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【発明の名称】 帯の弛み防止具と、それを用いた帯結び方法
【発明者】 【氏名】網野 鉦一

【要約】 【課題】構造及び使い方が簡単で、使用感がよく、かつ帯の弛みを確実に防止することのできる帯の弛み防止具、及びそれを用いた簡単な帯結び方法を提供する。

【解決手段】着物4に巻かれた帯2の1巻き目と着物1との間、または多重に巻かれた帯2の重合部間に、竹ひご等により形成した芯材の周囲に、該芯材とほぼ同幅の布を、接着剤により固めつつ巻回して、丸棒状に形成した適度の弾性を有する丸棒状の弛み防止具7のほぼ下半部を挿入し、かつ弛み防止具7の上半部と着物1との間に、帯2の交差部5を挾み込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着物に巻かれた帯の1巻き目と着物との間、または多重に巻かれた帯の重合部間に下半部を挿入し、かつ上半部と着物の背部との間に、帯の交差部を挟み込むことにより、帯の弛みを防止するようにした帯の弛み防止具であって、竹ひごもしくはその均等物により形成した芯材の周囲に、該芯材とほぼ同幅の布を、接着剤により固めつつ巻回して、丸棒状に形成したことを特徴とする帯の弛み防止具。
【請求項2】 芯材に巻かれた布の巻体を、布製の袋で包み、該袋の両端部を、接着剤によりほぼ半球状または截頭半球状に固めたことを特徴とする請求項1記載の帯の弛み防止具。
【請求項3】 着物に巻かれた帯の1巻き目と着物との間、または多重に巻かれた帯の重合部間に、適度の弾性を有する丸棒状の帯の弛み防止具のほぼ下半部を挿入し、かつ前記弛み防止具の上半部と着物との間に、帯の交差部を挟み込むことを特徴とする帯の弛み防止具を用いた帯結び方法。
【請求項4】 弛み防止具の上半部と着物との間に、帯枕を挟み込むことを特徴とする請求項3記載の帯の弛み防止具を用いた帯結び方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着物に巻いた帯が弛まないようにするための帯の弛み防止具と、それを用いた帯結び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】帯を着物に結ぶ方法の一つとして、お太鼓結び等を完成するに先立ち、垂れと手先とを手締めして、帯が弛んだり、解けたりしないようにすることがある。しかし、垂れと手先とを手締めすると、垂れや手先にしわが寄ったり、これらが傷んだりするおそれがあり、また相当に強く締めないと、弛むおそれがある。このため、手締めをする代わりに、垂れと手先とを単に交差させた後、2本の足片を有する公知の帯金における一方の足片を、帯と着物の背部との間に通し、帯の下端部において、両足片の下端部同士を結合して、交差部を含む帯の背部を両足片の間で挾みつけ、帯が弛んだり、解けたりしないようにすることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、帯金の足片を、帯の下端に至るまで帯と着物の背部との間に通したり、帯金の両足片同士を、帯の下端部で結合したりするのは容易ではなく、そのため、特に、一人で帯を結ぶことは非常に困難である。
【0004】本発明は、従来の手法における上述のような問題点に鑑みてなされたもので、構造及び使い方が簡単で、使用感がよく、かつ帯の弛みを確実に防止することのできる帯の弛み防止具、及びそれを用いた簡単な帯結び方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)着物に巻かれた帯の1巻き目と着物との間、または多重に巻かれた帯の重合部間に下半部を挿入し、かつ上半部と着物の背部との間に、帯の交差部を挟み込むことにより、帯の弛みを防止するようにした帯の弛み防止具であって、竹ひごもしくはその均等物により形成した芯材の周囲に、該芯材とほぼ同幅の布を、接着剤により固めつつ巻回して、丸棒状に形成する。
【0006】(2)上記(1)項において、芯材に巻かれた布の巻体を、布製の袋で包み、該袋の両端部を、接着剤によりほぼ半球状または截頭半球状に固める。
【0007】(3)上記(1)項または(2)項において、着物に巻かれた帯の1巻き目と着物との間、または多重に巻かれた帯の重合部間に、適度の弾性を有する丸棒状の帯の弛み防止具のほぼ下半部を挿入し、かつ前記弛み防止具の上半部と着物との間に、帯の交差部を挟み込むようにする。
【0008】(4)上記(3)項において、弛み防止具の上半部と着物との間に、帯枕を挟み込むようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の帯結び方法をお太鼓結びに適用した一実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0010】図1に示すように、まず、着物(1)に帯(2)を2重に巻き、帯(2)の両端部である垂れ(3)と手先(4)とを背側に垂らす。
