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【発明の名称】 増毛用具及び増毛方法
【発明者】 【氏名】酒井 栄一

【氏名】松原 弘明

【要約】 【課題】スピーディーにして短時間で確実に多量の増毛を行え、増毛作業能率が飛躍的に向上する画期的な増毛用用具を提供すること。

【解決手段】増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面若しくは内周面に沿って筒軸方向に移動可能にして設け得る筒状部材2に、少なくとも一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する溝状のスリット部3を設けた増毛用具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 増毛用毛髪の基端部を外周面若しくは内周面に沿って筒軸方向に移動可能にして設け得る筒状部材に、少なくとも一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する溝状のスリット部を設けたことを特徴とする増毛用具。
【請求項2】 増毛用毛髪の基端部を外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設け得る筒状部材に、少なくとも一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する溝状のスリット部を設けたことを特徴とする増毛用具。
【請求項3】 前記筒状部材の一方の端縁から他方の端縁に至るまで筒軸方向に沿って長さを有する直溝状のスリット部を設けて、前記筒状部材を断面C状の切欠筒状部材に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の増毛用具。
【請求項4】 前記筒状部材の外周面に筒軸方向に並設状態にして複数の増毛用毛髪を被嵌状態に設け、前記スリット部に差し入れる差し入れ具をこのスリット部に沿って移動することにより前記増毛用毛髪をこの筒状部材の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪を筒状部材から抜け脱し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の増毛用具。
【請求項5】 前記増毛用毛髪の基端部を前記筒状部材の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪の基端部を外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設けたことを特徴とする請求項4記載の増毛用具。
【請求項6】 前記筒状部材に差し入れた自毛を、前記筒状部材のスリット部を介して外側へ導き出し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の増毛用具。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の増毛用具を用いて自毛に増毛用毛髪を結び付けて増毛する増毛方法であって、予め前記筒状部材に増毛用毛髪の基端部を周面に沿って筒軸方向に移動可能にして設け、自毛をこの筒状部材に差し入れ、前記スリット部に工具先端などの差し入れ具を差し入れそのままスリット部に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪を筒状部材に沿って移動させて、この増毛用毛髪を前記筒状部材から抜け脱させて自毛に接続させることを特徴とする増毛方法。
【請求項8】 前記増毛用毛髪の基端部を前記筒状部材の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪の基端部を外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設け、前記自毛をこの筒状部材に差し入れ、前記スリット部に工具先端などの差し入れ具を差し入れそのままスリット部に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪を筒状部材の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪を前記筒状部材から抜け脱させて自毛に被嵌させた後、増毛用毛髪の先端を引くなどして自毛に増毛用毛髪の基端部を強固に結び付けることを特徴とする請求項7記載の増毛方法。
