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【発明の名称】 毛染め具
【発明者】 【氏名】宇佐美 秀幸

【要約】 【課題】製品の性能を落すことなくコストを低減して、安価な毛染用具を得る。

【解決手段】容器本体1内に塗布液2を収容する流体収容室3を、容器本体の前方に櫛体18を備えた塗布体を配置する。容器本体を流体収容室3とするとともに、流体収容室と塗布体との間に弁機構を設け、その弁機構を作動させるノック部材を容器本体の後方に配置する。櫛体は弁機構から吐出した塗布液を櫛体の前方部分まで流通させる流通路21を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器本体内に塗布液を収容する流体収容室及び該容器本体の前方に櫛体を備えた塗布体を配置した毛染め具において、前記容器本体を流体収容室とするとともに該流体収容室と前記塗布体との間に弁機構を設け、その弁機構を作動せしめるノック部材を前記容器本体の後方に配置し、また、前記櫛体は前記弁機構より吐出した塗布液をその櫛体の前方部分まで流通させる流通路を設けてなる毛染め具。
【請求項2】 前記櫛体の流通路と平行に、かつ、連設して吸蔵体を備えてなる請求項1の毛染め具。
【請求項3】 前記櫛体の流通路をパイプ部材となすとともに、そのパイプ部材の側壁に多数の貫通孔を形成し、また、前記パイプ部材に吸蔵体を囲繞させてなる請求項1の毛染め具。
【請求項4】 前記櫛体は、容器本体に対して回動可能に取り付けられてなる請求項1の毛染め具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器本体内に塗布液を収容する流体収容室及び該容器本体の前方に櫛体を備えた塗布体を配置した毛染め具に関する。
【0002】
【従来の技術】弁機構を有し、その弁を解放することによって塗布液を櫛体に吐出せしめる技術として、実開昭63−95504号公報が知られている。軸筒の内部には、弁機構を内設する貯溜タンクが、前記軸筒に対して摺動自在に配置されている。使用の際には、キャップを貯溜タンクの後方に取り付け、そのキャップを軸筒後方よりノック式に押圧することによって貯溜タンクを移動せしめ、前記弁機構を解放させ、貯溜タンク内の頭髪用化粧料を刷毛に供給するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来技術にあっては、軸筒と頭髪用化粧料を収容する貯溜タンクとが別個の部品で構成されているので、部品を各々形成しなければならず、そのため、部品代の総額が高くなってしまい、また、組み立てる為の作業工程も多くなり、結果的に製品自体の価格を高騰させてしまうか、或は、他の部分でコストを低減させなければならなくなってしまっていた。しかし、他の部分におけるコストの低減は、製品としての性能を落してしまうこともあり、特に、人体に付着させる化粧料の容器としては、性能を落してしまうことができず、よって、性能を落さずして他の部分のコストを低減することは、非常に困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器本体内に塗布液を収容する流体収容室及び該容器本体の前方に櫛体を備えた塗布体を配置した毛染め具において、前記容器本体を流体収容室とするとともに該流体収容室と前記塗布体との間に弁機構を設け、その弁機構を作動せしめるノック部材を前記容器本体の後方に配置し、また、前記櫛体は前記弁機構より吐出した塗布液をその櫛体の前方部分まで流通させる流通路を設けたことを要旨とする。
【0005】
【実施例】以下、本発明を添付図面を参照して詳細に説明する。容器本体1の内部には、頭髪を染色する塗布液2が、収容されている。つまり、容器本体1自体が、直接、流体収容室3となっている。また、容器本体1の後部(図中下方を後方、上方を前方という)には、長手方向に向かって伸縮復元可能な筒部4が順次縮径するよう階段状に複数形成されており、その最後部に位置する筒部には底部5が形成されている。また、その底部5が形成されている筒部には、その筒部より大径のノックキャップ6が圧入によって取り付けられているが、前記容器本体1並びに筒部4と一体成形してもよい。ノックキャップ6を指などで押圧することにより、前記複数の筒部4を縮め、また、押圧を解除することによって縮んだ複数の筒部4を伸長復元するのである。
