| 【発明の名称】 |
繰り出し容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】朝日 功
【氏名】木村 信一郎
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| 【要約】 |
【課題】繰り出し容器において、弾性リングを弾性変形なしに、かつ回動変位不能に組付け、回転操作時における外筒体と内筒体との間のガタつきを防止すると共に、適正な使用感を安定して確実に得、組立てが容易で、高い構造安定性を得ることにある。
【解決手段】外筒体2と内筒体9と受皿体20とキャップ体22とから成る繰り出し容器において、作用部17内周面を内筒体9に弾接させた弾性リング14を、組付けのための弾性変形なしに、外筒体2の外装筒5と螺筒4との間の回動不能に嵌装組付けすることにより、作用部17の内筒体9に対する弾接を設計通りとすることができると共に、単純な嵌合操作だけで組立てを達成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内周面に螺溝(4) を刻設した螺筒(3) を内部に嵌入固定した外装筒(5) の上端開口部に、上部分を装着機能部分とした装着筒(7) の下部分を嵌入固定した外筒体(2) と、上半分の収納筒部(10)を延出させた姿勢で、縦長ガイド孔(12)を設けた下半分のガイド筒部(11)を挿入して、前記外筒体(2) に回転自在ではあるが抜け出し不能に組付いた内筒体(9) と、外周面に前記縦長ガイド孔(12)を貫いて螺溝(4) に螺合する螺合突片(21)を突設し、前記内筒体(9) 内に昇降変位可能に組付いた円筒形状の受皿体(20)と、前記装着筒(7) の装着機能部分に着脱して、前記収納筒部(10)の上端開口部を開閉する有頂筒形状のキャップ体(22)と、から構成され、上部である作用部(17)の内周面を前記内筒体(9) に弾接させた弾性リング(14)を、上端面を前記装着筒(7) の下端面に下方から対向させた状態で、下部である基部(11)で、前記螺筒(3) と外装筒(5) との間に、周方向に係止させて嵌装組付けして成る繰り出し容器。 【請求項2】 弾性リング(14)の基部(15)の外周面に多数の縦溝から成るローレット(16)を刻設し、外装筒(5) の内周面に、前記ローレット(16)に係合する縦リブ(6) を設けて、前記弾性リング(14)と外筒体(2) との間の周方向の係止機能部分を構成した請求項1記載の繰り出し容器。 【請求項3】 弾性リング(14)の上端面を、装着筒(7) の下端面から離間させて配設した請求項1または2記載の繰り出し容器。 【請求項4】 弾性リング(14)を、基部(15)を肉厚にまた作用部(17)を肉薄に形成し、前記作用部(17)の内周面略中央に、内筒体(9) の外周面に弾接する摺接凸部(18)を突周設すると共に、前記作用部(17)の外周面上端に鍔部(19)を突周設して構成した請求項1または2または3記載の繰り出し容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外筒体と内筒体との相対回転操作により、内筒体の内部に収納した口紅等の棒状化粧料を繰り出して使用する繰り出し容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の繰り出し容器において、外筒体と内筒体との相対回転操作時における外筒体と内筒体との間のガタつきを無くし、操作性の向上を図ることを目的とした技術として、特開平9−182620号公報記載のものが提案されている。 【0003】この従来技術は、外筒体の上端部に、内筒体を囲繞する頸部体(装着筒)を嵌着すると共に、これら外筒体と頸部体との取付部分内周に、周方向に適宜間隔をもって内筒体の外周に弾接する摺動凸部を形成した軟質弾性体から成る抵抗リングを配置し、この抵抗リングを外筒体の上面と頸部体の下面とで挟持して構成されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来技術にあっては、抵抗リングを外筒体の上面と頸部体の下面とで挟持するように構成されているので、抵抗リングが、この上下からの押圧により、内筒体との間に隙間が形成されている内周側へ縮径するように弾性変形し、それに伴って摺動凸部の内筒体の外周面に対する押圧力が増大する方向に変化する傾向が強いため、外筒体と内筒体との相対回転操作時における抵抗感が、抵抗リングの設定寸法から得られる場合に比べて大幅に増大し、操作性が悪くなる恐れがあると云う問題があった。 