| 【発明の名称】 |
衣服の型紙作成方法及びこの方法を用いた衣服の型紙作成システム |
| 【発明者】 |
【氏名】坂口 嘉之
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| 【要約】 |
【課題】顧客の体型に適した衣服の型紙を簡単かつ容易に作成する。
【解決手段】標準衣服画像作成部で標準体型モデルの立体画像に型紙を着せ付けるように変形し、かつ、縫製して標準衣服の立体画像が作成される。モデル画像作成部202で入力部5から入力された顧客の体型情報に基づき標準体型モデルを変形して顧客の体型を反映した個人体型モデルの立体画像が作成される。第1射影関数演算部203で標準体型モデルと標準衣服との射影関係を示す第1射影関数が算出され、第2射影関数204で標準体型モデルと個人体型モデルとの射影関係を示す第2射影関数が算出される。そして、特製衣服画像作成部205で第1,第2射影関数に基づき標準衣服画像を変形して顧客の体型に適した衣服の立体画像が作成され、更に型紙作成部206でこの衣服の立体画像を用いて型紙が作成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 CG画像を用いて個人体型に適した衣服の型紙を作成する衣服の型紙作成方法であって、予め作成された標準体型モデルの三次元画像と予め作成された当該標準体型モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する第1の工程と、上記標準衣服の三次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第2の工程と、上記標準体型モデルの三次元画像を予め入力された個人体型に関する情報に基づいて変形し、個人体型モデルの三次元画像を作成する第3の工程と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記個人体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第4の工程と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する第5の工程と、上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づいて当該衣服を構成する複数の型紙を作成する第6の工程とからなることを特徴とする衣服の型紙作成方法。 【請求項2】 請求項1記載の衣服の型紙作成方法において、個人体型モデルに適した衣服を構成する複数の型紙は、当該衣服を構成する各型紙の三次元画像を、型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として二次元画像に変換することにより作成されるものであることを特徴とする衣服の型紙作成方法。 【請求項3】 CG画像を用いて個人体型に適した衣服の型紙を作成する衣服の型紙作成システムであって、予め作成された標準体型モデルの三次元画像のデータと予め作成された当該標準体形モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像のデータとが記憶された記憶手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する標準衣服画像作成手段と、上記標準衣服の3次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第1の演算手段と、個人体型に関する情報を入力する入力手段と、入力された個人体型に関する情報に基づき上記標準体型モデルの三次元画像を変形して個人体型モデルの三次元画像を作成するモデル画像作成手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記個人体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第2の演算手段と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する衣服画像作成手段と、上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成する型紙作成手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。 【請求項4】 請求項3記載の衣服の型紙作成システムにおいて、標準衣服、個人体型モデル及び当該個人体型モデルに対応した衣服の各三次元画像の作成プロセス並びに個人体型モデルに対応した衣服を構成する複数の型紙の作成プロセスを表示する表示手段を備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。 【請求項5】 ユーザーからネットワークを介して入力された当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報に基づき、当該ユーザーに対応する仮想的な衣服の三次元画像を作成するとともに、この衣服画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成し、上記ユーザーに提供するサーバーを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。 