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【発明の名称】 分離型テ−プ及びこれを用いた衣料
【発明者】 【氏名】池田 豊治

【氏名】池田 利治

【氏名】根本 康世

【要約】 【課題】複数部分からなる衣料等において、ある部分に損傷等があった場合に、その部分の分離が容易であり、しかも使用安定性等に関する問題がない、衣料等の複数部分の連結材及びこれを用いた衣料を提供する。

【解決手段】テ−プ幅方向の両端部が、編成された1本又は2本以上の糸で連結されており、糸端を引っ張ればその編成糸の絡みが除去されテ−プが容易に分離されることを特徴とする分離型テ−プ又はこのテ−プを介して、衣料としての機能を有する複数部分を連結し、一体化したことを特徴とする衣料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テ−プ幅方向の両端部が、編成された1本又は2本以上の糸で連結されており、糸端を引っ張ればその編成糸の絡みが除去されテ−プが容易に分離されることを特徴とする分離型テ−プ。
【請求項2】 前記分離型テ−プを介して、衣料としての機能を有する複数部分を連結し、一体化したことを特徴とする衣料。
【請求項3】 前記衣料としての機能を有する複数部分がセミロングブラジャ−とハイウエストガ−ドルであり、一体化した衣料がボディ−ス−ツであることを特徴とする請求項2記載の衣料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離型テ−プ及びこれを用いた衣料、特に、端糸を引っ張ることにより分離可能な分離型テ−プ及びこれを用いた衣料に関する。
【0002】
【従来技術】従来の衣料等は、複数の部分の全部又は一部が衣料等としての機能を有していても、一部が損傷された場合には、全体を廃棄しなければならなかった。また、衣料等の−部に体型補正等の特別の機能を持たせるには、材料の選定、形の設計が必要になるが、従来の一体構造としての衣料等の製造法では、他の部分の材料や機能の影響を受け、前記衣料等の一部に求める機能の選択肢が制限された。このような場合に、分離が容易な連結部を設ければ、損傷された部分の衣料を簡単に分離でき、他の部分の衣料を、分離後そのまま使用できるので便利で経済的であるばかりか、各部分を製造後連結するので、衣料の一部についての材料の選定や形の設計が、他の部分の材料や設計の影響を受けない利点が有る。
【0003】しかるに、このような連結部として、布製ファスナ−、ボタン等による各部分の連結が考えられるが、使用時に外れやすい等使用安定性に乏しく、さらに、衣料の場合、各部分の境界部の解け防止のための十分な補強を別途必要とする難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、複数部分からなる衣料等において、ある部分に損傷等があった場合に、その部分の分離が容易であり、しかも前記使用安定性等に関する問題がない、衣料等の複数部分の連結材及びこれを用いた衣料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、鋭意研究した結果、端糸を引くだけで分離できるテ−プ構造を見出すと共に、このテ−プを介して、その一部又は全部が衣料等としての機能を有する各部分を連結すれば、分離が容易であり、使用安定性に関する問題がないことを見出だし、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明のうち請求項1記載の発明は、テ−プ幅方向の両端部が、編成された1本又は2本以上の糸で連結されており、糸端を引っ張ればその編成糸の絡みが除去され、テ−プが容易に分離されることを特徴とする分離型テ−プである。
【0007】ここで、「編成された」とは、糸同士が絡んだ状態をいい、「編成糸の絡み」とは、編成糸同士の絡みのみならず、編成糸とテ−プ幅方向端部との絡みをも含む。このような構造のテ−プ1としては、織り若しくは編み組織からなるテ−プ端部(1a、1a)と1本又は2本以上の糸で編成された連結部(1b)から構成される次のものが例示される。