【0011】次に、図2に示すように、着物(1)の背側において、垂れ(3)と手先(4)とを互いに交差させ、かつその交差部(5)を中心に180゜ねじって交差掛けとし(ねじらないで単に交差させるだけの場合もある)、その交差部(5)を、帯(2)の巻回部(6)の上縁部まで持ち上げる。
【0012】次いで、交差部(5)の後方から、図7に拡大して示す丸棒状の弛み防止具(7)の下半部を、2重に巻かれた帯(2)の巻回部(6)における1巻き目と2巻き目との間、または1巻き目と着物との間に挿入し、交差部(5)またはその近くを本発明による帯の弛み防止具(7)の上半部と着物(1)の背部との間に挾み込む(図3参照)。
【0013】なお、帯の弛み防止具(7)は、図7に示すように、竹ひごにもしくはその均等物により形成した芯材(8)の周囲に、芯材(8)とほぼ同幅の綿製の布(9)をのり等の接着剤により固めながらきつく巻回して、丸棒状の巻体(10)を形成し、さらにこの巻体(10)を、絹等の布により作られた円筒形の細長い袋(11)で包み込んだものとしてある。
【0014】巻体(10)の両端より延出する袋(11)の両端部は、布をたぐり寄せて、半球状または截頭半球状に丸めた状態で、樹脂系接着剤(12)により固めておくのがよい。
【0015】このようにして形成した帯の弛み防止具(7)は、適度の硬さと弾性とを有し、帯(2)に差し込んだとき、異物感が少なく、また袋(11)の両端を丸めて接着剤(12)により固めてあるので、帯の間へ簡単に抜き差しできるとともに、巻体(10)の角部が帯や着物に当って傷つけるおそれを防止することができる。なお、この帯の弛み防止具(7)は、全長を17cm〜18cm前後、径を1cm〜2cm程度とするのが好ましい。
【0016】帯の弛み防止具(7)を帯の間に挿入した後、垂れ(3)を背部の中央部に移動させるとともに、左右方向に大きく広げ、手先(4)を、着物の前方にて、帯(2)と着物(1)の前面との間に挾み込み、仮止めする(図4参照)。
【0017】次いで、垂れ(3)に包んだ帯枕(13)を、帯の弛み防止具(7)の上半部と着物(1)の背部との間に挟み込み、帯枕(13)の紐(14)を、着物(1)の前方で結ぶ(図5参照)とともに、図示を省略した帯揚げを帯枕(13)に被せ、帯揚げの紐(図示略)を、着物(1)の前方で結ぶ。
【0018】最後に、垂れ(3)の下端部を折りながら上方に持ち上げてお太鼓(15)を作るとともに、仮止めしていた手先(4)を太鼓(15)の間に通し、帯締め(16)でお太鼓(15)を固定する。
【0019】この実施形態によれば、帯の弛み防止具(7)が、垂れ(3)と手先(4)との交差部(5)またはその近傍を押えて、それが妄りに動くのを阻止するので、帯(2)が弛んだり、解けたりすることがない。また、ある程度厚みのある帯の弛み防止具(7)が、帯の間に挿入され、帯(2)が着物(1)にきつく巻かれるようになるので、帯(2)が弛んだりすることが確実に防止される。
【0020】さらに、帯の弛み防止具(7)を、帯の間に挿入するだけでよいので、帯(2)を簡単に結ぶことができ、特に一人で帯(2)を締める場合に好適である。
【0021】帯の弛み防止具(7)の上半部に交差部(5)を挟み込んだ後の帯(2)の結び方を変えることにより、上記したお太鼓結びだけでなく、他の結び型に仕上げることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、適度の硬さと弾性とを有し、帯に差し込んだときの異物感が小さくて、使い心地がよく、構造が簡単で安価に製造でき、かつ帯の弛みを確実に防止しうる帯の弛み防止具を提供することができる。特に、芯材を竹ひごとしたことにより、最適な弾性が得られ、帯の交差部を強力に押えることができる。
【0023】(b)請求項2記載の発明によると、帯の弛み防止具の両端が丸められているので、帯の間に簡単に抜き差しできるとともに、巻体の角部が帯、着物等に当ったり擦れたりして、それらを傷つけたり、または人体に当って不快感を与えたりすることがなく、使用感が向上する。
【0024】(c)請求項3記載の発明によると、従来の帯の結び方の途中に、帯の弛み防止具の下半部を帯に差し込んで、その上半部と着物との間に帯の交差部を挟み込むという簡単な作業を付加するだけで、帯の弛みを確実に防止することができる。また、帯の交差部を弛み防止具の上半部と着物との間に挟み込むだけで、帯の弛みを防止でき、帯を完全に結ぶ必要がないので、帯を傷めることがなく、帯の結び方も簡単になる。
【0025】(d)請求項4記載の発明によると、帯の弛み防止具の上半部と着物との間に帯枕を挟み込むことにより、帯枕の下がりを確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】397045208
【氏名又は名称】網野学園株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外1名)
【公開番号】 特開平11−117112
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−278692