓋と、歯ブラシを倒立すると共にそのヘッド部分を載置して収容する歯ブラシ収容区画とを有するケースを備え、前記歯ブラシ収容区画の下部に臨んで歯ブラシのブラシ部分に対向する冷陰極放電管型UV殺菌灯を配設したことを特徴とする歯ブラシ収容具。
【請求項2】 前記歯ブラシ収容区画を複数形成した請求項1に記載の歯ブラシ収容具。
【請求項3】 前記歯ブラシ収容区画の下方に水受け皿を着脱自在に設けた請求項1又は2に記載の歯ブラシ収容具。
【請求項4】 前記ケースの底面に水抜き孔を穿設すると共に、ケースの底面の下方に前記水受け皿を着脱自在に取り付けた請求項3に記載の歯ブラシ収容具。
【請求項5】 前記ケースの底部に別体の底板を着脱自在に設けると共に、該底板に複数の歯ブラシヘッド収納区画を、それぞれ前記歯ブラシ収容区画に対応するよう形成した請求項1乃至4のいずれかに記載の歯ブラシ収容具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯ブラシを収容して殺菌する歯ブラシ収容具に関する。
【0002】
【従来の技術】人の口腔内には多数の細菌が住み着いており、歯を磨いた時にこの細菌と歯垢と食物滓が歯ブラシに付着する。従って、使用後の歯ブラシを水洗いした程度で長時間放置すると、適当な水分と養分を与えられた細菌が繁殖して、衛生上大きな問題がある。そこで、歯ブラシの少なくとも毛の部分を収容する容器に、水銀ランプ等の殺菌手段を配備した歯ブラシ入れが特開昭63−283605号公報、実開平2−4429号公報等に開示されている。
【0003】これら従来の歯ブラシ入れは、歯ブラシの毛の部分を上に向け、この部分を容器の底部前端に形成された切欠に引っかけて支持し、容器前面の蓋を閉じるようになっている。従って、歯ブラシの収納が面倒であるばかりか、蓋を開けたときに歯ブラシが落下しやすく、柄の形状によっては収納できないという欠点がある。また、毛の部分に付着した水分が柄を伝って流れ落ち、柄の下端から落下して床等を汚すおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、歯ブラシをそのヘッド部分を下にして差し込むだけで、歯ブラシの長さ及び柄の形状に拘わらず簡単に且つ安定して支持することができ、収納中に歯ブラシを殺菌でき、歯ブラシに付着した水分が漏れ出す心配のない歯ブラシ収容具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の歯ブラシ収容具は、開閉自在の蓋と、歯ブラシを倒立すると共にそのヘッド部分を載置して収容する歯ブラシ収容区画とを有するケースを備え、歯ブラシ収容区画の下部に臨んで歯ブラシのブラシ部分に対向する冷陰極放電管型UV殺菌灯を配設する。歯ブラシを、その重い側のヘッド部分を下にして、且つ毛の先を冷陰極放電管型UV殺菌灯に向けて歯ブラシ収容区画内に差し込むだけで、歯ブラシが安定して支持されると共に、歯ブラシの長さ及び柄の形状に拘わらずそのヘッド部分が同じ位置に配置されて、冷陰極放電管型UV殺菌灯に対向する。歯ブラシ全体がヘッド部分を下に向けてケース内に収納されるため、毛に付着した水分が柄を伝わって落下することがない。
【0006】歯ブラシ収容区画を複数形成しても良い。この構成により、複数の歯ブラシを収納して、同時に殺菌できる。歯ブラシ収容区画の下方に水受け皿を着脱自在に設けることは、歯ブラシに付着した水分の処理が簡単になるので望ましい。この時、ケースの底面に水抜き孔を設置すると共に、ケースの底面の下方に水受け皿を着脱自在に取り付けることができる。
