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【発明の名称】 ヘルメットの緩衝構造
【発明者】 【氏名】草皆 茂則

【要約】 【課題】緩衝体の構造を工夫することにより、厚みを増すことなく衝撃吸収作用の向上を図る。

【解決手段】ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体を立方状の多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に変形体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填する。一方の部屋に充填された素材自体の変形応力に加えて、他方の部屋の気体圧縮の応力も衝撃吸収に関与するから、単一の素材のみの衝撃吸収作用に比べ、同一の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ることができるうえ、一方の部屋と他方の部屋の並べ方を工夫することにより、緩衝作用の部分的な強弱調整を簡単に行うことができ、衝撃の方向を考慮した適切な耐衝撃性を有するヘルメットを容易に設計できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体を多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に変形体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填したことを特徴とするヘルメットの緩衝構造。
【請求項2】 前記変形体を液体にしたことを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項3】 前記部屋を五角柱又は六角柱状にしたことを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項4】 前記変形体を液体にするとともに、前記一方の部屋と他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したことを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項5】 前記変形体を液体にするとともに、前記外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したことを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項6】 ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体を多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に所定の電解液を主成分とする液体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填し、さらに、該液体を充填した部屋に、対向する一対の電極を設けたことを特徴とするヘルメットの緩衝構造。
【請求項7】 前記一対の電極の同一極性の電極を一体的に成形したことを特徴とする請求項6記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項8】 前記一体的に成形した電極の異極同士を接続する接続手段を設けたことを特徴とする請求項7記載のヘルメットの緩衝構造。
【請求項9】 前記電極から取り出した電圧をヘルメットの電子機器に供給することを特徴とする請求項6、請求項7又は請求項8記載のヘルメットの緩衝構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭部を衝撃から保護するために用いられるヘルメットの緩衝構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘルメットは、オートバイやレース用車両のドライバー、工事現場の作業員又は航空機の搭乗員や地上戦闘員など危険な業務に従事する人の安全装具の一つであり、用途に適した様々な形状のものが用いられている。図15は車両用ヘルメットの例であり、特に限定しないが、フルフェイス型と呼ばれるものである。図において、1は硬質プラスチックなどで形成された外皮、2はその内側に装着された緩衝体である。なお、3は風やほこり除けのための透明又は色付のシールド、4は緩衝体2の表面を覆う保護布である。このような構成において、ヘルメットの外皮1に加えられた衝撃(外皮1の破壊を招かない程度の衝撃)は緩衝体2によって吸収され、頭部へのダメージ抑制が図られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のヘルメットにあっては、緩衝体2に、スポンジや発泡ウレタンなどの弾性体を用いる構成となっていたため、その衝撃吸収作用は、専らスポンジや発泡ウレタンなどの素材自体の弾性に依存することとなり、例えば、安全性を高めようとすると、緩衝体2の厚みを増さなければならず、この場合、ヘルメットの大型化を招くという問題点がある。
