| 【発明の名称】 |
テープ付き係脱具及びその製造方法、並びに同係脱具が取り付けられた製品 |
| 【発明者】 |
【氏名】明石 俊次
【氏名】瀬川 清正
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| 【要約】 |
【課題】テープに強固に取り付けることができ、しかも単一係脱具にあって、多彩な色彩や形態が実現でき、更には同一テープ状に雄雌等の異なる係脱具を混在させて、効率的に取り付けることができるを可能にした各種のテープ付き係脱具と、その製造方法及び製品を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの取付孔(3) を有するテープ(T) の前記取付孔(3) の全周縁部を抱持するようにして同テープ(T) の表裏面に一体に成形され、中央に開口部(10a) をもつ合成樹脂製の第1部材(10)の、前記開口部(10a) の内周面に沿って、相手方の係脱具(1,2) との係脱部(11b,12c) を有する合成樹脂製の第2部材(11,12) を成形等により一体的に取り付けている。前記第1部材(10)と第2部材(11,12) の材質や色彩を異ならせることで、従来にない多様な機能と彩色が施されたしっかりとテープ(T) に固着されたスナップファスナー、雄雌ボタン、鳩目、各種の長さの調節自在の留めバンドやカーテン類の吊具など各種の係脱具が能率的に得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一つの取付孔(3) を有するテープ(T) の前記取付孔(3) の全周縁部を抱持するようにして同テープ(T) の表裏面に一体に成形され、中央に開口部(10a,210a)をもつ合成樹脂製の第1部材(10,210)と、同第1部材(10,210)の少なくとも前記開口部(10a,210a)の内周面に沿って前記第1部材(10,210)に一体的に取り付けられ、相手方の係脱具(1,2,21,22) との係脱部(11b,12c,211b,212b) を有する合成樹脂製の第2部材(11,12,211,212) と、を備えてなることを特徴とするテープ付き係脱具。 【請求項2】 前記第1部材(10)と第2部材(11,12) とが相対的に回動可能に取り付けられてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項3】 前記第2部材(11,12,211,212) が前記第1部材(10,210)に成形により一体に取り付けられてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項4】 前記第2部材(11,12,211,212) が前記第1部材(10,210)に溶着により一体に取り付けられてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項5】 前記第2部材(11,12,211,212) が前記第1部材(10,210)に接着剤により一体に接着されてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項6】 前記開口部(10a) の内周面の一部に凹欠部(10c) を有してなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項7】 前記開口部の内周面(10a) の一部に凹凸部を有してなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項8】 前記開口部の内周面(10a) の一部に突出部を有してなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項9】 前記第1部材(10,210)及び第2部材(11,12,211,212) が同等の材質から構成されてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項10】前記第1部材(10,210)及び第2部材(11,12,211,212) が異なる材質から構成されてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項11】前記第1部材(10,210)と第2部材(11,12,211,212) とが異色に構成されてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項12】前記第1部材(10)と第2部材(11,12) とが異なる硬度を有し、前記第2部材(11,12) が第1部材(10)より軟質である請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項13】前記第2部材(11,12) が磁性材料を含んでなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項14】前記第2部材(12)が、前記テープ(T) の一表面から突出し、スナップファスナーの雌係脱部材(11)の雌係脱部と係脱する係脱頭部(12c) を有してなるスナップファスナーの雄係脱部材(12)である請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項15】前記第2部材(11)がスナップファスナーの雄係脱部材(12)と係脱する雌係脱部を有してなるスナップファスナーの雌係脱部材(11)である請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項16】前記第1部材(10)と第2部材(11,12) との間に、更に中央に開口部(13a) を有する中間部材(13)が介在し、同開口部(13a) の内周面に沿って、前記第2部材(11,12) が一体的に取り付けられてなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項17】前記中間部材(13)が第1部材に成形により一体に取り付けられ、前記第2部材(11,12) が前記中間部材(13)に成形により一体に取り付けられてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項18】前記中間部材(13)と第2部材(11,12) とが相対的に回動可能に取り付けられてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項19】前記第2部材(11,12) が前記中間部材(13)に溶着により一体に取り付けられてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項20】前記第2部材(11,12) が前記中間部材(13)に接着剤により一体に接着されてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項21】前記中間部材(13)の開口部(13a) の内周面の一部に凹欠部を有してなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項22】前記中間部材(13)の開口部(13a) の内周面の一部に凹凸部を有してなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項23】前記中間部材(13)の開口部(13a) の内周面の一部に突出部を有してなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項24】前記第1部材(10)、中間部材(13)及び第2部材(11,12) が同等の材質から構成されてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項25】前記第1部材(10)、中間部材(13)及び第2部材(11,12) の少なくとも1部材が他の部材と異なる材質から構成されてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項26】前記第1部材(10)、中間部材(13)及び第2部材(11,12) の少なくとも1部材が他の部材とは異色に構成されてなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項27】前記第1部材(10)、中間部材(13)及び第2部材(11,12) の少なくとも1部材が他の部材と異なる硬度を有してなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項28】前記第2部材(11,12) 及び/又は前記中間部材(13)が磁性材料を含んでなる請求項16記載のテープ付き係脱具。 【請求項29】複数の前記第2部材(11,12) がテープ(T) の長さ方向に等しい間隔をおいて配されてなる請求項1又は16記載のテープ付き係脱具。 【請求項30】前記第2部材(11,12) が同種の係脱部を有してなる請求項29記載のテープ付き係脱具。 【請求項31】カーテン用のヘッダーテープ(35)であることを特徴とする請求項30記載のテープ付き係脱具。 【請求項32】請求項30記載のテープ付き係脱具の一側縁にあって、その長手方向に所定の間隔をおいて取り付けられたカーテンランナー類に脱着する脱着部材(37a) を有することを特徴とするカーテン類の吊下げ具。 【請求項33】雄又は雌の係脱部を有する複数の第2部材(11,12) が混在してなる請求項29記載のテープ付き係脱具。 【請求項34】同一テープの長さ方向の半部に複数の前記雄係脱部を有する第2部材(12)が配され、他の半部に同数の前記雌係脱部を有する第2部材(11)が配されてなる請求項29記載のテープ付き係脱具。 【請求項35】請求項29、30、33又は34のいずれかに記載のテープ付き係脱具が取り付けられてなることを特徴とする衣料。 【請求項36】同一テープ上に配された複数の第2部材(11,12) のうち、少なくとも前記テープ(T) の最も端部に配される第2部材(12)が雄係脱部を有してなる請求項29記載のテープ付き係脱具。 【請求項37】各種の長さ調節自在の留めバンド(AB)であることを特徴とする請求項36記載のテープ付き係脱具。 【請求項38】スライドファスナーのスライダー用引手(PT)であることを特徴とする請求項36記載のテープ付き係脱具。 【請求項39】テープ(T) の隣り合う2以上の取付孔(3) に一体成形された単一の第1部材(10)を有してなる請求項1又は16記載のテープ付き係脱具。 【請求項40】前記隣り合う2以上の取付孔(3) がテープの幅方向に配されてなる請求項39記載のテープ付き係脱具。 【請求項41】複数の前記第2部材(11,12) がテープ(T) の長さ方向に選択された所望の間隔をおいて配されてなる請求項1又は16記載のテープ付き係脱具。 【請求項42】少なくとも一端に雄の係脱部(12i) を有する第2部材(12)が配されると共に、雄又は雌の係脱部材(11,12) からなる複数の第2部材が混在して配列されており、一端に配された雄の係脱部(12i) を有する前記第2部材(12)以外の少なくとも1の第2部材(12)の係脱部(12i) が、一端に配された雄の前記第2部材(12)の係脱部(12i) の突出側とは反対側のテープ表面に突出してなる請求項1又は16記載のテープ付き係脱具。 【請求項43】衣服などに着脱可能な留め具(31,32) であることを特徴とする請求項42記載のテープ付き係脱具。 【請求項44】前記第2部材が第1部材(10)の開口部(10a) に一体的に固着される基部と、同基部の一表面に立設するリング状の紐通し部(19)とからなり、カーテンの裏面に上下方向に取り付けられる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項45】前記第2部材(212) が第1部材(210) の開口部(210a)に一体的に固着される基部(212a)と、同基部(212a)の一表面に立設するフック部(212b)とからなる請求項1記載のテープ付き係脱具。 