【請求項9】 前記筒状部材に差し入れた自毛を、前記筒状部材のスリット部を介して外側へ導き出し、この導き出した自毛を前記筒状部材と共に手で押さえ付けながら、前記自毛をこの筒状部材に差し入れ、前記スリット部に工具先端などの差し入れ具を差し入れそのままスリット部に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪を筒状部材の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪を前記筒状部材から抜け脱させて前記増毛用毛髪を自毛に被嵌させたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の増毛方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自毛に増毛用毛髪を結び付ける増毛用具並びに増毛方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、次のような増毛方法が行われている。
【0003】例えば、特公平7−96722号公報に示すように、自毛の地肌に近い部分にストッパー部を設ける。例えば図5に示すように自毛4自体に結び目10を形成して、自毛4の根本近くにストッパー部10を設け、この地肌11とストッパー部(結び目)10との間に、増毛用毛髪1を結び付ける。例えば複数本(折り返して複数本としても良い)束ねた人工毛又は人毛や動・植物などその他天然毛の増毛用毛髪1の基端部1Aに輪状の結び目を形成し、この輪状の結び目に自毛4を通して、この結び目を押さえながら増毛用毛髪1を引くことで自毛4の根本に一度に複数本の増毛用毛髪1を結び付ける。
【0004】この自毛4の結び付けた位置よりやや上部には、前記ストッパー部10として形成した自毛の結び目10があるため、増毛用毛髪1はこの結び目10より自毛上方へは移動せず、自毛4から抜け取れることもない。
【0005】このような増毛方法において、増毛用毛髪1を自毛4に通すことや、複数本束ねた増毛用毛髪1の基端部1Aに輪状の結び目を作っておくことや、この増毛用毛髪1を多数用意しておいたり、その保管・輸送上などの観点から、次のような増毛用具が用いられている。
【0006】図6,図7に示すように、ストローを短筒状に切断したような筒状部材2であって、予めこの筒状部材2に間隔を置いて、複数(複数スポット)の増毛用毛髪1を結び付けておく。
【0007】この並設した各増毛用毛髪1は夫々折り返して複数本としても良いが、結び付けた部分から一本ないし複数本の毛髪が伸びているようにする。
【0008】従って、予めこの筒状部材2に増毛用毛髪1を結び付けておき、この増毛用毛髪1を筒状部材2からスライドさせて抜き外すことで、自毛4が増毛用毛髪1の基端部1Aの輪状の結び目を通った状態となる。
【0009】即ち、このように保管・輸送においても便利となる増毛用毛髪1付の筒状部材2に、自毛4を貫通させて引き出しながら筒状部材2を地肌11に近い位置に配し、この筒状部材2に結び付けてある最も地肌側に近い増毛用毛髪1の基端部1Aの結び付け部分をこするようにして筒状部材2の外周面に沿ってスライド移動させて、この筒状部材2から増毛用毛髪1を抜き外す。
【0010】これにより増毛用毛髪1の基端部1Aの輪状の結び目に自毛4が通っている状態となり、この結び目(結び付け部分)を手で押さえ付けながら、引っ張って強固に結び付け固定する。
【0011】そして、地肌11に近い部分に結び目10を形成してこの結び付けた増毛用毛髪1が自毛4から抜け外れないようにする。勿論このストッパー部となる結び目10は予め形成しておいても良い。
【0012】このように、この筒状部材2(増毛用具)を用いることにより、自毛4を通した上でこの筒状部材2から必要な数(スポット)だけ増毛用毛髪1を抜き外して引っ張るだけで自動的に自毛に結び付けることができ、しかも一本の筒状部材2に複数(複数スポット)の増毛用毛髪1を結び付けておけば、管理・保管上も輸送上も非常に便利となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来法において、(そのつくりによって多少長い短いの差はあるが、)いずれの場合でも筒状部材にある程度の長さがあるため、筒状部材に最初から最後まで自毛を通すことはやっかいであり、また、現実的には自毛が短いとか細いなどの場合は一層通しづらかったり通すことすらできない場合もあった。
【0014】一方、自毛を通し易いように筒状部材自体をかなり短くすると、一本の筒状部材に作業性を考えて適当間隔を置いて複数の増毛用毛髪を結び付けなければならないがこの増毛用毛髪を多く結び付けることができない。また、このように多くの増毛用毛髪を結び付けておけないと、増毛用毛髪を製造する際のコストがかかり又前述したように実際に現場でお客に増毛する際の作業効率も劣り、更には管理・輸送上のメリットを失ってしまう。