【0004】そこで本発明は、緩衝体の構造を工夫することにより、厚みを増すことなく衝撃吸収作用の向上を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体を立方状の多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に変形体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填したことを特徴とする。請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記変形体を液体にしたことを特徴とする。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記部屋を五角柱又は六角柱状にしたことを特徴とする。請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記変形体を液体にするとともに、前記一方の部屋と他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したことを特徴とする。請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記変形体を液体にするとともに、前記外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したことを特徴とする。
【0007】請求項6に係る発明は、ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体を多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に所定の電解液を主成分とする液体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填し、さらに、該液体を充填した部屋に、対向する一対の電極を設けたことを特徴とする。請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記一対の電極の同一極性の電極を一体的に成形したことを特徴とする。請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記一体的に成形した電極の異極同士を接続する接続手段を設けたことを特徴とする。請求項9に係る発明は、請求項6、請求項7又は請求項8に係る発明において、前記電極から取り出した電圧をヘルメットの電子機器に供給することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、従来例と同様なフルフェイス型のヘルメットに適用した一実施例として図面を参照しながら説明する。
A.第1の実施の形態図1において、10はヘルメットの外皮、11は外皮10の内側に装着された緩衝体、12は保護布である。緩衝体11は、立方状の多数の部屋を並べて構成されている。各部屋は、スポンジや発泡ウレタンなどの弾性体(変形体)を充填した第1の部屋13(ドットで塗りつぶした部分;特許請求の範囲の一方の部屋に相当)と、気体(空気でもよい)を充填した第2の部屋14(白抜きの部分;同他方の部屋に相当)とからなっており、第1の部屋13と第2の部屋14が大部分で交互に並ぶように適当にレイアウトされている。
【0009】このような構成において、衝撃が加わらない安定状態では、図2(a)に示すように第1の部屋13と第2の部屋14はその形状を殆ど変えないが、衝撃が加えられた場合は同図(b)に示すように、その衝撃印加部分の第1の部屋13と第2の部屋14の形状が大きく変化することになる。そして、第1の部屋13と第2の部屋14の下側が図示を略した頭部に接していると仮定すれば、その変化の方向は図面の横方向となり、結局、第1の部屋13の側壁が第2の部屋14の容積を圧迫するように突出変形することになる。
【0010】したがって、本実施の形態によれば、第1の部屋13に充填された素材自体の弾性応力(変形応力)に加えて、第2の部屋14の気体圧縮の応力も衝撃吸収に関与するから、従来技術のようにスポンジや発泡ウレタンといった単一の素材のみの衝撃吸収作用に比べ、同一の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ることができるうえ、第1の部屋13と第2の部屋14の並べ方を工夫することにより、緩衝作用の部分的な強弱調整を簡単に行うことができ、衝撃の方向を考慮した適切な耐衝撃性を有するヘルメットを容易に設計することができるという特有の効果が得られる。
【0011】B.第2の実施の形態図3において、20はヘルメットの外皮、21は外皮20の内側に装着された緩衝体、22は保護布である。本例の緩衝体21は、多数の部屋を並べて構成されている点で上記例と共通するが、各部屋の形状が五角柱状又は六角柱状である点で相違する。図4は六角柱状にした部屋の外観図であり、この部屋は、六角形の二つの壁面a、bと矩形状の六つの壁面c〜hを有している。そして、各部屋は、上記例と同様に、スポンジや発泡ウレタンなどの弾性体(変形体)を充填した第1の部屋23(ドットで塗りつぶした部分)と、気体(空気でもよい)を充填した第2の部屋24(白抜きの部分)とからなっており、第1の部屋13と第2の部屋14が大部分で交互に並ぶように適当にレイアウトされている。
【0012】このような構成において、衝撃を受けた場合の第1の部屋23の変形は、上記例と同様に、第2の部屋24の容積を圧迫するように行われるが、本例においては、第1の部屋23と第2の部屋24を六角柱状にしたため、その変形方向が外皮20の略鉛直方向(イ)だけでなく、左右上下の斜め方向(ロ〜ホ)にも行われるから、衝撃の方向を多方向に分散して衝撃吸収の性能向上を図ることができるという特有の効果が得られる。
【0013】C.第3の実施の形態以上二つの例では第1の部屋(13、23)にスポンジや発泡ウレタンなどの変形体としての弾性体を充填しているが、変形体はこれに限らない。例えば、以下に示すように液体を用いることもできる。図5において、30は樹脂等からなる緩衝体であり、本例の緩衝体30は、液体31を充填した第1の部屋32と、気体を充填した第2の部屋33とを交互に並べて構成されている。ここで、第1の部屋32と第2の部屋33を隔てる壁は一部が薄くなっており、この部分の強度を弱めている。以下、同部を脆弱部34という。
