| 【発明の名称】 |
宝飾用真珠及びその加工方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂田 峰人
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| 【要約】 |
【課題】真珠の核を通らない位置に孔を形成させることを可能にすることによって,宝飾品のデザイン上の制約を飛躍的に少なくできる手段を提供する。
【解決手段】核2の周りに真珠層3を形成させて作られる宝飾用真珠15において,核2を通らない孔11を真珠層3に形成し,真珠層3内側に樹脂12を充填する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成し,真珠層内側に樹脂を充填してなる,宝飾用真珠。 【請求項2】 核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成し,真珠層内側に樹脂を充填すると共に,該孔の内部にパイプを挿入してなる,宝飾用真珠。 【請求項3】 前記孔は,両端が真珠の表面に開口する貫通孔である,請求項1又は2の宝飾用真珠。 【請求項4】 前記孔は,一端のみが真珠の表面に開口する非貫通孔である,請求項1又は2の宝飾用真珠。 【請求項5】 核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠を加工する方法において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成する工程と,該孔を介して前記真珠層内側に樹脂を充填する工程を含むことを特徴とする,宝飾用真珠の加工方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,ネックレス,リング(指輪),ペンダント等に使用される宝飾用の真珠とその加工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ネックレス,リング,ペンダント等の宝飾用として真珠が使用されている。真珠には,球形の核をアコヤ貝などに強制的に挿入し,更に貝を2年程度海に戻して育てることにより,核の周りに真珠層を形成させて作られる養殖真珠と,偶発的に貝の内部に侵入した砂などを核として真珠層を形成して作られる自然の真珠がある。これらの内,自然の真珠は稀少であり,現在,宝飾市場に流通する真珠のほとんどは養殖真珠である。 【0003】例えば真珠のネックレスを作る場合は,真珠の表面に両端が開口するように貫通孔を形成し,その孔に線材を通すことによって多数の真珠を連結している。またリングやペンダントなどを作る場合は,真珠の表面に一端を開口させて非貫通孔を形成し,その孔に支持棒を挿入することによって真珠をリングやペンダントなどの基台に固定することも行われている。このような製造技術に関し,例えば特開平6−284919号公報が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで,養殖真珠であっても天然の生物である貝によって作られるものであるから,常に真球の真珠となるわけではなく,養殖真珠の半数以上は真球でない形状となる。そして,真球でない形状として,例えば図9に示すように,ドロップ型(a),オーバル型(b),サークル型(c),バロック型(d),ケシ型(e)などの形状の真珠100が知られている。 【0005】これら真球でない形状の真珠100においては,図10(a)〜(e)にそれぞれ示すように,必然的に球形の核101の表面から真珠層102が浮き上がることにより隙間103が生ずることとなる。この隙間103は,空間である場合や,貝の排泄物,砂,藻などによって占められる場合もあるが,いずれにしても,隙間103を生じている部分では真珠層102が核101の表面に密着していないため,強度が低下してしまう。特に自然の真珠に比べて真珠層が薄い養殖真珠は,真珠層が歯と同程度の強度しかないため,真珠層の強度が比較的低く,欠けや割れを生じ易い。 【0006】このため従来真珠を加工する場合は,上述の特開平6−284919号公報にも見られるように,なるべく真珠層が核に密着した部分を選んで核のほぼ中心を通るように形成した孔に線材を通したり支持棒を挿入することによって,ネックレスやリング,ペンダントなどを製造していた。このように,従来は核を通らない位置には孔を形成できず,また,真珠層が核から浮き上がった箇所も避けなければならないため,孔の位置が限られてしまい,完成した宝飾品にもデザイン上の制約が大きかった。 