【請求項46】少なくとも一つの取付孔(3) を有するテープ(T) の前記取付孔(3) に係脱具(1,2,21,22) を固設するテープ付き係脱具の製造方法にあって、前記取付孔(3) の全周縁部を抱持すると共に、中央に開口部を有する合成樹脂製の第1部材(10,210)を同テープ(T) の表裏面に一体に成形すること、及び前記第1部材(10,210)の開口部(10a,210a)に相手方の係脱具(1,2,21,22) と係脱する係脱部(11b,12c,211b,212b) を有する合成樹脂製の第2部材(11,12,211,212) を一体的に取り付けること、を含んでなることを特徴とするテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項47】前記第1部材(10)の前記テープ(T) の取付孔周縁部に沿った径方向の所要の領域を肉薄に成形すると共に、その肉薄部分の外周に連続して肉厚部(10d) を成形することを含む請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項48】前記テープの取付孔周縁部を表裏で挟持する複数の挟持部材(107a)を有する第1部材成形用キャビティ(107) 内に前記テープの取付孔(3) を位置決めしてセットすること、前記取付孔(3) の周縁部を前記挟持部材(107a)で挟持すること、及び前記キャビティ(107) 内に溶融樹脂を導入すること、を含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項49】溶融樹脂を前記取付孔(3) の中心部に導入すること、中心部に導入された溶融樹脂を放射状または直線状に延びる案内通路(106) に案内すること、及び前記案内通路(106) により案内された溶融樹脂をテープの前記取付孔(3) の周縁部に向けてテープに略平行に前記キャビティ(107) 内に導入すること、を含んでなる請求項48記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項50】前記各挟持部材(107a)が先端挟持部( 107a″) と波打ち制御部( 107a′) とを有し、前記先端挟持部( 107a″) をテープの取付孔周縁と第1部材(10,210)の成形後の外周縁との中間位置或いは同中間位置より同外周縁側に位置させてテープ(T) を挟持させるとともに、前記波打ち制御部( 107a′) を前記先端挟持部( 107a″) から取付孔(3) の中心に向けてテープ間との間隙を漸増させて対向させることを含んでなる請求項48又は49記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項51】前記波打ち制御部( 107a′) がテーパ面からなる請求項50記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項52】前記第2部材(11,12,21,22) を前記第1部材(10,210)の開口部周縁に沿って一体成形することを含む請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項53】前記案内通路(106) により成形される通路成形品(26)を破断除去すること、次いで、第2部材(12,22))を第1部材(10)の開口部周縁に沿って一体成形すること、を含んでなる請求項49記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項54】溶融樹脂を放射状または直線状に案内する前記案内通路(106)により成形される通路成形品(26)を残存させること、及び前記通路成形品(26)を残存させた状態で、前記第2部材(12,22))を第1部材の開口部に成形一体化すること、を含んでなる請求項49記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項55】第2部材(12)を個別に成形すること、同第2部材(12)を前記第1部材(10)の開口部(10a) に挿入すること、及び前記第2部材(12)と前記開口部(10a) とを接着剤により接着一体化すること、を含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項56】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品を前記第1部材(10)の開口部(10a) に挿入すること、及び前記予備成形品を加熱体により押圧加熱して同第2部材の一部を変形させ前記開口部(10a) に回動可能に係着させること、を含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項57】第2部材(12)を予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記第1部材(10)の開口部(10a) に挿入すること、及び前記予備成形品(12)と前記開口部(10a) とを溶着一体化すること、を含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項58】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記第1部材(10)の開口部(10a) に挿入すること、及び高温部材を前記予備成形品に押し付けること、及び同押し付けにより前記予備成形品(12)の一部を溶融変形させて、前記開口部に溶着一体化すること、を含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項59】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記第1部材(10)の開口部(10a) に挿入すること、及び超音波または高周波加熱手段(132,133) により、前記予備成形品(12)の一部を押圧するとともに溶融変形させ、前記開口部(10)に溶着一体化することを含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項60】前記第2部材(11,12) の成形に先立って、前記第1部材(10)の開口部(10a) に沿って、中央部に開口部(13a) を有する中間部材(13)を一体成形することを含む請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項61】第2部材(12)を個別に成形すること、同第2部材(12)を前記中間部材(13)の開口部(13a) に挿入すること、及び前記第2部材(12)と前記開口部(13a) とを接着剤により接着一体化すること、を含んでなる請求項60記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項62】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記中間部材(13)の開口部(13a) に挿入すること、及び前記第2部材(12)を加熱体により押圧加熱して同第2部材(12)の一部を変形させ前記開口部(10a) に回動可能に係着させること、を含んでなる請求項60記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項63】第2部材(12)を予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記中間部材(13)の開口部(13a) に挿入すること、及び前記成形品(12)と前記開口部(10a) とを溶着一体化すること、を含んでなる請求項60記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項64】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記中間部材(13)の開口部(13a) に挿入すること、及び高温部材を前記予備成形品(12)に押し付けること、及び同押し付けにより前記予備成形品(12)の一部を溶融変形させて、前記開口部(10a) に溶着一体化すること、を含んでなる請求項60記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項65】第2部材(12)を個別に予備成形すること、予備成形された成形品(12)を前記中間部材(13)の開口部(13a) に挿入すること、及び超音波または高周波加熱手段(132,133) により、前記予備成形品(12)の一部を押圧するとともに溶融変形させ、前記開口部(13a) に溶着一体化することを含んでなる請求項60記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項66】前記第1部材(10)と第2部材(11,12) との間に、更に中央に開口部(13a) を有する2層以上の中間部材(13)を成形一体化することを含んでなる請求項46記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項67】少なくとも前記第2部材(11,12) の材質を他の部材の材質より軟質とすることを含んでなる請求項46、60、66のいずれかに記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項68】少なくとも前記第2部材(11,12) が磁性材料を含んでなる請求項46、60又は66のいずれかに記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項69】前記中間部材(13)が磁性材料を含んでなる請求項60又は66のいずれかに記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項70】前記第1部材(10)、第2部材(11,12) 及び1以上の中間部材(13)のそれぞれに、任意の色彩を付与することを含んでなる請求項60又は66記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項71】第1部材をテープ上に成形したのち、少なくとも同第1部材を染料により染色することを含んでなる請求項46、60又は66のいずれかに記載のテープ付き係脱具の製造方法。 【請求項72】テープ(T) 、第1部材(10)、第2部材(11,12) 又は中間部材(13)の少なくとも1つが、染着性を異にする材質により構成することを含んでなる請求項71記載のテープ付き係脱具の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、テープ付きの係脱具とその製造方法に関し、詳しくは同一テープ上に雄部材及び雌部材の一方、又は雄雌両部材からなる係脱具が固着一体化されてなるテープ付き係脱具とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一本のテープに少なくとも一つ以上の取付孔を形成し、その取付孔の全周縁を抱き込むようにして同テープの表裏面に所望の形状をもつ合成樹脂製の鳩目やその類似品を一体に成形することは古くから知られている。例えば、米国特許第2,821,764号明細書によれば、シート状材料に取付孔を形成し、その取付孔の全周縁を抱き込むようにして同テープの表裏面に所望の形状をもつ合成樹脂製の鳩目を成形するにあたり、鳩目成形用の環状キャビティの内部に前記取付孔を中心として延在するシート状材料の取付孔周縁部を、前記キャビティ内に対向して突設された複数組のピン部材により複数箇所で挟持し、同キャビティ内に溶融樹脂を導入することにより、シート材料に合成樹脂製鳩目を一体成形することを開示している。 【0003】一般的に、前述の成形にあたって前記ピン部材が存在しない場合には、溶融樹脂の導入圧により、キャビティ内に延在するシート状材料の取付孔周縁部が、その周方向に大きく波打ち、最悪な場合にはその周縁部の一部がキャビティの内面に当接するまでに偏在し、最終製品には鳩目の一部表面にシート材料が露出することもある。前記米国特許に係る発明は、シート状材料の前記取付孔周縁部が適度に波打つことが鳩目のシート状材料に対する固着強度の増加をもたらす点に着目してなされたものであり、適度な波打ち状態を実現するため前記ピン部材によりシート材料の取付孔周縁部をキャビティ内で挟持して、その波打ちの大きさを制御している。 【0004】すなわち、前述の米国特許発明にあっては射出によりキャビティ内に導入される溶融樹脂がシート状材料の取付孔表裏に円滑に流動するように、キャビティへの溶融樹脂の導入口を前記取付孔周縁に向けて形成している。すなわち、環状キャビティの中央から導入される溶融樹脂を前記取付孔を含む平面上にて外径方向に導き、前記導入口から供給される溶融樹脂を前記取付孔の周縁においてシート状材料の表裏に振り分けるように送り込んでいる。かかる構成により、前記シート状材料はその取付孔周縁にて適度な波打ち状態で鳩目と結合するため、その固着強度が増加する。 【0005】しかるに、この発明によれば、成形後の鳩目には中央開口部に合成樹脂の円盤状の薄板も一体に成形されることになり、同明細書にも記載されているように成形後に前記薄板を除去したのちに、前記開口部周面をトリミングしなければならない。 【0006】かかる過度な波打ちを防止しようとする技術思想を踏襲した同様の発明が、欧州特許0228293号明細書にも記載されている。この欧州特許ではスナップファスナーのファスナー部品としては、雄ファスナー及び雌ファスナーに限定することなく、前述の鳩目をも含めて前記米国特許発明と同様の手法でテープにファスナー部品を一体成形することを開示している。 【0007】しかして、この欧州特許発明にあっては、前記米国特許発明と異なる点について、その成形方法が具体的に開示されていないため、どのようにしてキャビティ内に溶融樹脂が導入されるか不明ではあるが、少なくともその代表的な実施例を示す図4によれば、雌部材の係脱開口部を形成する上下金型が、そのパーティングラインで密着していることから、同係脱開口部の内周部分から溶融樹脂をキャビティに導入していないことは明らかである。従って、この点で前記欧州特許発明は米国特許発明と異なるものと考えられるが、前記開口部の内周係脱面以外の部位、例えば前記開口部形成側の上記ピン部材に隣接する部分にキャビティ内に通じる溶融樹脂の導入口を設ける場合には、同溶融樹脂導入時の初期にその導入樹脂圧が直接テープの取付孔周縁の片面に局部的に作用するため、極めて波打ち現象が発生しやすくなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】これを回避するには、ピン部材による取付孔周縁部の挟持を同周縁に極めて近い位置に設定すると共に、挟持するピン部材をできるだけ多く形成することが必要である。