【請求項6】 請求項5記載の衣服の型紙作成システムにおいて、サーバーは、ユーザーから送信される当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を受信するとともに、作成した型紙の情報を上記ユーザーに送信するサーバー側通信手段と、予め作成された標準体型モデルの三次元画像のデータと予め作成された当該標準体形モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像のデータとが記憶された記憶手段と、上記ユーザーから送信された衣服に関する情報に基づいて選択された上記標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する標準衣服画像作成手段と、上記標準衣服の3次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第1の演算手段と、上記ユーザーから送信された個人体型に関する情報に基づき上記標準体型モデルの三次元画像を変形してユーザー体型モデルの三次元画像を作成するモデル画像作成手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記ユーザー体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第2の演算手段と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記ユーザー体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する衣服画像作成手段と、上記ユーザー体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成する型紙作成手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。 【請求項7】 請求項5又は6記載の衣服の型紙作成システムにおいて、ユーザーは、当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を入力する情報入力手段と、上記ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を送信するとともに、サーバーから送信される型紙情報を受信するユーザー側通信手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。 【請求項8】 請求項3,4,6又は7に記載の衣服の型紙作成システムにおいて、型紙作成手段は、ユーザー体型モデルに対応した衣服を構成する複数の型紙を、当該衣服を構成する各型紙の三次元画像を型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として二次元画像に変換することにより作成するものであることを特徴とする衣服の型紙作成システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、衣服の製造工程における衣服の型紙作成方法に関し、特にコンピュータ・グラフィックス(以下、CGと略称する。)による三次元画像を用いて顧客の体型に適した衣服(いわゆるオーダーメードの衣服)の型紙を作成する衣服の型紙作成方法及びこの方法を用いた衣服の型紙作成システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、アパレルメーカでは、アパレル専用のCAD(Computer Aided Desighn)を用いて衣服の型紙作成が行われている。このCADシステムにおいては、標準の衣服の型紙上に複数の基準線が予め設定されるとともに、この基準線の衣服のサイズの変更に伴う変位量が予め設定されており、任意のサイズの衣服に対する型紙は、指定されたサイズに応じて標準の型紙の基準線を変化させて作成するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の型紙作成方法は、予め設定されたS,M,L,LL等の標準体型の型紙を基準に当該型紙を幾何学的に変形して所望の型紙を作成するようにしているので、標準体型区分毎に当該区分内のラフな型紙変形ができるに過ぎず、顧客の体型に最もマッチした型紙を簡単かつ容易に作成すること(すなわち、顧客のオーダーメードに応じた衣服作成を簡単かつ容易に行うこと)は困難であった。 【0004】また、従来のCADシステムはアパレルメーカ専用に構築されたスタンドアローン方式のシステムであるので、システムが高額であるとともに、当該CADシステムに習熟した特定のオペーレータを必要とし、専門家以外の人が簡単かつ容易に任意サイズの衣服の型紙を作成することは困難であった。言うまでもなく一般ユーザーは、自己の衣服を自作する際に上記CADシステムを利用できる状況にはないので、型紙さえあれば、自作できる場合でも自己の体型に最も適した衣服の正確な型紙を得ることは困難であり、オーダーメードの専門店に頼らざるを得ないこととなっている。 【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、CG三次元画像を用いて任意の体型に適した衣服を構成する正確な型紙を簡単かつ容易に得ることのできる衣服の型紙作成方法及びこの方法を用いた衣服の型紙作成システムを提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、CG画像を用いて個人体型に適した衣服の型紙を作成する衣服の型紙作成方法であって、予め作成された標準体型モデルの三次元画像と予め作成された当該標準体形モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する第1の工程と、上記標準衣服の三次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第2の工程と、上記標準体型モデルの三次元画像を予め入力された個人体型に関する情報に基づいて変形し、個人体型モデルの三次元画像を作成する第3の工程と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記個人体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第4の工程と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する第5の工程と、上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づいて当該衣服を構成する複数の型紙を作成する第6の工程とからなるものである。 