【0007】ケースの底部に別体の底板を着脱自在に設けると共に、該底板に複数の歯ブラシヘッド収納区画を、それぞれ歯ブラシ収容区画に対応するよう形成することが可能である。この構成を採用したことにより、歯ブラシのヘッド部分と接触して汚れやすい底板のみを、ケースから取り出して洗浄できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図4に示すように、本発明の歯ブラシ収容具1は、開閉自在の蓋4と、歯ブラシ2を倒立すると共にそのヘッド部分2aの先端を載置して収容する複数の歯ブラシ収容区画5とを有するケース3及び冷陰極放電管型UV殺菌灯13を備える。ケース3は、図1に示すように、透明又は不透明な合成樹脂を素材とし、上方後ろ向きに傾斜するケース本体6と、その背後に設けられた基板ケース7とから成る。
【0009】ケース本体6は、前面が開口する略箱状のインナーケース10と、インナーケース10の前面を塞ぐように着脱自在に取り付けられ、後面が開口する略箱状のフロントカバー9とで構成される。フロントカバー9は、図1及び図2に示すように、高さ方向略中央部において上下に分割されると共に、上半部と下半部とが表面側に回動可能に枢着されている。そして、フロントカバー9の上半部はケース本体6の蓋4を構成し、図5に示すように、蓋4の上部寄り一側部の裏面に、スイッチ押圧突起11が設けられている。
【0010】また、図2及び図5に示すように、フロントカバー9の下半部の中央部に、透明な紫外線遮断パネル12がはめ込まれ、フロントカバー9の下半部の側壁後端部に、半円形の切欠部14が形成されている。さらに、図4及び図5に示すように、フロントカバー9の下縁両側から後方に向けて、左右一対の突起8が突設され、突起8の間において、フロントカバー9の下縁後端に、後述する水抜き孔41の一半部となる矩形切欠41aが形成されている。
【0011】インナーケース10は、図6に示すように、前面が開口する収納凹部15を有し、収納凹部15の後面に、高さ方向に沿う複数の仕切板16が適宜間隔ごとに平行に立設され、これらの仕切板16の間にそれぞれ歯ブラシ収納区画5が形成されている。また、収納凹部15の一側方の隆起部33において、蓋4のスイッチ押圧突起11と対応する位置に、該スイッチ押圧突起11を挿入可能な透孔17が穿設される。
【0012】さらに、インナーケース10の下面両側部に、フロントカバー9の突起8と着脱自在に係合する係合切欠32が形成され、これらの係合切欠32に突起8を挿入してフロントカバー9をインナーケース10に取り付けるようになっている。
【0013】また、係合突起9の間において、インナーケース10の下面前端に矩形切欠41bが形成され、この矩形切欠41bとフロントカバー9の矩形切欠41aとが対向して、ケース本体6の底面に水切り孔41(図1参照)が穿設される。
【0014】インナーケース10の裏面の外周寄り4カ所にそれぞれ基板ケース取り付け用のネジ挿入筒30が設置されると共に、適宜箇所に複数の(図に示す例では3個の)基板取り付け用のネジ挿入筒30’が設置される。
【0015】図4に示すように、インナーケース10の側壁の下部前端において、フロントカバー9の切欠部14と対応する位置に、半円形の切欠部14’が形成され、この切欠部14’に円形で透明の紫外線遮断板12’が嵌合固定されている。従って、インナーケース10とフロントカバー9とを接合すると、切欠部14及び切欠部14’は、紫外線遮断板12’で閉塞される。そして、この紫外線遮断板12’と切欠部14との係合が、突起8と係合切欠32との係合と共に、フロントカバー9とインナーケース10との接合手段を構成する。また、図6に示すように、収納凹部15の下方に、これより奥に殺菌灯収納部18がインナーケース10の下縁に沿って形成される。殺菌灯収納部18の両端部には、殺菌灯支持部19が形成されると共に、殺菌灯支持部19の奥部に図示しない端子が配置されている。
【0016】図1に示すように、殺菌灯収納部18の下部に、別体の底板20の後端部が着脱自在に嵌合される。底板20は殺菌灯収納部18の全幅に亘って装着され、下方に凸に湾曲する断面を有する。また、図8及び図9に示すように、底板20の前部寄りの上面には、インナーケース10の仕切板16と等間隔で隔壁21が立設され、これら隔壁21の間に、それぞれ歯ブラシ収容区画5と対応する歯ブラシヘッド収納区画22が形成される。
