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【発明の名称】 冷熱調節可能な身体被着物
【発明者】 【氏名】光藤 寿

【要約】 【課題】暑熱時に頭部を冷却し、寒冷時に頭部を暖めるヘルメットのような身体を冷熱調節可能な身体被着物を得ようとする。

【解決手段】複数のn形半導体素子1とp形半導体素子2とを導体片3、4で波状に接続した電子冷熱器10を、ヘルメット9の頂部に取付ける。両半導体素子1、2を波状に接続する一方の導体片3をヘルメット9の外側に、他方の導体片4をヘルメット9の内側に位置させる。電子冷熱器10に通電する直流電源である太陽電池6a及び切換スイッチ5をヘルメットに取付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 n形半導体素子(1)とp形半導体素子(2)とを交互に並べて導体片(3)(4)により波状に接続して構成した電子冷熱器(10)を、一方の導体片(3)を身体被着物の外側に、他方の導体片を身体被着物の内側に位置させ、この電子冷熱器(10)に通電する直流電源を、身体被着物に取付け、又は身体被着物とは別体に設けた冷熱調節可能な身体被着物。
【請求項2】 身体被着物がヘルメットである請求項1に記載の冷熱調節可能な身体被着物。
【請求項3】 身体被着物が衣服である請求項1に記載の冷熱調節可能な身体被着物。
【請求項4】 電源を太陽電池(6a)とした請求項1に記載の冷熱調節可能な身体被着物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷却又は加熱のできる電子冷熱器を取付けて、暑熱時は身体を冷し、寒冷時には身体を暖めることのできるヘルメット、衣服等の身体被着物に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず、身体被着物の一例であるヘルメットについていうと、建築、土木工事現場や車輛運転時等に頭部保護のためにヘルメットを着用することが、今日では通常的に行なわれている。しかし、従来のヘルメットは、通気のために孔を設けることは行なわれているものの、炎天下や寒冷地での作業時に、頭部を冷したり、温めることは行なわれていなかった。
【0003】又、身体被着物である衣服についていうと、建築、土木工事、道路工事等の屋外工事に従事する作業員は、寒冷時には防寒衣服を着用し、暑熱時にも怪我防止のための作業服や交通事故防止のための標識付衣服を着用している。しかし、寒冷時に、これらの作業用衣服の下に懐炉を入れることはあるが、暑熱時に作業用衣服を冷やすことは行なわれていなかった。
【0004】この外にも、スポーツの観戦や審判のために、また釣のために屋外に長時間居続けることも多いが、寒暑に対応して身体を冷熱できる装置を衣服や帽子に設けるものはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、寒冷時、暑熱時に身体を暖めたり冷したりできる冷熱調節可能な身体被着物を得ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】図8に示すように、n形半導体素子1とp形半導体素子2とに導体片3、4を接続し、直流電源6から導線7、8を通して直流電流を流すと、導体片4側で素子1、2と導体片4との接触部が放熱し、導体片3側で素子1、2と導体片3との接触部が吸熱し、電流の方向を逆にすると放熱、吸熱の端子が逆になるという現象(ペルチエ効果)が知られている。本発明は、この現象を利用して、ヘルメット、衣服等の身体被着物の内側と外側とに、n形またはp形半導体素子の1端及びこれらに接続される導体片3、4を配置し、これらに直流電流を流すようにして身体被着物を構成したものである。
【0007】
【作用】炎天下で着用するヘルメット、衣服等の身体被着物には、導体片3、4の一方を外側に、他方を内側(身体側)に位置させて取付け、内側に出た半導体素子が吸熱する方向に電流を流せば、身体を冷却することができ、酷寒時には、切換スイッチを切換えて内側の半導体素子の端部が発熱する方向に電流を流せば、身体を暖めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する電子冷熱器10は、吸放熱量を大きくするために、図1、図2に示すように、図8の1個ずつの半導体素子1、2の組合せを複数組使用している。図1は電子冷熱器10の側面図、図2はこれの平面図である。
【0009】複数組の半導体素子1、2は、導体片3、4で波状に接続され、図2のようにこれの複数組を並列させて端部に端子片11、12を接続し、導線7、8により直流電源6に接続している。