【0007】また、請求項2記載の発明は、上記衣服の型紙作成方法において、個人体型モデルに適した衣服を構成する複数の型紙は、当該衣服を構成する各型紙の三次元画像を、型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として二次元画像に変換することにより作成されるものである。 【0008】また、請求項3記載の発明は、CG画像を用いて個人体型に適した衣服の型紙を作成する衣服の型紙作成システムであって、予め作成された標準体型モデルの三次元画像のデータと予め作成された当該標準体形モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像のデータとが記憶された記憶手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する標準衣服画像作成手段と、上記標準衣服の3次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第1の演算手段と、個人体型に関する情報を入力する入力手段と、入力された個人体型に関する情報に基づき上記標準体型モデルの三次元画像を変形して個人体型モデルの三次元画像を作成するモデル画像作成手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記個人体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第2の演算手段と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する衣服画像作成手段と、上記個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成する型紙作成手段とを備えたものである。 【0009】また、請求項4記載の発明は、上記衣服の型紙作成システムにおいて、標準衣服、個人体型モデル及び当該個人体型モデルに対応した衣服の各三次元画像の作成プロセス並びに個人体型モデルに対応した衣服を構成する複数の型紙の作成プロセスを表示する表示手段を備えたものである。 【0010】また、請求項5記載の発明は、ユーザーからネットワークを介して入力された当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報に基づき、当該ユーザーに対応する仮想的な衣服の三次元画像を作成するとともに、この衣服画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成し、上記ユーザーに提供するサーバーを備えたものである。 【0011】また、請求項6記載の発明は、衣服の型紙作成システムにおいて、サーバーは、ユーザーから送信される当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を受信するとともに、作成した型紙の情報を上記ユーザーに送信するサーバー側通信手段と、予め作成された標準体型モデルの三次元画像のデータと予め作成された当該標準体形モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像のデータとが記憶された記憶手段と、上記ユーザーから送信された衣服に関する情報に基づいて選択された上記標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて、各型紙の画像を上記標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形するとともに、変形後の各型紙の画像を予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより上記標準衣服の三次元画像を作成する標準衣服画像作成手段と、上記標準衣服の3次元画像と上記標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数を算出する第1の演算手段と、上記ユーザーから送信された個人体型に関する情報に基づき上記標準体型モデルの三次元画像を変形してユーザー体型モデルの三次元画像を作成するモデル画像作成手段と、上記標準体型モデルの三次元画像と上記ユーザー体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数を算出する第2の演算手段と、上記第1及び第2の射影関数を用いて上記標準衣服の三次元画像を変形することにより上記ユーザー体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成する衣服画像作成手段と、上記ユーザー体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成する型紙作成手段とを備えたものである。 【0012】また、請求項7記載の発明は、上記衣服の型紙作成システムにおいて、ユーザーは、当該ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を入力する情報入力手段と、上記ユーザーの体型に関する情報及び衣服に関する情報を送信するとともに、サーバーから送信される型紙情報を受信するユーザー側通信手段とを備えたものである。 【0013】また、請求項8記載の発明は、上記衣服の型紙作成システムにおいて、型紙作成手段は、ユーザー体型モデルに対応した衣服を構成する複数の型紙を、当該衣服を構成する各型紙の三次元画像を型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として二次元画像に変換することにより作成するものである。 【0014】上記衣服の型紙作成方法又は衣服の型紙作成システムによれば、まず、予め作成された標準体型モデルの三次元画像(例えば標準的な体型を有する人体の三次元モデル画像)に対して、予め作成された当該標準体型モデルに対応した標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像を標準体型モデルの対応する部位に対向配置し、各型紙の三次元画像を標準体型モデルの対応する部位に着せ付けるように変形した後、予め設定された縫製情報に基づいて合成することにより標準衣服の三次元画像が作成される。