【0008】■ 図1に示すように、糸端を矢印方向に引くと編成糸のル−プの絡みが解けて一本の絡みのない糸となる鎖編み構造(イ)を基本とし、当該ル−プの一部をテ−プ端部1aの端糸と絡ませながらル−プを繋げ、テ−プ端部の1a、1a間を連結した構造になっているものの、その構造が細部において異なるもの((ロ)、(ハ)、(ニ))。
【0009】■ 図2(イ)に示すように、四本の糸でテ−プ端部1aの端糸と絡ませながら、テ−プ端部の1a、1a間を連結した構造になっているもの。この連結部1bの構造を詳述すると、図2(ロ)に示すように、テ−プ端部1aにおける緯糸の折り返しル−プAの裏側に一本の糸Bを重ね、その糸Bをル−プAの表側より編成糸Cですくい、テ−プ端部の1a、1a間を連結するようになっている。この構造だと、糸Cを抜くと糸Bも除去されることになる。したがって、図2(イ)において、矢印の方向に2本の糸を引っ張って抜くと、緯糸裏側の糸も除去されるので、合計4本の糸が除去され、テ−プが分離する。
【0010】なお、テ−プ1のテ−プ端部(1a、1a)については、使用目的に応じて、双方に伸縮性を持たせることもできるし、双方を非伸縮性のものにすることもでき、一方のテ−プ端部1aに伸縮性を持たせ、他方のテ−プ端部1aを非伸縮性のものにすることもできる。また、双方に伸縮性を持たせた場合、使用目的に応じ、一方のテ−プ端部1aと他方のテ−プ端部1aとの緊張力を変えることができる。さらに、伸縮性の有無にかかわらず、一方のテ−プ端部1aと他方のテ−プ端部1aの幅、厚さを、使用目的に応じて、別個に設定可能である。
【0011】このように形成されたテ−プは、端糸を引っ張れば、糸の絡みが除去され抜けるので、テ−プが容易に分離できる。この分離型テ−プは、衣料、カ−テン、敷物、寝具等種々の利用を図ることができるが、分離の際、連結糸がテ−プに残らない点でも有用である。例えば、下着であるロングブラジャ−のアンダ−部分にこのテ−プを用い、ブラジャ−部分と胴部分を連結した場合、このロングブラジャ−の着用時に一方の部分に破れ等が生じても、テ−プ部分を分離すれば、損傷のない他方の部分をショ−トブラジャ−又はウエストニッパ−として、そのまま使用できる。また、アウタ−衣料の袖中間にこのテ−プを使用し、袖の先端部に損傷等が生じた場合には、長袖から半袖に変えることも可能である。同様に、長尺もののカ−テンにこのテ−プを使用し、その一部に損傷等生じた場合には、短尺ものとして使用できる。
【0012】因みに、本発明のうち請求項2記載の発明は、これらの衣料用テ−プを介して、衣料としての機能を有する複数部分を連結し、一体化したことを特徴とする衣料である。ここで、一体化衣料には、パンティ−ストッキングは含まないこととする。また、「衣料用テ−プを介して、衣料としての機能を有する複数部分を連結し一体化する」ためには、該複数部分の連結端部と衣料用テ−プを結合する必要があるが、この結合は、該連結端部に解け等が生じないよう補強できると共に一体化衣料として使用に耐え得る強度を有する結合の仕方であれば特に制限されないが、一般的には縫製により行われる。
【0013】このように形成することにより、衣料としての機能を有する各部分(以下、部分衣料という。)は、一体としてではなく、別々に製造できるので、各部分衣料の材料の選定や設計が別々にできる。その結果、一つの部分衣料の材料、機能にこだわることなく、それ以外の部分衣料のスタイル、材料、機能を自由に選択・設計できる。
【0014】さらに、前記分離型の衣料用テ−プを用いて一体化しているので、一つ部分衣料に破れ等が発生した場合には、端糸を引っ張って糸を抜きテ−プを分離することにより、それ以外の部分衣料を、その機能を生かしながら使用することができる。また、破れ等が発生しなくとも、別々のスタイルで使用したい時には、何時でも分離して使用できることはもちろんである。なお、各部分衣料の連結端部は、テ−プとの結合で十分補強されているので、それらの端部における解け、破れ等を生じないし、使用時に連結部が外れる問題も生じない。