かかる構成のため、金型が複雑化すると共に、樹脂がテープの片面から他面へと流動するときの影響を発生させないために多用で厳密な成形条件の設定が必要になる。 【0009】更に、この欧州特許発明にあって、雄ファスナーについて見ると、雌ファスナーや鳩目と異なり、その構造から当然に中実成形品であり、しかも雄ファスナーの係脱部である柱状突起をファスナー本体から外方に突出して成形しなければならない。かかる構造をもつ雄ファスナーを成形するには、上記米国特許と異なり、溶融樹脂をキャビティ内に導入する案内通路であるゲート部を必然的にキャビティの上面又は下面のいずれかに設定せざるを得ない。かかる構成は、既述したとおりキャビティ内にあってテープの波打ちの発生を極力抑制するには、ピン部材によるテープの取付孔周縁部の挟持を確実にすることが求められる。 【0010】また、仮に雄ファスナーと雌ファスナーを同一のテープ上に成形するには、成形金型に異なる形態をもつキャビティを形成しなければならず、しかも雄ファスナーと雌ファスナーの配列順序を変更しようとする場合には、それらに対応する金型を別途製作しなければならず、このことは金型の複雑化につながり、当然にその製作費用も大きく嵩むことになる。これを回避しようとすれば、同一テープ上に雄ファスナーと雌ファスナーとを同時に成形することは不可能となる。 【0011】また、上記米国特許にあっても同様であるが、上述のテープ付きファスナー類にあっては、各ファスナー単位で見るかぎり単一の合繊樹脂材料を使わざるを得ず、テープ上への固着強度と相手方のファスナーとの係脱強度を勘案して、双方を満足させるようにテープへの固着部とファスナー係脱部との材質を変更することは不可能であり、更には例えば形態的にはキャビティ形状を変更すれば足りるとは言え、同一のファスナーに対して多様な色彩を付与することは不可能である。 【0012】本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、具体的には上記米国特許の成形原理を踏襲し、しかも同特許発明を大きく改善し、雄雌ファスナーは勿論、鳩目類やその他の係脱具を確実にテープと一体化することができ、しかもそれらの異なる係脱具を同一テープ上で任意に配することを可能とし、更には係脱具自体に多様な色彩を付与することをも可能にしたテープ付き係脱具及びその製造方法を提供することを目的としている。 【0013】 【課題を解決するための手段及び作用効果】上述したとおり、テープ上に合成樹脂成形品を成形一体化するには、溶融樹脂がテープの表裏に所要の形態で行きわたった後に冷却固化される必要がある。そのため、上記米国特許にも開示されているようにテープに予め取付孔を形成し、その孔を通して溶融樹脂をテープの表裏に導入し、成形品を成形一体化している。この米国特許の優れた点は、既述したようにテープの前記取付孔の周縁部に適度な波打ちを発生せしめ、その固着強度を確保している点と、テープの表裏に溶融樹脂を円滑に流動させる点にある。そして、前記取付孔周縁部に適度な波打ちを発生させるため、成形金型のキャビティ内で前記取付孔の周縁部を所要の間隔をおいてピン部材をもって上下から挟持すると共に、テープの表裏に溶融樹脂が円滑に流動すべく、射出時の溶融樹脂をテープの取付孔の周縁に向けてキャビティ内へと導入している。 【0014】本発明者等は、上記米国特許発明によるこれらの優れた点に着目すると共に、同発明を更に技術的に発展させるべく、多様な検討と試作を重ねた。その結果、前記米国特許発明を単に改良するに止まらず、上記欧州特許をも含めて全く想像すらできないような新規で且つ優れた機能を兼ね備えたテープ付き係脱具及びその製造方法の開発に成功した。 【0015】本件請求項1〜45は、前述のテープ付き係脱具とその主要な適用製品の発明に係り、請求項1に係る発明は、少なくとも一つの取付孔を有するテープの前記取付孔の全周縁部を抱持するようにして同テープの表裏面に一体に成形され、中央に開口部を有する合成樹脂製の第1部材と、同第1部材の少なくとも前記開口部の内周面に沿って前記第1部材に一体的に取り付けられ、相手方の係脱具との係脱部を有する合成樹脂製の第2部材とを備えてなることを特徴とするテープ付き係脱具を基本的な構成としている。同テープ付き係脱具の基本的な製造方法は、請求項46及び請求項52のように少なくとも一つの取付孔を有するテープの前記取付孔に係脱具を固設するテープ付き係脱具の製造方法にあって、前記取付孔の全周縁部を抱持すると共に、中央に開口部を有する合成樹脂製の第1部材を同テープの表裏面に一体に成形すること、及び前記第1部材の開口部に相手方の係脱具と係脱する係脱部を有する合成樹脂製の第2部材を一体的に取り付けることにある。ここで、第2部材の取付けは、後述するように一体成形によるとは限らない。 【0016】本発明にあって、テープの取付孔の形成部に前記第1部材を成形一体化するには、仮にテープの取付孔周縁部が既述したとおり波打ち状態にならないならば、前記取付孔を第1部材成形用キャビティの所定位置に位置決めしたのち、金型を閉じて常法に従って溶融樹脂を射出するだけで十分に成形が可能であるが、既述したとおりキャビティ内への導入樹脂圧により前記取付孔周縁部の波打ちが激しいため、例えば請求項16に規定するように前記第1部材と第2部材との間に、更に中央に開口部を有する中間部材を介在させ、同開口部の内周面に沿って、前記第2部材を一体的に取り付けることがあり、かかる構成は請求項60に規定するように、前記第2部材の成形に先立って、前記第1部材の開口部に沿って、中央に開口部を有する中間部材を一体成形する。 【0017】かかる場合には、第1部材の表面にテープが露呈しても、成形後は第1部材の開口部周縁は剛性が増加するため、前記中間部材を成形するとき前記開口部周縁は波打ち状態とはならず、しかも前記テープの露呈部分が中間部材により被覆されるため、最終製品の係脱具表面にはテープが露呈せず、係脱具としての外観及び機能に支障を来すことがない。従って、前記中間部材を第1部材と第2部材との間に介装する場合には、請求項47に規定するように、前記第1部材の前記テープの取付孔周縁部に沿った径方向の所要の領域を肉薄に成形すると共に、その肉薄部分の外周に連続して肉厚部を成形するようにして、前記肉薄部分にはテープが表面に露呈することを容認する。 【0018】しかして、一般的にはテープの取付孔周縁部に第1部材を成形一体化するには、上記米国特許明細書にも記載されているようにテープの取付孔周縁部が適度に波打つことがテープと第1部材との固着強度を向上させる点から好ましい。そこで、請求項48に係る発明では、前記米国特許と同様に前記テープの取付孔周縁部を表裏で挟持する複数の挟持部材を有する第1部材成形用キャビティ内に前記テープの取付孔を位置決めしてセットし、前記取付孔の周縁部を前記挟持部材で挟持して前記キャビティ内に溶融樹脂を導入する。 【0019】そして、好ましくは請求項49に規定するように、前記溶融樹脂を前記取付孔の中心部に導入し、中心部に導入された溶融樹脂を放射状または直線状に延びる案内通路に分岐して案内する。前記案内通路により案内された溶融樹脂はテープの前記取付孔の周縁部に向けてテープと略平行に前記キャビティ内に導入することを含んでいる。前記案内通路はいわゆるゲートを構成しており、キャビティに対する溶融樹脂の導入方向をキャビティ内において挟持部材により挟持されたテープと略平行に、且つその取付孔周縁に向けている。そのため、テープの取付孔周縁部に適度な波打ち状態を発生させつつ、キャビティ内に導入された溶融樹脂をテープの表裏面に満遍なく流れるようにする。 【0020】更に、請求項50では前記テープの取付孔周縁の波打ちを適度に制御すべく、前記挟持部材の形態と配置を規定しており、テープを挟む各挟持部材が先端挟持部と波打ち制御部とを有し、前記先端挟持部をテープの取付孔周縁と第1部材の成形後の外周縁との中間位置或いは同中間位置より同外周縁側に位置させてテープを挟持させるとともに、前記波打ち制御部を前記先端挟持部から取付孔の中心に向けたテープ間との間隙を漸増させて対向させている。前記波打ち制御部としては、請求項51に規定するごとくテーパ面であることが望ましい。前記間隙の大きさは、テープの材質により適宜変更する。 【0021】前記挟持部材を前述の構成と配置で第1部材成形用キャビティに形成する場合には、テープの取付孔周縁と第1部材の成形後の外周との中間位置或いは同中間位置より同外周側に配された先端挟持部により、各先端挟持部間を結ぶ間でテープの移動と変形を阻止すると同時に、前記波打ち制御部のテーパ角をテープ材質に応じて変更させることにより、テープの取付孔周縁部に近い部分でのテープの波打ち状変形量を制御する。 【0022】本発明にとって最も注目すべき点は、上記第1部材と第2部材とを切り離して構成した点にある。第1部材は、前述のようにテープに直接一体成形されるものであり、第2部材は、テープ上に成形された前記第1部材の開口部又は中間部材の開口部に適宜要求される形態をもって一体的に取り付ける。前記第1部材は開口部を有するかぎり第2部材の形態や材質に制約されずに自由に成形でき、その基本的な形態は多様な形態を有する第2部材に共通に対応し得る。そのため、同一形態を有する多数の第1部材を成形一体化したテープを予め大量に製造しておき、これをベースとして必要な形態と数の第2部材を同時に又は個別に前記第1部材に一体的に取り付けることができる。 【0023】ここで、本発明におけるテープとは、あらゆる種類の織物や編物、不織布、或いは各種の合成樹脂フィルムやシート、天然又は合成皮革などからなる形成されるテープの全てを言い、それらの素材も天然、合成を問わない。また、上記係脱具を構成する第1部材、中間部材、第2部材に使用される合成樹脂材料としては、通常の成形品に使用される熱可塑性合成樹脂であればいずれでもよく、例えばポリエチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリビニル系、ポリアセタール系などが挙げられる。ただし、前記第1部材、第2部材及び中間部材はお互いに親和性を有していることが望ましい。 【0024】請求項2〜請求項45は、請求項1に係る発明の各構成要素の具体的な態様とそれらのテープ付き係脱具の本来的な用途以外の様々な適用製品を規定したものである。このうち、請求項2〜請求項5は、請求項1における第1部材に対する第2部材の取付態様を規定している。 【0025】請求項2では、本発明における前記第2部材の第1部材への取付けが、固着に限るものではなく、前記第1部材と第2部材とが相対的に回動自在に取り付けられることもあり得ることを明確にしている。この場合、例えば第1部材と第2部材は互いに親和性のない合成樹脂材料で成形することで達成できる。 【0026】その取付手法は、例えば本発明の製造方法に係る請求項56にあるように、第2部材を個別に予備成形すること、予備成形された同第2部材を前記第1部材の開口部に挿入すること、及び前記第2部材を加熱体により押圧して同第2部材の一部を加熱変形させ前記開口部に回動可能に係着させる。例えば、第2部材が雄ファスナーの係脱部材であれば、リング状の第1部材の中央開口部に第2部材を挿入した後、第2部材の挿入端部を押圧して加熱により塑性変形させ、第2部材を前記開口部に摺動回転が可能となるように係着させる。こうして製造される係脱具は、例えばスナップファスナーの相手方の係脱具である雌ファスナーに前記雄ファスナーを係着させたとき、その係着向きが隣り合う同ファスナーの係着向きと異なることがあっても、全ての係着を終えたのちにも容易に調整し得る。 【0027】請求項3は、前記第2部材が前記第1部材に対して成形により一体に取り付けられることを規定している。その成形は、第1部材をテープと共に第2部材の成形金型にセットしたのち、第2部材を射出成形する通常のインサート成形によりなされる。この第2部材の成形にあたり、例えば請求項53及び請求項54のように、第1部材を成形する際に溶融樹脂を放射状または直線状にキャビティに案内する案内通路により成形される通路成形品を破断除去し、或いはそのまま残存させた状態で、第2部材を第1部材の開口部周縁に沿って成形一体化することが望ましい。このように、前記通路成形品を破断除去する場合には第1部材の前記開口部の内周面に破断痕が残り、同破断痕が第2部材との界面に存在することにより、或いは残存する前記通路成形品が第2部材の内部に埋設されることになるため、第1部材と第2部材との固着強度が著しく増加する。 【0028】請求項4は、前記第2部材が前記第1部材に溶着により一体に取り付けられる場合を規定している。この場合の製造は、請求項57に規定するように、第2部材を予備成形すること、予備成形された成形品を前記第1部材の開口部に挿入すること、及び前記成形品と前記開口部とを溶着一体化することによりなされる。ここで、予備成形された成形品とは上記第2部材の形態に変形部分を加えた形態で予め成形される成形品を言う。 【0029】請求項58では、予備成形された第2部材をからなる予備成形品を前記第1部材の開口部に挿入したのち、高温部材で同予備成形品を押圧し、その押圧力と加熱により、前記予備成形品の一部を溶融変形させて、前記開口部に溶着一体化している。請求項59は、予備成形された前記成形品を前記第1部材の開口部に挿入したのち、超音波または高周波加熱手段により、前記予備成形品の一部を押圧するとともに溶融変形させ、前記開口部に溶着一体化する。 