そして、標準衣服の三次元画像と標準体型モデルの三次元画像とを用いて標準衣服と標準体型モデルとの対応関係を示す第1の射影関数が算出される。この第1の射影関数は、例えば標準体型モデルを三角パッチからなる三次元画像で表現し、標準衣服を四角パッチからなる三次元画像で表現した場合、標準体型モデルの三次元画像を構成する複数の頂点座標群と標準衣服の三次元画像を構成する複数の頂点座標群との対応関係を表すパラメータとして算出される。 【0015】続いて、標準体型モデルの三次元画像を予め入力された個人体型に関する情報(例えばユーザーの体型を表すサイズ等)に基づいて変形し、個人体型モデルの三次元画像が作成され、この個人体型モデルの三次元画像と標準体型モデルの三次元画像との対応関係を示す第2の射影関数が算出される。この第2の射影関数は、標準体型モデルの三次元画像を構成する複数の頂点座標群の変位量を示すパラメータとして算出される。 【0016】続いて、第1及び第2の射影関数を用いて標準衣服の三次元画像を変形することにより個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像が作成される。すなわち、標準衣服の三次元画像を構成する複数の頂点座標群について、標準体型モデルを個人体型モデルに変形した変位量に基づく変位を与えて衣服の三次元画像が変形される。 【0017】そして、個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づいて当該衣服を構成する複数の型紙が作成される。すなわち、個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を当該衣服を構成する複数の型紙に分解し、各型紙を二次元画像に変換して型紙が作成される。このとき、個人体型モデルに対応した衣服を構成する各型紙は、当該衣服の三次元画像を各型紙の三次元画像に分解し、型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として二次元画像に変換することにより作成される。 【0018】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る衣服の型紙作成システムの一実施形態を示すブロック構成図である。 【0019】同図に示す衣服の型紙作成システムは、スタンドアローンで構成したもので、顧客の個人体型に合わせた衣服の型紙を、CG三次元画像を用いて作成するものである。型紙作成装置1は、後述するように、CGによる三次元の仮想空間上に顧客の個人体型に合わせた人体モデル(三次元画像。以下、個人体型モデルという。)を登場させ、この人体モデルに対して所望の衣服(三次元画像)を作成し、この衣服から当該衣服を構成する複数個の型紙を起こすようにしているので、従来のアパレル専用のCADシステムより簡単かつ容易に型紙作成ができるものであり、衣服をデザインするアパレル産業界での型紙設計や百貨店、ブティック、通信販売における衣服のオーダメードシステムでの型紙設計を支援するツールとして、また、最近の新しい形態であるファクトリーブティックの支援ツールとして有効に活用し得るものである。 【0020】なお、ここにいう三次元画像は、例えば人間のモデルを適切なアメラアングルとライティングの下でカメラ撮影して得られる画像に相当するもので、種々の角度から人間の姿勢を立体的に見ることができるものである。 【0021】ここで、衣服の型紙作成装置1の構成を説明する前に、同型紙作成装置1の型紙作成方法の概要について、図2〜図4を用いて簡単に説明する。 【0022】型紙作成装置1は、標準体型の人体モデル(以下、標準体型モデルという。)の三次元画像のデータとこの標準体型モデルに合わせた衣服(以下、標準衣服という。)を構成する複数個の型紙の三次元画像のデータとを有しており、図2に示すように、CGの仮想空間上で、標準衣服Cを構成する各型紙D(仮想空間上では平面的になっている)を標準体型モデルMの対応する部位に押し付けて所要の形に変形させ、これらの型紙D(立体画像に変形されている)を所定の縫製条件に基づいて連結することにより標準体型モデルMに着せ付けられた標準衣服Cの三次元画像を作成する。そして、両三次元画像を用いて標準体型モデルMと標準衣服Cとの対応関係を示す第1の射影関数Tを算出する。 【0023】この第1の射影関数Tは、例えば標準体型モデルMの三次元画像を三角パッチによるサーフェースモデルで表現する一方、標準衣服Cの三次元画像を四角格子が整然と並んだ規格格子で分割して当該画像内に複数の格子点を設けたとすると、標準衣服Cの各格子点と標準体型モデルMの各三角パッチとの相互の位置関係(すなわち、標準体型モデルMのサーフェースに対する標準衣服Cの相対的な距離の関係)を示すもので、標準衣服Cの格子点と標準体型モデルMの三角パッチとの位置関係(仮想空間上に設けた座標における格子点の座標と三角パッチの座標との対応関係)を示す具体的なデータがリスト形式で算出されたものである。 【0024】続いて、型紙作成装置1は、図3(a)(b)に示すように、標準体型モデルMの三次元画像を、外部入力された顧客の体型に関する情報(例えば身長、肩幅、胸囲、胴囲、腰囲等の情報。以下、体型情報という。)に基づいて変形して個人体型モデルM′の三次元画像を作成するとともに、当該個人体型モデルM′と標準体型モデルのMとの対応関係を示す第2の射影関数Fを算出する。 【0025】この第2の射影関数Fは、標準体型モデルMのサーフェースを構成する三角パッチと個人体型モデルM′のサーフェースを構成する三角パッチとの相互の位置関係(すなわち、標準体型モデルMのサーフェースを構成する各三角パッチの変位ベクトル量)を示すもので、標準体型モデルMの三角パッチと個人体型モデルM′との位置関係(仮想空間上に設けた座標における両三角パッチの座標の対応関係)を示す具体的なデータがリスト形式で算出されたものである。 【0026】続いて、型紙作成装置1は、図4に示すように、第1及び第2の射影関数を用いて標準衣服Cを変形することにより個人体型モデルM′のサイズに適合した衣服C′(以下、この衣服を特製衣服という。)