| 【発明の名称】 |
小物入れの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】海崎 巌
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| 【要約】 |
【課題】製造性の向上を図りつつ、意匠的に優れた小物入れを得ることができる小物入れの製造方法の提供。
【解決手段】中間に開口部3を有し、開口部3の両側に主板長手方向に延びるパイピング部4、凹部5、折返し部6がそれぞれ形成された所定長さの主板1を設け、上記主板1の外表面が内側に向くように主板1両端を接合して環状体と成す接合工程と、上記環状体を環状金型に内設し、上記折返し部6を金型外に折返す折返し工程と、小物入れの両側面となる副板を環状体両端に配設し、副板と折返し部6とを接合すると共に、不要部分を切断除去する接合切断工程と、離型後の加工品を上記開口部3を利用して表裏反転する反転工程とを備えた小物入れの製造方法であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】中間に開口部を有し、開口部の両側に主板長手方向に延びるパイピング部、凹部、折返し部がそれぞれ形成された所定長さの主板を設け、上記主板の外表面が内側に向くように主板両端を接合して環状体と成す接合工程と、上記環状体を環状金型に内設し、上記折返し部を金型外に折返す折返し工程と、小物入れの両側面となる副板を環状体両端に配設し、副板と折返し部とを接合すると共に、不要部分を切断除去する接合切断工程と、離型後の加工品を上記開口部を利用して表裏反転する反転工程とを備えた小物入れの製造方法。 【請求項2】上記主板および副板が熱溶着可能な材料で形成され、上記接合を熱溶着で行なう請求項1記載の小物入れの製造方法。 【請求項3】上記開口部にファスナ等の開閉手段が接合された請求項1または2記載の小物入れの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、ポシェット、小型バック、小銭入れのような小物入れの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、上述例の小物入れとしては、樹脂製のまち部の両側に樹脂製の側板を設け、側板とまち部との環状の境界部分には別部材より成るパイピング部材を配設し、まち部および両側板で囲繞された内部空間を小物収納スペースに設定すると共に、上述のまち部の所定箇所に小物出し入れ用のファスナを取付けた構造のものがある。 【0003】この従来の小物入れによればパイピング部材が別部材であるため、その材質は布、革、合成皮革、樹脂等から自由に選定でき、またパイピング部材を縫合、接着、熱溶着等の材質に適した任意手段で取り付けることができる利点がある反面、パイピング部材が別部材である関係上、このパイピング部材をまち部と側板との境界部分に沿って環状に配設する作業性が極めて悪く、小物入れの製造性に劣る問題点があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記載の発明は、開口部、パイピング部、凹部、折返し部を有する主板の外表面が内側に向くように主板両端を接合し、この環状体を金型に内設して折返し部を金型外に折返した後に、副板を環状体両端に配設して、副板と折返し部とを接合すると共に、不要部分を切断除去し、次に離型後の加工品を開口部を有効利用して表裏反転することで小物入れを製造する方法により、別途パイピング用の部材を要することなく、歪みや崩れのない美しいパイピング部の環状ラインを現出、確保することができ、製造性の向上を図りつつ、意匠的に優れた小物入れを得ることができる小物入れの製造方法の提供を目的とする。 【0005】この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的と併せて、上述の主板および副板を熱溶着可能な材料に設定し、上述の接合を熱溶着にて行なうことより、ウエルダ溶着手段等の熱溶着手段が使用でき、製造性のさらなる向上を図ることができる小物入れの製造方法の提供を目的とする。 【0006】この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述の開口部にファスナ等の開閉手段を接合することで、この開閉手段の閉成により小物入れ製造中における開口部の位置および形状が安定し、副板を折返し部に接合する時の寸法精度の向上を図ることができ、また開閉手段の開成により円滑な反転操作が実行できる小物入れの製造方法の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載の発明は、中間に開口部を有し、開口部の両側に主板長手方向に延びるパイピング部、凹部、折返し部がそれぞれ形成された所定長さの主板を設け、上記主板の外表面が内側に向くように主板両端を接合して環状体と成す接合工程と、上記環状体を環状金型に内設し、上記折返し部を金型外に折返す折返し工程と、小物入れの両側面となる副板を環状体両端に配設し、副板と折返し部とを接合すると共に、不要部分を切断除去する接合切断工程と、離型後の加工品を上記開口部を利用して表裏反転する反転工程とを備えた小物入れの製造方法であることを特徴とする。 【0008】この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成と併せて、上記主板および副板が熱溶着可能な材料で形成され、上記接合を熱溶着で行なう小物入れの製造方法であることを特徴とする。 【0009】この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記開口部にファスナ等の開閉手段が接合された小物入れの製造方法であることを特徴とする。 