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【発明の名称】 ボタン類の取付け構造
【発明者】 【氏名】下 村 治 夫

【要約】 【課題】少ない部品点数でもってワンタッチでボタンを取付ける。

【解決手段】針状ガイド体(40)を利用して基体(60)に軸体(30)及び係止体(20)を挿通させた後、針状ガイド体を取り除く一方、軸体の一端に形成した係止体にボタン類本体(50)又は抜止め体(10)を係止し、抜止め体とボタン類本体との間に基体を挟持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体に挿通される軸体と、該軸体の一端に設けられた係止体と、中央に上記係止体が嵌まり込んて係止される係止穴が形成される一方、上記軸体を上記係止穴に案内するガイド溝が上記係止穴に連通して形成されているボタン類本体と、上記係止体に対して一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記係止体及び軸体を上記基体に挿通させるためのガイドとなる一方、上記係止体及び軸体の上記基体への挿通後に上記係止体に対して破断して取除かれ又は取外される針状ガイド体と、上記軸体の他端に設けられ、上記基体の一方の面に当接して上記軸体が上記基体の他方の面側に抜けるのを阻止することにより上記ボタン類本体との間に上記基体を挟持する抜止め体とを備えたことを特徴とするボタン類の取付け構造。
【請求項2】 基体に挿通される軸体と、該軸体の一端に設けられた係止体と、中央に上記係止体が嵌まり込んて係止される係止穴が形成される一方、上記軸体を上記係止穴に案内するガイド溝が上記係止穴に連通して形成されている抜止め体と、上記係止体に対して一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記係止体及び軸体を上記基体に挿通させるためのガイドとなる一方、上記係止体及び軸体の上記基体への挿通後に上記係止体に対して破断して取除かれ又は取外される針状ガイド体と、上記軸体の他端に設けられ、上記基体の一方の面に当接して上記軸体が上記基体の他方の面側に抜けるのを阻止することにより上記抜止め体との間に上記基体を挟持するボタン類本体とを備えたことを特徴とするボタン類の取付け構造。
【請求項3】 上記ガイド溝は上記ボタン類本体又は抜止め体の外周縁から係止穴に向けて延びて形成されている請求項1又は2記載のボタン類の取付け構造。
【請求項4】 上記ボタン類又は抜止め体には上記係止体を挿通させうる挿通穴が形成され、該挿通穴と上記係止穴との間に上記ガイド溝が形成されている請求項1又は2記載のボタン類の取付け構造。
【請求項5】 上記ガイド溝が上記係止穴に対してその中心から偏心した位置に連通して形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のボタン類の取付け構造。
【請求項6】 上記係止体が上記軸体の最大径より大径の形状部分を含み、上記針状ガイド体が上記係止体の大径形状部分と同径をなす後端部分を上記係止体の大径形状部分と同軸状に合致させて一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記ボタン類本体又は抜止め体が上記係止体の大径の形状部分より大径の形状部分を含むようになした請求項1又は2記載のボタン類の取付け構造。
【請求項7】 上記軸体が撓みうる紐状部材からなる請求項1又は2記載のボタン類の取付け構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明はボタン類の取付け構造に関し、特に少ない部品点数でもってワンタッチでボタン類を取付けられるようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】衣服の前身ごろ等、二分された開放部位を閉じるのにボタンがよく用いられる。従来、この種のボタンは開放部位の所要箇所に糸によって縫い付けられるのが一般的であったが、その縫合作業は熟練した作業者による手作業に頼らざるを得ず、煩雑であった。
【0003】そこで、■ボタンをボタン本体と抜止め板部を有する脚体とから構成し、衣類の生地に脚体を挿通させ、ボタン本体の係止穴に抜止め軸を差し込み、該抜止め軸に脚体の軸部を押し込んで抜止め軸を拡大させ、脚体とボタン本体とを結合するようにしたボタン取付け構造(特開昭59ー186502号公報、参照)、■衣類の生地及びボタンの中央穴に脚体を挿通させ、その先端部を拡大変形させて抜止めを行うようにした構造(実開昭59ー60907号公報、参照)、等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来公報■に記載の取付け構造では3つの部品を必要とし、部品の製造コストが高くなるばかりでなく、組付け作業が煩雑であり、又上記従来公報■に記載の取付け構造では脚体の先端部を加工する機械設備を必要とし、いずれも改良の余地があった。