の三次元画像を作成し、この特製衣服C′の三次元画像を用いて当該衣服′を構成する型紙D′の二次元画像を作成する。 【0027】図5は、上述の型紙作成方法を数学モデルで表したものである。同図において、符号C,C′,D,D′,M,M′,T,Fは、上述したものと同一である。また、射影関数Sは、型紙Dの画像から標準衣服Cの画像を作成する際の型紙Dの画像を標準衣服Cの画像に射影する関数である。また、射影関数Zは、特製衣服C′の画像から型紙D′の画像を作成する際の特製衣服C′の画像を型紙D′の画像に射影する関数である。また、射影関数Gは、標準衣服Cの画像から特製衣服C′の画像を作成する際に必要な標準衣服Cの画像を特製衣服C′の画像に射影する関数である。 【0028】射影関数Gが既知であれば、標準体型モデルMに対して標準衣服Cを作成し、この標準衣服Cの画像を射影関数Gを用いて変形すれば、特製衣服C′の画像を得ることができるが、射影関数Gには顧客の体型に基づく標準衣服Cの変形パラメータが含まれるので、射影関数Gは既知とし得ず、標準衣服Cの画像から特製衣服C′の画像を得ることはできない。なお、顧客毎に当該顧客の体型情報が得られたとしてもこの体型情報は特製衣服C′に直接、関係する情報ではないので、顧客の体型情報から射影関数Gを決定することは容易でない。 【0029】その一方、仮想空間上で標準体型モデルMの三次元画像に対する標準衣服Cの三次元画像を作成することができるとともに、顧客の体型情報に基づき標準体型モデルMの三次元画像を変形して個人体型モデルM′の三次元画像を作成することができるので、標準体型モデルMと個人体型モデルM′との射影関係を標準衣服Cに適用すれば、特製衣服C′の画像を得ることができる。従って、本型紙作成装置1では、標準衣服Cから標準体型モデルM、個人体型モデルM′及び特製衣服C′の経路を辿ることで、等価的に射影関数Gによる特製衣服C′の画像作成を達成するようにしている。 【0030】上記の射影関係を数学的に表現すると、C=T(M)=S(D,M) …(1) M=T~1(C) M′=F(M)=F(T~1(C))…(2) C′=T(M′)=T(F(M)) =T(F(T~1(C))) …(3) D′=Z(C′,E) …(4) となる。 【0031】上記(1)式は、標準体型Mの画像情報に射影関数Tを作用させることにより、また、標準体型M及び型紙Dの画像情報に射影関数Sを作用させることにより標準衣服Cの三次元画像が得られることを示している。また、(2)式は、標準衣服Cの画像情報に射影関数Tの逆関数T~1を作用させて得られる標準体型モデルMの画像情報に更に射影関数Fを作用させることにより、個人体型モデルM′の三次元画像が得られることを示し、(3)式は、(2)式で得られる個人体型M′の画像情報に射影関数Tを作用させることにより、特製衣服C′の三次元画像が得られることを示している。また、(4)式は、(3)式で得られた特製衣服C′の画像情報に型紙の制約条件(平面性、左右対称性、部分的直線製、部分的曲面性、縫合時の整合性等の条件)を加味して射影関数Sを作用させることにより型紙D′の二次元画像が得られることを示している。 【0032】図1に戻り、衣服の型紙作成装置1のブロック構成について説明する。同図に示す衣服の型紙作成装置1は、衣服の型紙作成処理を集中制御する制御部2、衣服の型紙作成プロセスのプログラムや初期データが記憶されたROM3、入力情報や画像作成処理における演算結果等を一時的な記憶するためのRAM4、所要のデータを入力する入力部5、型紙作成プロセスにおける種々の情報を表示する表示装置6、型紙作成処理で作成された個人体型モデルや衣服の画像データ及び型紙のデータ等のデータを記憶する外部記憶装置7及びデータを記録する表記録装置8により構成されている。 【0033】入力部5は、キーボードやマウスからなり、顧客の体型に適した衣服の型紙を作成するために必要な情報(例えば個人体型モデルM′の三次元画像を作成するための顧客の体型情報、衣服の型紙に関する情報、衣服の生地に関する情報及び衣服の縫製に関する情報)や各種のコマンドを入力するものである。 【0034】表示装置6は、CRT、液晶表示デバイス、プラズマ表示パネル等の電子ディスプレイデバイスから構成され、衣服の型紙を作成するために必要な種々の情報(体型情報、衣服に関する情報その他のQ&A方式におけるコマンド)等を入力するための表示を行うとともに、これらの情報に基づいて作成された顧客の体型に適した衣服やこの衣服を構成する複数個の型紙を表示するものである。 【0035】外部記憶装置7は、種々の情報の書込及び読出が可能な装置であり、入力部5を介して入力された種々の情報(上述の顧客の体型情報や衣服の型紙情報、生地情報及び縫製情報等)、作成された個人体型モデル及び特製衣服の画像情報並びにその特製衣服を構成する複数個の型紙の画像情報を記憶するものである。外部記憶装置7には、予め直立状態の標準体型モデルM(図2の参照)の三次元画像情報が記憶されている。標準体型モデルMの三次元画像情報は、例えば実際に人物を三次元曲面形状測定装置等で測定して得られるデータを用いて作成され、外部記憶装置7には、手、足、頭等の複数のパーツの画像に分割して記憶されている。 【0036】記録装置8はプリンタからなり、作成された個人体型モデルM′や特製衣服C′等の画像、この特製衣服C′を構成する複数個の型紙D′の画像等を記録紙に出力するものである。 【0037】制御部2は、上述した型紙作成方法に従って、仮想空間上で顧客の体型に適した衣服C′の三次元画像の作成及びこの衣服を構成する複数個の型紙Dの二次元画像の作成を行うものである。 【0038】制御部2は、内部に標準衣服C′の三次元画像を作成する標準衣服画像作成部201、個人体型モデルM′の三次元画像を作成するモデル画像作成部202、第1の射影関数Tを算出する第1射影関数演算部203、第2の射影関数Fを算出する第2射影関数演算部204、特製衣服C′の三次元画像を作成する特製衣服画像作成部205及び特製衣服C′の三次元画像から当該特製衣服C′を構成する複数個の型紙D′の画像を作成する型紙作成部206を備えている。 