【0015】このような衣料の一つとしては、請求項3記載の発明のように、部分衣料がセミロングブラジャ−とハイウエストガ−ドルであり、一体化した衣料がボディ−ス−ツであるものが挙げられる。このボディ−ス−ツの材料には、織物、編物のいずれもが使用できるが、織物又は編物の素材としては、繊維素材であれば特に制限されず、合成繊維を含む人造繊維や天然繊維のいずれもが使用できる。これらの繊維のうち、人造繊維としては、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維、アセテ−ト、シノン等の半合成繊維、レ−ヨン、ベンベルグ等の再生繊維が例示され、天然繊維としては、綿、麻等の植物繊維、羊毛、生絲等の動物繊維が例示される。
【0016】この場合、セミロングブラジャ−部分とハイウエストガ−ドル部分は一体としてではなく、別々に製造することができるので、前者の材料、機能にこだわることなく、後者のスタイル、材料、機能を自由に選択・設計でき、逆に、後者の材料、機能にこだわることなく、前者のスタイル、材料、機能を自由に選択・設計できる。その結果、バスト部分はソフトにしてガ−ドル部分をハ−ドにする等機能の分割組み合わせが可能となり、従来のボディ−ス−ツよりも体型補正機能を高め、より着用感をたかめた商品を提供できる。さらに、バストサイズとウエスト・ヒップサイズの組み合わせが、従来の一体化ボディ−ス−ツと異なり自由となり、上部、腰部のサイズを別個に生産し、別個に保持できるので、在庫リスクの低減化を図ることもできる。
【0017】さらに、糸の端部を引っ張るだけで、テ−プが分離すると共にその糸がテ−プに残らない分離型テ−プを用いているので、セミロングブラジャ−部とハイウエストガ−ドル部の一方に、伝染が生じたり、破れが発生した場合には、テ−プ部を簡単に分離することができ、他方をハイウエストガ−ドル又はセミロングブラジャ−として直ちに使用できる。或いは、使用者が別々のスタイルで使用したい場合には、何時でも簡単に分離して直ちに使用できる。なお、セミロングブラジャ−部とハイウエストガ−ドル部の境界におけるそれぞれの端部はテ−プとの結合で十分補強されているので、それらの端部における解け、破れ等を生じないし、テ−プ中央の連結部は糸の絡みで構成されているので、ファスナ−等と異なり、使用時に該連結部が外れる問題も生じない。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
実施例1本発明に係るテ−プの一例は、第3図に示すように、テ−プ端部1a、1a及び連結部1bを、第1図(イ)の鎖編みをベ−スとした編み組織にしたものであり、端部1aは鎖編みの縦糸に緯糸を挿入して絡ませているが、連結部は鎖編みの縦糸だけをベ−スに構成され、端部1aの緯糸のル−プ端を鎖編みのル−プですくって連結している。したがって、テ−プ1の連結部1bは、一本の糸でいわゆる鎖編みをベ−スに編成されており、糸端を矢印の方向に引っ張ればその糸が抜ける構造になっている。
【0019】本実施例においてテ−プ1は、編機(カ−ルマイヤ−社(西ドイツ)製シングルラッセル機28GC)を使用して、太さ840デニ−ルのポリウレタン糸を太さ75デニ−ルのポリエステル糸でカバ−リングしたカバ−リング糸を縦糸として、太さ150デニ−ルのポリエステル糸を緯糸として用い、テ−プ端部1a、1aを製造すると同時に、太さ75デニ−ルのポリエステルからなる双糸を用いて連結部1bを製造した。
【0020】実施例2本発明に係るテ−プの他の例は、同様に第3図に示す構成のものであるが、本実施例においてテ−プ1は、編機(カ−ルマイヤ−社(西ドイツ)製シングルラッセル機28GC)を使用して、■一方のテ−プ端部1aには太さ840デニ−ルのポリウレタン糸を太さ75デニ−ルのポリエステル糸でカバ−リングしたカバ−リング糸を、■他方のテ−プ端部1aには太さ420デニ−ルのポリウレタン糸を太さ50デニ−ルのポリエステル糸でカバ−リングしたカバ−リング糸を、それぞれ縦糸として、太さ150デニ−ルのポリエステル糸を緯糸として用い、テ−プ端部1a、1aを製造すると同時に、太さ75デニ−ルのポリエステルからなる双糸を用いて連結部1bを製造した。この場合、■のテ−プ端部1aは■のテ−プ端部1aより緊張力が強く、厚みも厚くなる。