【0005】また、抵抗リングの外筒体に対する組付けは、外筒体内に嵌装した抵抗リングを、外筒体に嵌着された頸部体と外筒体との間で上下から挟持して達成しているだけであるので、抵抗リングと内筒体との間に発生する摩擦抵抗力により、抵抗リングが外筒体に対して回動変位し易く、このため回転操作に安定性が欠けると云う問題があった。 【0006】そして、外筒体に対して頸部体を、抵抗リングの弾発力に抗した状態で単に嵌着するように構成されているので、この抵抗リングの弾発力が常に頸部体を離脱させる方向に作用した状態となり、このため外部からの種々の衝撃により頸部体の外筒体に対する組付きが劣化する恐れがあると云う問題があった。 【0007】さらに、外筒体に対する頸部体の組付けは、既に外筒体に嵌装されている抵抗リングを弾性変形させながら行う必要があるので、抵抗リングの適正な弾性変形と、外筒体に対する適正な嵌着姿勢とを留意しなければならず、組立てに熟練と取扱いの正確さとが要求され、作業性が悪いと云う問題があった。 【0008】そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、弾性リングを外筒体に弾性変形なしに、かつ回動変位不能に組付けることを技術的課題とし、もって出し入れの回転操作時における外筒体と内筒体との間のガタつき発生を防止すると共に、適正な回転抵抗感を安定して確実に得ることができ、かつ組立て作業が容易であると共に、高い構造安定性を得ることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、内周面に螺溝を刻設した螺筒を内部に嵌入固定した外装筒の上端開口部に、上部分を装着機能部分とした装着筒の下部分を嵌入固定した外筒体を有すること、上半分の収納筒部を延出させた姿勢で、縦長ガイド孔を設けた下半分のガイド筒部を挿入して、外筒体に回転自在ではあるが抜け出し不能に組付いた内筒体を有すること、外周面に内筒体の縦長ガイド孔を貫いて外筒体の螺溝に螺合する螺合突片を突設し、内筒体内に昇降変位可能に組付いた円筒形状の受皿体を有すること、外筒体の装着筒の装着機能部分に着脱して、内筒体の収納筒部の上端開口部を開閉する有頂筒形状のキャップ体を有すること、上部である作用部の内周面を内筒体に弾接させた弾性リングを、上端面を外筒体の装着筒の下端面に下方から対向させた状態で、下部である基部で、外筒体の螺筒と外装筒との間に、周方向に係止させて嵌装組付けすること、にある。 【0010】内筒体は、その上半分の収納筒部を延出させた状態で、下半分のガイド筒部を挿入させて外筒体に回転自在ではあるが抜け出し不能に組付いており、この内筒体内に受皿体が、その外周面に設けた螺合突片を内筒体のガイド筒部の縦長ガイド孔を貫いて外筒体の螺溝に螺合させた状態で昇降変位可能に組付けられているので、外筒体と内筒体との相対回転により、受皿体は、その螺合突片の螺溝に対する螺合に従って昇降変位し、これにより内筒体の収納筒部内からの保持した化粧料の出し入れを達成する。 【0011】弾性リングは、その基部を、螺筒と外装筒との間に、周方向に係止した状態で嵌装させて外筒体に組付いているので、この外筒体に対する組付きのために弾性変形することはなく、このため作用部を、他部からの不要な弾性変形のない、設計通りの状態で内筒体の外周面に弾接させることができ、これにより外筒体と内筒体との相対回転操作時における抵抗感が設定通りとなると共に、外筒体と内筒体との間のガタつきは防止される。 【0012】また、弾性リングは、その上端面を装着筒の下端面に下方から対向させているので、外筒体と内筒体との相対回動とか振動等の原因で弾性リングが螺筒と外装筒との間から上方に抜け出ようとしても、装着筒に突き当たって抜け出ることができず、弾性リングの外筒体に対する組付きは安定して保持され、またこの際の弾性リングの装着筒への突き当たり力は、きわめて微弱な力であるので、装着筒がこの突き当たりにより外装筒に対する組付きを劣化させることはない。 