【0039】標準衣服画像作成部201は、例えば特開平8−44785号(衣服の立体形状形成方法)に開示された方法で標準衣服Cの三次元画像を作成する。この画像作成方法の詳細説明は省略するが、その概要は、衣服を構成する複数個の型紙Dをモデルの周囲の対応位置に配置し、各型紙をモデルに押し付けるようにして衣服の仮の立体形状を形成した後、各型紙同士を縫製して衣服を作成する手順をシミュレートする方法で標準衣服Cの三次元画像を生成するものである。 【0040】標準衣服画像作成部201は、入力部5から入力された衣服の種類(ワンピース、ツーピース等の衣服の形状の種類)に基づきRAM4に外部記憶装置7から対応する標準衣服Cの型紙D(複数枚のパーツからなる)の画像データを読み出すとともに、標準体型モデルMの画像データを読み出す。なお、標準体型モデルMの三次元画像は、例えば実際のモデルを三次元曲面形状計測装置で測定して得られる三次元距離データを用いて作成されている。 【0041】そして、メモリ空間上で標準体型モデルMの回りの所定位置に各型紙Dを配置し、所定のバネ力で当該バネ力が所定の閾値以下となるまで各型紙Dを互いに引き寄せて標準体型モデルMを包み込み、この状態で型紙D同士を縫製するように画像処理を行って標準衣服Cの三次元画像を作成する。この画像処理においては、各型紙Dは、入力部5から入力された生地情報に基づき変形され、縫製情報に基づいて縫製処理が行われる。そして、この標準衣服の三次元画像は外部記憶装置7に記憶される。 【0042】モデル画像作成部202は、RAM4に外部記憶装置7から標準体型モデルMの画像データを読出し、この画像データに入力の部5から入力された顧客の体型情報に基づいて所要の変形処理を施して個人体型モデルM′の三次元画像を作成する。そして、この個人体型モデルM′の三次元画像も外部記憶装置7に記憶される。 【0043】なお、個人体型モデルM′の三次元画像は、例えば全体的に拡大(又は縮小)する場合は、図6に示すように、標準体型モデルMの三次元画像を全体的に所定の比率で拡大(又は縮小)することにより作成され、部分的に拡大(又は縮小)する場合は、図7に示すように、標準体型モデルMの三次元画像の対応する部分を(拡大又は縮小)するとともに、関連する部位をFFD法(Free Form Deformation)により所要のサイズに拡大(又は縮小)することが行われる。 【0044】なお、図6は、標準体型モデルMの身長160cmを180cmに変更して個人体型モデルM′を作成する場合の例で、標準体型モデルMのy軸方向の長さTが1.125(=180/160)倍の長さに変更されるとともに、両腕、両足、バスト、ウェスト、ビップの各部位のサイズが1.125倍される。また、図7は、標準体型モデルMの肩幅を60cmから100cmに拡大して個人体型モデルM′を作成する場合の例で、肩の両端の制御点A,B(AB間の長さは60cmに相当)が制御点A′,B′(A′B′間の長さは100cmに相当)に変更されるとともに、胸部の制御点C,DがFFD法によって算出される制御点C′,D′に変更される。 【0045】第1射影関数演算部203は、標準衣服画像作成部201で作成された標準衣服Cの画像データと標準体型モデルMの画像データとを用いて第1の射影関数Tを算出する。標準体型モデルMの三次元画像は、上述したように三角パッチによるサーフェースモデルで表現されている。標準体型モデルMを三角パッチによるサーフェースモデルで表現するのは、少ないデータ数でモデルの体型を正確に表現するためである。一方、標準衣服Cの三次元画像は、上述したように、四角格子が整然と並んだ規格格子で分割され、衣服の面内には複数個の格子点が設けられている。標準衣服Cの三次元画像を四角格子で格子形成しているのは、衣服の素材である布構造(横糸、縦糸)に近く、型紙の格子化に適し、仮想空間上での型紙の縫製処理が容易である点を考慮したものである。 【0046】第1射影関数演算部203は、標準衣服Cの任意の格子点ci(i=1,2,…n)について当該格子点ciに最近接する標準体型モデルMの格子点ai(i=1,2,…n)を算出し、格子点ciの格子点aiに対する位置関係の情報を算出する。格子点ciに対する格子点aiは、当該格子点ciの法線方向と逆方向の法線ベクトルを有する標準体型モデルMの格子点aiを算出することにより行われる。なお、格子点ciの法線方向に格子点aiが存在しなければ、図8に示すように、当該格子点ciを中心とする立方体形状の微小枠Qを設定し、この微小枠の寸法を拡大させて最初に微小枠に含まれることとなる標準衣服Cの格子点ciの法線方向と逆方向の法線ベクトルを有する標準体型モデルMの格子点aiが当該格子点ciに対応する格子点となる。なお、格子点ciと標準体型モデルMの格子点との距離を演算し、最短距離を有する標準体型モデルMの格子点を格子点ciに対する格子点aiとするようにしてもよい。 【0047】格子点c1と格子点a1との位置関係の情報は、例えば格子点c1の座標と格子点a1の座標とを対にして結合したもので、第1射影関数演算部203は、全ての格子点ci(i=1,2,…n)について対応する標準体型モデルMの格子点ai(i=1,2,…n)を算出し、その座標データの対応関係をリスト形式で出力する。なお、格子点ciと格子点aiとの位置関係の情報を、両格子点間のベクトル的な距離で表現してもよい。第1射影関数演算部203で算出された第1の射影関数Tは外部記憶装置7に記憶される。 【0048】第2射影関数演算部204は、標準体型モデルMの画像データとモデル画像作成部202で作成された個人体型モデルM′の画像データとを用いて第2の射影関数Fを算出する。個人体型モデルM′の三次元画像は標準体型モデルMの三次元画像を顧客の体型情報に基づいて変形したものであるから、標準体型モデルMの三次元画像を構成する複数個の三角パッチの各格子点ai(i=1,2,…n)とこれに対応する個人体型モデルM′の三次元画像を構成する複数個の三角パッチの格子点ai′とは既知である。従って、第2射影関数演算部204は、図9に示すように、標準体型モデルMの三次元画像を構成する格子点aiとこれに対応する個人体型モデルM′の三次元画像を構成する格子点ai′との位置関係の情報を第2の射影関数Fとして算出する。