【0030】請求項5は、前記第2部材が前記第1部材に接着剤により一体に接着されている場合を規定しており、その製造方法は請求項55のように、第2部材を個別に成形しておき、同第2部材を前記第1部材の開口部に挿入する以前に、前記開口部又は第2部材の所要部分に接着剤を塗布し、前記第2部材と前記開口部とを前記接着剤により接着一体化する。 【0031】請求項6〜8は、上記請求項3〜5に係る発明を製造するにあたり、第1部材と第2部材との固着強度を確保するに好適な第1部材の開口部形態を規定している。すなわち、前記開口部の内周面の一部に凹欠部、凹凸部、又は突出部を有しており、それらの凹欠部、凹凸部、又は突出部が第2部材と一体化するときアンカー機能が発揮されて所要の固着強度を確保する。上記請求項53及び請求項54における案内通路成形品またはその破断痕は、前記請求項8の突出部の一態様でもある。 【0032】請求項9〜13は、前記第1部材及び第2部材の材質や彩色について規定している。請求項9では前記第1部材及び第2部材が同等の材質から構成されてなる場合を規定しており、請求項10は前記第1部材及び第2部材が異なる材質から構成されている場合を、また請求項11は前記第1部材と第2部材とが異色に構成されている場合を、請求項12は前記第1部材と第2部材とが異なる硬度を有し、前記第2部材が第1部材より軟質である場合を、更に請求項13では前記第2部材が磁性材料を含んでなる場合を規定している。 【0033】これらの請求項に規定された構成は、本発明により初めて可能となったものである。すなわち、上記米国特許発明や欧州特許発明も然りであるが、従来のこの種のテープ付き係脱具にあって係脱具の形態はキャビティを設計する段階で多様な選択が可能であるが、例えば単一の係脱具にあっては樹脂材料に顔料等を投入して単一色で成形されるのが一般的であり、これに複数の色彩を付与するにはプリントとか彩色を施さなければならず、生産能率や経済性を考えると実施化は不可能に近い。 【0034】これに対して、本発明にあっては、請求項9〜請求項13のように係脱具が第1及び第2部材の2種類の部材に限らず、請求項60のように第2部材の成形に先立って、前記第1部材の開口部に沿って、中央部に開口部を有する中間部材を一体成形することを含んでおり、更には請求項66のように前記第1部材と第2部材との間に、更に中央に開口部を有する2層以上の中間部材を成形一体化することを含んでいるため、単一の係脱具にあって複数の材質と彩色とを選択し得るものである。 【0035】例えば、請求項67にあるように少なくとも前記第2部材の材質を他の部材の材質より軟質とすることができ、請求項68及び69は請求項13と同様に少なくとも前記第2部材及び/又は中間部材に磁性材料を混入させることで係脱力に磁力を利用することも可能となり、更には請求項70のように第1部材、第2部材及び1以上の中間層に多様な色彩を付与することができるようになる。これらの色彩の付与には、通常、原料樹脂に顔料を混入させることで任意の色彩が得られるが、成形後に染色を施すこともできる。 【0036】請求項71は、染料を使って少なくとも成形後の第1部材に色彩を付与することを規定している。また、請求項72はテープ、第1部材、第2部材及び中間部材の少なくとも1つが、染着性を異にする材質で構成することを規定して、染色によってもテープ、第1部材、第2部材及び中間部材をそれぞれ任意の色彩に染色し得るようにしている。このように染料により第1部材を成形後に染色するときは、顔料などを混入しない無色の原料樹脂を使って第1部材付きのテープを予め大量に製造しておき、要求に応じて所定数量の第1部材付きのテープを染料をもって染色することができるため、生産性が向上すると共に生産管理が容易となる。 【0037】請求項14は前記第2部材が前記テープの一表面から突出し、スナップファスナーの雌係脱部材の雌係脱部と係脱する係脱頭部を有してなるスナップファスナーの雄係脱部材であることを規定し、請求項15では前記第2部材がスナップファスナーの雄係脱部材と係脱する雌係脱部を有してなるスナップファスナーの雌係脱部材であることを規定している。請求項14及び請求項15におけるスナップファスナーの雄係脱具及び雌係脱具は当然に単独で使用することはあり得ないが、これらのスナップファスナーの雄係脱具あるいは雌係脱具が互いに相手方の前記雌係脱具及び前記雄係脱具と組み合わせて使わなければならないというものではない。本発明における前記雄係脱具も前記雌係脱具も、他の一般的な相手方係脱具と組み合わせて使用することができることは当然である。 【0038】請求項16は、既述したように前記第1部材と第2部材との間に、更に中央に開口部を有する中間部材が介在し、同開口部の内周面に沿って、前記第2部材が一体的に取り付けられる。請求項17〜請求項28は前記中間部材に対する第2部材の取付手法及び材質を具体的に規定している。その手法は、請求項60〜請求項65に規定するように、第1部材に対する既述した第2部材の取付手法と同様である。 【0039】さて、以上のようにして1本のテープ上に1以上の係脱具が取り付けられる本発明のテープ付き係脱具にあっては、前記係脱具をテープ上に任意に配列することができ、更には雄雌の係脱具を任意に混在させることもできるため、広範な分野に使用できる。 【0040】請求項29は複数の前記第2部材がテープの長さ方向に等しい間隔をおいて配されていること規定している。ここで、第2部材は雄であるか雌であるかを問わない。請求項30は前記第2部材が雄係脱部又は雌係脱部からなる同種の係脱部有していることを規定している。このように、テープ付き係脱具が同種の係脱具を同一のピッチで取り付けられている場合の同テープ付き係脱具の用途としては、通常のスナップファスナーとして衣料品やバッグ類に適用できるが、典型的な適用例としては、請求項31に挙げたようにカーテンの上端縁に沿って縫着などにより取り付けられるヘッダーテープがある。 【0041】また、請求項32では、本発明の上記テープ付き係脱具の一側縁に沿って、その長手方向に所定の間隔をおいてカーテンランナー類に脱着する脱着部材が取り付けられたカーテン類の吊下げ具であることを規定している。前記係脱具付きのヘッダーテープと前記係脱具付きのカーテン類の吊下げ具とを組み合わせて使用する場合には、ヘッダーテープと吊り下げ具に取り付けられた係脱具は互いに係脱が可能である必要性から、一方が雄係脱具であり、他方が雌係脱具である。 【0042】請求項33はテープ上に取り付けられた係脱具が同一ピッチで配列されている場合に、雄又は雌の係脱部を有する複数の第2部材が混在していることを規定しており、請求項34はその混在する典型的な一例を挙げており、同一テープの長さ方向の半部に複数の前記雄係脱部を有する第2部材が配され、他の半部に同数の前記雌係脱部を有する第2部材が配されている。 【0043】そして、請求項35は請求項29、30、33又は34のいずれかのテープ付き係脱具が単独に或いは組み合わされて取り付けられた典型的な例として幼児用衣料を挙げている。一方、請求項36は同一テープ上に配された複数の第2部材のうち、少なくとも前記テープの最も端部に配される第2部材が雄係脱部を有していることを規定している。すなわち、前記雄係脱部を有する第2部材の他に配設された第2部材の大半は雌係脱部を有しており、かかる構成をもつテープ付き係脱具にあっては、それ自体で独立した製品として機能する。その典型的な例として、請求項37では各種の長さ調節自在のバンドを、また請求項38ではスライドファスナーのスライダー用引手を挙げている。このように雄係脱具と雌係脱具とを同一のテープ上に取り付けることは、本発明であればこそ実現が可能となる。 【0044】本発明ではテープ上に一体成形される上記第1部材は、必ずしも単一のテープの取付孔に対応して独立して成形される必要はない。請求項39は、テープの隣り合う2以上の取付孔に単一の第1部材が成形されている場合を規定しており、請求項40では、更に、前記隣り合う2以上の取付孔が、テープの幅方向に配されている場合を規定している。かかる構成により、多様で大柄な模様や動物や自動車など意匠的に様々にデザインされた形態が得られるため、係着強度に加えて趣向性に富んだ係脱具が得られる。 【0045】また、請求項41では複数の前記第2部材がテープの長さ方向に選択された所望の間隔をおいて配することもある点を規定しており、更には請求項42のように少なくとも一端に雄の係脱部を有する第2部材が配されると共に、雄又は雌の係脱部材からなる複数の第2部材が混在して配列されており、一端に配された雄の係脱部を有する前記第2部材以外の少なくとも1の係脱部を、一端に配された雄の前記第2部材の係脱部の突出側とは反対側のテープ表面に突出させることもある。その具体的な用途としては、前記テープ付き係脱具のテープ端部に取り付けられた雄係脱部材を衣服などの開閉部に形成されたボタン孔などに挿入すると共にテープを折り返し、対応して係脱する雌係脱部材に係着させることにより、テープ付き係脱具を衣服類に固着する。このとき、反対側のテープ表面に他の雄係脱部材が突出するようになる。この雄係脱部材を衣服類の開閉部の反対側に取り付けられた雌係脱部材に係脱させることにより、テープ付き係脱具が請求項43に規定するように衣服類の留め具となる。 【0046】請求項44は、前記第2部材が第1部材の開口部に一体的に固着される基部と、同基部の一表面に立設するリング状の紐通し部とからなるテープ付き係脱具であり、カーテンの裏面に上下方向に取り付けられると共に、複数の前記リング状紐通し孔に一端にストッパ部材を取り付けた紐材が挿通され、その紐材の他端を引っ張り、或いは放すことによりカーテンを上下に開閉する。なお、前記テープ付き係脱具を紐材と共に巾着状の袋物の開口部に沿って取り付ける場合には、同開口部の開閉具としても使用できる。 【0047】請求項45は、前記第2部材が第1部材の開口部に一体的に固着される基部と、同基部の一表面に立設するフック部とからなるテープ付き係脱具を規定するものであり、別に製造される第2部材が第1部材の開口部に密嵌状態で固着される基部と、同基部の一表面に立設するリング部とからなるテープ付き雌係脱具を用意して、両者を組み合わせれば、例えばブラジャーやベビー服等の留め具として使用できる。 【0048】 【発明の実施形態】本発明のテープ付き係脱具にあって、最も特徴とする点は、例えば雌又は雄の係着具のいずれであっても、少なくとも第1部材及び第2部材を有していることである。そして、本発明の製造方法によれば、テープの取付孔を中心に第1部材を予め一体成形しておき、次いで第1部材の開口部に第2部材を取り付ける。また、第1部材は中央に開口部を有していれば、いかなる形態にも成形でき、しかも第2部材の形態による影響がないため、第2部材の形態や材質が変更されても前記第1部材が通用できる。このことは、第2部材が、例えば雄係合部材及び雌係合部材のように形態が異なっていても、これらを必要な数と配列をもって1本のテープ上に同時に又は個別に一体的に取り付けることを可能にする。更には、第2部材として第1部材とは異なる材質が採用でき、或いは異色にすることができる。これらの点は、従来のこの種のテープ付き係脱具では実現が不可能なものであった。 【0049】本発明の前記特徴点は、以下の実施例の説明により更に明らかとなる。以下、本発明に係るテープ付き係脱具、同係脱具の製造方法の好適な実施の形態を添付図面を参照して具体的に説明する。図1は、テープ上に一体に取り付けられる本発明に係るテープ付き係脱具の雄係脱具及び雌係脱具を並列して示す第1実施例の斜視図である。 【0050】同図に示すように、本発明のテープ付き係脱具に取り付けられる係脱具の典型例としては雌係脱具1と雄係脱具2とがある。なお、この他の係脱具としては鳩目や後述するカーテン開閉用の紐通し具などを挙げることができる。そして、それらの製造方法の基本原理は上記米国特許第2,821,764号明細書に開示された製造方法に基づいており、しかも同特許発明では得られない本発明に特有の構造を有する単一の係脱具1,2に多様な形態と材質、色彩が付与されて、テープ上に一体的に取り付けることができる。 【0051】すなわち、後に詳しく説明するが、長尺のテープTに所定の間隔をおいて予め複数の取付孔3を形成しておき、このテープTを成形金型内に供給し、射出成形により前記取付孔3の周縁を抱持するようにして同テープTの表裏面に雌係脱具1及び/又は雄係脱具2の構成部材の一つであるリング状の基材10を一体成形する。ここで、前記基材10が本発明における第1部材を構成する。その基材10の成形にあたっては、前記米国特許明細書に開示された成形技術と同様に、前記金型の基材成形用キャビティの内部に対向してテープ支持部材(ピン)を突設している。金型を閉じて、同テープ支持部材によりテープTの前記取付孔3の周縁部を表裏から挟持した状態で、溶融樹脂を前記取付孔3の周縁に向けてテープTと略平行に導入する。このとき、同樹脂導入圧はテープTの表裏に均等に分配され、前記取付孔3の周縁テープ部分に適度な波打ち現象を生じさせながら合成樹脂製の基材10がテープTの取付孔周縁部に強固に固着して一体成形される。 【0052】こうして米国特許の成形技術に基づいてテープTに一体成形された各基材10に第2部材である雌又は雄の係脱部材11,12を一体的に取り付ける。図示例にあっては、前記基材10の中央開口部10aの内周面は通常の雌係脱面としての形態に成形されており、この場合には改めて雌係脱部材11を取り付けることなしに、同基材10がそのまま雌係脱具を構成することになる。そして、同一テープTの長さ方向に同一ピッチをもって一体に成形された共通の形態をもつ複数の前記基材10の一個おきに、雄係脱部材12が一体に成形されている。