【0015】即ち、あまり短いと、一本(一スポット)ないし二本(二スポット)位しか結び付けることができず、増毛用毛髪の製造コスト・増毛施術・保管・輸送などそれぞれの面において効率性が著しく劣ってしまう。
【0016】また、従来法においては、筒状部材に結び付けた増毛用毛髪を抜け脱させるとき、前述のように筒状部材の外周面をこするようにしてスライド移動させているが、筒状部材に管理・輸送上の点からほどけないようにしっかりと結び付けているためになかなかスムーズにスライド移動させることができず、抜き外すことは非常にやっかいであった。
【0017】特に、筒状部材の地肌に近い側から順次抜き外して行くが、中央部や反対の遠い側ではスライド移動距離が長くなりそれだけ非常にやっかいである。
【0018】ピンなどの先鋭工具を用いて外周面を引っかくようにしてスライド移動させるやり方も試みられたが、なお作業性が上がらない。
【0019】そこで、結局従来この増毛方法にあたっては、現実には、この筒状部材に自毛を通さず、筒状部材から一旦必要な増毛用毛髪を抜き外した上で、事前に白いタオル等の布地やクロスの上に1スポットずつ並べておき、その後から直接自毛にこの外した増毛用毛髪の輪状の結び目に通し結び付けているのが現状であり、かえって筒状部材を利用しない方が結局良いとされ、故に筒状部材は単なる保管用・輸送用具としての価値しか有していないのが現状であった。
【0020】本発明者は、このような現状に鑑み、ますます需要の高まるこのような増毛施術において、いかにスピーディーにして短時間で多量の増毛を行えるかをテーマに試行錯誤を繰り返し、既存の技術に改良を施すだけで、増毛作業能率が飛躍的に向上する画期的な本発明を完成させた。
【0021】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0022】増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面若しくは内周面に沿って筒軸方向に移動可能にして設け得る筒状部材2に、少なくとも一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する溝状のスリット部3を設けたことを特徴とする増毛用具に係るものである。
【0023】また、増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設け得る筒状部材2に、少なくとも一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する溝状のスリット部3を設けたことを特徴とする増毛用具に係るものである。
【0024】また、前記筒状部材2の一方の端縁から他方の端縁に至るまで筒軸方向に沿って長さを有する直溝状のスリット部3を設けて、前記筒状部材2を断面C状の切欠筒状部材2に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の増毛用具に係るものである。
【0025】また、前記筒状部材2の外周面に筒軸方向に並設状態にして複数の増毛用毛髪1を被嵌状態に設け、前記スリット部3に差し入れる差し入れ具5をこのスリット部3に沿って移動することにより前記増毛用毛髪1をこの筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を筒状部材2から抜け脱し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の増毛用具に係るものである。
【0026】また、前記増毛用毛髪1の基端部1Aを前記筒状部材2の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設けたことを特徴とする請求項4記載の増毛用具に係るものである。
【0027】また、前記筒状部材2に差し入れた自毛4を、前記筒状部材2のスリット部3を介して外側へ導き出し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の増毛用具に係るものである。
【0028】また、請求項1〜6のいずれか1項に記載の増毛用具を用いて自毛4に増毛用毛髪1を結び付けて増毛する増毛方法であって、予め前記筒状部材2に増毛用毛髪1の基端部1Aを周面に沿って筒軸方向に移動可能にして設け、自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて自毛4に接続させることを特徴とする増毛方法に係るものである。