【0007】従って本発明の目的は,真珠の核を通らない位置に孔を形成させることを可能にすることによって,宝飾品のデザイン上の制約を飛躍的に少なくできる手段を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために,請求項1の発明は,核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成し,真珠層内側に樹脂を充填したことを特徴としている。 【0009】この請求項1の宝飾用真珠にあっては,樹脂を充填したことにより,真珠層が樹脂で補強される。このため,例えば真珠層が核から浮き上がった箇所などにおいて核を通らないように孔を形成しても,孔の強度が低下する心配がない。 【0010】また,請求項2の発明は,核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成し,真珠層内側に樹脂を充填すると共に,前記孔の内部にパイプを挿入したことを特徴としている。 【0011】この請求項2の宝飾用真珠にあっては,樹脂を充填して孔の内部にパイプを挿入することにより,孔が樹脂とパイプでより強く補強される。このため,真珠層が核の表面に密着していない位置に孔を形成しても,孔の強度が低下する心配がない。 【0012】これら請求項1,2の宝飾用真珠において,請求項3に記載したように,前記孔は,両端が真珠の表面に開口する貫通孔であっても良く,また,請求項4に記載したように,前記孔は,一端のみが真珠の表面に開口する非貫通孔であっても良い。 【0013】また,請求項5の発明は,核の周りに真珠層を形成させて作られる宝飾用真珠を加工する方法において,前記核を通らない孔を前記真珠層に形成する工程と,該孔を介して前記真珠層内側に樹脂を充填する工程を含むことを特徴としている。この請求項5の加工方法により,請求項1〜4の宝飾用真珠を好適に製造できるようになる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形態にかかる宝飾用真珠を,その製造工程に従いながら,図面を参照にして説明する。なお一例として,先に図9(a)や図10(a)で説明したドロップ型の真珠1を加工してネックレスやペンダントなどの宝飾用真珠を製造する場合に基づいて説明する。 【0015】図1に示すように,ドロップ型の真珠1にあっては,内部に位置する球形の核2の表面から真珠層3の一部が浮き上がって形成されることにより,核2の上方において隙間4が生じている。この隙間4は,空間である場合もあるが,貝の排泄物,砂,藻などによって占められる場合もある。そこで先ず,図1に示すように,ドリル(パールドリル)10を用いて,真珠1の上部に例えば直径1〜2mm程度の孔11を形成する。この場合,孔11の両端を真珠1の表面に開口させるように貫通させて形成する。また,真珠1の上部に孔11を形成することにより,真珠層3の内部にある核2には孔11が通らないように構成する。なお孔11は,核2の表面から真珠層3が浮き上がっている箇所において,隙間4を通るように設けることができる。 【0016】次に,図2に示すように,孔11の開口部を介して真珠層3内側の隙間4に樹脂12を充填する。隙間4に貝の排泄物や砂,藻などが入っている場合は,それらを隙間4から除去した後,樹脂12を充填すると良い。隙間4に充填する樹脂12には,例えばシリコン樹脂,エポキシ樹脂などの合成樹脂などを用いることができ,その他,例えばロジンなどといった天然樹脂を用いることも考えられる。そして,このように真珠層3の内側に樹脂12を充填することにより,核2の表面と真珠層3の間を樹脂12で埋め,真珠層3を補強することができる。 【0017】次に,図3に示すように,樹脂12が硬化した後,再びドリル10を用いて樹脂で埋まった孔11を開け直す。図4は,こうして製造された本発明の実施の形態にかかる宝飾用真珠15において,核2を通らない位置に形成された孔11にチェ−ンや糸などの線材16を通した状態を示している。この実施の形態の宝飾用真珠15によれば,核2の表面と真珠層3の間が樹脂12で補強されているので,もともと核2の表面から真珠層3が浮き上がっていたような箇所において核2を通らない位置に形成された孔11であっても強度が低下する心配がない。このため,孔11を核2から外れた位置に形成できるので,宝飾品のデザイン上の制約を飛躍的に少なくできる。