【0010】 【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明によれば、上述の接合工程で、開口部、パイピング部、折返し精度の確保・向上用の凹部、折返し部を有する主板の外表面が内側に向くように主板両端(長手方向両端)を接合して環状体と成す。次に、折返し工程で、上述の環状体を環状金型に内設して、折返し部を金型外に折返す。この時、上述の凹部により折返し精度が向上する。また折返し部により折返された状態の形状保持を図ることができる。次に、接合切断工程で、小物入れの両側面となる副板を環状体両端に配設し、副板と折返し部とを接合すると共に、不要部分(折返し部)を切断除去する。次に反転工程で、離型後の加工品を上述の開口部を有効利用して表裏反転すると、パイピング部を備えた小物入れが製造される。このようにパイピング部が予め主板に設けられているので、別途パイピング用の部材(別部材)を用いる必要がなく、製造性の向上を図りつつ、歪みや崩れのない美しいパイピング部の環状ラインを現出、確保することができる。また副板と折返し部との接合部分、並びに不要部分が切断除去された切り口は反転処理により製品(小物入れ)の内側に位置するので、意匠的に優れた小物入れを得ることができる。さらに小物出し入れ用の開口部を有効利用して上述の反転処理を行なうことができる効果がある。 【0011】この発明の請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の主板および副板を熱融着可能な材料に設定し、上述の接合を熱融着にて行なうので、ウエルダ溶着手段等の熱溶着手段が使用でき、この結果、製造性のさらなる向上を図ることができる効果がある。 【0012】この発明の請求項3記載の発明によれば、上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述の開口部にファスナ等の開閉手段を接合したので、この開閉手段の閉成により小物入れ製造中の開口部の位置および形状が安定し、この結果、主板乃至環状体の全体形状が安定するので、特に副板を折返し部に接合する時の寸法精度の向上を図ることができ、また開閉手段の開成により円滑な反転操作が実行できる効果がある。 【0013】 【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図面は小物入れの製造方法を示し、まず図1に示すように、ポリ塩化ビニル(いわゆるPVC)等の熱溶着可能な材料で形成された帯状の主板1を設ける。この主板1は例えば1mm未満の肉厚を有すると共に、小物入れ19(図10参照)の全周長さに相当する所定長さLを有する。 【0014】また上述の主板1には図1、図2に示す如く、その長手方向中央(中間)に位置するまち部2と、このまち部2の中央(中間)に長手方向に沿って形成された所定長さ、かつ長円形状の開口部3と、開口部3の両側において主板長手方向全長にわたって延びる凸状のパイピング部4、折返し精度の確保・向上用の凹部5(凹状の折返しガイド部)、折返し部6とがそれぞれ一体形成されている。ここで、上述の各要素4,5は互に平行に形成されている。 【0015】上述の折返し部6は後述する副板16が接合(溶着)される凸部6aと、まち部2に対して面一状の偏平部6bとを一体に備え、上述の主板1を裏側から目視した時、平行な各2条の溝a,bを両サイドに有するように形成されている。 【0016】次に図3に示す如く上述の開口部3およびその口縁にファスナ7(開閉手段)をウエルダ溶着手段等の熱溶着手段にて接合する。このファスナ7(ジッパまたはチャックとも称される)はファスナテープ8、務歯9、スライダ10、止め具11を有し、上述の務歯9およびスライダ10が開口部3内に、望ましくは中央に平行状態にて位置するようにファスナテープ8を開口部3の口縁裏側に熱溶着する。なお図中、12はファスナ7の溶着時に開口部3周辺に形成された凸凹模様を簡略的に示したものであるが、この凸凹模様12が形成されないように熱溶着することもできる。 【0017】次に図3に示す長尺状の主板1の外表面(製品完成時に外側の面となる部分)が内側に向くように主板1の両端1a,1bを溶着(接合)し、図4に示す如く、接合部13を有する環状体14と成す(接合工程)。この環状体14の形状は小物入れの最終形状に対応して方形筒状、三角形筒状、長方形筒状、円形筒状等の任意形状に設定できるが、この実施例ではコーナ部分が所定曲率半径にて曲率した略正方形筒状の環状体14と成している。次に図4に示す如く上述の環状体14と対応する形状すなわちコーナ部分が所定曲率半径にて曲率した略正方形筒状の金型(環状金型)15を設け、この金型15の高さHを所定高さ(図6参照)に設定する。 【0018】そして、上述の環状体14を金型15に内設した後に、上下の両折返し部6,6を図5、図6に示す如く、金型15の外面側に折返す(折返し工程)。この場合、折返し部6の凸部6aが金型15の上下両端部に沿うように例えばマニュアル操作にて折返される。また折返し部6の偏平部6bにより折返し操作性が向上する。つまり偏平部6bを挟持して折返しまたは折曲げることができるので、その操作性が向上すると共に、折返された形状の保持を図ることができる。さらに上述の凹部5と凸部6aの存在により折返し精度が向上する。 