【0029】また、前記増毛用毛髪1の基端部1Aを前記筒状部材2の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設け、前記自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて自毛4に被嵌させた後、増毛用毛髪1の先端を引くなどして自毛4に増毛用毛髪1の基端部1Aを強固に結び付けることを特徴とする請求項7記載の増毛方法に係るものである。
【0030】また、前記筒状部材2に差し入れた自毛4を、前記筒状部材2のスリット部3を介して外側へ導き出し、この導き出した自毛4を前記筒状部材2と共に手で押さえ付けながら、前記自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて前記増毛用毛髪1を自毛4に被嵌させたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の増毛方法に係るものである。
【0031】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0032】予め前記筒状部材2に増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設け、自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて自毛4に被嵌させる。
【0033】例えば、予め前記増毛用毛髪1の基端部1Aを前記筒状部材2の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設けておき、自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記筒状部材2に差し入れた自毛4を、前記筒状部材2のスリット部3を介して外側へ導き出し、この導き出した自毛4を前記筒状部材2と共に手で押さえ付けながら、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて前記増毛用毛髪1を自毛4に被嵌し、増毛用毛髪1の基端部1Aの結び目を手で押さえ付けながら、増毛用毛髪1を引っ張って自毛4に強固に結び付ける。
【0034】従って、筒状部材2に被嵌した増毛用毛髪1の基端部1Aは、スリット部3に架設状態に配されていることになるから、例えばこのスリット部3に先鋭な工具先端などの差し入れ具5を差し入れてスリット部3に沿って押し下げることで、増毛用毛髪1をスムーズに筒状部材2の外周面に沿って移動でき、スムーズにしてスピーディーに筒状部材2から必要な増毛用毛髪1を抜き外すことができる。
【0035】また、筒状部材2に通す自毛4は、筒状部材2の末端まで貫通させなくても、外周面のスリット部3から外側へ導き出せるから、従来のように単に貫通させることしかできない筒状部材2に比べて自毛4を通し易いことになる。
【0036】即ち、自毛4は結び付けたい増毛用毛髪1の基端部1Aの結び付け部分を通過していれば良いから、自毛4を筒状部材2に完全に貫通させなくても途中で外側へ引き出しても良いため、通し長さが短くてすみそれだけ自毛の通し作業がスムーズにしてスピーディーに行えることになり、またたとえ筒状部材2を貫通できなかったり貫通させずらい長さしかない短い自毛であってもスムーズにしてスピーディーにこの種の増毛が可能となる。
【0037】また、自毛4を筒状部材2の途中で外側に導き出せるから、自毛4を筒状部材2と共に確実に手で押さえ付け易くなるため、自毛4に対して筒状部材2の位置を固定でき、これによっても従来方法と比べて増毛の施術そのものが極めて容易となるため飛躍的に増毛作業のスピードアップと、増毛したあと簡単に自毛4から増毛用毛髪1が外れないようにすることができ増毛そのものの確実性(クオリティ)が向上することとなる。
【0038】従来は増毛施術そのものが非常に難しかったので増毛後シャンーやブラッシング等を行うとすぐに増毛用毛髪1が自毛4から脱れてしまうなど、お客からの苦情が多かったが、本発明によれば、スムーズにして確実に増毛作業でき、それゆえ前述のようにクオリティが向上するため、これらの問題も解決され、従来の不効率・不経済性もが一挙に解決される。
