| 【発明の名称】 |
スパッツ |
| 【発明者】 |
【氏名】池永 秀雄
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| 【要約】 |
【課題】運動時における着用フィット性が良好で、パワーアップや疲労軽減効果に優れたスパッツを提供する。
【解決手段】弾性繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維とで構成されてなる交編経編地を用いた衣服圧の最大値が20〜40g/cm以下であるスパッツ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維との交編経編地で構成されてなり、衣服圧の最大値が20〜40g/cm2以下であることを特徴とするスパッツ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスパッツに関するものである。詳しくは運動時における着用フィット性が良好で、パワーアップや疲労軽減効果が期待されるスパッツに関する。 【0002】 【従来の技術】衆知の如く、弾性繊維とナイロン繊維等を交編した交編編地、例えばトリコットのツゥーウェイ、パワーネット等はインナー衣料、ファンデーション、水着分野でかなりの量を占めるようになって来ている。一方で、サッカー、テニス、陸上、スケート、エアロビクス等の激しい運動におけるパワーアップや疲労軽減効果を期待したスパッツや、サッカー、テニスパンツの下に履くアンダーパンツ、パワーパンツと称される製品への展開が盛んになってきている。 【0003】スパッツ、アンダーパンツ、パワーパンツは足全体を被服するロングタイプや、太股までを被覆するショートタイプが使用されるが、アウター素材として着用したり、アウター素材の下にインナー的に着用することによって、人体を適度に締め付け、疲労軽減、運動パフォーマンスの向上やサポート効果等を目的として使用される。 【0004】上記の競技用途においては、勝敗や記録に直ちに反映するために、着用フィット性や、さらなるパワーアップや疲労軽減効果を期待したものが要求されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着用フィット性、さらなるパワーアップや疲労軽減効果の要求に応えたスパッツを提供しようとすることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のスパッツとその期待効果について検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いることによりさらなる効果が期待されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、弾性繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維との交編経編地で構成されてなり、衣服圧の最大値が20〜40g/cm2以下であることを特徴とするスパッツ、にある。 【0007】本発明においてスパッツとは、スパッツ、アンダーパンツ、パワーパンツおよびアンダータイツ等をいう。本発明のスパッツは、下記に定義する衣服圧の最大値が20〜40g/cm2、好ましくは20〜35g/cm2 、さらに好ましくは20〜28g/cm2である。20g/cm2未満ではフィット感が不足して、かえって運動疲労性が大きくなり、40g/cm2を超えると圧迫感が強すぎて運動疲労性が大きくパワーダウンすることになる。 【0008】上記の衣服圧は、用いる弾性繊維並びにポリトリメチレンテレフタレート繊維の物性と交編経編地の組織、目付、そしてスパッツに縫製するときの衣服設計等の組み合わせにより得ることができる。以下本発明について詳細に説明する。本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維とは、ポリトリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下好ましくは30モル%以下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。 【0009】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。 【0010】添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジオール等)、芳香族ジオキシ化合物(ハイドロキノンビスフェノールA等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。 【0011】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレート繊維の紡糸は、1500m/分程度の巻取速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸と延撚工程とを直結した直延法、巻取速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンドロー又はスピンテイクアップ法)の何れを採用してもよい。 【0012】又、繊維は、長繊維でも短繊維の形態でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。さらに、糸条の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、単糸デニールが0.1〜5デニール程度のマルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、いわゆるタスラン加工糸等の流体噴射加工糸等がある。 【0013】尚、本発明の目的を損なわない範囲内で通常30重量%以下の範囲内でウールに代表される天然繊維等他の繊維を混紡(サイロスパンやサイロフィル等)、交絡混繊(高収縮糸との異収縮混繊糸等)、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)、2フィードタンラン加工等の手段で混用してもよい。本発明において、弾性繊維とはポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテルエステル系等の弾性繊維であり、通常のポリウレタン系弾性繊維で例えば乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法は特に限定されない、デニールは20〜420のものが好適である。破断伸度は400%〜1000%のもので伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度190℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。 【0014】たとえば、共重合ポリアルキレンエーテルジオール、主として4,4’ジフェニルメタンジイソシアネートからなる芳香族ジイソシアネート及び二官能性ジアミンから得られるポリウレタンからなり、ポリウレタンにおけるウレタン部分の数平均分子量が6000〜9500、且つウレア部分の数平均分子量が650〜950であって300%モジュラスが0.20g/デニール以下のポリウレタン弾性繊維があげられるがこれに限定されるものでない。 