【0021】実施例3本発明に係るボディ−ス−ツ2は、第4図(イ)に示すように、セミロングブラジャ−部分2aとハイウエストガ−ドル部分2bとテ−プ部分1より構成されるが、セミロングブラジャ−部分2aとハイウエストガ−ドル部分2bには別々の生地を使用した。セミロングブラジャ−部分2aに使用した身生地は、太さ280デニ−ルと40デニ−ルとの2種類のポリウレタン糸が30%と太さ40デニ−ルのナイロン糸が70%の混率のトリスキン(登録商標)生地であり、ハイウエストガ−ドル部分2bに使用した身生地は、太さ560デニ−ルと40デニ−ルとの2種類のポリウレタン糸が42%と太さ50デニ−ルのナイロン糸が58%の混率のトリスキン(登録商標)生地である。
【0022】これは、緊張力の異なる生地を使用することにより、セミロングブラジャ−部分2aは、ハイウエストガ−ドル部分2bよりもソフトにする設計としたものである。また、ハイウエストガ−ドル部分2bのヒップ部分は熱を加えた凸金型と凹金型で生地を挟み、ヒップ状の立体形状を付加し、より体型補正ができるように仕上げた。
【0023】このハイウエストガ−ドル部分2bの上縁とセミロングブラジャ−部分2aの下縁は、幅5mmの連結部を幅方向中央部であって長さ方向全域に有する幅15mmの実施例2のテ−プ1を用い、前記■のテ−プ端部1aとハイウエストガ−ドル部分上縁及び前記■のテ−プ端部1aとセミロングブラジャ−部分2aの下縁とが、それぞれ幅が5mm程度であってテ−プ部分が裏側(又は表側)に位置するように重ねて縫製し、連結する。
【0024】このように形成されたボディ−ス−ツ2は、バスト部分の緊張力がソフトであるために着心地が楽であると共に、腹部、腰部の緊張力がハ−ドであってしかもヒップ部に立体形状を付加しているため、しっかりと体型補正できる。また、ハイウエストガ−ドル部分2bに伝染が生じたり、破れが発生した場合、若しくはセミロングブラジャ−部分2aに伝染が生じたり、破れが発生した場合には、テ−プの前記連結部2bの糸の端部を引っ張ることにより、糸をテ−プに残すことなくテ−プを幅方向中央部から分離できるので、分離後は、第4図(ロ)に示すように、それぞれハイウエストガ−ドル又はセミロングブラジャ−として使用できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明は、端糸を引っ張れば、糸の絡みが除去され抜けるので、連結糸を残さないでテ−プを容易に分離できる。また、端糸を引っ張らない限り分離しないので、これを衣料等に使用した場合には、ファスナ−等による連結に比べ、簡単に外れず、安定的に使用できる。
【0026】また、請求項2記載の発明は、複数の部分衣料が一体としてではなく、別々に製造することができるので、各部分衣料の設計が別々にでき、その結果、一部の部分衣料の材料、機能にこだわることなく、別の部分衣料のスタイル、材料、機能を自由に選択・設計できる。次に、分離が容易な連結部を有するテ−プを用いているので、ある部分に伝染が生じたり、破れ等が発生した場合には、テ−プを分離することにより、他の部分衣料はそれぞれその機能に応じた衣料として使用できる。
【0027】請求項3記載のボディ−ス−ツは、ハイウエストガ−ドル部分とセミロングブラジャ−部分がそれぞれ別個に、スタイル、材料、機能を自由に選択・設計できるばかりでなく、ハイウエストガ−ドル部分に破れ等が生じた場合には、前記分離型テ−プによりその部分を分離して、セミロングブラジャ−部分はその後、セミロングブラジャ−として使用することができる。また、逆に、セミロングブラジャ−部分に破れ等が発生した場合には、同様にしてハイウエストガ−ドルとして使用できる。また、ハイウエストガ−ドル部分とセミロングブラジャ−部分のそれぞれの端部は、テ−プとの結合で十分補強されているので、それらの端部には解け、破れ等を生じないし、使用時に連結部が外れる等の着用の不安定性の問題を生じない。
【出願人】 【識別番号】591154913
【氏名又は名称】マルコ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大島 泰甫 (外2名)
【公開番号】 特開平11−81019
【公開日】 平成11年(1999)3月26日
【出願番号】 特願平9−233002