【0039】また、従来は、筒状部材2自体を指でつまみつぶして自毛4に対して筒状部材2を固定したが、これでは確実に自毛4を押さえ付けることができず、また、筒状部材2自体を傷めたり、増毛用毛髪1を傷めたり、増毛用毛髪1の結び付けがゆるんだりするなどの問題もあったが、この点も本発明においては筒状部材2の外周面に導き出した自毛4を筒状部材2に指で押さえ付ければ良く、従来例のようにある程度の力をもって筒状部材2をつぶし押さえる必要もなく、指先のわずかな力だけでも極めて容易に押さえ易いので確実に押さえ込むことができ、この問題点も一気に解決できることになる。尚、筒状部材2は変形しない硬い素材で形成して指で自毛4を押さえ付け易いようにしても良いし、従来例通りつぶし変形して押さえ付けるようにしても良い。
【0040】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0041】先ず、本実施例の増毛用具について説明する。
【0042】本実施例では図1〜図3に示すように、自毛4を通すことのできる小径の筒状部材2の一方の端縁から筒軸方向に向かって長さを有する直溝状のスリット部3を設けている。即ち、この一方の端縁が使用に際して地肌側となる。
【0043】従って、既存の筒状部材2に単に一方の端縁側より切り込むだけでスリット部3を形成でき、極めて簡単な改良で良く、量産性に適し、コストアップにもさほどならない。
【0044】また、前述のような作用・効果を奏し、自毛4を通し易く、且つ結び付けた増毛用毛髪1をスライド移動させて抜き外し易くなるから、この筒状部材2の長さは従来例より長く設計でき、これにより前述の如く一層多数の増毛用毛髪1を結び付けることが可能となり、それだけ保管上・輸送上の価値を向上させることも可能となる。
【0045】筒状部材2を長くして一つの筒状部材により多くの増毛用毛髪1を持たせた場合、筒状部材2に結ばれている増毛用毛髪1をどんどん外していって増毛用毛髪1を筒状部材2からスライドさせる距離が長くなった場合は不要となった筒状部材2の一部をハサミなどで簡単にカットできる。
【0046】また、スリット部3のスリット幅は、ピンや工具先端などの差し入れ具5が差し入れられて、増毛用毛髪1の結び目を押し下げることができる幅を有していれば十分であるが、十分に広い幅としてもかまわない。
【0047】また、直溝状とすることで、このスリット部3が確実に増毛用毛髪1をスライド移動するガイド機能を有すようにしたものであり、この直溝状とはその意味で前記作用・効果を果たす限り完全な直線でなくても多少蛇行していても良い。
【0048】また、筒軸方向に沿っていれば良く、この点も完全に筒軸方向に延びたスリット部3でなく多少筒軸方向に対して傾斜した向きに形成しても良く、要は筒軸方向に向かって形成されていれば良い。
【0049】また、このスリット部3は一本でなくても複数形成しても良く、スリット部3を複数並設形成しておき、筒状部材2の向きを回動して調整しなくても、最も利用し易いスリット部3を選択利用できるようにしても良い。
【0050】また、筒状部材2に対して、このスリット部3を対向状態に形成すれば、このスリット部3間を貫通するようにして差し入れ具5を差し入れることで、増毛用毛髪1の結び目の対向二か所をこの差し入れ具5により押し下げることができ、一層スムーズに増毛用毛髪1を筒状部材2に沿って移動でき、よりいっそうスピーディーに筒状部材2から増毛用毛髪1を抜き外すことができることになる。
【0051】また、スリット部3の長さは、長い程多数の増毛用毛髪1を間隔を置いて結び付けても、これらすべてに対して前記作用・効果を発揮でき、スムーズにしてスピーディーに筒状部材2から抜き外すことができる。
【0052】従って、筒状部材2自体の保形性が満足でき、製作作業が容易であれば、請求項2記載の発明の如く、C状形の切欠筒状部材2としても良い。この場合には筒状部材2のいずれ側を地肌側としても良いから、いずれの端縁から自毛4を通しても良く、自毛4に対する挿通向きを選ばなくても良くなり、一層作業性に秀れることになる。
【0053】次ぎに本実施例の前記増毛用具を用いた増毛方法について説明する。
【0054】予め、前記増毛用毛髪1の基端部1Aを前記筒状部材2の外周面に結び付けて、この増毛用毛髪1の基端部1Aを外周面に沿って筒軸方向に移動可能にして被嵌状態に設けておく。自毛4をこの筒状部材2に差し入れ、前記筒状部材2に差し入れた自毛4を、前記筒状部材2のスリット部3を介して外側へ導き出し、自毛4に対して筒状部材2を所定位置まで地肌に近づけ、この導き出した自毛4を前記筒状部材2と共に手で押さえ付けながら、前記スリット部3に工具先端などの差し入れ具5を差し入れそのままスリット部3に沿って移動させることによって、前記増毛用毛髪1を筒状部材2の外周面に沿って移動させて、この増毛用毛髪1を前記筒状部材2から抜け脱させて前記増毛用毛髪1を自毛4に被嵌させ、増毛用毛髪1の基端部1Aの結び目を手で押さえ付けながら、増毛用毛髪1を引っ張って自毛4に強固に結び付ける。