こうして、同一のテープTに雌の係脱具1と雄の係脱具2とが交互に取り付けられる。かかる構成を従来の技術によっては能率的に製造し得ないものであり、同時に本発明が従来の一般的なテープ付き雌係脱具を利用して雄係脱具2を製造することをも可能にしている。 【0053】図2は前記基材10がテープTの取付孔3の表裏周縁部に一体成形された直後の本実施例による基材付きテープの代表的な形態を示している。同図によれば、基材10には中央部に開口部10aが未だ完全には形成されていない状態にある。この成形時の形態を具体的に説明すると、基材10の外郭形状は4個の弧状部分がその外周で接続された全体に花型形態を呈しており、中央部に前記開口部10aを有し、その肉厚方向の中間において、前記テープTの取付孔3が前記開口部10aの周縁部近傍まで延びており、同テープTを前記取付孔3を中心として抱持状態で一体的に固着されている。また、本実施例にあっても上記米国特許発明と同様に、基材10の前記弧状領域の略中央表裏面には、その表裏方向に延びて前記キャビティ内に突設された挟持部材により成形される都合4個の成形孔10bが、その中間をテープTが横切った状態で形成されている。 【0054】本実施例による成形時の前記基材10には、成形金型のランナー103a、サブランナー103b及びゲート106(図6参照)からなる溶融樹脂通路により成形されるランナー成形品14、ゲート成形品16が同時に成形されており、前記ゲート成形品14の先端は、基材10の中央開口部10aの内周に形成される凹欠部10cの底面10c′の略中央に接続されている。前記ランナー成形品14は、後述するように型開時にゲート成形品16と自動的に破断分離し、更に基材10に接続するゲート成形品16は、後述するように雄係脱具2を係着させるとき自動的に破断除去されて完全な形態をもつ前記開口部10aが形成される。 【0055】図3及び図4は、テープTに一体的に取り付けられ、本発明の特徴部を全て備えたテープ付きの雄係脱具2の構成を示している。これらの図からも理解できるように、前記雄係脱具2は本発明の第1部材である上記基材10と第2部材である雄係脱部材12とにより構成されている。図示例にあって、雄係脱部材12は前記基材10の開口部10aに嵌着一体化する基部12aと同基部12aから起立する柱部12bと同柱部12bの先端に形成された係脱部を構成する係脱頭部12cとからなる。本実施例によれば、前記柱部12bと係脱頭部12cとは、柱部12bの途中から係脱頭部12cの先端にかけて軸線方向に形成された割り溝12dにより左右に2分割されている。また、前記係脱頭部12cを上面から見ると、割り溝12dをも含めて全体が割り溝12d長手方向を短径部とする長円形を呈しており、前記柱部12bの左右に膨出した形態を有している。本実施例にあっては、かかる形態をもつ前記雄係脱部材12が前記基材10の開口部10aに挿通された状態で成形により一体化されている。 【0056】本実施例における第1部材である上記基材10には、上記米国特許発明では期待し得なかった様々な改良が加えられている。図2からも明らかなように、本実施例によれば上記ゲート成形品16の形状を基材10との接続部の断面積を可能な限り小さくするため、全体として楔状に形成している。そのため、雄係脱部材12を基材10の開口部10aに差し込むとき、図5に示すように同開口部10aに懸け渡された状態で一体化している同ゲート成形品16は前記雄係脱部材12の差し込み力により簡単に破断除去される。かかるゲート形態を採用することにより、テープ付き係脱具の出荷時に雄雌のテープ付き係脱具を係合状態で出荷するにあたり、上記米国特許発明では必要とされた後工程でのトリミングが排除できるばかりでなく、雄雌のテープ付き係脱具を係着させると同時に自動的に前記ゲート成形品16が除去されるものである。 【0057】また、本実施例では前記開口部10aの内周面の一部に形成される上記凹欠部10cが、上記テープ支持部材により形成される4個の成形孔10bのうち対向する2個の成形孔10bに向けて凹ませて形成され、ゲート成形品16と2個の成形孔10bとが同一直線上にある。 【0058】この凹欠部10cは、本実施例のごとく基材10をそのまま雌係脱具1として使用する場合には、前述のように前記ゲート成形品16との破断除去の痕跡(ゲート痕16a)を凹欠部10cの底面10c′に形成させることは、雌係脱部材としての基材10の開口部周面10a′と雄係脱部材12の係脱頭部12cとの係脱時において、係脱頭部12cと直接密接する前記開口部周面10a′に残ることを避けると共に、以降の工程で米国特許発明におけるトリミングを省略することができ、しかも外見的に前記ゲート痕16aが視覚に入りにくくなる。更には、前記凹欠部10cの存在により、リング状に連続する前記開口部周面10a′の連結を一部で断ち切って、雄係脱具2の係脱操作をより円滑化し得るようにしている。 【0059】また、前記ゲート成形品16の前記凹欠部10cの底面10c′との接続部を、同底面10c′の略中央とすると共に、前記ゲート成形品16を前記開口部10aの中心と上記成形孔10bとを結ぶ同一直線上に成形することは、溶融樹脂の金型キャビティへの導入圧を、テープTの取付孔周縁部に積極的に向けると同時に、同テープTの表裏面及びキャビティ内に突設されたテープ支持部材(ピン)に積極的に向けることを意味し、溶融樹脂の流動をテープTの取付孔3の周辺全体に速やかに行き渡らせることを可能にし、同時に上記米国特許発明と同様に前記テープTの取付孔周縁部に適度な波打ち形態を実現させることができるようになる。 【0060】一方、前記基材10を雄係脱具2の製造時において本発明の第1部材として使用する場合にも、前記凹欠部10cは極めて有効である。すなわち、図3及び図4に示す雄係脱具2では、基材10に対する雄係脱部材12の取り付けは、一体成形によるものであるが、この雄係脱部材12の成形にあたって、雄係脱部材12の一部が前記凹欠部10cを埋めるため、基材10と雄係脱部材12とのロック機能が加わり、固着強度が一段と向上する。なお、上記ゲート成形品16を基材10の開口部10aに残したままでも、前記雄係脱部材12を同開口部10aに成形でき、しかも図8に示すように前記ゲート成形品16は雄係脱部材12の内部に骨材として埋設されるため、その固着強度を向上させることができる。この場合には、前記ゲート成形品16の形態は開口部10aから破断除去されないため、既述したような楔状でなくともよい。 【0061】図6は、前記基材10をテープTに一体成形するときの成形金型の一例を示している。この例では、前記金型は上下に可動の第1金型(可動型)100と第2金型(固定型)150とからなり、前記第1金型100は更に相対的に上下に可動な三枚のプレート101〜103が積層されて構成されている。上部のプレート101は基枠に対して図示せぬ昇降手段(流体圧シリンダー等)により上下に可動に設けられた可動側取付板であり、前記中間のプレート102及び下部のプレート103も、同様にそれぞれが前記可動側取付板101である上部プレートに対して独立して上下に移動する。一方、第2金型150は機台に固設された一枚の独立したプレートから構成される。 【0062】前記可動側取付板101にはスプルー104aが形成されたスプルーブッシュ104の略上半分が常法に従って密嵌固定されており、同スプルーブッシュ104の略下半分は中間プレートであるストリッパプレート102の嵌合孔に摺動自在に嵌着されている。前記下部プレート103には、前記スプルー104aに連通するランナー103aがテープTの移動方向に直交させて形成されており、同ランナー103aの一端には垂直下方に延びるサブランナー103bが形成されている。なお、前記可動側取付板101及びストリッパプレート102の前記サブランナー103bの延設線上にはランナーロックピン108が取り付けられている。 【0063】前記サブランナー103bの下端には、樹脂貯留部105を介して水平に直線的に延びるゲート106が第2金型である固定型150のパーティング面151に形成されている。この実施例では、図6に示すように前記ゲート106は前記樹脂貯留部105を中心に左右に直線的に延びる2本からなり、各ゲート106の形状は楔状をなし、前記樹脂貯留部105から先端に向けて断面が小さく形成された、いわゆるピンポイントゲートからなる。本実施例における前記樹脂貯留部105が本発明の溶融樹脂導入部であり、前記ゲート106が本発明の溶融樹脂案内通路に相当する。従って、本発明の基材成形用キャビティ107への溶融樹脂導入部が前記ゲート106の先端部となる。 【0064】ゲート106の先端部は、上記雌係脱具1でもある基材10の成形用キャビティ107に連結している。本実施例にあっては、同成形用キャビティ107はパーティング面を挟んで前記下部プレート103及び第2金型である固定型150にわたって形成されており、前記樹脂貯留部105も前記固定型150にわたって形成されている。また、固定型150の前記キャビティ107の周辺にはテープTの移動方向(図6の紙面に垂直な方向)に延びるテープ挿通路152が形成されている。 【0065】前記基材成形用キャビティ107は、図4及び図5に示すように中央に形成された樹脂貯留部105を含む前記ゲート106が存在する中央が略円形の中実部をなす花型形態をもつ成形空間からなり、その基材成形用キャビティ107のリング状空間の内部には90°の位相差をもって上下から内部に向けて突設された4組のテープ支持部材であるピン107aが配されている。各組の上下ピン107aの間隙はテープTを挟持するに十分な寸法に設定されている。また、本実施例にあっては前記固定型150の前記ゲート106と向き合うピン107aの軸線に沿ってエジェクトピン153の挿入孔が貫通して形成されており、同エジャクトピン153が前記ピン107a内を図示せぬエジェクトピン昇降手段により上下に摺動自在に移動可能とされている。 【0066】更に、本実施例にあっては、前記ゲート106とキャビティ107との連結部を2組の各上下ピン107aの対向間隙と前記樹脂貯留部105の中心とを結ぶ直線上におき、ゲート106をテープTの取付孔周縁に向けると共に、その連結部を、基材10の開口部10aの円形よりも局部的に外径方向に凹んだ凹欠部10cが成形されるように、キャビティ107の内部に突出させて形成している。 【0067】さて、以上のように構成された本実施例の成形金型を有する成形装置による基材10の製造手順を説明すると、先ず図6に示すように金型の全体が閉じた状態でスプルーブッシュ104に射出装置の図示せぬ射出ノズル154が密接し、射出が行われ、溶融樹脂がスプルー104a、ランナー103a、サブランナー103b、樹脂貯留部105及びゲート106を通って上記基材成形用キャビティ107に導入される。 【0068】この射出時に、前記キャビティ107に導入される溶融樹脂はゲート106の先端からテープTの取付孔3の周縁に向けて流れ、そこでテープTの表裏に分岐したのち、上下に対向して配されるピン107aの周囲を巡りながらキャビティ全体に充填される。このとき、テープTの取付孔3の周縁部で前記ピン107aにより挟持されている部分以外が樹脂の流動圧により僅かに波打ちながら溶融樹脂の内部に埋設一体化される。 【0069】射出された樹脂が冷却により固化すると、先ず上記可動側取付板101及びストリッパプレート102が一緒に上昇して、ランナー成形品14をランナーロックピン108にて支持しながらサブランナー成形品14aと共に下部プレート103から引き離す。このとき、前記サブランナー成形品14aの下端は、その引き離し力により樹脂貯留部成形品15の上端から破断して分離する。次いで、ストリッパプレート102が僅かに可動して、ランナーロックピン108によるランナー成形品14の支持を開放し、スプルー成形品と共に金型から離脱させる。 【0070】この離脱が終了すると、下部プレート103が上方に移動して金型を開き、ほぼ同時にエジェクトピン153が上方に僅かに移動して前記支持ピン107aにより成形された成形孔10bの中間に露呈するテープTを押し上げ、基材10をゲート成形品16と共に型外へと押し出す。このとき成形される基材10の形態が、図2において仮想線で示すようにサブランナー成形品14aが破断分離された形態となる。基材10に残された前記ゲート成形品16は、僅かな部分で基材10の開口部10aに形成された凹欠部10cの底面10c′と連結されているため、既述したとおり雄係脱具2の係脱頭部12cを係着させると、自動的に破断して除去される。 【0071】この破断時に形成されるゲート成形品16の破断痕(ゲート痕16a)は、前記凹欠部10cの底面10c′に形成されるため外部からは見えにくく、且つその破断面が雄係脱具12の係脱頭部12cと直接係脱する開口部10aの内周面10a′には形成されないことと、前記凹欠部10cにより円形の前記内周面10a′の一部が分割されることとにより、雄係脱具12との係脱がより円滑になされる。 【0072】なお、本発明にあっては上記ゲート106を樹脂貯留部105を中心に十文字状に4本形成した金型を使うことも可能であり、その場合、基材成形用キャビティ107への樹脂導入部がテープTの取付孔周縁に向けて4箇所となる。そのため、上記実施例と較べて樹脂の流動が更に円滑化され、基材10のテープTへの成形一体化が安定して行えるようになり、また略円形の開口部10aの内周面10a′が、凹欠部10cよりその円周方向の4箇所で均等に分割されるため、雄係脱具12との係脱が前記実施例以上により円滑になされることになる。 