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【発明の名称】 化粧料容器
【発明者】 【氏名】柚原 幸知

【要約】 【課題】蝶番ピンを容器本体および蓋体と同様に合成樹脂製として、その取り外しを不要にして分別収集を容易にするとともに、合成樹脂製とした上記蝶番ピンが露出される部分に装飾性を持たせて、化粧料容器の外観を向上できるようにした化粧料容器を提供する。

【解決手段】容器本体12および蓋体14を合成樹脂で形成し、容器本体12から突設した一対の第1突起部16と、蓋体から突設した第2突起部18とを嵌合した状態で、両側から合成樹脂で形成した一対の蝶番ピン20を第1,第2突起部16,18両者に跨って挿通してヒンジ22を構成する。蝶番ピン20の外方端部に、ピン穴16aに挿入される一般部分より大径となる半球状の飾り26を一体成形する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 化粧料が収納される合成樹脂製の容器本体と、この容器本体を開閉する合成樹脂製の蓋体とを備え、これら容器本体と蓋体の端部間に跨って該蓋体を開閉する蝶番ピンを挿通した化粧料容器において、上記蝶番ピンを合成樹脂で形成するとともに、該蝶番ピンには容器本体および蓋体の少なくともいずれか一方から露出される部分に飾りを設けたことを特徴とする化粧料容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器本体に蓋体が蝶番ピンを介して蝶着される合成樹脂製の化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、化粧料の携帯用にコンパクトと称される化粧料容器が用いられるが、この化粧料容器は容器本体内に化粧料を収納するとともに、容器本体の後端部にヒンジ結合される蓋体で容器本体上側を開閉して、その閉止状態で該容器本体を密閉するようになっている。
【0003】上記化粧料容器は、容器本体および蓋体共に合成樹脂によって形成され、成形性の容易化が図られるとともに、容器全体の軽量化や装飾の多様化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来の化粧料容器にあっては、合成樹脂によって容器本体および蓋体が形成された場合にも、ヒンジの回転中心となる蝶番ピンは金属によって形成されるのが一般的となっている。ところで、このような化粧料容器は、使用済みとなったり、または破損された場合等にゴミとして廃棄されるが、このような合成樹脂製品は、近年特に求められているリサイクルのために分別収集できることが望ましい。ところが、上述したように合成樹脂製の容器本体および蓋体に対して、蝶番ピンが金属製であるために、分別収集に際してこの蝶番ピンを取り外して処理する必要がある。特に、この蝶番ピンはヒンジの内部に圧入状態で押し込まれた状態にあるため、蝶番ピンを取り出すためにはその都度ヒンジ部分を破壊する必要があり、この蝶番ピンの取り外しに多大な手間がかかるという課題があった。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、蝶番ピンを容器本体および蓋体と同様に合成樹脂製として、その取り外しを不要にして分別収集を容易にするとともに、合成樹脂製とした上記蝶番ピンが露出される部分に装飾性を持たせて、化粧料容器の外観を向上できるようにした化粧料容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明の化粧料容器は、化粧料が収納される合成樹脂製の容器本体と、この容器本体を開閉する合成樹脂製の蓋体とを備え、これら容器本体と蓋体の端部間に跨って該蓋体を開閉する蝶番ピンを挿通した化粧料容器において、上記蝶番ピンを合成樹脂で形成するとともに、該蝶番ピンには容器本体および蓋体の少なくともいずれか一方から露出される部分に飾りを設ける。
【0007】以上の構成により本発明の化粧料容器の作用を以下述べると、容器本体と蓋体とを蝶着する蝶番ピンを、これら容器本体および蓋体と同様に合成樹脂で形成したので、化粧料容器をゴミとして廃棄する際に、その都度蝶番ピンを取り外す必要が無くなり、分別収集が容易になる。
【0008】また、該蝶番ピンには容器本体および蓋体の少なくともいずれか一方から露出される部分に飾りを設けたので、当該飾りによって蝶番ピンの露出部分にデザイン効果を発揮させることができ、延いては、化粧料容器の外観を向上できて商品価値を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1,図2は本発明の化粧料容器の一実施形態を示し、図1は蝶番ピンを分離した状態の化粧料容器の斜視図、図2は蝶番ピン部分から切断した断面平面図である。
【0010】図1,図2に示すように本実施形態の化粧料容器10は、図外の化粧料を収納する収納部12aが形成された皿状の容器本体12と、この容器本体12を開閉する蓋体14とを備え、これら容器本体12および蓋体14はそれぞれ合成樹脂によって形成される。