【0055】従って、筒状部材2に被嵌した増毛用毛髪1の基端部1Aは、スリット部3に架設状態に配されていることになるから、例えばこのスリット部3に自毛4を結んで前記ストッパー部10を形成するための先鋭な工具先端などの差し入れ具5を差し入れてスリット部3に沿って押し下げることで、増毛用毛髪1をスムーズに筒状部材2の外周面に沿って移動でき、スムーズにしてスピーディーに筒状部材2から必要な増毛用毛髪1を抜き外すことができる。
【0056】また、筒状部材2に通す自毛4は、筒状部材2の末端まで貫通させなくても、外周面のスリット部3から外側へ導き出せるから、従来のように単に貫通させることしかできない筒状部材2に比べて自毛4を通し易いことになる。
【0057】即ち、自毛4は結び付けたい増毛用毛髪1の基端部1Aの結び付け部分を通過していれば良いから、自毛4を筒状部材2に完全に貫通させなくても増毛施術時における作業効率からいえばむしろ途中で外側へ引き出しても良いから、通す距離が短くてすみそれだけ自毛の通し作業がスムーズにしてスピーディーに行えることになり、またたとえ筒状部材2を貫通できなかったり貫通させずらい長さの短い自毛でもスムーズにしてスピーディーにこの種の増毛が可能となる。
【0058】従来の方法では増毛した髪が自毛4から外れないようにするために設けた、自毛4を結んで作ったストッパー部10などの言わば玉状のストッパー部10が筒に引っ掛かったり通りにくかった。しかも1本の自毛に1個のストッパー部のみならず何回も増毛施術を行った自毛にあっては、1本の自毛に一定の間隔をもって何個も玉状のストッパー部があるためその際の増毛施術には大変な困難を極めていた。
【0059】しかし、この本発明によればスリット部3があるため玉状のストッパー部が1本の自毛4にいくつあろうともそれが筒状部材2に引っ掛かりにくくなり、スムーズに極めて簡単に再施術ができ次から次ぎへと容易に増毛を行うことができる。
【0060】また、自毛4を筒状部材2の外側に導き出せるから、自毛4を筒状部材2と共に確実に手で押さえ付け易くなるため、自毛4に対して筒状部材2の位置を固定でき、これによっても飛躍的に増毛の作業スピードが向上することとなる。
【0061】従来は、筒状部材2自体を指でつまみつぶして自毛4に対して筒状部材2を固定したが、これでは確実に自毛4を押さえ付けることができず、また、筒状部材2自体を傷めたり、増毛用毛髪1を傷めたり、自毛4にジョイントされた増毛用毛髪1の結び付けがゆるんだりするなどの問題もあったがこの点も解決される。
【0062】尚、図面は予め自毛4にストッパー部として結び目10を設けた自毛4を筒状部材2に通して増毛用毛髪1を結び付けている場合を示しているが、もちろん、従来例の説明のように筒状部材2を介して自毛4に増毛用毛髪1を結び付けた後に自毛4に結び目10又はその他の方法でそれに替わるものを設けても良い。
【0063】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、例えばスリット部に先鋭な工具先端などの差し入れ具を差し入れてスリット部に沿って押し下げることで、増毛用毛髪をスムーズに筒状部材の外周面に沿って移動でき、スムーズにしてスピーディーに筒状部材から必要な増毛用毛髪を抜き取ることができ、極めて能率良くスピーディーに増毛が行える画期的な増毛用具及び増毛方法となる。
【0064】また、筒状部材に通す自毛は、筒状部材の末端まで貫通させなくても、外周面のスリット部から外側へ導き出せるから、従来のように単に貫通させることしかできない筒状部材に比べて自毛を通し易いことになり、また、自毛を筒状部材に完全に貫通させなくても途中で外側へ引き出しても良いから、通す距離が短くてすみそれだけ自毛の通し作業がスムーズにしてスピーディーに行えることになり、またたとえ筒状部材を貫通できなかったり貫通させずらい長さの短い自毛でもスムーズにしてスピーディーにこの種の増毛が可能となる。
【0065】また、自毛を筒状部材の外側に導き出せるから、自毛を筒状部材と共に確実に手で押さえ付け易くなるため、自毛に対して筒状部材の位置を固定でき、これによっても飛躍的に増毛の作業スピードが向上することとなるなど秀れた効果を発揮する極めて画期的な増毛用具及び増毛方法となる。
【出願人】 【識別番号】597154678
【氏名又は名称】ヘアドクター株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
【公開番号】 特開平11−131314
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−302102