【0015】本発明に用いる交編編地は、弾性繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維とによるもので、編機はトリコット編機、ラッセル編機、丸編機が使用でき使用する糸のデニールや商品の狙いにより適宜使用デニール、編機種、ゲージを選択すればよい。編組織は、トリコット編機では2枚筬組織のハーフ組織、サテン組織の第一筬へポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いる、またこれらの組織の組み合わせによる変化組織が挙げられる。ラッセル編機ではパワーネット組織、サテンネット組織の地組織部へポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いる方法が挙げられる、丸編機では天竺、スムース、フライス組織の同一給糸口で弾性糸を複合給糸する方法が挙げられるがこれに限定されない。 【0016】弾性糸の混率は、組織や使用する糸の太さによって非常に範囲が広く、特に限定されないが、5〜30%が好適である。また、弾性糸を複合する際のドラフトは1.5〜3.5倍が好ましく、商品性と合わせて適宜選択する。さらに、経筋のない高度な品位のものをより安定して得る為には弾性繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維のデニール比(du/de)の範囲が0.5から9が好ましく、さらに好ましくは1〜8である。デニール比が9を上回る場合は余りにも弾性繊維比率が高過ぎ、弾性繊維が表面に露出しすぎて品位が保てない惧れがあり、またデニール比(du/de)が0.5未満の場合は編み立て時の弾性繊維の弾性力が弱く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維との応力バランスがとり難くなり、品位が保てない惧れがある。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、実施例にて本発明を説明する。物性の評価は以下の通り。 (1)衣服圧前頸骨筋部に(株)エイエムアイ製の衣服圧測定器のエアパック(センサー部)を取り付け、ロングスパッツを着用する。ロングソパッツを着用した状態で、コンビ(株)製エアロバイク700により負荷80W、ペダル回転数30回/分で1分間エアロバイクを漕ぎ、その時の衣服圧(g/cm2)の最大、最小値(1分間の平均値)を測定する。 (2)仕事量低下割合ロングスパッツを着用した状態で、チャテックス社製のキンコムにより膝角度5度〜95度の間を、定負荷(70N)で2分間繰り返し曲げ伸ばし後2分休憩する動作を3回行い、1回目の繰り返し曲げ伸ばし運動の仕事量W1と3回目の繰り返し曲げ伸ばし運動による仕事量W2を測定し、仕事量低下割合{(W1−W2)/W1×100}を算出する。 【0018】 【実施例1】ポリトリメチレンテレフタレート繊維は下記の方法により製法した。ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、50d/36fの延伸糸を得た。延伸糸の強伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、各々3.2g/d、46%、30g/d並びに98%であった。 【0019】尚、10%伸長時の弾性回復率は、試料に0.01g/dの初荷重をかけ、毎分20%の伸びの一定割分の速度で伸ばし、伸度10%になったところで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応力−歪曲線を画く。収縮中、応力が初荷重と等しい0.01g/dにまで低下した時の残留伸度をLとし、下記式で算出した。 10%伸長時の弾性回復率=(10−L)/10×100(%) 得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維50d/36fとポリウレタン繊維(旭化成工業(株)製商品名ロイカ)40デニール(100%伸長ドラフトを与えながら巻き取ったもの)をトリコット編機で下記条件で編み立てた。続いて、90℃の熱水でリラックス、190℃40秒のプレセット、95℃30分染色、脱水、170℃40秒のファイナルセットした編地を作製した。 【0020】 トリコット編成条件 編機 トリコット編機 28ゲージ 編組織 ハーフ ランナー長 フロント 160cm/480コース バック 80cm/480コース該編地にてロングスパッツを作製し、着用評価を実施した。その結果を表1に示す。 【0021】実施例1で得られた編地で作製したロングスパッツは、衣服圧の最大値が低く、最小値が高い、即ち、膝を曲げるときの衣服圧が低く運動を阻害せず、スパッツが伸ばされて回復する際のフィット性が高いものであった。又、運動前半と後半の仕事量低下割合が低く、即ち運動疲労性が小さくパワーダウンし難いものであった。 【0022】 【比較例1】実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の代わりに50d/17fのナイロン66(旭化成工業(株)製商品名レオナ)を用いた以外は実施例1と同様にして編地を作製した。該編地にて実施例1と同一サイズでロングスパッツを作製し、着用評価を実施した。 【0023】比較例1のロングスパッツは、衣服圧の最大値が高く最小値が低い、即ち膝を曲げるときの衣服圧が高く運動を阻害し、又、スパッツが伸ばされて回復する際のフィット性が低いものであった。かつ、仕事量低下割合が高く、即ち運動疲労性が大きく運動によるパワーダウンが大きいものであった。 【0024】 【比較例2】実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の代わりに50d/36fのポリエステル繊維を用いた以外は実施例1と同様にして編地を作製した。比較例2の編地にて実施例1と同一サイズでロングスパッツを作製し、着用評価を実施した。 【0025】該ロングスパッツは、衣服圧の最大値が高く、最小値が低い、即ち運動を阻害しフィット性が低いものであった。かつ、仕事量低下割合が非常に高く、即ち運動疲労性が大きく運動によるパワーダウンが大きいものであった。 【0026】 【表1】
【0027】 【発明の効果】本発明のスパッツは、従来の弾性繊維とナイロン繊維等を交編したものに較べて、運動時における着用フィット性が良好で、パワーアップや疲労軽減効果に優れたスパッツである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月19日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−93003 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−254965 |
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