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【発明の名称】 内ポケット及びその内ポケットを備えた衣服
【発明者】 【氏名】石塚 公一

【要約】 【課題】内ポケット内に収納物を収納するに際しては、上衣の前ボタンを外さなくとも、内ポケットの位置と反対側の手を襟の近傍部分から斜めに差し込んでその斜めのまま手を衣服内に差し入れることにより内ポケット内に手を差し込むことができる。

【解決手段】上衣Wの内側に形成される内ポケットPであって、上記内ポケットのポケット口Sの開口縁部L1・L2を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上衣の内側に形成される内ポケットであって、上記内ポケットのポケット口の開口縁部を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成したことを特徴とする内ポケット。
【請求項2】 上記内ポケットを遊袋構造に形成してなることを特徴とする請求項1記載の内ポケット。
【請求項3】 上記内ポケットの収納空間の中心軸線を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向に配置してなることを特徴とする請求項1又は2記載の内ポケット。
【請求項4】 上記内ポケットを形成する一対の袋布のそれぞれにポケット口を閉塞可能なベルベットファスナを縫着したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の内ポケット。
【請求項5】 上記内ポケットのポケット口の開口縁部に裏地布と異なる色の玉縁布を縫着してなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の内ポケット。
【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の内ポケットを備えてなる衣服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば背広型上衣に用いられる内ポケット及びその内ポケットを備えた衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内ポケットは上衣の内側に形成され、手帳や財布等を収納する際に用いられ、近年の生活様式の多様化や高度情報化に伴い、携帯電話を含めて常時携帯すべき用具及び備品が増加する傾向にあり、それだけ内ポケットの果たす役割がきわめて大きくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の内ポケットのポケット口の開口縁部は上衣着用時にほぼ真上向きの直線縁形状に形成され、このため収納に際しては、内ポケットの位置と反対側の手を襟の近傍部分から斜めに差し込んでのちに直線縁状のポケット口に向けて手を曲げてこじ開けるようにしてポケット口を介して収納することになり、したがって、上衣の前ボタンを外さないと出し入れが困難なことがあり、携帯電話等のやや長尺小物にあっては非常に出し入れが厄介となり、それだけ内ポケットの使用快適性が低下しているという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、上衣の内側に形成される内ポケットであって、上記内ポケットのポケット口の開口縁部を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成したことを特徴とする内ポケットにある。
【0005】又、請求項2記載の発明は、上記内ポケットを遊袋構造に形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記内ポケットの収納空間の中心軸線を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向に配置してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記内ポケットを形成する一対の袋布のそれぞれにポケット口を閉塞可能なベルベットファスナを縫着したことを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記内ポケットのポケット口の開口縁部に裏地布と異なる色の玉縁布を縫着してなることを特徴とするものである。
【0006】又、請求項6記載の発明は、上記請求項1、2、3、4又は5記載の発明の内ポケットを備えてなる衣服にある。
【0007】
【発明の実施の形態】図1乃至図14は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図12は第一形態例、図13は第二形態例、図14は第三形態例である。
【0008】図1乃至図12の第一形態例において、Wは上衣、この場合背広の上衣であって、上衣Wの左前見頃の裏側としての内側に内ポケットPが形成されている。
【0009】そして、この内ポケットPのポケット口Sの上下の開口縁部L1・L2は上衣着用時において、ほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成されている。
【0010】又、この場合、この内ポケットPは遊袋構造に形成され、かつ、内ポケットPの収納空間Rの中心軸線Oを上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向に配置してなり、更に、この内ポケットPを形成する一対の袋布P1・P2のそれぞれにポケット口Sを閉塞可能なベルベットファスナB1・B1が縫着されている。
【0011】又この場合、内ポケットPの衣服着用時の内側としての表側にポケット口K1をもつ他の内ポケットKが形成されている。
【0012】しかして、この内ポケットPの製作方法は、先ず、図3の如く、上衣Wの種類や大きさ、形態等の仕様に応じた裏地布1及び玉縁布2、一対の袋布P1・P2を裁断し用意し、この場合、裏地布1に通常の箱ポケット状の他の内ポケットKを形成して置く。
【0013】そして、図4、図5の如く、裏地布1の内側表面に玉縁布2を重ねると共に外側表面に袋布P1を重ね、この場合裏地布1と玉縁布2の色は異色の布が用いられており、並列する湾曲状の縫目3・4により裏地布1、玉縁布2及び袋布P1を縫い付け、次いで図6、図7の如く、この縫目3・4のほぼ中間位置の裁断口5において裏地布1及び袋布P1をポケット口Sの長さに応じて切断すると共に玉縁布2を上玉縁布2a及び下玉縁布2bに分離切断し、そして、図8、図9の如く、上玉縁布2aを縫目3から折り返して裁断口5を介して袋布P1の表面に重ね、上玉縁布2a、袋布P1及び裏地布1を縫目6により縫い付け、かつ下玉縁布2bを縫目4から折り返して裁断口5を介して袋布P1の表面に重ね、下玉縁布2b、袋布P1及び裏地布1を縫目7により縫い付ける。