【0073】図7は、上記形態を有する基材10をテープTに成形一体化した基材付きテープT′を使って、雄係脱具2を一体成形するときの成形金型の要部を示している。この実施例にあっては、前記基材10が本発明の第1部材を構成し、同基材10の上記開口部10aの内周面10a′に一体成形される雄係脱部材12が第2部材を構成する。 【0074】同図において、符号110は雄係脱部材成形用の射出金型を示し、同金型110は既述した基材成形用の射出金型と同様に可動型111と固定型112とを備えている。前記可動型111と固定型112とのパーティング面には、上記基材10と同基材10を成形一体化したテープTとを、前記基材10を中心として密嵌収容する基材付きテープ収容空間部113が形成されると共に、同基材付きテープ収容空間部113に連結して前記基材10の中央開口部10aを基部12aで埋め尽くすと共に、柱部12bと係脱頭部12cとを成形するための雄係脱部材成形用キャビティ114が形成されている。 【0075】そのため、前記可動型111には図示を省略したランナーと連通するゲート111aが前記雄係脱部材成形用キャビティ114の基部成形部114aの中心部に連通させて形成されると共に、固定型112には雄係脱部材12の前記柱部12b及び係脱頭部12cを2分割するための摺動コア115の摺動路112aが形成されている。図示例では、前記摺動路112aは前記摺動コア115が固定型112を横切る方向に摺動可能に形成されている。なお、図示例では固定型112の基材付きテープ収容空間部113の内部であって、上記基材10が収容される部位には、基材10の外面に当接するエジェクトピン116が昇降自在に設けられている。 【0076】上述のごとき構成を備えた射出金型内に、基材10をテープTの取付孔周縁部に成形一体化された基材付きテープT′を挿入してセットする。図7における雄係脱具2にあって、その構造が雌係脱具である上記基材10と基本的に異なるところは、同基材10の開口部10aに本発明の第2部材である雄係脱部材12が成形一体化される点にある。すなわち、前記開口部10aは前記雄係脱部材12の基部12aで閉塞されると共に、その基部12aの一表面に前記雌係脱具である基材10の開口部10aに係脱される柱部12b及び係脱頭部12cが突設されている点にある。 【0077】前記係脱部材12は、既述したように基材10の開口部10aを埋め尽くす基部12aから直接起立する柱部12bとその柱部12bの先端に連設される係脱頭部12cとからなり、前記柱部12bの起立端部の近傍から前記係脱頭部12cにかけて形成される割り溝12dにより2分割している。その割り溝12dの溝形状は、上記摺動コア115の縦断面形状により決まり、図7からも明らかなように溝底面が円弧面とされ、同円弧面から係脱頭部12cの端部にむけて小溝幅部と大溝幅部とが弧状段部を介して連続した形状をなしている。 【0078】本実施例による割り溝12dの前述の形状によれば、係脱頭部12cの膨出部12c′の膨出方向の肉厚と溝底部における径方向の肉厚がほぼ等しくなることと前記溝底部が幅狭であることとが相まって、成形後の収縮によるヒケの影響が少なく、成形後にあっても左右に分割された柱部12bの一部及び係脱頭部12cがほぼ平行に直立している。 【0079】しかるに、従来の割り溝のように断面が単純な矩形状をなしている場合には、係脱頭部の膨出部の膨出方向の肉厚が他の左右に分割された柱部の一部及び係脱頭部の肉厚に較べて厚いことと溝底部の溝幅が他と比較して相対的に幅広となることとが相まって、ヒケなどにより成形後には左右に分割された係脱頭部が互いに接近方向に変形してしまう。このことは、相手方の雌係脱具1との係着力が低下する原因となり、本実施例と比較すると容易に係脱力が弱いことを意味する。更に、本実施例による雄係脱部材の形態によれば、従来の割り形状よりも大きく弾性変形ができるようになり、雌係脱具1との係脱操作が容易で且つ所要の係脱力が確保できる。 【0080】上記構成を備えた雄係脱部材12を基材10の開口部周縁部に一体成形するため、基材付きテープT′を可動型111と固定型112とに形成された基材付きテープ収容空間部113に挿入して型閉がなされると、所要の射出量をもって溶融樹脂が射出され、上記ゲート111aを通って雄係脱部材成形用キャビティ114に導入される。前記雄係脱部材成形用キャビティ114に導入された溶融樹脂が冷却固化されると、前記可動型111が上昇し、成形された雄係脱部材12の成形品とゲート成形品26とが破断して分離する。 【0081】次いで、エジェクトピン116により雄係脱具2を固定型112から押し出す以前、すなわち可動型111が型開き動作に入ると同時に、上記摺動コア115も作動する。この摺動コア115が雄係脱部材12の成形用キャビティ部分から離脱すると、エジェクトピン116が作動して基材10と雄係脱部材12とからなる雄係脱具2を固定型112から押し出す。この押出時に、前記係脱頭部12cは割り溝12dを間にして弾性的に柱部12bの一部及び係脱頭部12cを割り溝12dを狭めるように変形させ、雄係脱具2は容易に型外へと押し出される。 【0082】さて、以上のようにして成形時のゲート成形品16を残した雌係脱具である基材10に前記雄係脱具2を係着させると、図5に仮想線で示すように、係脱頭部12cによる開口部10aへの押し込み力により、既述したとおり同開口部14aに残された前記ゲート成形品16は貯留部成形品15と共に自動的に破断して除去される。 【0083】以上は、本発明の第1部材である基材10に、同じく本発明における第2部材である雄係脱部材12を成形一体化するときの実施例を説明したが、本発明にあっては基材10に一体成形される前記第2部材が雌係脱部材11となる場合もある。なお、以下の説明にあって、上記実施例に対応する部材や構成部分には、同一の符号を付すことにする。 【0084】図9及び図10は、本発明の第1部材である基材10に雌係脱部材11を成形により一体化したテープ付き雌係脱具の代表的な実施例の説明図である。図9は基材10が取付孔3の周縁部に成形により一体化されたときの断面図、図10は同基材付きテープT′の基材開口部10aに第2部材である雌係脱部材11を成形一体化して得られるテープ付き雌係脱具の断面図である。 【0085】図9から理解できるように、本実施例における前記基材10は上述の実施例と異なり、その開口部10aの内周面10a′を、相手方の雄係脱具12との係脱面に形成することなく、前記内周面10a′に多数の凹凸が形成されている。この凹凸面は、図10に示すように雌係脱部材11が成形されるとき、同雌係脱部材11の一部が前記凹凸面に倣って成形され、強固な固着界面を形成することになる。この実施例も、基材10の成形は図9に仮想線で示すように上記雄係合部材12を成形一体化するときの実施例と実質的に同様のスプルー及びゲートの形態と配置とに基づく成形方法による。 【0086】上述の実施例にあっても同様であるが、このように第2部材としての雌係脱部材11を基材10である第1部材に取り付ける場合に、第1部材と第2部材とを異色の材料で構成したり、異質の材料で構成することができ、それらの選択及び/又は組み合わせにより、多様な要求に応えることが可能となる。 【0087】例えば、上記実施例のように第2部材として雄係脱部材12を適用する場合に、基材10と雌係脱部材12との彩色を異ならせることにより、趣向性に富んだテープ付き係脱具が製造されるし、また前記実施例のごとく第2部材として雌係脱部材11を適用する場合に、基材10を硬い材質で構成すると共に、同雌係脱部材11に第1部材である基材10よりも軟らかい材質で且つ摩擦係数の少ない材質を選択すれば、テープTと雌係脱具1との固着部は強固にし、しかも相手方の雄係脱具2との間に所要の係脱力と円滑な係脱操作が可能となる。この場合、相手方の雄係脱具2の第1部材及び第2部材をも同様に材質を選択すれば上述と同様の機能が得られる。 【0088】また、本発明の第1部材である上記基材10と第2部材である雌係脱部材11又は雄係脱部材12を異色で構成しようとする場合に、通常はそれぞれの樹脂材料に顔料などを混入させて着色するが、例えば前記第1部材に染料により染色可能な材質を選択すれば、テープTに第1部材を成形したのち、テープTと共に同一の染料にて染色することも可能であり、或いは前記染料としてテープTには染着しないが、第1部材には染着するものを選択すれば、テープTの彩色と第1部材の彩色とを異なるものとすることができる。このように、第1部材に染色を可能にすると、例えばテープTに予め無色の第1部材が一体成形された第1部材付きテープを大量に製造しておき、必要に応じて所要の量の第1部材付きテープの第1部材に染色を施すことができ、能率的な製造と製品管理が可能となる。 【0089】図11及び図12は、上記基材10をテープTの取付孔3に一体成形する場合の、成形金型の基材成形用キャビティ内に上下から対向して突出する支持ピン形状の好ましい形態例と、同成形金型を使用したときの基材10の代表的な断面形態の例を示している。 【0090】他の成形部材の形態は、上述の各実施例と同様であるので、ここではその基材成形用キャビティ内の支持ピン107aの形態を中心に説明することにする。前記支持ピン107aはリング状の基材成形用キャビティ107の各底面の同一円周上に180°の位相差、或いは90°の位相差をもって互いに接近方向に突出する略円錐台形からなるピン部材から構成される。上記実施例にあっては、単純な円錐台形なしているが、本実施例では、図11に示すように前記支持ピン107aの先端部分の一部をテーパ面107a′に形成しており、しかもそのテーパ面107a′は同支持ピン107aをもってテープTの取付孔3の周縁部を挟持したとき、前記取付孔3の周縁部との挟持間隔が前記取付孔3の中心に向かって次第に大きくなるように形成される。 【0091】そして、本実施例では前記支持ピン107aを平面視したときに、同支持ピン107aの端面の1/2がテープTをしっかりと挟持する平面107a″とし、残る端面を前述のテーパ面107a′に形成している。このテーパ面107a′の部分が本発明の波打ち制御部であって、テープ取付孔3の周縁の波打ちを適度に制御するものである。そのテーパ角度は5°〜45°程度であることが好ましく、更に好ましくは10°〜25°である。また、本発明の先端挟持部である前記平面107a″の部分は、テープTを取付孔3を中心として挟持する基材成形用キャビティ107の外周縁と支持ピン107aとを結ぶ直線上の略中間点から前記外周縁側に位置するように設計されている。前記テーパ角度はテープTの柔軟度により決定される。 【0092】このように、前記支持ピン107aにテーパ面107a′を形成することにより、前記キャビティ107に導入される溶融樹脂圧によるテープ取付孔3の周縁部に適度な波打ち状態を発生できるばかりでなく、そのテーパ角度を調節することにより波打ち形態の大きさを制御することが可能となり、テープTに対する基材(第1部材)10の適切な固着強度が確保される。 【0093】前述の構造をもつ支持ピン107aにより、テープTの取付孔3の周縁に向けて同テープTと略平行に導入される溶融樹脂は、テープTの表裏面に分岐して流れ、そのときの導入樹脂圧により前記取付孔3の周縁は、前記支持ピン107aの先端支持部107a″の周辺で大きく波打とうとするが、前記テーパ面107a′により波打ち量が適度に制御され、図12に示すように適度な波打ち状態でキャビティ内の溶融樹脂に埋没して、基材10が取付孔3の周縁部に固着強度を確保して一体に成形される。 【0094】なお、図6に示した成形金型にあっては、基材成形用キャビティ107の内部に突出する上記支持ピン107aの先端はある程度の太さを有しているため、同図に示すようにエジェクトピン153を支持ピン107aの軸心に形成されたピン孔107a−1に挿通させてることができたが、本実施例のように支持ピン107の先端部が細くなる場合、或いは上述したように先端部にテーパ面を有している場合には、前記ピン孔107a−1を形成することができないことがあり、エジェクトピン153の挿通孔107a−1を前記支持ピン107aの形成位置から円周方向にずらして、基材10の外面に当接するように形成することができる。 【0095】以上の実施例では、第2部材である雄又は雌の係脱部材11,12が、全て第1部材である基材10に成形により一体化される例について説明したが、本発明による第1部材に対する第2部材の一体的な取付手法は成形一体化以外にも様々な取付方法がある。 【0096】図13及び図14は、その取付方法の一例を示している。この例によれば、予め基部12a′、柱部12b及び係脱頭部12cをもつ雄係脱部材に近似する第2部材である雄係脱部材12′を成形しておく。この雄係脱部材12′の形態は上記係脱部材12に略近いが、前記基部12a′の端面中心に先細りの盲孔が同時に成形されている。そして、このように予備成形された雄係脱部材12′を前記基材10の開口部10aに差し込んだのちに、同雄係脱部材12′の端面中央の前記盲孔に図14に仮想線で示す加熱体130の円錐状突起部131を挿入して押圧する。この押圧力と加熱とにより、前記雄係脱部材12′の端面側の加熱変形し、その径が拡大して基材10の開口部10aに沿った外形となって、基部12a′のフランジ部分12a″と相まって同開口部10aに係着一体化される。 【0097】図15及び図16は、超音波による他の取付方法の一例を示している。