【0013】弾性リングの螺筒と外装筒と内筒体との組合せ物に対する組付けは、この組合せ物に対して弾性リングを、一定形態で弾性変形させることを要することなく、その基部を螺筒と外装筒との組合せ物に対して周方向に係止させた状態で嵌装させ、次いで装着筒を外装筒に嵌装するだけで達成される。 【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、弾性リングに対する周方向の係止機能部分の構成を、弾性リングの基部の外周面に多数の縦溝から成るローレットを刻設し、外筒体の外装筒の内周面に、このローレットに係合する縦リブを設けたものとしたことを追加したものである。 【0015】弾性リングに対する周方向の係止は、縦リブのローレットに対する係止により達成されるので、弾性リングの組付けに際して、この弾性リングの周方向に沿った位置合わせを考慮する必要が全くなく、また縦リブとローレットとは周方向に係止するものであるので、外筒体と内筒体との組合せ物に対する弾性リングの嵌装組付けに邪魔となることがない。 【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に、弾性リングの上端面を、装着筒の下端面から離間させて配設したことを追加したものである。 【0017】弾性リングの上端面を、装着筒の下端面から離間させることにより、装着筒から弾性リングに不要な力が作用することがなく、弾性リングの内筒体に対する適正な弾接を維持することができ、また弾性リングの弾力の作用により、装着筒の外装筒に対する嵌着組付きが劣化することもない。 【0018】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に、弾性リングを、基部を肉厚にまた作用部を肉薄に形成し、作用部の内周面略中央に、内筒体の外周面に弾接する摺接凸部を突周設すると共に、作用部の外周面上端に鍔部を突周設して構成したことを追加したものである。 【0019】弾性リングの基部を肉厚に構成したので、螺筒と外装筒との間への嵌装組付きを構造的に安定して達成維持し、また周方向の係止機能部分の形成を構造的にもスペース的にも、余裕を持って達成することができる。 【0020】また、弾性リングの作用部を肉薄に構成して、この作用部を弾性変形し易い構造とし、鍔部の外装筒内周面に対する突き当たりにより、弾性変形し易い作用部の弾性変形を両持ち状の一定した形態とし、かつ内筒体に対する弾接箇所を摺接凸部に特定したので、弾性リングの内筒体に対する弾接強度およびこの弾接強度による摩擦抵抗力の程度を設定し易く、これによりより適正な抵抗感の設定と、成形寸法誤差によるガタつきのより確実な防止とが達成される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。繰り出し容器1は、大別して、外筒体2と、内筒体9と、受皿体20と、キャップ体22と、から構成されている。 【0022】外筒体2は、内周面に螺溝4を刻設した合成樹脂製の直線円筒形状をした螺筒3と、この螺筒3を不動に嵌入固定した直線円筒形状の外装筒5と、この外装筒5の螺筒3よりも上方に突出した上端開口部に、外周面中央部に周設した突周部8を外装筒5の上端内周面に当接させて嵌入固定され、突周部8よりも上の筒片部分をキャップ体22のための装着機能部分とした円筒片状の装着筒7と、から構成されている。 【0023】内筒体9は、略その全高さ範囲にわたって一対の縦長ガイド孔12を開設して螺筒3に内装される、この螺筒3と略等しい高さのガイド筒部11と、このガイド筒部11の上端に段部13を介して拡径連設された収納筒部10とから構成され、その全体が金属製の円筒形状となっている。 【0024】軟質合成樹脂、ゴム等の軟質弾性体から成る弾性リング14は、比較的肉厚な基部15の上部に肉薄な作用部17を形成し、この作用部17の内周面略中央には、一本の周突条または周方向に適宜分割された複数の突部である摺接凸部18が設けてあると共に、外周面上端には鍔部19が周設してある。 