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【発明の名称】 爪先研削装置
【発明者】 【氏名】中野 昭雄

【要約】 【課題】爪の削りすぎが起こらず、爪の外観を良好とすることができる、安全で使い勝手のよい爪先研削装置を得る。

【解決手段】駆動部7によって回転駆動される研削部5と、この研削部5を覆うカバー13とを有してなり、このカバー13には研削部5との対向位置に少なくとも一つの開口部14が形成され、研削部5はカバー13との対向面に、回転中心を中心とする円に沿って少なくとも一つの溝9を有し、カバーの開口部14は溝9との対向位置に形成され、溝9は断面円弧状であり、溝9の底部には研削面を有し、溝9の縁部には平滑面を有し、開口部14は研削部5の溝9に沿った円弧状に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動部によって回転駆動される研削部と、この研削部を覆うカバーとを有してなり、上記カバーには上記研削部との対向位置に少なくとも一つの開口部が形成されていることを特徴とする爪先研削装置。
【請求項2】 研削部は、カバーとの対向面に、回転中心を中心とする円に沿って少なくとも一つの溝を有し、カバーの開口部は上記溝との対向位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の爪先研削装置。
【請求項3】 研削部の溝は、断面円弧状であることを特徴とする請求項2記載の爪先研削装置。
【請求項4】 溝の底部に研削面を有し、溝の縁部に平滑面を有することを特徴とする請求項3記載の爪先研削装置。
【請求項5】 開口部は、研削部の溝に沿った円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の爪先研削装置。
【請求項6】 研削部には、研削部とともに回転して研削部から空気を吸引するフィンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の爪先研削装置。
【請求項7】 吸引された空気の通路にフィルターが設けられていることを特徴とする請求項6記載の爪先研削装置。
【請求項8】 研削部は、カバーに向かって付勢されていることを特徴とする請求項1記載の爪先研削装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、爪先研削装置に関するもので、特に爪を削りすぎることがなく、また、削られた爪の先端部に凹凸や引っ掛かりがなく、爪を滑らかに削ることができる爪先研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータ等により研削部を駆動して、爪を研削する電動式の爪先研削装置が既に知られている。従来の電動式爪先研削装置には、研削部を往復運動させる形式のものと、研削部を回転させる形式のものとがある。往復動式爪先研削装置としては、特開昭62−142502号公報記載の電動式爪みがき機が知られている。しかしながら、往復駆動による研削では、爪を削る向きが交互に変わるため、余分な力が爪にかかりやすく、また、研削部が爪に引っ掛かりやすいといった欠点もあった。
【0003】一方、回転動式爪先研削装置としては、特開昭50−6456号公報記載の爪磨機が知られている。この爪磨機は、朝顔型の回転体の内外周面を粗密両面の研磨用とし、この回転体を支片に着脱自在に配設し、この支片をケースに内装したモータで回転駆動し、支片とともに回転駆動される上記回転体の内外周面で爪を磨くようにしたもので、構造が複雑で、持ち運びも不便であり、また、磨きすぎに対する配慮は全くされていない。
【0004】また、特開昭63−189108号公報記載の電動爪磨きおよび特開平2−126506号公報記載のネイルクリーナも知られている。しかし、上記従来技術はいずれも単にモータの回転軸に円柱状やすりを取り付けただけのもので、研磨部がむき出しになっており、爪の磨き過ぎが生じやすく安全面で問題があり、しかも磨きくずをまき散らすといった難点もあった。このように、従来の回転動式爪先研削装置は、いずれも爪の研削深さ調整が不十分であり、安全面でも問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を解決し、爪を削りすぎない、安全で、しかも、爪の先を滑らかに研削することができる爪先研削装置を得ること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、駆動部によって回転駆動される研削部と、この研削部を覆うカバーとを有してなり、上記カバーには上記研削部との対向位置に少なくとも一つの開口部が形成されていることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