この取付方法では、前述と同様の形状をもつ雄係脱部材12′を予め成形しておき、同雄係脱部材12′を前記基材10の開口部10aに挿入し、次いで図15に示すようにアンビル132の係脱頭部嵌入孔132aに前記雄係脱部材12′の上記柱部12b及び係脱頭部12cを嵌入して、前記基部12a′のフランジ部分12a″に当接させる。この後で、図16に示すようにホーン133の円錐状突起部133aを前記基部12a′の端面中央盲孔内に差し込んで超音波を発振させて、同基部12a′を変形させると共に、前記基材10の開口部10aの内周面と前記基部12a′の外周面との界面を溶融させて、両者を溶着により一体化する。 【0098】なお、図示は省略したが前述の取付方法の他にも、例えば基部12aの形状を基材10の開口部10aに密嵌し形状とした雄係脱部材12を予め成形しておき、両者の界面部分を高周波により溶着一体化したり、或いは前記雄係脱部材12の基部12aの周面又は前記基材10の開口部10aの内周面に接着剤を塗布したのち、雄係脱部材12の基部12aを前記開口部10aに挿入して、接着剤により接着一体化することもできる。 【0099】図17〜図19は本発明において第1部材及び第2部材の材質を異ならせて成形一体化した実施例を示している。図17にあっては、第1部材である基材10と第2部材である雌及び雄の係脱部材11,12との材質を、双方ともに異ならせると共に、基材10と雌及び雄の係脱部材11,12との色彩を異ならせている。すなわち、基材10には通常の熱可塑性の合成樹脂材料を使い、雌係脱部材11及び雄係脱部材12には、それぞれ弾性をもつエラストマー樹脂材料を使っており、基材10と雌係脱部材11及び雄係脱部材12との各合成樹脂材料に、異なる色の顔料などが混入されている。この例では、雌係脱部材11は既述した雌係脱部材と同様にリング状をなしており、その内周面に相手方の雄係脱部材12との係脱面を有している。 【0100】一方、前記雄係脱部材12の形態は既述した形態とは異なる。すなわち、図18及び図19に示すように基部12aから起立する柱部12b及び係脱頭部12cに割り溝12dを設けなくてもよい。従って、この実施例による雌及び雄の係脱具1,2は弾性的に係脱することになる。柱部12b及び係脱頭部12cに割り溝12dを有さないことは、係脱時に周辺の糸や或いは毛髪などに引っ掛けることがなくなり、円滑な係脱が可能となる。 【0101】なお、雄係脱部材12が上述のように軟らかく且つ弾性を有している関係上、雌雄の両係脱具1,2の係脱作用において、基材10の中央開口部10aの内周面10a′との間の結合が不安定なものとなりやすいが、この場合、図19に図示するように雌係脱具1と係脱する雄係脱頭部10cの左右にある膨出部12′の平面視による全面積が、図18に図示するように雄係脱部材12の基部12a下側における拡径部分の平面視による全面積、すなわち最大緒径S1 から基材10の中央開口図10aの内周面10a′によって狭くなった直径における平面視の面積S2 を差し引いた面積より低いものとすることで、基材10と雄係脱部材12との結合の不安定さを防ぐことができる。 【0102】また、図示は省略しているが、本発明にあって第1部材に軟質で弾性をもつ材質を使うこともでき、この場合には、特にテープが伸縮性をもつときに、テープとの馴染みを良好にする。 【0103】図20A〜図20Dは、リング状の基材10である上記第1部材を、第2部材を成形一体化するにあたり、テープTの最も波打ち状態となりやすい取付孔周縁部の波打ちを最小限に止めるに十分な剛性を付与するための成形品として位置づけた実施例を示している。この実施例によれば、図2Bに示すようにリング状基材10の外周部を肉厚にすると共に、その外周部から中央開口部にかけて肉薄に形成する。外周部に形成される肉厚部10dは最終製品たる係脱具1,2の外縁部を構成し、その外周部から中央開口部にかけて形成される肉薄部10eは次工程で第2部材の内部に埋設される骨材となる。 【0104】図20Cは、テープTに成形一体化された前記基材10の開口部周面10a′、肉薄部10eの表裏面及び表裏の肉厚部10dの内周面に雌係脱部材11を一体成形した雌係脱具1の実施例を示しており、図20Dは、雄係脱部材12がテープTに成形一体化された前記基材10の開口部周面10a′、肉薄部10eの表裏面及び表裏の肉厚部10dの内周面に嵌着した状態で成形一体化された雄係脱具2の実施例を示している。これらのテープ付き係脱具を製造するには、先ず図20Aに示すように、テープTに予め取付孔3を形成し、これに前述の形態をもつ基材10をテープTに一体成形する(同図B参照)。 【0105】このときの成形は、上述の実施例と異なり基材成形用キャビティ内にテープ用支持ピンを突出させることなく、またゲートもテープTに平行に且つ取付孔3の周縁に向けなくともよい。何となれば、前記肉薄部10eの表裏いずれかにテープTの一部が露呈していても、次工程において雄係脱部材12が前記肉薄部10eの全面を被包するごとく成形一体化されるためである。勿論、上記実施例と同様にゲート位置をテープTに平行に且つ取付孔3の周縁に向けてもよい。この場合には、テープTの取付孔3は基材10内で適当に波打ち状態となり、基材10との固着強度が確保されるため好ましい。 【0106】こうして、テープTの取付孔周縁部に基材10が成形により一体化されたのち、上述したと同様に基材10の中央開口部10aの内周面10a′から前記肉厚部10dの内周面10d′にかけて第2部材である雌又は雄雄係脱部材11,12が成形一体化され、図20C及び図20Dに示すような製品が得られる。このときの雌係脱部材11の成形にあたっては、図20Cに仮想線で示すように既述した実施例の基材10を成形するときと同様、基材10の中心から開口部周面の中央に向けられたゲートから溶融樹脂材料を雌係脱部材成形用キャビティ内に導入するようにすればよい。 【0107】また、雄係脱部材12を成形するにあたっては、雄係脱部材12の成形用キャビティを、雄係脱部材12の基部12aの端面中央部に深い凹陥部12fが形成されるような形状とすると共に、同図に仮想線で示すごとく前記凹陥部12fの中心にゲート106を配することが望ましい。 【0108】以上、挙げた実施例では第1部材と第2部材とを一体的に取り付けて、本発明のテープ付き係脱具を製造しているが、本発明は前記第1及び第2部材の間に更に中間部材を介装させることをも含んでいる。この中間部材も、次に説明するような単一層で構成する場合に限らず、複数層により構成することもある。 【0109】図21A及び図21Bは、前記中間部材13が一層で構成された実施例を示している。この実施例によれば、前述の実施例と同様にテープT上に予め形成された取付孔3の周縁部に、上記肉厚部10dと肉薄部10eとを有するリング状の基材10を一体成形する。このときの成形金型には前述の実施例と同様にキャビティ内部にテープ支持ピンを有していない。また、前記基材10は、その外周部を残して成形後のテープTの取付孔周縁部が、次回の中間部材13の成形時にキャビティへの導入樹脂圧により大きく波を打たない程度の剛性を確保できる程度の必要最小限の薄い肉厚で十分であり、そのため前記キャビティ空間も前記肉厚でテープTの表裏面に成形が可能な最小限のキャビティ空間で十分である。 【0110】すなわち、前記実施例と同様に、第1部材である基材10を、テープTの最も波打ち状態となりやすい取付孔周縁部の波打ちを最小限に止めるに十分な剛性を付与するための成形品として位置づけ、中間部材13の成形を容易にするに止まらず、更には第1部材である基材10、中間部材13及び第2部材である雄の係脱部材12に異なる彩色を施している。また、図示は省略したが、中間部材13として外周肉厚部10d寄りに小さく成形すると共に、このように成形した中間部材の中央開口部側寄りに第2部材である雌係脱部材を成形する場合にも、中間部材及び第2部材である雌係脱部材に異なる彩色を施すことにより雌雄を問わず単一の係脱具1,2に多彩な色彩を付与することも可能である。 【0111】図22〜図24は、本発明による他の係着構造をもつテープ付き係脱具の実施例を示している。この実施例によるテープ付き係脱具の雌係脱具1は、図2に示す実施例と同様に、本発明における第1部材をも兼用できるものである。図示例によれば、前記雌係脱具1(基材10)の中央開口部10aには、その表裏の一方の内周縁に沿って相手方の雄係脱具2と係脱する係脱部1bを有している。この係脱部1bは、前記内周面から内方及び中央開口部10aの中心方向に向けて膨出しており、周方向所定の間隔をおいて複数の切欠部1cが形成されている。この切欠部1cが形成されていることにより、前記係脱部1bは径方向に僅かに弾性変形するため、相手方の後述する係脱頭部12cとの係脱が円滑になされる。 【0112】一方の雄係脱具2は、前記雌係脱具1を本発明における第1部材として使用する。すなわち、図22からも明らかなように、既述した手法により前記雌係脱具1の中央開口部10aに雄係脱部材12を一体に成形する。この成形にあたり、雌係脱具1に形成されている上記切欠部1cに雄係脱部材12の一部が浸入して一体化するため、第1部材である雌係脱具1と第2部材である雄係脱部材12との固着強度が増加し、例えば互いに親和性が少ない樹脂同士であっても所要の固着強度が得られる。 【0113】雌係脱部材11の開口部1aには上述のように切欠部1cが形成され、雌係脱部材11の開口部1aに径方向の弾性変形を可能としたため、雄係脱部材12の柱部12b及び係脱頭部12cを中空円筒形として、前記係脱頭部12cを外方に膨出させているに過ぎず、既述した係脱部材12のように割り溝12dは形成しなくても、雌係脱具1と雄係脱具2との係脱は円滑な係脱とともに実用に耐えるに十分な係脱力を備えている。また、割り溝を形成していないため、係脱時に糸や毛髪などが絡まることがない。 【0114】図25は本発明に係るテープ付き係脱具の第1部材(基材10)に意匠的にデザインされた物品形態を付与している。図示例では、前記物品形態として自動車の例を挙げているが、勿論これに限ったものではない。本実施例にあって同図A及び同図Bは、図22及び図23に示した前述の実施例により得られる係脱具1又は2をもつテープ付き係脱具を示している。このようにデザインされた雌及び雄の係脱具1,2は、特に幼児用の衣料や袋物に好適である。 【0115】これらの図では、それぞれ対応して係脱する雌又は雄の係脱具1,2が同一の第1部材10に単一に取り付けられた例を示しているが、本発明にあっては同一の第1部材に2以上の雌及び/又は雄係脱具1,2を取り付ける場合をも含んでいる。図26〜図28は、同一の意匠的な物品形態にデザインされた第1部材に2以上の雌又は雄係脱具1,2を取り付ける場合を例示している。この例によると、熊の顔を意匠的にデザインしたものであり、図28に示すように幼児用衣料30の前開き部分に取り付けることができ、図27に示すように同じ部署を2組の雌雄の係脱具1,2で係着できるため、幼児などの激しい動作にも十分に耐えられる係着強度が得られる。 【0116】図示例では、同一テープT上に長さ方向に所定の間隔をおいて形成される複数の取付孔3が、テープTの幅方向に2列並んで配されており、幅方向に隣り合う取付孔3を左右の目として、熊の顔にデザインされた単一の第1部材10をテープTに一体成形している。この第1部材10の成形を終えたのちに、前記左右の目に当たる開口部10aに雌又は雄の係脱部材11,12を一体的に取り付ける。このとき、前記係脱部材11,12の樹脂材料に顔料等を混入して、第1部材10の樹脂材料と異なる色彩で成形すれば、意匠的にも極めて楽しい係脱具となる。 【0117】図29及び図30は、雌及び雌の係脱部材11,12の双方に磁性を有する樹脂材料を使用して、雌及び雄の係脱具1,2の係脱を磁力によりなすようにした例を示している。すなわち、雌及び雄の各係脱部材11,12の樹脂材料にフェライト磁石の粉末を混入し、第1部材である基材10の中央開口部10aに、それぞれ雌又は雄の係脱部材11,12を成形により一体化している。前記雌係脱部材11の係脱部11bを単純な円形断面の凹陥部とし、雄係脱部材12の係脱部12hを前記雌の係脱部11bに嵌合する円柱状に突出させているに過ぎない。 【0118】また、図31は同じく雌及び雄の係脱具1、2の係脱力に磁力を利用する例を示しており、この例では雄係脱部材12と基材10との間に中間部材13を介装している。前記中間部材13は樹脂材料にフェライト磁石の粉末が混入されており既述した実施例と同様に基材10の開口部10aに、同じく中央に開口部13aを有するリング状の中間部材を成形により一体化する。次いで、中間部材13の開口部13aに雄係脱部材12を一体成形して雄テープ付き係脱具が製造される。このときの雄係脱部材12は基部12aがくびれており、周囲に膨出する係脱頭部をもたない単純な円柱状の係脱部12hが前記中間部材13から起立して成形一体化されているに過ぎない。この例にあって、特に第1部材(基材)10、中間部材13の樹脂材料にそれぞれ異なる色の顔料などを混入することにより、単一の雄係脱具2に複数の彩色が付与できる。 【0119】図32及び図33は本発明のテープ付き係脱具に、衣服などに対して脱着自在な構造をもたせて、同テープTを単独の雌又は雄留め具31,32として使用する場合を例示している。すなわち、図32に示す例では、同テープ付き係脱具が雌留め具31である場合を示し、テープTが短冊状の天然又は合成の皮革から構成され、その長さ方向の中間部を折畳み可能にするためプレス線P1を形成すると共に、同プレス線P1により区画された左右小片T1,T2の周縁に沿って矩形状のプレス線P2を形成する。