格子点aiと格子点aiとの位置関係の情報は、例えば格子点aiの座標と格子点ai′の座標とを対にして結合したもので、第2射影関数演算部203は、第1射影関数Tと同様に両格子点ai,ai′の座標データの対応関係をリスト形式で出力する。なお、格子点aiと格子点ai′との位置関係の情報を、両格子点間のベクトル的な距離で表現してもよい。第2射影関数演算部204で算出された第2の射影関数Fも外部記憶装置7に記憶される。 【0049】特製衣服画像作成部205は、第1,第2の射影関数T,Fを用いて標準衣服Cの三次元画像を変形することにより特製衣服C′の三次元画像を作成する。すなわち、特製衣服画像作成部205は、標準衣服Cの三次元画像を構成する各格子点ci(i=1,2,…n)に上記(3)式の演算を施して特製衣服C′の三次元画像を構成する格子点ci′を算出する。特製衣服画像作成部205で算出された特製衣服C′の画像データは、外部記憶装置7に記憶される。 【0050】型紙作成部206は、特製衣服画像作成部205で作成された特製衣服C′(三次元画像)を複数個の型紙D′(三次元画像)の部分に分離するとともに、三次元形状の各型紙D′の部分を二次元形状に展開して平面的な型紙D″を作成する。このとき、例えば衣服の前身頃の部分のように、左右の対称性を保存する必要のある型紙については、図10に示すように、対称線に対して左右が対称となる平均的な平面形状が決定され、この平面形状に基づいて型紙D′が展開される。なお、図10は、左右対称性の制約条件の元に各格子点ci間の距離(長さ)を保存しつつ前身頃の三次元形状の型紙D′を二次元形状の型紙D″に展開したものである。 【0051】更に、図11に示すように、元の型紙Dにおいて直線であった部分d1に対応する部分d1″は直線となるように、曲線であった部分d2に対応する部分d2″はその曲線の曲率変化が保存された曲線となるように、型紙D″の二次元形状が修正されて最終的な型紙D″の形状が決定される。 【0052】次に、衣服の型紙作成装置1の型紙作成手順について、図12に示すフローチャートに従って説明する。 【0053】まず、仮想空間上で標準衣服を構成する複数個の型紙Dを標準体型モデルMに押し付けるようして当該衣服の生地特性に基づき所要の変形を行い、当該衣服の縫製特性に基づき各型紙Dを縫製して標準体型モデルMに着せ付けられた標準衣服Cの三次元画像が作成される(ステップ#1)。続いて、標準衣服Cを構成する各格子点ciに対応する標準体型Mを構成する格子点aiが算出され、更に両格子点ci,aiの位置関係の情報が第1の射影関数Tとして算出される(ステップ#3)。 【0054】続いて、入力部5から入力された顧客の体系情報に基づき標準体型モデルMの三次元画像を変形して個人体型モデルM′の三次元画像が作成され(ステップ#5)、更にこの個人体型モデルM′の三次元画像を構成する各格子点ai′と標準体型モデルMの三次元画像を構成する当該格子点ai′に対応する格子点aiとの位置関係の情報が第2の射影関数Fとして算出される(ステップ#7)。 【0055】続いて、第1の射影関数T及び第2の射影関数Fに基づき標準衣服Cの三次元画像を構成する各格子点ci′を変位させて個人体型モデルM′に着せ付けた特製衣服C′の三次元画像が作成される(ステップ#9)。そして、この特製衣服C′の三次元画像を当該衣服を構成する複数個の型紙D′の三次元画像に分離するとともに、各型紙D′の三次元画像を型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性の制約条件の元に二次元画像に展開して所望の型紙D″が作成される(ステップ#11)。 【0056】図13は、コンピュータネットワークを用いた型紙作成システムの一実施の形態を示すブロック構成図である。 【0057】同図に示す型紙作成システムは、インターネットやイントラネット等のネットワークを介してサーバー20とクライアント30とが双方向に通信可能に構成されている。 【0058】この実施形態では、サーバー20は、ネットワークサーバー21、アプリケーションサーバー22及びデータベースサーバー23で構成されている。ネットワークサーバー21は、クライアント30との双方向通信を制御し、データベースサーバー23は、標準体型モデルMの三次元画像のデータや標準衣服Cを構成する型紙の画像データを記憶している。また、アプリケーションサーバー22は、上述の標準衣服作成部201〜型紙作成部206にそれぞれ相当する標準衣服画像作成部221、モデル画像作成部222、第1射影関数演算部223、第2射影関数演算部224、特製衣服画像作成部225及び型紙作成部226を有し、クライアント30のアクセスに応じて基本画面に関する情報をネットワークサーバー21を介してクライアント30に送信するとともに、この基本画面に従ってクライアント30から送信される各種の情報を受信し、これらの受信情報とデータベースサーバー23から読み出した各種の情報とに基づきクライアント30の要求する衣服の三次元画像とその衣服を構成する複数の型紙の二次元画像とを作成するものである。 【0059】なお、基本画面は、クライアント30が自己の体型に合った特製の衣服をオーダーする際の必要な情報(例えば自己の体型に関する情報や生地、色柄、種類(ワンピース、ツーピース等の種類)等の衣服に関する情報を選択入力するための画面で、クライアント30は、図略のマウスを用いて基本画面に表示された入力項目を選択的に指示することにより衣服に関する情報等を入力することができるようになっている。また、クライアント30の体型に関する情報は、図略のキーボードを用いて直接、数値を入力することにより行われる。 【0060】クライアント30は、ネットワークに接続されたユーザー端末31とこのユーザー端末に電気的に接続された表示装置32を備えている。クライアント30は、ユーザー端末31からネットワークを介してサーバー20にアクセスすると、サーバー20から基本画面に関する情報が送信され、この基本画面が表示装置32に表示される。従って、クライアント30は、この基本画面に従ってキーボード、マウス等を操作することにより所望の情報を選択入力することで、型紙作成のサービスを受けることができる。 