【0014】このような構成において、緩衝体30に衝撃が加わると、第1の部屋32は第2の部屋33の容積を圧迫するように変形し、この変形によって衝撃吸収の作用が得られるが、特に本例においては、大きな衝撃が加わった場合に、図6に示すように脆弱部34が破れて液体31が第2の部屋33に勢いよく噴出するため、噴出エネルギーに相当する衝撃力の吸収作用も得られ、大きな衝撃から頭部を保護できるという安全性向上の特有の効果が得られる。
【0015】D.第4の実施の形態本例は、液体をヘルメットの外部に噴出するようにしたものである。図7において、本例におけるヘルメットの外皮40には、多数の穴41が開けられており、それぞれの穴41の縁は、図8(a)に示すように、外皮40の内側に装着された緩衝体42の表面方向にその先鋭部が突出している。なお、本例の緩衝体42は、脆弱部がない点を除き上記例(図5の例)と同一である。すなわち、液体43を充填した第1の部屋44と、気体を充填した第2の部屋45とを交互に並べて構成されている。
【0016】このような構成において、ヘルメットに大きな衝撃が加わると、図8(b)に示すように、外皮40に開けられた穴41の縁が緩衝体42の表面に強く接し、その先鋭部分によって緩衝体42の壁が破られるため、上記例(図5の例)と同様に、液体43の噴出エネルギーによる衝撃力の吸収作用が得られるほか、本例においては、噴出した液体43がヘルメットの外皮40の表面で視認できるため、そのヘルメットの使用不能を容易に判断でき、衝撃を受けたヘルメットの不用意な装着を確実に回避できるという特有の効果が得られる。
【0017】E.第5の実施の形態本例は変形体に液体を用いる点で上記例と共通するが、その液体を利用して電池の機能を実現する点で大きく相違する。図9において、50は樹脂等からなる緩衝体であり、本例の緩衝体50は、上記例(図5の例)と同様に液体51を充填した第1の部屋52と、気体を充填した第2の部屋53とを交互に並べて構成されているが、液体51の主成分が所定の電解液である点、第1の部屋52の対向二面に各々アノード電極54(+電極)とカソード電極55(−電極)が取り付けられている点、各第1の部屋52のアノード電極54に接続された第1のケーブル56を有する点、及びカソード電極55に接続された第2のケーブル57を有する点で相違する。なお、本例の第1の部屋52には脆弱部(図5の符号34参照)が設けられていないが、大きな衝撃力を考慮するのであれば、設けておくのが望ましい。
【0018】このような構成によれば、上記各例と同様の衝撃吸収作用が得られるほか、第1の部屋52内部の酸化還元反応に伴うエネルギーの放出を第1のケーブル56と第2のケーブル57の間から電気エネルギーとして取り出すことができ、ヘルメットに装着された照明や電子機器などに電源を供給できるという特有の効果が得られる。
【0019】F.第6の実施の形態本例は、上記第5の実施の形態の変形例であり、同例におけるアノード電極54及びカソード電極55の好ましい平面形状を示すものである。図10において、60〜67は各々電極(アノード電極54又はカソード電極55)であり、各電極60〜67は飛び飛びに2列に並べられており、隣り合う電極(例えば、電極60と電極61)のコーナーの間がブリッジ68〜74で結ばれ、全体が一体的に形成されている。このような構成の電極60〜67によれば、上記第5の実施の形態における第1及び第2のケーブル56、57が不要になるから、部品点数を減らして構成の簡素化と組み立ての容易化を図り、製造コストを引き下げることができるとともに、ケーブルの断線等の故障要因をなくして信頼性の向上を図ることができるという特有の効果が得られる。
【0020】G.第7の実施の形態本例は、上記第6の実施の形態の変形例であり、電池のセル電圧の直列取り出しを可能にしたものである。図11において、80〜85は電極列であり、各々の電極列80〜85は、多数の個別電極※A〜※G(※は電極列の符号、例えば電極列80は80A〜80Gの個別電極からなる:以下同様)と、隣り合う個別電極の間を結ぶブリッジ※H〜※Mとから構成されている。なお、図面では一部の個別電極やブリッジだけに符号を与えているが、これは図面の輻輳を避けるためである。
【0021】ここで、各電極列80〜85に第1から第6の番号を付けて、各々の位置関係を説明する。まず、第1の電極列80は、図面の右上から左下に向かって配列されており、第2の電極列81と第3の電極列82は、第1の電極列80と同一層で且つ第1の電極列80と平行に配列されている。そして、第4の電極列83は第1の電極列80の下側に、第5の電極列84は第2の電極列81の下側に、また、第6の電極列85は第3の電極列82の下側にそれぞれ配列されており、第1の電極列80と第4の電極列83の間、第2の電極列81と第5の電極列84の間、及び第3の電極列82と第6の電極列85の間にそれぞれ液体(所定の電解液:図9の符号51参照)を介在させている。
【0022】第1〜第6の電極80〜85の極性は、この例の場合、奇数番目の電極列(第1の電極列80、第3の電極列82及び第5の電極列84)が正(+)極性であり、偶数番目の電極列(第2の電極列81、第4の電極列83及び第6の電極列85)が負(−)極性である。そして、本実施の形態における特徴の一つは、第1〜第6の電極列80〜85が直列につながるように、異極同士の電極列の間に接続手段を設けた点にあり、図では、第4の電極列83の個別電極83Fと第5の電極列84の個別電極84Eの間に設けられたブリッジ86と、第2の電極列81の個別電極81Dと第3の電極列82の個別電極82Cの間に設けられたブリッジ87が接続手段に相当する。
【0023】このような構成によれば、第1の電極列80→液体→第4の電極列83→ブリッジ86→第5の電極列84→液体→第2の電極列81→ブリッジ87→第3の電極列82→液体→第6の電極列85という接続関係になり、対向する一対の電極列と液体とによって構成される複数の電池セル(図では三つの電池セル)を直列に接続でき、大きな電圧を取り出すことができるという特有の効果が得られる。