矩形状のプレス線P2の形状は矩形である必要はなく、同プレス線P2により任意の模様が形成されればよい。そして、前記左右の小片T1,T2のうちの一方に2個の雌係脱具1が取り付けられ、他方の端部に1個の雄係脱具2が一体的に取り付けられている。 【0120】一方、図33は同テープ付き係脱具が雄留め具32である場合を示し、前記雌留め具と同様にテープTが短冊状の天然又は合成の皮革から構成され、その長さ方向の中間部を折畳み可能にするためプレス線P1を形成すると共に、同プレス線P1により区画された左右小片T1,T2の周縁に沿って矩形状のプレス線P2を形成する。そして、前記左右の小片T1,T2のうちの一方に1個の雌係脱具1及び1個の雄係脱具2がそれぞれ一体に取り付けられ、他方の小片T2の端部に1個の雄係脱具2が一体的に取り付けられている。 【0121】図34及び図35は、前述の雌雄の各留め具31,32を被服などに取り付けるときの取付態様と被服の留め具としての前記各留め具31,32の使用態様とを示している。いま、前記雌又は雄の留め具31,32を被服などに取り付ける場合には、同被服などの留め具取付部に雄係脱部材12の係脱部12iが挿通できる挿通孔を予め形成しておく。図32に示す雌留め具31を被服などの前記留め具取付部に取り付けるときは、同雌留め具31を折り畳み線であるプレス線P1に沿って折り畳むと共に、前記雌留め具31の端部に取り付けられた上記雄係脱具2の係脱部12iを前記挿通孔に挿通して、対応する雌係脱具1に係着させることにより行われる。こうして雌留め具31を取り付けると、2個が並んで取り付けられた雌係脱具1の1つが左右前開きの合せ面に露呈する。この雌係脱具1が雌留め具として機能する。 【0122】一方、雄留め具32を被服などの前記雌留め具31の対向位置に取り付けるときは、同雄留め具32を前記雌留め具31と同様に折り畳み線であるプレス線P1に沿って折り畳むと共に、前記雄留め具32の端部に取り付けられた上記雄係脱具2の係脱部12iを前記挿通孔に挿通して、対応する雌係脱具1に係着させると、1個の雄係脱具2が左右前開きの合せ面に露呈する。この雄係脱具1が雄留め具として機能する。図35は、左右前開き部に取り付けられた対応する雌留め具31の雌係脱具1に雄留め具32の雄係脱具2を係着させた状態を示している。これらの雌及び雄留め具31,32を被服などから取り外すときは、各留め具31,32で係着している雌及び雄の係脱具1,2を外すだけで済む。このように、この例によれば好みや破損などに応じて、雄及び雌の留め具31,32を容易に交換することが可能となる。 【0123】そして、図32及び図33からも理解できるように、同一テープ上に前記雌及び雄の係脱具1,2を任意の配列で、しかも雄係脱具2の係脱部12iをテープTの表裏に突出させて容易に取り付けることができる。すなわち、本発明のテープ付き係脱具にあって、第1部材である基材10を雌係脱具1としての機能をもたせた構造に成形すれば、テープTの長さ方向に予め同一ピッチで雌係脱具1を一体成形して取り付けておき、そのうちの任意の雌係脱具1を第1部材として、その開口部10aに第2部材としての雄係脱部材12、或いは更に別な係脱部を有する雌係脱部材11を一体的に取り付けることが可能である。かかる対応は、本発明であればこそ可能なものである。 【0124】図36及び図37は本発明のテープ付き係脱具をスライドファスナーのスライダー用引手とする場合の例を示しており、図38は本発明のテープ付き係脱具を、例えば袋物などの長さ調節自在の留めバンドABとして使用する例を示している。これらの例は、図32及び図33に示したと同様に本発明のテープ付き係脱具が効率的に且つ多様な態様で製造できることを示すものである。なお、図示は省略したが、図36に示した形態のテープ付き係脱具であれば、例えばスライダー用引手と同様に袋物の手提げ部に取り付ければ、袋物などの吊下げ具としても使用できる。 【0125】すなわち、本発明のテープ付き係脱具を使って、図36に示すようなスライドファスナーのスライダー用引手PTを製造するときは、先ず長尺のテープTに所定のピッチで形成された複数の取付孔の全てに第1部材である基材10を成形一体化したのち、所望数(図示例では4個)の基材10のうち端部側の1個の基材10の開口部10aに雄係脱部材12を成形により一体に取り付ける。こうして製造された長尺のテープ付き係脱具を、図36Aに仮想線で示す切断線CLに沿って切断する。この切断に先立って、同図に示すように端部側の雄係脱具2と隣合う雌係脱具1との間のテープ部分に予め熱処理を施してテープ幅を縮小させてもよい。そして、前記切断された端部に縫着などの端部処理を行い、同図Bに示す形態をもつテープを得る。このテープの雄係脱具2が取り付けられた端部を、図37に示すようにスライダーFSの引手環STに挿入して折り返し、対向する雌係脱具1に対して前記雄係脱具2を係着して引手PTとする。 【0126】図38は、本発明のテープ付き係脱具を、例えば鞄などの開閉蓋片をもって本体の開口部を閉塞固定するときに使われる長さ調節自在な留めバンドABに適用した例を示している。すなわち、前述の例と同様に製造されたテープTの雄係脱具2が取り付けられた側の一端を鞄本体27に縫着等により取り付ける。鞄本体27の開口部を開閉蓋28には、一端に連結環29aをもつバンド29の端部が縫着などにより取り付けられている。いま、鞄本体27の開口部を前記開閉蓋28によって閉鎖するときは、前記テープTの自由端を前記開閉蓋28側の連結環29aに挿通して折り返し、端部の雄係脱具2を同テープTに取り付けられた対応する雌係脱具1に係着する。前記テープTには複数の雌係脱具1が取り付けられているため、鞄の収納量の大小により任意の雌係脱具1に前記雄係脱具2を係着させることが可能である。 【0127】図39は本発明のテープ付き係脱具を適用したロンパース33を示している。ロンパース33は、図示のように前身頃とレッグ部が、首部から左右の膝部にかけて連続して開閉できるように構成されており、通常はその前開き部分に沿って雄雌のスナップファスナーが左右対応して取り付けられている。このスナップファスナーの取り付け間隔は、取り付け部所により変更される場合が多く、また雄雌の配列も一様でない場合が多い。 【0128】本発明のテープ付き係脱具は、既述したとおり、その係脱具1,2の種類は勿論、それらの配列順序や配列間隔も任意に設定できることから、使い勝手に優れたロンパース33が得られる。図40Aは、同一テープ上に雌係脱具1と雄係脱具2とを長さ方向に2分して配列すると共に、その配置間隔を一部で異なる間隔としたテープ付き係脱具Taの一例を示し、図40Bでは前記配列間隔をもって同一テープ上に全て同種類の雄係脱具2を配列したテープ付き係脱具Tbの一例を示しており、図40C前記配列間隔をもって同一テープ上に全て同種類の雌係脱具1を配列したテープ付き係脱具の一例を示している。これらのテープ付き係脱具Ta〜Tcは、図39に示すようにロンパース33の前開き部に沿って取り付けることで係脱操作に優れ、且つ幼児などの敏感な肌にも優しい係脱部を構成できる。 【0129】また、図41Aは同一テープ上の長さ方向の半分に5個の雌係脱部材1を連続して一体に取り付けると共に、残る半分に5個の雄係脱具2を連続して一体に取り付けているテープ付き係脱具T4の例を示している。この例に挙げた3本のテープ付き係脱具Tdを、同図Bに示すような配置で上記ロンパース33の前開き部分に沿って縫着などにより取り付けるだけで、ロンパース33の開閉留め具として十分に機能する。 【0130】図42は、本発明のテープ付き係脱具を、そのままカーテン34の上端縁に沿って取り付けられるヘッダーテープ35として使い、同じく本発明のテープ付き係脱具をカーテン吊下げテープ36とする例を示している。図示例によれば、本発明の第1部材である基材10は外形が方形状をなし、その中央部に開口部を有しており、雌係脱具としても機能する構造からなる。そして、前記ヘッダーテープ35の係脱具は前記基材10を雌係脱具として使っており、前記カーテン吊下げテープ36の基材10に雄係脱部材12を成形により一体化して雄係脱具2としている。また、本実施例では前記カーテン吊下げテープ36の長さ方向に延びる一側縁に沿って所要の間隔をおいてカーテンランナー37に引っ掛けるためのフックからなる合成樹脂製の脱着部材37aが成形により一体に取り付けられている。前記脱着部材37aは金属材料から構成される場合もある。 【0131】図43は、本発明における第2部材を鉤状に構成した例を示しており、本発明のテープ付き係脱具の両端に中央に開口部10aを有するリング状の基材10を一体に成形すると共に、一方の基材10の開口部10aに前記鉤状の雄係脱部材17を一体に成形するものである。図44は、かかる構成をもつテープ付き係脱具を絵画の吊下げテープ38として使用する場合を例示している。すなわち、鴨居や長押に取り付けられたフック材39を前記吊下げテープ38の上端に成形された基材10の開口部10aに差し込み、同テープ38の下端に成形された鉤状の雄係脱部材17をもつ雄係脱具12の鉤状部分に絵画などの吊輪40を引っ掛けて、絵画などを吊り下げる。 【0132】図45及び図46は、本発明における第2部材であるリング部19cを有する紐通し部材19をテープ状に成形一体化された第1部材である基材10の開口部10aに一体に成形したカーテン開閉用テープ41の一例を示している。このカーテン開閉用テープ41を製造するには、図45の左上側に示すようにテープTに予め形成された取付孔3に中央に開口部10aを有する方形状の基材10を一体成形により取り付け、同基材10の前記開口部10aに前記紐通し部材19を成形により一体化させる。前記紐通し部材19は、図45及び図46から明らかなように、前記開口部10aの内周面に成形一体化される基部19aと、前記開口部10aから外方に直立してテープ長さ方向に開口する紐通し孔19bを有する上記リング部19cとを有する板状小片からなる。 【0133】かかる構成を備えた複数本のカーテン開閉用テープ41が、図47に示すようにカーテン34の裏面に前記リング部19cを外部に露呈させて縫着などにより上下方向に並設される。前記リング部19cの各紐通し孔19bにはそれぞれ紐材42が挿通され、各紐材42の上端をカーテンボックス43等に沿って固設されたリングや滑車からなる案内部材44を介して、カーテン34の左右端縁部の近傍から下方に垂下させる。一方、前記紐材42の下端にはストッパ42aが取り付けられ、紐材42の垂下端が引っ張られたとき、挿通されている各リング部19cの紐通し孔19bから引き抜かれないようにしている。 【0134】いま、各紐材42の垂下端を下方に引けば、図48に示すようにカーテン34は襞を作りながら下端部から引き上げられて開かれる。この状態で紐材40の垂下端を放せば、カーテン34の重量でストッパ42aの方向に引き取られて、カーテン41が閉まる。なお、図示例では前記本発明の係脱具付きテープをカーテン開閉用テープ41として使用する場合を例示したが、同様の構成からなる係脱具付きテープを巾着型の袋物の開口部に取り付けると、同袋物の開閉用テープとしても使用することが可能であり、図示例は開閉用テープの典型例を示しているに過ぎない。 【0135】図49及び図50は、上記実施例の係脱具類と異なる形態をもつ係脱具を固着したテープTの実施例を示している。この実施例による雌係脱具21は図49のBに示すように矩形枠状の第1部材である基材210と同基材210の中央開口部210aに基部211aを一体的に固着して第2部材である雌係脱部材211が成形されている。前記雌係脱部材211の形態は、図49及び図50からも明らかなように直方形をなす基部211aの一表面に突設された雌係脱部211bがテープTの長さ方向に見たとき門型をなすと共に奥部に側壁211b′を有している。 【0136】一方、雄係脱具22は同じく矩形枠状の基材210の中央開口部210aに基部212aを一体的に固着して第2部材である雄係脱部材212が成形されている。前記雄係脱部材212の形態は、図49Aにも明示するように直方形をなす基部212aの一表面に突設されたフック部となる雄係脱部212bがテープTの側方から見たとき逆L字状をなしている。 【0137】かかる形態をもつ雌係脱具21と雄係脱具22とは、図50に示すように雄係脱部212bのフック部が雌係脱部211bの門型部分に係脱する。この実施例によるテープ付き係脱具は雌係脱部211b及び雄係脱部212bを硬質材料で構成し、それらの突出高さもできるだけ低く設定することが好ましく、下着、ブラジャー、ベビー服などの係脱具として使用する。 【0138】以上は本発明の代表的な実施例を説明したに過ぎず、本発明は上記請求項に記載された精神の範囲内において多様な変形が可能であることは上述の説明からも十分に理解されよう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006828 【氏名又は名称】ワイケイケイ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】野口 武男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−318519 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−138722 |
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