【0005】この発明は、かかる問題点に鑑み、少ない部品点数でもってワンタッチでボタンを取付けられるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係るボタン類の取付け構造は、基体に挿通される軸体と、該軸体の一端に設けられた係止体と、中央に上記係止体が嵌まり込んて係止される係止穴が形成される一方、上記軸体を上記係止穴に案内するガイド溝が上記係止穴に連通して形成されているボタン類本体と、上記係止体に対して一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記係止体及び軸体を上記基体に挿通させるためのガイドとなる一方、上記係止体及び軸体の上記基体への挿通後に上記係止体に対して破断して取除かれ又は取外される針状ガイド体と、上記軸体の他端に設けられ、上記基体の一方の面に当接して上記軸体が上記基体の他方の面側に抜けるのを阻止することにより上記ボタン類本体との間に上記基体を挟持する抜止め体とを備えたことを特徴とする。
【0007】本発明の特徴の1つは針状ガイド体を利用して基体に軸体を挿通させた後、針状ガイド体を取り除き、軸体の一端に形成した係止体にボタン類本体を係止し、軸体の他端の抜止め体とボタン類本体との間に基体を挟持するようにした点にある。これにより、必要な部品点数は2個と少なくなり、低コスト化を実現でき、しかもワンタッチでボタン類を取付けることができる。
【0008】ボタン類本体を係止体に装着するようにしたが、ボタン類本体を軸体に形成し、抜止め体を係止体に係止するようにしてもよい。
【0009】即ち、本発明に係るボタン類の取付け構造は、基体に挿通される軸体と、該軸体の一端に設けられた係止体と、中央に上記係止体が嵌まり込んて係止される係止穴が形成される一方、上記軸体を上記係止穴に案内するガイド溝が上記係止穴に連通して形成されている抜止め体と、上記係止体に対して一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記係止体及び軸体を上記基体に挿通させるためのガイドとなる一方、上記係止体及び軸体の上記基体への挿通後に上記係止体に対して破断して取除かれ又は取外される針状ガイド体と、上記軸体の他端に設けられ、上記基体の一方の面に当接して上記軸体が上記基体の他方の面側に抜けるのを阻止することにより上記抜止め体との間に上記基体を挟持するボタン類本体とを備えたことを特徴とする。
【0010】本発明は衣類のボタンの取付けに適用するが、その構造上、ボタンに類似した部材の取付けにも適用できる。従って、ボタン類とはボタン、その他のボタンと同様に取付けられる部材を含む。また、ボタンの取付けの場合には衣類の生地に取付けられるが、他の部材の場合を考慮し、基体としている。従って、基体とはボタン類が取付けられる全てのものを含む。
【0011】係止体、針状ガイド体、ボタン類本体及び抜止め体については、具体的には上記係止体が上記軸体の最大径より大径の形状部分を含み、上記針状ガイド体が上記係止体の大径形状部分と同径をなす後端部分を上記係止体の大径形状部分と同軸状に合致させて一体的に形成され又は取外し可能に取付けられ、上記ボタン類本体又は抜止め体が上記係止体の大径の形状部分より大径の形状部分を含むようになすのがよい。
【0012】ガイド溝については軸体を係止穴に案内できればどのような形態でもよく、例えばガイド溝をボタン類本体又は抜止め体の外周縁から係止穴に向けて延びて形成してもよいが、この場合、ボタン類本体又は抜け止め体の外周縁にガイド溝が開放され、引っ掛かりが懸念されるので、ボタン類又は抜止め体には係止体を挿通させうる挿通穴を形成し、該挿通穴と係止穴との間にガイド溝を形成するようにしてもよい。
【0013】また、ガイド溝は係止穴に対してその中心から偏心した位置に連通して形成するのがよい。これにより、軸体が一旦係止穴に達すると、係止穴からガイド溝に抜け出し難くなり、ボタン類本体の外れを確実に防止できる。
【0014】軸体は剛性部材で構成してもよいが、通常のボタンが糸で縫い付けられることを考慮すると、撓みうる紐状部材で構成してもよい。