部は、カバーとの対向面に、回転中心を中心とする円に沿って溝を有し、カバーの開口部は上記溝との対向位置に形成されていることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2記載の爪先研削装置において、研削部の溝は、断面円弧状であることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の爪先研削装置において、溝の底部に研削面を有し、溝の縁部に平滑面を有することを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項2記載の爪先研削装置において、開口部は、研削部の溝に沿った円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部には、研削部とともに回転して研削部から空気を吸引するフィンが設けられていることを特徴とする。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項6記載の爪先研削装置において、吸引された空気の通路にフィルターが設けられていることを特徴とする。請求項8記載の発明は、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部は、カバーに向かって付勢されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明にかかる爪先研削装置の実施の形態について説明する。図1に示すように、爪先研削装置1の外装は、本体ケース2、駆動部ケース3、電源部ケース4から構成されている。本体ケース2、駆動部ケース3、電源部ケース4はそれぞれ別体に形成されて、螺合、嵌合等の結合手段により着脱自在に結合することができるようになっている。
【0014】電源部ケース4は、電池6を収納することができるように内部に空間を有する筒状になっており、駆動部ケース3は、モータ等の駆動部7を収納することができるように内部に空間を有する筒状となっている。電池6は一次電池でも二次電池でも差し支えない。
【0015】本体ケース2も筒状体で、内部には研削部5が収納され、この研削部5を覆うカバー13が本体ケース2の先端面に設けられている。研削部5は円盤状の研削部材50を有する。研削部材50は、ホルダ51の上面側に形成された凹部に嵌め込まれ、ホルダ51の周壁上端51aよりも研削部材50の上面がわずかに低くなっている。ホルダ51は下面側にボス51bを一体に有し、このボス51bは、回転体52の中心軸52aに嵌まっている。この中心軸52aと上記ボス51bは、例えばスプラインによって軸方向には相対移動可能に、しかし、回転方向には一体回転可能に嵌まり合っている。上記回転体52の中心軸52aの下半部には、前記駆動部7の回転出力軸8が嵌まるとともに、キー溝とこれに嵌まるキー20とによって回転出力軸8とともに回転体52が回転駆動されるようになっている。回転体52とホルダ51は、上記のように回転的には一体であるため、回転体52とともにホルダ51が、さらに研削部材50が回転駆動されるようになっている。
【0016】研削部材50のカバー13との対向面には同心円状に溝9が設けられている。図2に詳細に示すように、溝9は断面円弧状であり、溝9の底部10は研削面を有し、溝9の縁部11は平滑面を有するようになっている。カバー13には、溝9と対応する位置に開口部14が設けられ、ここから爪を挿入することができるようになっている。上記回転体52とホルダ51との間にはこれらの外周縁部においてコイルばね16が介在していて、このコイルばね16の弾性力にによってホルダ51が上方に向かって付勢されている。ホルダ51には、その回転中心軸線に沿って、研削部材50を貫いて上側から調整ねじ54がねじ込まれていて、この調整ねじ54の上端が前記カバー13の下面に当接して、上記付勢力によるホルダ51及び研削部材5の移動が規制されている。調整ねじ54の頭部の研削部材50からの突出量を調整することにより、カバー13と研削部材50との間隙を調整することができるようになっている。
【0017】前記駆動部ケース3と電源部ケース4は、それらの嵌合部において中心軸線の周りに一定範囲内で相対回転可能になっていて、この相対回転によってスイッチ60がオン、オフするようになっている。スイッチ60は、電池6とモータ7との間の電源回路をオン、オフするもので、スイッチ60がオンするとモータ7に電源が供給されてモータ7の回転出力軸8が回転駆動され、前述のように研削部材50が回転駆動されるようになっている。研削部材50が回転駆動されているとき、カバー13に設けられた開口部14から挿入された爪が研削部材50の研削面10に当接されると、爪が研削されるようになっている。