【0014】そして、図10、図11、図12の如く、袋布P1の内側表面にベルベットファスナB1を重ねて縫目8により裏地布1、袋布P1及びベルベットファスナB1を縫い付け、かつ縫目8を隠蔽する位置にして裏地布1の外側表面にラベル布9を重ね、袋布P1、裏地布1及びラベル布9を縫目10により縫い付けることになる。
【0015】そして、袋布P2を袋布P1の内側表面に重ね、縫目11により裏地布1、袋布P1、上玉縁布2a及び袋布P2を袋布P1・P2の上辺位置で縫い付けると共に袋布P2と袋布P1とを縫目12により袋布P1・P2の両側辺位置及び底辺位置で縫い付けて上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向となる中心軸線Oを有する収納空間Rを形成し、袋布P2の上記ベルベットファスナB1に対向する位置にベルベットファスナB2を縫い付け、これにより内ポケットPを形成することになり、この内ポケットPの袋布P1・P2は袋布P1・P2の上辺位置の縫目11から垂下されて袋布P1・P2の両側辺位置及び底辺位置は裏地布1に対して全面的に固定されないで遊離した遊袋構造となっている。
【0016】又、この場合袋布P1・P2の縫代部分と他の内ポケットKを形成する袋布K2の縫代部分とを引掛縫目13により縫い付け、内ポケットPには上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向となる中心軸線Oをもつ収納空間Rが形成されているが故に、内ポケットP内に収納した収納物の重さで袋布P1・P2が変形しないように、引掛縫目13の引っ掛かりにより収納物の重さによる鉛直方向への垂れ下がり荷重を受けるように構成している。
【0017】この実施の第一形態例は上記構成であるから、図1に示す如く、内ポケットPのポケット口Sの上下の開口縁部L1・L2を上衣W着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成しているから、内ポケットP内に収納物を収納するに際しては、上衣Wの前ボタンを外さなくとも、内ポケットPの位置と反対側の手を襟の近傍部分から斜めに差し込んでその斜めのまま手を衣服W内に差し入れることにより内ポケットP内に手を差し込むことができ、それだけ収納物の出し入れを容易に行うことができ、携帯電話等のやや長尺物であっても非常に出し入れが容易となり、それだけ内ポケットの使用快適性を高めることができる。
【0018】又、この場合、内ポケットPは遊袋構造に形成されているから、収納物の重さにより生ずる上衣の前見頃部分のシルエットに影響を及ぼすことを抑制することができ、又、上記内ポケットPの収納空間Rの中心軸線Oを上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向に配置しているから、手の収納方向と収納空間Rの中心軸線Oとがほぼ一致するので、違和感なく収納物の出し入れを行うことができ、又、この場合、上記内ポケットPを形成する一対の袋布P1・P2のそれぞれにポケット口Sを閉塞可能なベルベットファスナB1・B2を縫着しているから、ポケット口Sの開閉を容易に行うことができ、又、この場合、内ポケットPのポケット口Sの開口縁部L1・L2に裏地布1と異なる色の玉縁布2を縫着しているから、衣服のファッション性及びデザイン性を高めることができる。
【0019】図13の第二形態例はいわゆる片玉縁と称される内ポケットの別例構造を示し、すなわち、第一形態例と同一態様部分には同符号を付して説明すると、上記第一形態例においては、ポケット口Sの上下の開口縁部L1・L2にそれぞれ玉縁布2a・2bが露呈している構造の、いわゆる両玉縁構造となっているのに対し、この第二形態例においては、上玉縁2aが露呈されないで下玉縁2bのみが露呈し、そして、その内ポケットPの製作方法はほぼ同様となっているが、外部に露呈しない上玉縁2a及び下玉縁2bの裏面に補強芯布H1・H2をそれぞれ接着している。
【0020】又、図14の第三形態例もいわゆる片玉縁と称される内ポケットの別例構造を示し、上記第一形態例と同一態様部分には同符号を付して説明すると、この場合、下端縁2bの裏面に補強芯布H3を接着している。
【0021】これら第二及び第三形態例にあっても、第一形態例と同様な作用効果を得ることができる。
【0022】尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、内ポケットPは上衣の右前見頃の裏側に形成されることもあり、この場合内ポケットのポケット口の開口縁部は上記形態例と対称な形状の上衣着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成されることになり、又、例えば、紳士服、婦人服の上衣やベスト、ブラウス、コート、ジャケット、スキーウエアー、礼服、作業服等の種々の内ポケットにも適用することができ、勿論内ポケットPの大きさや形態等は適宜変更して設計されるものである。
【0023】
【発明の効果】本発明は上述の如く、請求項1又は6記載の発明にあっては、内ポケットのポケット口の開口縁部を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き凸状の湾曲縁形状に形成しているから、内ポケット内に収納物を収納するに際しては、上衣の前ボタンを外さなくとも、内ポケットの位置と反対側の手を襟の近傍部分から斜めに差し込んでその斜めのまま手を衣服内に差し入れることにより内ポケット内に手を差し込むことができ、それだけ収納物の出し入れを容易に行うことができ、携帯電話等のやや長尺物であっても非常に出し入れが容易となり、それだけ内ポケットの使用快適性を高めることができる。
【0024】又、請求項2記載の発明にあっては、内ポケットは遊袋構造に形成されているから、収納物の重さにより生ずる上衣のシルエットに影響を及ぼすことを抑制することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、内ポケットの収納空間の中心軸線を上衣着用時にほぼ中央斜め上向き方向に配置しているから、手の収納方向と収納空間の中心軸線とがほぼ一致するので、違和感なく収納物の出し入れを行うことができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記内ポケットを形成する一対の袋布のそれぞれにポケット口を閉塞可能なベルベットファスナを縫着しているから、ポケット口の開閉を容易に行うことができ、又、請求項5記載の発明にあっては、内ポケットのポケット口の開口縁部に裏地布と異なる色の玉縁布を縫着しているから、衣服のファッション性及びデザイン性を高めることができる。
【0025】以上、所期の目的を充分達成することができる。
【出願人】 【識別番号】594044071
【氏名又は名称】ピースクラウン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
【公開番号】 特開平11−61531
【公開日】 平成11年(1999)3月5日
【出願番号】 特願平9−213085