【0011】容器本体12の後端部には両側端部から一対の第1突起部16が突設されるとともに、蓋体14の後端部中央にはこれら第1突起部16間に嵌合される第2突起部18が突設される。そして、これら第1突起部16と第2突起部18とを嵌合した状態で、両側から一対の蝶番ピン20を第1,第2突起部16,18両者に跨って挿通することによりヒンジ22が構成され、このヒンジ22、つまり蝶番ピン20を中心に蓋体14は開閉自在に蝶着される。
【0012】上記容器本体12と上記蓋体14の前端部間にはフック24が構成され、このフック24の係合状態で蓋体14の閉止状態が保持される。上記フック24は、容器本体12の前端部に形成した凹部12bの後壁に形成した第1突起24aと、蓋体14の前端部から垂設した第2突起24bとで構成され、該第2突起24bの弾発力をもってこれら第1突起24aと第2突起24bとは係脱可能となっている。
【0013】上記蝶番ピン20は左右一対設けられ、それぞれの蝶番ピン20は上記容器本体12および上記蓋体14と同様に合成樹脂によって形成してある。これら容器本体12,蓋体14および上記蝶番ピン20は、同一材質で成形することが望ましく、これにより生産性を向上することができる。上記蝶番ピン20は、全長に亘って同径の細長い棒状に形成され、上記第1,第2突起部16,18のピン穴16a,18aに圧入状態で挿通される。
【0014】ここで、本実施形態では上記蝶番ピン20が容器本体12から露出される部分、つまり蝶番ピン20の外方端部に、ピン穴16aに挿入される一般部分より大径となる半球状の飾り26を一体成形してある。
【0015】以上の構成により本実施形態の化粧料容器10にあっては、それぞれ合成樹脂の射出成形により形成された容器本体12と蓋体14とは、図1に示したようにピン穴16a,18aが連通するように第1突起部16と第2突起部18とを配置し、この状態で蝶番ピン20が第1,第2突起部16,18に跨って圧入状態で挿入される。従って、蓋体14の開閉時にはこれら第1,第2突起部16,18のいずれか一方で蝶番ピン20が固定され、他方と蝶番ピン20とが所定の回転抵抗をもって相対回転される。このため、この回転抵抗により蓋体14はフリーストップ機能が付加され、任意の回動位置で静止させることができる。特に、蝶番ピン20とピン穴16a,18aとの接触が、弾塑性的な性質を有する合成樹脂同士の摩擦接触作用によることから、柔らかなタッチのフリーストップ性能を得ることができる。
【0016】ところで、上記蝶番ピン20は容器本体12および蓋体14と同様に合成樹脂で形成したので、化粧料の使用済み等によって化粧料容器10をゴミとして分別収集により廃棄する際に、その都度ヒンジ22部分を破壊するなどの余分な作業によって蝶番ピン20を取り外す必要が無くなるため、この分別収集が著しく容易になる。
【0017】また、上記蝶番ピン20の外方端部には半球状の飾り26を形成してあるので、該蝶番ピン20を取り付けた際に、該飾り26が容器本体12の両側面から半球状に突出するため、ピン端部でデザイン効果を発揮させることができ、延いては、化粧料容器10の外観を向上できて商品価値を高めることができる。上記飾り26はピン端部から突設される形状を半球状としたが、この形状は球面に限ることはなく、例えば正多面体若しくはその他の意匠性をもった形状にすることができる。
【0018】図3から図5は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。図3は蝶番ピンを分離した状態の化粧料容器の斜視図、図4は完成した化粧料容器の斜視図、図5は蝶番ピン部分から切断した断面平面図である。
【0019】即ち、この実施形態の化粧料容器10aが上記実施形態と主に異なる点は、容器本体12および蓋体14を平面視で楕円形にしてそれぞれの角部を滑らかな曲面で形成し、かつ、これら容器本体12および蓋体14の形状とマッチングするように、第1,第2突起部16,18をそれぞれ同径となる円筒状に形成してある。そして、互いに重合配置したこれら第1,第2突起部16,18のピン穴16a,18aに両側から一対の蝶番ピン20が圧入嵌合される。
【0020】ここで、この実施形態では上記蝶番ピン20の外方端部に円盤状の飾り26aを形成してある。この円盤状の飾り26aは、上記第1,第2突起部16,18と同径に形成されるとともに、相当の厚みで形成される。
【0021】従って、この実施形態の化粧料容器10aにあっては、上記蝶番ピン20の外方端部に形成された飾り26aが、円筒状の第1,第2突起部16,18と同径かつ相当の厚みの円盤状に形成されたので、ヒンジ22部分は、上記第1,第2突起部16,18と上記飾り26aとが統一性をもって全体に筒状に形成される。このため、そのデザイン効果を大きくして化粧料容器10aの外観を大幅に向上することができる。勿論、この実施形態にあっても上記容器本体12,蓋体14および蝶番ピン20は合成樹脂によって形成され、分別収集を容易にしている。
【0022】図6,図7は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。図6は背面から見た化粧料容器の斜視図、図7は背面から見た化粧料容器の分解斜視図である。