【0015】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、針状ガイド体を利用して基体に軸体を挿通させた後、針状ガイド体を取り除く一方、軸体の一端に形成した係止体にボタン類本体又は抜止め体を係止し、抜止め体とボタン類本体との間に基体を挟持させるようにしたので、必要な部品点数が2個と少なくなり、低コスト化を実現でき、しかもワンタッチでボタン類を取付けることができ、その実用的効果は大きい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係るボタン類の取付け構造の好ましい実施形態を示す。図において、抜止め体10は合成樹脂材料を用いてほぼ偏平な半球状に製作され、該抜止め体10には紐状部材(軸体)30によって係止体20が連結されている。
【0017】この係止体20も合成樹脂材料を用いて円板状に製作され、該係止体20には破断可能な小径部41を介してガイド体40の後端が一体的に連結され、該ガイド体40は合成樹脂材料を用いて針状に製作され、衣類生地(基体)60に差し通せるようになっている。
【0018】また、抜止め体10、係止体20及びガイド体40の各外径は3つの中で抜止め体10が最も大きく、係止体20の外径とガイド体40の後端部の外径とが等しくなっており、ガイド体40の案内によって係止体20と紐状部材30とを衣類生地60に挿通できるようになっている。
【0019】他方、ボタン本体(ボタン類本体)50は合成樹脂材料を用いて円板状に製作され、該ボタン本体50には中央に係止体20の全体が嵌まり込む凹部51が形成されるとともに、中心に紐状部材30を挿通しうる穴52が表裏に貫通して形成され、又外周縁から穴12に向けて紐状部材30を移動させうる溝幅のガイド溝53が形成され、該ガイド溝53の先端は穴52に対してその中心から偏心した位置に連通されている。
【0020】ボタン本体50を衣類生地60に取付ける場合、図2の(a) に示されるように、ガイド体40を衣類生地60の裏面から突き刺して係止体20及び紐状部材30を衣類生地60に挿通させ、抜止め体10が衣類生地60の裏面に当たるまでガイド体40を引っ張る。
【0021】次に、ボタン本体50のガイド溝53に紐状部材30が嵌まり込むようにボタン本体50を係止体20と衣類生地60との間に紐状部材30がボタン本体50の穴52に達するまで差し込む。
【0022】紐状部材30がボタン本体50の穴52に達すると、ボタン本体50と抜止め体10との間に衣類生地60が挟持されて衣類生地60が圧縮される結果、ボタン本体50と抜止め体10との間には外方への押し出し力が作用し、係止体20はボタン本体50の凹部51に嵌まり込んで係止される。
【0023】他方、ガイド体40については小径部41で破断して取り去ればよく、こうして図2の(b) に示されるように、ボタン本体40を衣類生地60にワンタッチで取付けることができる。
【0024】図3は第2の実施形態を示し、図において図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではボタン本体50と係止体20とを紐状部材30で連結する一方、抜止め体10を別体とし、抜止め体10の中央に係止体20が嵌まり込む凹部11を、中心に紐状部材30が挿通する穴12を、外周縁から穴12に向けてガイド溝13を形成するようにしている。
【0025】従って、本例の取付け構造ではガイド体40を衣類生地60の表側から突き刺した後、上記の実施形態の場合と同様に、抜止め体10を係止体20に係止するようにすればよい。
【0026】図4は第3の実施形態を示し、本例ではボタン本体50に係止体10が自由に挿通しうる挿通穴54を更に形成し、該挿通穴54と穴52との間にガイド溝53を形成するようにしており、このようにすればガイド溝53がボタン本体50の外周縁に開口せず、引っ掛かり等の発生を防止できる。なお、抜止め体10を別体とする場合には抜止め体10を同様の形状に製作すればよい。
【0027】図5は第4の実施形態を示し、本例ではガイド体40を係止体20とは別体とし、ガイド体40の後端部には小径部42を介して係止受け部43を形成し、該係止受け部43には紐状部材30を収容しうる溝44を形成する一方、係止体20にはガイド体40の小径部42を収容しうる凹溝21を形成し、ガイド体40を係止体20に脱着可能に取付けられるようにしている。
【0028】本例ではガイド体40を衣類生地60に突き刺して係止体20及び紐状部材30を挿通させた後、ガイド体40を係止体20から外せばよい。
【出願人】 【識別番号】598080509
【氏名又は名称】下 村 治 夫
【出願日】 平成10年(1998)6月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】手島 孝美
【公開番号】 特開平11−342007
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−170609