【0019】次に図7に示すように、ポリ塩化ビニル(いわゆるPVC)等の熱溶着可能な材料で形成され小物入れの両側面となり、かつ肉厚が例えば1mm未満の副板16,16を設け、これら副板16,16を同図に示す如く上述の折返し工程終了後の環状体14の上下両端に配設し、ウエルダ溶着手段等の熱溶着手段により樹脂材料を加熱・加圧して、副板16と折返し部6の凸部6aとを熱溶着(接合)すると共に、不要部分(主板1側における偏平部6bと副板16側における凸部6aの環状ラインより外側の部分)を切断除去して図8に示す加工品17と成す(接合切断工程)。この際、副板16の外周部には切断加工に対応した切り口18が形成される。 【0020】次にウエルダ溶着手段(熱溶着手段)側の金型(図示せず)および図7に示す金型15から離型(いわゆる型ばらし)した後の加工品17を、開口部3に設けたファスナ7の開成により形成される口部を有効利用して、その全体を表裏反転して、図9、図10に示すパイピング部4を一体に備えてなる小物入れ19と成す(反転工程)。 【0021】この場合、パイピング部4にて小物入れ19の環状の輪郭が形成され、凹部5がパイピング部4の内方に没設されるので、主板1および副板16の構成材料の特質と相俟って、図9、図10に示すように全体に丸みをおびた意匠的に優れ、かつ美しい小物入れ19を製造することができる。また上述の切り口18は反転処理により外方から目視不可または目視困難となるように小物入れ19の内側に位置することになる。つまり、上述の凹部5は折返し工程における折返し精度の確保・向上機能と、反転工程における各要素6a,16の接合部(溶着部)および切り口18の隠蔽機能との両機能を果たす。 【0022】以上要するに本実施例の小物入れの製造方法によれば、上述の接合工程で、開口部3、パイピング部4、折返し精度の確保・向上用の凹部5、折返し部6を有する主板1の外表面が環状の内側に向くように主板両端1a,1bを接合(溶着)して環状体14と成し、次に、折返し工程で、上述の環状体14を対応形状の金型15に内設して、折返し部6を金型15外に折返す。この時、上述の凹部5の存在により折返し精度が向上する。また折返し部6により折返された状態の形状保持を図ることができる。 【0023】次に、接合切断工程で、小物入れ19の両側面となる副板16を環状体14両端に配設し、副板16と折返し部6とを接合(熱溶着)すると共に、不要部分を切断除去した後に、次の反転工程で、離型後(型ばらし後)の加工品17を上述の開口部3を有効利用してその全体を表裏反転すると、小物入れ19が製造される。 【0024】このようにパイピング部4が予め主板1に一体形成されているので、パイピング用の別部材を用いる必要が全くなく、小物入れの製造性の向上を図りつつ、図10に示す如く歪みや崩れのない美しいパイピング部4の環状ラインを現出、確保することができる。 【0025】また副板16と折返し部6との接合部分(熱溶着部分)、並びに不要部分が切断除去された切り口18は反転処理により製品としての小物入れ19の内側に位置するので、意匠的に優れ、かつパイピング部4を一体に有する小物入れ19を得ることができる。さらに小物出し入れ用の開口部3を有効利用して上述の反転処理を円滑に行なうことができる効果がある。 【0026】加えて、上述の主板1および副板16を塩化ビニル等の熱溶着可能な材料に設定し、上述の接合を熱溶着にて行なうので、ウエルダ溶着手段等の熱溶着手段が使用でき、この結果、製造性のさらなる向上を図ることができる効果がある。 【0027】さらに、上述の開口部3にファスナ7等の開閉手段を接合したので、この開閉手段(ファスナ7参照)の閉成により小物入れ19製造中の開口部3の位置および形状が安定し、特に副板16を折返し部6に接合(熱溶着)する時の寸法精度の向上を図ることができ、また開閉手段(ファスナ7参照)の開成により円滑な反転操作が実行できる効果がある。 【0028】この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の主板は、実施例のポリ塩化ビニル製の主板1に対応し、以下同様に、副板は、ポリ塩化ビニル製の副板16に対応し、接合は、熱溶着に対応し、開閉手段は、ファスナ7に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。 【0029】例えば小物入れ19の全体を不透明に構成してもよく、また主板1および副板16の少なくとも一方を有色透明、無色透明または半透明に構成してもよい。また主板1および副板16の少なくとも一方に文字、図柄、模様を予め印刷してもよく、或は文字、図柄、模様をエンボス加工等により凹凸状に現出してもよい。さらに小物入れ19の全体形状は図10に示す略正方形状のものに限定されることなく、円形、三角形、長方形、長円形、楕円形、ハート形その他の形状であってもよい。 【0030】加えて、主板1および副板16の構成材料は例示したポリ塩化ビニルに代えて熱可塑性プラスチックその他の熱溶着が可能な材料を用いてもよい。さらに主板1、副板16の外表面または内表面をローレット加工等により微細に粗面化してもよく、本発明の製造方法にて製造された小物入れ19はポシェット、小型バック、小銭入れ、化粧品バック、ペンケースその他として用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396007007 【氏名又は名称】株式会社加賀商会
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】永田 良昭
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| 【公開番号】 |
特開平11−42112 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−167960 |
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