【0017】従って、底板20の後端部を殺菌灯収納部18の下部に挿入して取り付け、殺菌灯支持部19間に冷陰極放電管型UV殺菌灯13を架設すると、各歯ブラシヘッド収納区画22が歯ブラシ収容区画5の下方に位置し、冷陰極放電管型UV殺菌灯13が全ての歯ブラシヘッド収納区画22の後方に臨んで、且つ、歯ブラシ2のブラシ部分に対向して配置されることになる。また、歯ブラシヘッド収納区画22の後方の幅方向中央部に、水抜き樋23が下方に向けて設けられ、底板20の上面に流入した水を下方に排出できるようになっている。
【0018】基板ケース7は、図1及び図7に示すように、垂直箱部24の側壁の両側縁前端及び上縁前端から、インナーケース10の背面に沿って傾斜する背面パネル25が張り出して形成される。垂直箱部24の四隅部には、インナーケース10のネジ挿入筒30に対応するネジ挿通孔26がそれぞれ穿設されると共に、垂直箱部24の両側上部に壁掛け用孔27が穿設されている。
【0019】そして、図1に示すように、基板ケース7の背面パネル25をインナーケース10の背面に重合すると共に、ネジ挿通孔26を通してインナーケース10のネジ挿入筒30にタッピングネジ28を螺入することにより、基板ケース7とインナーケース10とを接合する。また、インナーケース10と基板ケース7との間の空間に基板29を収納し、タッピングネジ28’を基板29を貫通してネジ挿入筒30’に螺入することにより、基板29をインナーケース10に固定する。そして、垂直箱部24を貫通して基板ケース7内に引き込まれた電源コード31を基板29に接続し、冷陰極放電管型UV殺菌灯13と基板29とを図示しないリード線で接続する。
【0020】基板ケース7をインナーケース10に取り付けると、図1に示すように、インナーケース10の隆起部33と基板ケース7の背面パネル25との間にスイッチ収納空間34が形成される。スイッチ収納空間34の内部において、透孔17の後方にスイッチ35が装着される。スイッチ35のヒンジレバー36は透孔17に臨んで配置されると共に、その背後に設けられた押釦37から離れる方向すなわち前方に付勢されている。また、スイッチ35は基板29に電気的に接続されており、ヒンジレバー36及び押釦37は電気的に絶縁されている。
【0021】そして、蓋4を閉じると、スイッチ押圧突起11が透孔17内に挿入されてヒンジレバー36を押圧し、この結果、押釦37が押されてスイッチ35がON状態となり、冷陰極放電管型UV殺菌灯13が点灯するようになっている。なお、冷陰極放電管型UV殺菌灯13が点灯してから一定時間が経過すると、自動的に電流が切れて冷陰極放電管型UV殺菌灯13が消えるように設定されている。
【0022】図1及び図6に示すように、垂直箱部24の後面及び側面は背面パネル25よりも下方に突出して、前面が開口する支持台38が形成される。支持台38の両側内面に奥行き方向に沿うガイドレール39が形成されると共に、ガイドレール39の高さ方向中間部にガイドフィン40が張り出している。また、基体ケース7の下面すなわちケース3の底面には、ケース本体6の水切り孔41と合致する位置に水抜き孔41’が穿設され、この水抜き孔41,41’に底板20の水抜き樋23を挿通できるようになっている。
【0023】図1に示すように、支持台38の内部には水受け皿42が前方から着脱自在に取り付けられる。水受け皿42は、図10及び図11に示すように、皿本体43と、その前端部に設けられて支持台38の前面を閉塞する起立壁44と、皿本体43の両側方に張り出す翼片45とから成る。そして、翼片45をガイドフィン40の下面に重ねて皿本体43を支持台38に挿入し、起立壁44が支持台38の前端に当接するまで水受け皿42をスライドさせると、皿本体43が水抜き樋23の先端の下方に配置されて、水抜き樋23を通して排出される水を受け止めるようになっている。