【0023】この実施形態の化粧料容器10bは、図7に示すようにヒンジ22部分が分解可能となって、容器本体12と蓋体14および蝶番ピン20が互いに分離できるようになっている。容器本体12および蓋体14は矩形状に形成され、容器本体12の後端部から一対の第1突起部16が中央に寄せて突設されるとともに、蓋体14の後端部中央からこれら第1突起部16の上側を覆うように突出部14aが形成され、この突出部14aの下側から第2突起部18が垂設される。これら第1,第2突起部16,18は、後端面および下面が面一となるように形成される。
【0024】上記第1,第2突起部16,18のピン穴16a,18aは、図7に示すようにそれぞれ切欠部16b,18bによって下方に開放される一方、蝶番ピン20を上記切欠部16b,18bからピン穴16a,18aに装着できることにより、該蝶番ピン20は1本で構成される。上記切欠部16b,18bは下方に拡幅される扇形に形成されるとともに、該切欠部16b,18bとピン穴16a,18aとの連通部分は蝶番ピン20の径より若干小さい幅に形成され、蝶番ピン20を切欠部16b,18bからピン穴16a,18aに向かって押し込むことにより該切欠部16b,18bを介して蝶番ピン20を装着でき、また反対に引き出すことで蝶番ピン20を外すことができるようになっている。
【0025】ここで、この実施形態では上記蝶番ピン20の両端部に、上記第1突起部16と略同一形状の飾り26bが形成される。
【0026】従って、この実施形態にあっても図6に示すように蝶番ピン20を第1,第2突起部16,18に取り付けた状態で、両端部の飾り26bがこれら第1,第2突起部16,18と統一性を持ち、そのデザイン効果が増大して化粧料容器10bの外観が大幅に向上される。勿論、この実施形態にあっても上記容器本体12,蓋体14および蝶番ピン20は合成樹脂によって形成され、分別収集を容易にしている。
【0027】また、上記蝶番ピン20は両端部に飾り26bが形成され、これら飾り26bが第1突起部16に係止されるため、該蝶番ピン20は左右方向に対して抜止めされる。更に、蝶番ピン20は切欠部16b,18bからピン穴16a,18aに向かって押し込むことによりピン穴16a,18aに取り付けることができるため、当該蝶番ピン20の装着を簡単化できて化粧料容器10bの生産性を向上することができる。
【0028】ところで、この実施形態ではヒンジ22部分が化粧料容器10bの後端部から突出する形状となっているが、図8に示すように蓋体14の後端部に形成される突出部14aをその全幅に亘って形成する一方、蝶番ピン20の飾り26cを容器本体12の両側部まで延長することにより、全体的に突出部分の無いスッキリした矩形状の化粧料容器10cを提供することができる。
【0029】以上、本発明の化粧料容器を各実施形態により説明したが、これら各実施形態では容器本体12から突設する第1突起部16を、蓋体14から突設する第2突起部18の外側に配置した関係上、蝶番ピン20の外方端部が第1突起部16、つまり、容器本体12側に露出される場合を開示したが、上記第2突起部18と上記第1突起部16の配置を反対にしてもよい。この場合は蝶番ピン20の外方端部が蓋体14から露出されることになり、飾りは該蓋体14との統一性を図りつつ蝶番ピン20の端部に形成されることになる。
【0030】また、上記各実施形態では一般的に最も簡単な構造の化粧料容器10,10a,10b,10cを例にとって説明したが、勿論、これら化粧料容器に限ることなく、容器本体12内に化粧料の詰替用中皿を設けたものや化粧具の収納部を設けたもの、また、レフィル容器を収納する形態のもの、更にその他の機能を備えることは自由であり、要するに、それぞれが合成樹脂製の容器本体12と蓋体14とが蝶番ピン20でヒンジ結合される化粧料容器であれば本発明を適用することができ、更には、同様な構成のレフィル容器に対しても本発明を適用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧料容器にあっては、容器本体と蓋体とを蝶着する蝶番ピンを、これら容器本体および蓋体と同様に合成樹脂で形成したので、化粧料容器をゴミとして廃棄する際に、その都度蝶番ピンを取り外す必要を無くして、分別収集を容易化できる。
【0032】また、該蝶番ピンには容器本体および蓋体の少なくともいずれか一方から露出される部分に飾りを設けたので、当該飾りによって蝶番ピンの露出部分にデザイン効果を発揮させることができ、延いては、化粧料容器の外観を向上できて商品価値を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000160223
【氏名又は名称】吉田工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
【公開番号】 特開平11−318551
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−131826