【0024】すなわち、図12は図11のA−A断面図、図13はその等価回路図であるが、これらの図に示すように、第1の電極列80の個別電極80Gから第6の電極列85の個別電極85Bまでが直列に接続され、その間に、(1)個別電極80G、液体88及び個別電極83Gからなる電池セルB1と個別電極80F、液体89及び個別電極83Fからなる電池セルB2との並列電池B3、(2)個別電極84E、液体90及び個別電極81Eからなる電池セルB4と個別電極84D、液体91及び個別電極81Dからなる電池セルB5との並列電池B6、(3)個別電極82C、液体92及び個別電極85Cからなる電池セルB7と個別電極82B、液体93及び個別電極85Bからなる電池セルB8との並列電池B9が直列に接続されるので、両端の個別電極80G、85Bからそれぞれケーブル94、95を引き出せば、これらのケーブル94、95より、電池B3、B6及びB9の加算電圧を取り出すことができる。
【0025】図14は、本実施の形態の応用例である。この図において、100はヘルメットの外皮、101はヘルメットに装着された電子機器(特に限定しないが本例ではヘッドアップディスプレイ)、102は緩衝体、103はシールドである。ヘッドアップディスプレイ101は、ケース104の内部の投射器105からの画像を半透明ミラー106に映し出し、外の景色と虚像107とを重ね合わせて視覚化するものであり、仮想体験システムや戦闘機の射撃管制システムあるいは地上兵士の戦闘管理システムに用いられているものである。
【0026】一般にこれらのシステムでは、機体や体に装着したバッテリから電源ケーブルを引き出しているが、邪魔であるうえ、ケーブルの切断や脱落を否めず、信頼性や使い勝手が悪かったものの、本実施の形態を応用すれば、ヘルメット自体で電源を賄えるため、かかる不都合を全く生じないから好都合である。すなわち、図示のヘルメットでは、緩衝体102の内部に設けられた複数の電池(図では、B10〜B14の五つの電池)とヘッドアップディスプレイ101との間を図示を略したケーブルで接続して、ヘッドアップディスプレイ101に必要な電源をヘルメット自体で賄っている。また、電池10〜B14の充電のためのコネクタ108をヘルメットの外皮100に設けている。
【0027】したがって、かかるヘルメットを、仮想体験システムや戦闘機の射撃管制システムあるいは地上兵士の戦闘管理システムに用いれば、バッテリを持ち歩いたり、機体から電源を取得したりする必要がなくなるため、信頼性や使い勝手の向上を図ることができるという特有の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、一方の部屋に充填された素材自体の変形応力に加えて、他方の部屋の気体圧縮の応力も衝撃吸収に関与するから、従来技術のように単一の素材のみの衝撃吸収作用に比べ、同一の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ることができるうえ、一方の部屋と他方の部屋の並べ方を工夫することにより、緩衝作用の部分的な強弱調整を簡単に行うことができ、衝撃の方向を考慮した適切な耐衝撃性を有するヘルメットを容易に設計できる。請求項2に係る発明によれば、緩衝体に衝撃が加わると、一方の部屋は他方の部屋の容積を圧迫するように変形し、この変形によって衝撃吸収の作用が得られるが、特に大きな衝撃が加わった場合に、一方の部屋と他方の部屋の間の壁が破れて液体が勢いよく噴出するため、噴出エネルギーに相当する衝撃力の吸収作用も得られ、大きな衝撃から頭部を保護できるという安全性向上に有益な効果が得られる。
【0029】請求項3に係る発明によれば、一方の部屋と他方の部屋を五角柱又は六角柱状にしたので、衝撃の方向を多方向に分散して衝撃吸収の性能向上を図ることができる。請求項4に係る発明によれば、一方の部屋と他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したので、ある程度の衝撃でも壁を破ることができ、耐衝撃性能の向上を図ることができる。
【0030】請求項5に係る発明によれば、ヘルメットの外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したので、衝撃印加時にこの先鋭部によって緩衝体を破ることができ、所要の衝撃吸収作用を選られるうえ、液体の噴出をヘルメットの外部から視認できるため、衝撃を受けたヘルメットを容易に識別して使用不可を確実に判断できる。請求項6に係る発明によれば、所定の電解液を主成分とする液体で変形体を形成するとともに、該液体を充填した部屋に、対向する一対の電極を設けたので、ヘルメット内部に電池を構成できる。請求項7に係る発明によれば、一対の電極の同一極性の電極を一体的に成形したので、電極間を結ぶケーブルを不要にして構成の簡素化と信頼性の向上を図ることができる。請求項8に係る発明によれば、一体的に成形した電極の異極同士を接続する接続手段を設けたので、電池セルの電圧を直列に取り出すことができる。請求項9に係る発明によれば、電極から取り出した電圧をヘルメットの電子機器に供給するので、仮想体験システムや戦闘機の射撃管制システムあるいは地上兵士の戦闘管理システムに適用して好適なヘルメットを実現できる。
【出願人】 【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジャトコ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
【公開番号】 特開平11−286822
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−93729