【0018】図2(a)に研削部材50の平面図を示し、(b)にその断面図を示す。研削部材50は円盤状で、カバー13と対向する面に少なくとも1つの溝9が研削部材50の回転中心を中心とする円に沿って設けられている。この溝9は横断面円弧状で、底部10には爪を削るための研削粒が付着されて仕上げられている。溝9の縁部11には研削粒が付着されておらず、平滑面となっている。これは、爪の端部のみを研削し、側部を研削しないためのものである。なお、図2に示す例では、三つの溝9−a、9−b、9−cが同心円状に形成されているが、溝9の個数は特に限定されるものではない。複数設けられたそれぞれの溝9の深さも、特に一定とする必要もない。
【0019】同心円状に設けられた溝9の曲率は、研削部材50の外周側が小さく、内周側が大きくなる。一般に、爪の湾曲形状は、小指が小さく、親指が大きくなっているので、同心円上に複数の溝を設けることによって、内側の溝では小指の爪を研削し、中側の溝では人差し指、中指、薬指の爪を研削し、外側の溝で親指を研削するようにすれば、それぞれの爪の湾曲に応じた研削が可能となる。
【0020】図3(a)には本体ケース2に設けられたカバー13の平面図を示し、(b)にはそのA−A断面図を示す。カバー13は、本体ケース2に螺合又は嵌合等の結合手段により着脱可能なキャップ状となっている。このカバー13には、上記研削部材50に設けられた同心円状の溝9に対応した位置に、開口部14が設けられている。開口部14は同心円状の溝9に沿って全周にわたって設ける必要はなく、爪先が挿入できる程度に例えば中心角が100゜程度の円弧状に設けられていればよい。従って、内側の開口部14−aは短い円弧となり、外側の開口部14−cは長い円弧となっている。これは、それぞれ対応する指の爪の大きさを考慮したものである。
【0021】開口部14の開口幅は、爪先だけが開口部14に入り、指肉が開口部14に入り込まないような幅に設定する。これにより指肉の部分はカバー13がガイドの役目を果たし、高速で回転する研削部材50に当接することはなく、研削部材50には爪だけが当接することとなり、安全を確保することができる。しかも、指肉部がカバー13で抑えられているため、一定以上に爪が研削されることもなく、深爪を防止することができる。
【0022】溝9内に爪先が挿入されると、溝9の底部10に形成された研削面に爪が当接し、爪と研削面との相対移動により爪の端部が削られる。また、溝9の縁部11を平滑面とすることにより、溝9の縁部11で爪が削られることがなくなり、爪が傷つけられることを防止することができる。しかも、溝9の断面を円弧状に形成することにより、爪先を横断面円弧状に滑らかに削ることもできるし、研削面が爪に対し当接する角度や面積をある程度一定に保つことができる。さらに、複数設けられた溝9を異なる深さの溝として構成することにより、爪先の仕上がりを長短の好みに応じて使い分けることもできる。
【0023】既に説明したように、ばね16によって研削部材50は、カバー13に向かって付勢されており、この付勢力に抗して爪先を研削部材50に強く押し付ければ研削部材50はホルダ51とともに沈むことができる。一方、カバー13の下面と研削部材50の上面との間隙は、前述のように調整ねじ54によって調整することができ、これによって爪の研削量を調整し、研削後の爪先の長さを調整することができる。調整ねじ54の頭部の突出量を長くしてカバー13と研削部材50との間隙を大きくすれば、研削後の爪先の長さを長くすることができる。
【0024】なお、研削部5の複数の溝9に設けられた研削面10は、それぞれ異なる粗度の研削粒としてもよいし、粗度の異なる研削粒を付着させた研削部5を複数個用意し、適宜交換するようにしてもよい。
【0025】研削部材50で爪先を研削すると、研削粉が周辺に飛散するので、研削粉を研削部5内に溜めて飛散を防止するためのフィン15が回転体52に一体に形成されている。図4(a)には回転体52の平面図を示し、(b)にはその断面図を、(c)には側断面図を示す。回転体52の外周には適宜数のフィン15が一体に形成されている。フィン15は螺旋状に形成されている。フィン15は回転体52とともに、回転軸8と一体となって回転する。爪の研削くずはフィン15の回転による吸引風により爪先研削装置1の内部に吸引さる。なお、回転軸8へのフィン15の装着は、キーによる嵌合に限定されるものではなく、適宜の方法で装着されるものとする。また、フィン15の形状は、上記のものに限定されるものではなく、空気を装置内に有効に吸引することができる形状であればよい。
【0026】また、上記実施の形態においては、回転体52にキー溝19を設け、回転軸8にキー20を設けた構成について説明したが、回転体52にキーを設け、回転軸8にキー溝を設けた構成でもよい。また、回転体52と回転軸8との装着は、キーによる嵌合に限るものではない。