【0010】図3は、本発明の実施の一形態として、電子冷熱器10をヘルメット9の頂部に取付けた例を示す。n形半導体素子1、p形半導体素子2をヘルメット頂部に挿通し、ヘルメットの外側及び内側において導体片3、4を接続し、端子片11、12をヘルメット内に位置させている。ヘルメットの廂9aの上には、電源である太陽電池6aを取付けて直流電源とし、これに導線7、8を接続している。電流の断続及び方向を切換える切換スイッチ5は、廂9aの下面、ヘルメットの側面等の適宜の位置に取付ける。太陽電池6aからの電流の方向を切換スイッチ5により切換えることにより、電子冷熱器10の吸熱、放熱側を逆にして、頭部を冷したり、又は暖めたりすることができる。太陽電池の代りに、別の電源を用意して服のバンド等に取付けておき、これに導線7、8を接続するようにしてもよい。こうすれば、曇天、雨天、夜間等の太陽電池の働かない時でも冷熱作用を行なわせることができる。
【0011】図4に例示した構成は、ヘルメットへの取付けの便宜上、各素子1、2を保持板13に挿通して、電子冷熱器10を保持板13に保持させたもので、ヘルメット9の頂部に孔16を設けて、保持板13をリベット、接着剤等により孔16の縁に取付けている。14は断熱材、15は吸熱又は放熱する導体片4の下方部分に孔をあけ、又は目の大きな網状にした内カバーである。
【0012】この実施形態のヘルメットは、以上のように構成するから、切換スイッチ5を操作して、半導体素子1、2のヘルメット内側端を吸熱側に、ヘルメットの外側端を放熱側にすると、ヘルメット内の温度を下げて暑熱時に頭部を冷すことができ、半導体素子1、2のヘルメット内側端を放熱側に、ヘルメットの外側端を吸熱側にすると、ヘルメット内の温度を上げて寒冷時に頭部を温めることができる。ヘルメットを暑熱時専用、冷寒時専用として造るときは切換スイッチ5は不要になる。
【0013】図5〜図7は、電子冷熱器をチョッキ17に取付けた実施形態を例示する。図5はチョッキ17の正面図、図6は背面図、図7は側面図である。
【0014】この実施形態において、電子冷熱器10は、図4のヘルメットの電子冷熱器10と同様に構成される。即ち、図4のヘルメットにおける電子冷熱器10は、半導体素子1、2を保持板13に挿通して保持させ、保持板13の内外で端子片11、12に接続したものであるが、図6の電子冷熱器10も同様に構成されてチョッキの背中部分に取付けられる。外気との接触を良くするために、電子冷熱器10の外面は、目が粗く柔軟性のある金網で覆う。チョッキの前面には、直流電源である太陽電池6a又は他種の電池、及び切換スイッチ5を取付け、電子冷熱器10と可撓性の導線7、8(図示せず)で接続する。電子冷熱器10、太陽電池6a、切換スイッチ5を取付ける位置は、上記と変えることができる。又、チョッキの柔軟性を保つために、電子冷熱器10、太陽電池6aを複数に分割し、チョッキの適当な位置に分散させて取付けることもできる。
【0015】このように構成すれば、切換スイッチ5の操作により電子冷熱器10の内側部分を発熱させ又は吸熱させることができるから、寒冷時にこのチョッキを着て背中を暖めたり、暑熱時に背中を冷したりすることができる。
【0016】従って寒冷時の屋外作業や魚釣り、野球の観戦、審判、屋内での作業等の際に身体を暖めることができ、暑熱時には同様の作業時に身体を冷すことができる。
【0017】以上の実施の形態は、ヘルメット、チョッキについて述べたが、ヘルメット以外の帽子、チョッキ以外のセータ、外套、ズボン等の衣服に電子冷熱器を取付けて同様に身体各部を暖めたり冷したりすることができる。
【0018】
【発明の効果】
(1) 電子冷熱器をヘルメットに取付ければ、環境の温度に応じて、ヘルメット内の温度を調節して、頭部を冷し又は暖めることができ、夏の炎天下や寒冷地での建築、土木等の屋外作業や野球、サッカー等の屋外競技の観戦、魚釣り等のレジャーにおいて、頭部を過熱や過冷から保護することができる。
【0019】(2) ジャケット、チョッキ、作業服等の衣服に電子冷熱器を取付ければ、ヘルメットと同様に、建築、土木工事、道路工事等の屋外作業に従事する作業員が寒暑を感じるのを少なくし、屋外競技の観戦、魚釣り等のレジャーにおいても同様に着用者を寒暑から保護することができる。
【0020】(3) 太陽電池を電源とすることができるが、その外に、直流電源があれば、これに接続して使用できるから、夜間、雨天、曇天等の太陽電池の働かない時でも利用することができる。
【0021】(4) 車輛用電池を電源とすることにより、例えばカーレースにおいて悪い環境からドライバを保護することができる。
【0022】(5) その他、ゴルフ、キャンプを行なうときの帽子、野球帽、衣服等にも利用することができる。
【出願人】 【識別番号】593025468
【氏名又は名称】光藤 寿
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
【公開番号】 特開平11−81007
【公開日】 平成11年(1999)3月26日
【出願番号】 特願平9−223513