特に,図1〜4で説明したようなドロップ型の真珠1においては浮き上がって形成された真珠層3の頂点近くに孔11を設けて線材16を通すことができるようになり,ネックレスやペンダントなどを製造する場合に,ドロップ型の真珠1の形状による個性を最大限に生かすことができるといった特徴がある。 【0018】次に,図5,6を参照にして,本発明の他の加工方法により宝飾用真珠を製造する場合を説明する。なお,先と同様にドロップ型の真珠1を加工して宝飾用真珠を製造する場合に基づいて説明する。 【0019】先ず,先に図1で説明した場合と同様に,真珠1の上部において核2を通らないように孔11を貫通させて形成する。なお孔11は,核2の表面から真珠層3が浮き上がっている箇所において,隙間4を通るように設けて良い。次に,先に図2で説明した場合と同様に,真珠層3内側の隙間4に樹脂12を充填することにより,核2の表面と真珠層3の間を樹脂12で補強する(ここまでの工程は図示しない)。 【0020】次に,図5に示すように,樹脂12が硬化する前に孔11の内部に,予め適当な長さに切断しておいたパイプ20を挿入する。パイプ20は例えば金属パイプ,セラミックパイプ,樹脂パイプなどを利用できる。そして,樹脂12を硬化させることにより,パイプ20を固定する。パイプ20を孔11に挿入したことによって樹脂12が真珠1の表面にはみ出た場合は,そのはみ出た樹脂12’を除去すると良い。また,パイプ20の両端部は,真珠1の表面にはみ出ないように削り落としても良い。 【0021】図6は,こうして製造された他の実施の形態にかかる宝飾用真珠25において,核2を通らない位置に埋め込まれたパイプ20にチェ−ンや糸などの線材16を通した状態を示している。この実施の形態の宝飾用真珠25によれば,先に図4で説明した宝飾用真珠15と同様に核2の表面と真珠層3の間が樹脂12で補強されていることに加え,孔11の内部にパイプ20を挿入したことにより,孔11が樹脂12とパイプ20でより強く補強されるといった特徴がある。 【0022】以上,本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明はここで説明した実施の形態に限定されないことは勿論であり,当業者が想到し得る範囲内において適宜変形実施することができる。例えば図1〜6では孔11の両端を真珠1の表面に開口させるように貫通させる場合を説明したが,必ずしも貫通孔にしなくても良い。例えば図7に示すように,真珠1に支持棒30を挿入することによって,リング31に真珠1を取り付ける場合や,図8に示すように,真珠1に支持棒35を挿入することによって,ペンダント基台36に真珠1を取り付ける場合などは,真珠1に形成する孔11は,一端のみが真珠1の表面に開口する非貫通孔であっても良い。なお,この場合,真珠1に形成した孔11の内面に雌ねじを形成し,リング31に固定された支持棒30やペンダント基台36に固定された支持棒35を雄ねじにしておけば,真珠1を適宜交換することも可能となり,趣味性を高めることができるようになる。 【0023】また,ドロップ型の真珠1を加工する場合に基づいて説明したが,先に図9,10で説明したオーバル型,サークル型,バロック型,ケシ型などといった他の形状の真珠についても本発明を適用することができる。 【0024】 【発明の効果】本発明によれば,核の表面と真珠層の間を樹脂で補強することにより,例えば核の表面から真珠層が浮き上がっている箇所において核を通らないで孔を形成でき,宝飾品のデザイン上の制約を飛躍的に少なくできる。本発明は,特にドロップ型の真珠において真珠層の頂点近くに孔を設けることができ,ネックレスやペンダントなどを製造する場合に,ドロップ型の真珠の形状による個性を最大限に生かすことができる。本発明によれば,従来真球に近付けるために削ったり基台などで隠したりしていた真珠の変形部分を積極的にデザインに取り入れることができ,変形部分をその真珠の個性として活用できるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598073981 【氏名又は名称】株式会社ミネパール
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月22日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−332620 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−156851 |
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