【0027】図1に示すように、本体ケース2とモータケース3との間にはフィルター21が配置されている。上記フィン15が回転することによって、カバー13の開口部14から空気が吸入され、このとき研削された爪の削りくずも装置内に吸入される。フィルター21は吸引された空気の通路に配置されているため、爪の削りくずはフィルター21により吸着され、エアーだけがモータケース3に設けられた通気孔17から排出されるようになっている。なお、フィルター21の材質、形状は特に限定されるものではない。
【0028】研削部材50と回転体52の間には、ばね16が設けられ、弾性力を利用して研削部材50は、カバー13に向かって付勢されている。これにより、爪をある程度多く研削したい場合は、弾性力に逆らって研削部材50に強く当接させ、爪を少な目に研削したい場合は、弱く研削部材50に当接させればよい。なお、強く当接させた場合でもカバー13の開口部14がストッパーの働きをし、指肉部が研削されることはなく、また一定以上に深く爪が研削されることもない。
【0029】なお、上記実施の形態においては、爪先研削装置1は本体ケース2、駆動部ケース3、電源部ケース4がそれぞれ別体となった例を示したが、これらは一体であってもよい。また、電源部6は電池に限らず、コンセントに接続される接続コードを設けて商用交流電源を使用するようにしてもよい。駆動源も電動モータに限らず、ゼンマイ等の機械的駆動源であってもよい。さらに、溝9の底部10の研削面に研削粒が付着されて仕上げられている例について説明したが、特にこれに限定されるものではなく、周知の網目状に溝を設けたやすり状のものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、駆動部によって回転駆動される研削部と、この研削部を覆うカバーとを有してなり、上記カバーには上記研削部との対向位置に少なくとも一つの開口部が形成されているため、爪の削りすぎが起こらず、安全で使い勝手のよい爪先研削装置を得ることができる。
【0031】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部は、カバーとの対向面に、回転中心を中心とする円に沿って溝を有し、カバーの開口部は上記溝との対向位置に形成されているため、爪の削りすぎが起こらず、安全で使い勝手のよい爪先研削装置を得ることができる。
【0032】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の爪先研削装置において、研削部の溝は、断面円弧状であるため、爪の先端部を全体に渡って均一に削ることができ、爪の先端部を滑らかに仕上げることができ、爪の外観を良好とすることができる。
【0033】請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の爪先研削装置において、溝の底部に研削面を有し、溝の縁部に平滑面を有するため、爪の先端部を滑らかに仕上げることができ、爪の側面部には傷がつかず、爪の外観を良好とすることができる。
【0034】請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の爪先研削装置において、開口部は、研削部の溝に沿った円弧状に形成されているため、研削部には爪のみが接触し、指肉部は接触しないため、安全で簡単に爪を削ることができる。
【0035】請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部には、研削部とともに回転して研削部から空気を吸引するフィンが設けられているため、爪の研削くずを周囲に飛散させることがなく、衛生的な爪先研削装置を得ることができる。
【0036】請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の爪先研削装置において、吸引された空気の通路にフィルターが設けられているため、爪の研削くずをフィルターで吸着することにより、爪の研削くずを周囲に飛散させることがなく、衛生的な爪先研削装置を得ることができる。
【0037】請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の爪先研削装置において、研削部は、カバーに向かって付勢されているため、クッション作用により一定の押圧で研削されるため、深爪することもなく安全な爪先研削装置を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】594079280
【氏名又は名称】株式会社ナウテック
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
【公開番号】 特開平11−225820
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−36285