【0061】次に、図13に示す型紙作成システムにおける型紙作成手順について、図14、15のフローチャートに従って説明する。 【0062】まず、オペレータがクライアント30のキーボード等の入力装置を操作してサーバー20のホームページにアクセスすると、これを受けてサーバー20側で顧客の体型に関する情報を入力するための画面(体型入力画面)に関する情報がクライアント30に送信される(ステップ#21,#41)。 【0063】クライアント30側では、この体型入力画面に関する情報に基づき表示装置32上に体型入力画面が表示され、この表示内容に従ってオペレータが顧客の体型情報をキーボード、マウス等を用いて入力する(ステップ#23)。この入力された顧客の体型情報は、ネットワークを介してサーバー20側に送信され、アプリケーションサーバー22のRAM(図略)に一時的に記憶されるとともに、基本画面に関する情報がクライアント30側に送信される(ステップ#43)。 【0064】続いて、クライアント30側では、この基本画面に関する情報に基づき表示装置32上に基本画面が表示され、オペレータがこの基本画面に従って所望の衣服の生地、色柄、種類等の情報を選択入力するととともに、当該衣服の型紙作成を指示すると(ステップ#25,#27)、衣服に関する情報及び型紙作成指示等の各種の情報がサーバー20側に送信される(ステップ#29)。 【0065】一方、サーバー20では、クライアント30から送信された各種の情報を受信し、図12のフローチャートで説明したステップ#1〜#11に相当するステップ#47〜#57の処理を実行して顧客の体型に適した特製の衣服の立体画像が作成されるとともに、この衣服を構成する型紙の平面画像が作成される。そして、この特製の衣服の立体画像及び型紙の平面画像の情報は、ネットワークを介してクライアント30に送信され(ステップ#59)、クライアント30側では、特製の衣服の立体画像及び型紙の平面画像の情報が受信されると(ステップ#31)、これらの画像が表示装置32に更新的に表示される(ステップ#33)。 【0066】これにより、オペレータは、自分が選択した衣服の自己の体型に適した立体的形状を確認できるとともに、その衣服の型紙を簡単に取得することができる。そして、もし、希望の衣服形状が得られない場合は、自己の体型情報や衣服に関する情報を修正して再度、型紙作成を指示することにより、所望の形状の衣服とその衣服の型紙を容易に取得することができる。 【0067】なお、上記実施の形態では、顧客の体型情報に基づき標準体型モデルMを変形して個人体型モデルM′を得るようにしていたが、三次元曲面形状測定装置による顧客の体型の実測データに基づき個人体型モデルM′の三次元画像を作成するようにしてもよい。あるいは、標準体型モデルMだけでなくこれに類似した体型の複数の体型モデルの三次元画像を予め用意しておき、顧客の体型情報に基づいて最も類似した体型モデルを選択することにより個人体型モデルM′を決定するようにしてもよい。 【0068】上記のように、CGの仮想空間上で標準体型モデルMに対する標準衣服Cを作成するとともに、顧客の体型に合わせた個人体型モデルM′を作成し、標準体型モデルMに対する個人体型モデルM′の変位特性を標準衣服Cに反映して個人体型モデルM′に対する特製衣服C′を作成し、この特製衣服C′から型紙D′を作成するようにしたので、顧客の体型に合った衣服の型紙を簡単かつ容易に作成することができる。 【0069】これにより、例えばアパレル産業の型紙設計において、各社固有のターゲットとする顧客に適合した衣服の型紙を迅速かつ容易に作成することができる。また、オーダーメードの場合にも採寸時に顧客の体型に合わせた衣服の立体的形状とその衣服の型紙とを得ることができるので、衣服作成の迅速化、低価格化に寄与する。更に、顧客の体型に対応した個人体型モデルM′を登録しておくことで、種々の形状の衣服や同一形状の衣服のオーダーに対して迅速に対応することができる。 【0070】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、CG画像を用いて個人体型に適した衣服の型紙を作成する衣服の型紙作成方法であって、標準体型モデルの三次元画像と標準衣服を構成する複数の型紙の三次元画像とを用いて当該標準体型モデルに対応する標準衣服の三次元画像を作成するとともに、標準体型モデルと標準衣服との対応関係を示す第1の射影関数を算出する一方、標準体型モデルの三次元画像を個人体型に関する情報に基づき変形して個人体型モデルの三次元画像を作成するとともに、標準体型モデルと個人体型モデルとの対応関係を示す第2の射影関数を算出し、第1及び第2の射影関数を用いて標準衣服の三次元画像を変形することにより個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像を作成し、この衣服の三次元画像に基づいて当該衣服を構成する複数の型紙を作成するようにしたので、任意の体型に対応した好適な形状の衣服の型紙を簡単かつ容易に作成することができる。そして、これにより、オーダーメードの場合にも採寸時に顧客の体型に合わせた衣服の立体的形状とその衣服の型紙とが得られ、迅速に衣服を作成することができる。 【0071】また、個人体型モデルに対応した衣服の三次元画像に基づき当該衣服を構成する複数の型紙を作成する際、型紙の対称性、部分的直線性及び部分的曲線性を制約条件として各型紙の三次元画像を二次元画像に変換するようにしたので、実用性の高い正確な型紙を得ることができる。 【0072】また、コンピュータシステムで型紙作成システムを構築するようにしたので、個人ユーザーでも簡単に任意の体型にマッチした衣服の型紙が容易に得られ、一般ユーザーへの衣服作成支援システムとして有効に活用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−286817 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−88994 |
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