【0006】ここで、前記容器本体1の材質としては、塗布液2の残量確認ができるような透明、或は、半透明な材質がよいが、これに限るものではない。尚、前記透明又は半透明の具体的材質としては、ポリプロピレンのホモポリマーが透明性が高く良好であるが、耐衝撃性をあげる為にポリプロピレンのコポリマーであるブロックポリマーやランダムポリマーなどを使用したり、前記ホモポリマーとコポリマーとをブレンドしたものを使用してもよい。また、その他の樹脂として、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリルニトリル・スチレン共重合樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂の透明又は半透明のグレードのものが使用できる。更に、上記樹脂に染料系、顔料系の着色剤で内部の状態が視認できる程度に着色してもよい。また、容器本体1(流体収容室2)の内面にフッ素系、シリコン系などの撥水撥油剤の樹脂層を形成してもよく、視認性が向上するものである。
【0007】前記容器本体1の内側中間部には、流体収容室3の前方の栓となる蓋体7が圧入されている。その蓋体7の中心部には、前方に向かって突出部8が形成されており、その突出部8には、貫通孔9が形成されており、その貫通孔9の中間部には、弁座10が形成されている。また、前記貫通孔9には、弁棒11が挿通しており、その弁棒11の先端に形成されている弁部12が前記弁座10に当接している。また、弁棒11は、後方が延設形成されており、その後端は、前記筒部4の底部5に達している。さらに、前記弁棒11は、コイルスプリングなどの弾撥部材13によって後方に付勢されている。つまり、常時は、この弾撥部材13によって前記弁部12が弁座10に当接しており、流体収容室3の液体2が貫通孔9から流出されなくなっている。尚、前記弁部12(弁棒11)は、弁機構が十分な密閉性を有するような材料を用いることが必要であるが、蓋体7の材質より曲げ弾性率が低く、引っ張り破断点応力(JIS K7113測定法による値)が200Kg/cm2以上のポリプロピレン又はポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド品で射出成形されたものが好ましい。符号14は、容器本体1の後端に設けられた尾栓であり、その後端面を前記ノックキャップ6の後端面の面と略合わせているが、1部に指が入る程度の切欠き15を形成している。落下させてしまったときなど、不慮の押圧作動を防止している。
【0008】前記容器本体1の前方部には、後述する櫛体を取り付ける吐出口部材16が圧入されているが、密閉性を期すために接着などで完全に固定してもよい。その吐出口部材16の前端面の偏心した位置には、筒状の吐出口17が形成されており、その吐出口17には、ポリプロピレンやポリアセタ−ル、ナイロンなどの樹脂材質から成形された櫛体18の基部19の下端部20が圧入されているが、前記吐出口17に対して回転に自在に取り付けてもよい。また、その櫛体18の基部19の内側には、前記塗布液2が流れ込む流通路21が前方部分まで形成されている。その流通路21には、一部分を重複して円柱状の孔が平行に形成されており、その円柱状の孔22には、やはり円柱状の吸蔵体23が内設している。つまり、前記弁機構より吐出した塗布液2は、流通路21を通り、この吸蔵体23に浸透するのであるが、前記塗布液2の粘度が高い場合には、必ずしも必要なものではない。尚、前記吸蔵体23は、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン系繊維などの繊維束体である中綿や、ポリプロピレン、ポリエチレン、エステル、エーテル、ウレタン系樹脂などの多孔質体の軟質部材や、前記の繊維や樹脂を焼成(焼結)することによって成形した硬質部材などから形成されている。また、前記吸蔵体23は、内部を焼成した硬質部材とし、その回りにウレタン系樹脂などの軟質部材を被覆した、所謂、2重構造の塗布体としてもよい。さらに、前記の材質によって成形した吸蔵体23の表面の長手方向には、複数の溝を形成してもよく、溝を形成することによって吸蔵体の表面積が多くなると共に、溝に多少の塗布液が貯溜されるので、塗布液を充分に吸蔵体に保持させることができる。
【0009】前記櫛体18の基部19の前方部分には、櫛部24が形成されているが、前記円柱状の孔22の一部分が櫛部24と重複して形成されている。つまり、前記円柱状の吸蔵体23は、基部19より櫛部24側に露出しているが、櫛部24の円柱状の孔22によってその脱落が防止されている(図4参照)。符号25は、不使用時に、櫛部24を保護するとともに、吸蔵体23の乾燥を防止するキャップである。そのキャップ25の前記吐出口部材16との嵌合部である基部26は、円形状をなしているが、櫛部24が挿入される部分が楕円形(楕円形部27)となっている(図5参照)。