【0024】本発明の歯ブラシ収容具1は、次のように使用される。蓋4を開けて、図1に示すように、歯ブラシ収容区画5内に歯ブラシ2を、そのヘッド部分2aを下にして、且つ、毛の先を冷陰極放電管型UV殺菌灯13に向けて収納する。すると、歯ブラシ2のヘッド部分2aは底板20の歯ブラシヘッド収納区画22に挿入される。次いで、蓋4を閉じると、その裏面に突出したスイッチ押圧突起11が透孔17に進入してスイッチ35のヒンジレバー36を押圧し、この結果、先に説明したようにスイッチ35が閉じて冷陰極放電管型UV殺菌灯13が点灯し、歯ブラシ2を殺菌する。また、蓋4を閉じてから一定時間が経過すると、自動的に冷陰極放電管型UV殺菌灯13が消えて殺菌を終了する。なお、蓋4を開けたり外したりした場合に、冷陰極放電管型UV殺菌灯13が自動的に消灯するようにすれば、使用者が至近距離から直接紫外線を受けることがない。
【0025】歯ブラシ2のヘッド部分2aから底板20に落ちた水は、水抜き樋23を伝わって水受け皿42の皿本体43に溜まるので、水受け皿42を引き出して捨てれば簡単に処理することができる。また、底板20が汚れたら、フロントカバー9を外して底板20のみを取り出し、洗浄することが可能である。
【0026】なお、冷陰極放電管型UV殺菌灯13が点灯している時であっても、紫外線遮断板12,12’を通してケース3の内部を覗けば、紫外線が目に悪影響を与えることはない。また、歯ブラシ収容具1は、支持台38をテーブルの上面等に載せて起立させることもでき、L釘等の固定具を壁掛け用孔27に挿入して壁に掛けることもできる。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載された構成によれば、歯ブラシを、その重い側のヘッド部分を下にして、且つ、毛の先を冷陰極放電管型UV殺菌灯に向けて歯ブラシ収容区画内に差し込むだけで、歯ブラシを簡単に安定して支持することができ、しかも、歯ブラシの長さ及び柄の形状に拘わらずそのヘッド部分が同じ高さで配置されて、冷陰極放電管型UV殺菌灯に対向するため、ヘッド部分を確実に殺菌することが可能である。また、歯ブラシ全体がヘッドを下に向けてケース内に収納されるため、毛に付着した水分が柄を伝わって落下し、床等を汚す虞がない。
【0028】さらに、殺菌灯として発熱量が小さい冷陰極放電管型UV殺菌灯を用いたので、歯ブラシのヘッドと殺菌灯との距離を小さくすることが可能であり、このため、ケースがコンパクトで済むばかりか、小型の殺菌灯であっても高い殺菌効果が得られ、消費電力を低く抑えることができる。また、歯ブラシからこぼれた水滴が殺菌灯のガラス面に付着しても、割れる心配が無く、殺菌が終了した直後に蓋を開けても、火傷を負う虞がない。なお、蓋を開けたり外したりした場合に殺菌灯が消灯するようにすれば、さらに便利になる。
【0029】請求項2に記載された構成によれば、複数の歯ブラシを収納して、同時に殺菌することができる。請求項3に記載された構成によれば、水受け皿を取り出して溜まった水を廃棄することにより、歯ブラシのヘッド部分から流れ落ちた水を簡単に処理することができる。請求項4に記載された構成によれば、ケースを開けることなく水受け皿を取り出すことが可能なので、水の処理がいっそう容易となる。請求項5に記載された構成によれば、歯ブラシのヘッド部分と接触したり、ヘッド部分から落下した水が流れて汚れやすい底板のみを取り出して洗浄することができるので、常に良好な衛生状態を維持しやすい。
【出願人】 【識別番号】595044605
【氏名又は名称】佐野丸興株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 松司 (外4名)
【公開番号】 特開平11−299543
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−125224