【0025】この弾性リング14は、その基部15を、外筒体2の螺筒3上端部と外装筒5との間に嵌装させて外筒体2に組付けられるが、基部15の外周面には多数の縦溝から構成されるローレット16が刻設されていて、このローレット16に外装筒5の内周面に突設した複数(図3図示実施例にあっては、四つ)の縦リブ6が係合して周方向から係止することにより、外筒体2と弾性リング14との間の周方向の係止機能部分を構成している。 【0026】この弾性リング14の組付き状態において、摺接凸部18は内筒体9の収納筒部10外周面に所定の押圧力で弾接し、鍔部19の外周面は外装筒5の内周面に軽く当接するか、あるいはわずかに離間して、作用部17の外周面と外装筒5の内周面との間に隙間17aが形成され、また弾性リング14の上端面は装着筒7の下端面から離間している。 【0027】受皿体20は、外周面に、縦長ガイド孔12を貫いて螺溝4に螺合する螺合突片21を突設した、内筒体9内に緩く摺動可能に嵌入する径寸法の円筒形状に形成されている。 【0028】キャップ体22は、下端開口部を外筒体2の装着筒7に着脱自在に嵌装する有頂円筒形状に形成されている。 【0029】 【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。外筒体と内筒体との組合せ物に対する弾性リングの組付けは、この組付け達成維持のために弾性リングを強制的に弾性変形させることがないので、組付けられた弾性リングは、設計通りの力で内筒体に弾接することになり、もって確実なガタつき防止と適度の抵抗感とを得ることができ、適正で優れた操作性を発揮することになる。 【0030】外筒体と内筒体との組合せ物に対する弾性リングの組付きは、外筒体に対して周方向に係止して回動変位不能となっているので、弾性リングは内筒体に対して確実に摩擦接触することになり、もって弾性リングと内筒体との間に確実に摩擦抵抗力を発生させて、優れた操作性の安定性を高めることができる。 【0031】外装筒の上端開口部に嵌装された装着筒は、組付けられた弾性リングの組付きを押圧保持するのではなく、外筒体の嵌着組付き部分からの弾性リングの抜け出し変位を突き当たりにより阻止するだけであるので、弾性リングの組付けに関連して、その嵌装組付き状態が劣化する恐れは全くなく、もって強固で安定した組立て構造を維持する。 【0032】外筒体と内筒体との組合せ物に対する弾性リングの組付けは、弾性リングを一定形態で強制的に弾性変形させることなく、単に一つの方向から嵌装させれば良く、もって組立て操作がきわめて簡単で、高い作業効率を得ることができる。 【0033】請求項2記載の発明によれば、弾性リングと外筒体との間の周方向の係止機能部分を、多数の縦溝で構成されるローレットと縦リブとで構成したので、係止機能部分の係止組付き方向と、弾性リングの外筒体に対する嵌装組付き方向とが一致し、もって外筒体に対する弾性リングの単一の取扱い操作で、外筒体に対する弾性リングの組付けと係止とを達成でき、優れた作業効率を得ることができる。 【0034】請求項3記載の発明によれば、装着筒は、弾性リングの抜け出し変位を突き当たりにより阻止するだけであり、定常状態では、装着筒の外装筒に対する組付きを劣化させる力が弾性リングから全く作用せず、もって組立て構造を強固に安定して保持することができる。 【0035】請求項4の発明によれば、外筒体と内筒体との組合せ物に対する弾性リングの嵌装組付けを安定して達成できると共に、作用部の弾性変形を円滑にかつ一定して安定的に発揮させることができ、内筒体に対する弾接箇所を摺接凸部に特定したので、弾性リングと内筒体との間の摩擦抵抗力の設定を正確にかつ簡単に行うことができると共に、成形寸法誤差によるガタつきの発生を確実にかつ良好に防止する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006909 【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 一豊
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| 【公開番号】 |
特開平11−187929 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−357369 |
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