【0010】次に使用方法について説明する。最初に、キャップ25を容器本体1より外すが、この時、櫛体18を約180度回転させ、櫛部24が容器本体1の外側に位置させるが(図6参照)、使用する人の好みに応じて回転角度を設定してもよいことは云うまでもない。尚、この様に回転自在となしたのは、使用するときの作業性や、不使用時のコンパクト性(収納性)を考慮してのことである。次に、容器本体1を手に握り、尾栓14の切欠き部15に指の腹を当て、指の先端近傍で容器本体1の後部のノックキャップ6を押圧する。ノックキャップ6を押圧すると、筒部4が収縮するとともに、底部5が前記弁棒11の後端を押圧し、その弁棒11は、弾撥部材13の弾撥力に抗して前進する。この弁棒11の前進により、弁部12が弁座10より離隔し、弁機構が開放する。弁機構が開放されると、流体収容室3内の塗布液2が吐出口17、並びに、流通路21を通り、吸蔵体23に供給される。これで、使用のための準備が完了するが、使い初めは、十分に塗布液2が吸蔵体23に行き渡らない場合もあるので、数回ノックキャップ6を押圧するのが好ましい。
【0011】ここで、前記容器本体1を握り替え、櫛体18の基部19から露出している吸蔵体23を染めたい髪の毛の部分に当接させ、その部分で上下、あるいは、左右に移動させることによって櫛部24で梳きながら該当部分を吸蔵体23より滲み出た塗布液2によって染色する。
【0012】第2例を図7〜図9に示し、以下説明する。前記第1例の流通路をパイプ部材28とした例である。そのパイプ部材28の側壁には、塗布液が流出する多数の貫通孔29が交互に形成されているが、対向した側壁に形成してもよく、また、ランダムな位置に形成してもよいが、均一に塗布液を流出させるために規則的に形成した方がよい。さらに、パイプ部材28の前端には、切欠き部30が対向した位置に形成されており、この切欠き部30からも塗布液が流出するようになっている。また、前記パイプ部材28の回りには、前記第1例の吸蔵体23と同様な材質で形成された吸蔵体31が囲繞されている。そして、その吸蔵体31が隣合う櫛部24の間から部分的に露出している。塗布液が多数の貫通孔29、並びに、切欠き部30から流出するので、その塗布液は略均一に吸蔵体31に供給される。
【0013】第3例を図10〜図12に示し、以下説明する。櫛体の変形例である。本例における櫛体32は、基部33と櫛部34とが別体で構成されている。具体的には、前記基部33の内側には、前記第1例と同様に流通路が形成されている。一方、櫛部34には、その櫛部34の形状に沿って内孔35が形成されており、その内孔35には、吸蔵体36の突出部37が挿着されている。尚、前記内孔35と突出部37とは、各々に形成されている凹部38(図11参照)と突部39(図12参照)の係合によってなされており、容易には外れないようになっている。符号40は、前記櫛体32に形成されている流通路と同様な作用をなす、前記吸蔵体36の流通路である。本例においては、吸蔵体36が櫛部34の前方部分まで延設形成されているので、髪の毛に充分に塗布液を付着させることができ、よって確実にむらなく染色することができる。尚、本例における吸蔵体36も前記第1例と同様な材質とすのが好ましい。尚、本例においては、櫛部34の内表面と吸蔵体36の表面とを略面一の状態としたが、突出部37を櫛部34の内表面から多少突出させてもよく、また、櫛部34の内表面を覆うように配置してもよい。塗布液の髪の毛への付着が、さらに確実なものとなる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、容器本体内に塗布液を収容する流体収容室及び該容器本体の前方に櫛体を備えた塗布体を配置した毛染め具において、前記容器本体を流体収容室とするとともに該流体収容室と前記塗布体との間に弁機構を設け、その弁機構を作動せしめるノック部材を前記容器本体の後方に配置し、また、前記櫛体は前記弁機構より吐出した塗布液をその櫛体の前方部分まで流通させる流通路を設けたので、製品の性能を落すことなく、安価な毛染め具をユ−ザ−に提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月30日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−309012
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−136040