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【発明の名称】 防水用ズボン
【発明者】 【氏名】桝井 光昭

【要約】 【課題】オートバイ等のサドルに接する股下部分の縫い目からの雨水の浸入を防止し、頻繁な乗降においても尻部が破損せず、且つ夜間降雨時においても存在が目立つようにした防水用ズボンを提供する。

【解決手段】防水生地をカッティングした前部材を通常より狭幅に、後部材は広幅に設定することで、内側合わせ部及び外側合わせ部の縫い目ラインがいずれも正面側に位置するようにする。後部材の尻部に尻当て部材を取り付け、内側には中パンツを介在させて尻部を三重構造とする。リフレクタ機能を有する裾フラップを両裾部の外側に取り付け、夜間降雨時であっても他車ドライバーが視認し易いように目立たせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】防水生地をカッティングした前部材と後部材との内側合わせ部及び外側合わせ部を縫製してなる防水用ズボンであって、前記前部材を通常より狭幅に、後部材は広幅に設定することで、前記内側合わせ部の縫い目ライン及び外側合わせ部の縫い目ラインを正面側に位置させたことを特徴とする防水用ズボン。
【請求項2】前部材と後部材との間に中パンツが介在され、且つ後部材に尻当て部材を取り付けることにより尻部を三重構造とした請求項1記載の防水用ズボン。
【請求項3】リフレクタ機能を有する裾フラップが、裾の外側部分に取り付けられた請求項1又は2記載の防水用ズボン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に二輪車に乗って配達業務等を行う人のためのビジネス向け防水用ズボンに関する。
【0002】
【従来の技術】新聞配達や郵便配達等は、自転車やオートバイ等に乗って行われる場合が多く、雨天においては通常レインウエアーを着用して業務が遂行される。従来のレインウエアーは上下に別れており、その下部の防水用ズボンは、防水生地を素材として縫製され、ズボンを履いたままでも上から簡単に着脱できる形式のもので、ウエストの周囲にはゴムバンドの付いたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の防水用ズボンは、防水素材であるにも拘らず雨水が浸入し、又尻部の破損が早期に発生する問題があった。そのため、ユーザーからのクレーム処理や修理に多くの時間を要し、もっと満足のいく商品を望む声が高まっている。このような問題を解決すべく種々研究を重ねた結果、雨水の浸入はオートバイ等に乗った際に、股下部分の縫い目ライン即ち防水用ズボンの前部材と後部材の合わせ部の縫い目ラインがサドルに接触して生じること、尻部の破損は短時間で多数の配達をしなければないことから、オートバイ等への乗り降りの回数が頻繁となり、しかも乗り降りの際に尻部に強い摩擦力や引っ張り力が作用するのが原因であることが判明した。更に、夜間降雨時においては、他車両から見え難くなって交通安全上好ましくないという問題もあった。
【0004】本発明は、このような従来の事態に鑑みなされたもので、股下部分の縫い目から雨水が浸入するのを防止し、頻繁な乗降においても尻部が破損せず、且つ夜間降雨時においても存在が目立つようにした防水用ズボンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するための具体的手段として、本発明は、防水生地をカッティングした前部材と後部材との内側合わせ部及び外側合わせ部を縫製してなる防水用ズボンであって、前記前部材を通常より狭幅に、後部材は広幅に設定することで、前記内側合わせ部の縫い目ライン及び外側合わせ部の縫い目ラインを正面側に位置させた防水用ズボンを要旨とする。又、前部材と後部材との間に中パンツが介在され、且つ後部材に尻当て部材を取り付けることにより尻部を三重構造としたこと、リフレクタ機能を有する裾フラップが、裾の外側部分に取り付けられたこと、を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。図1は、本発明に係る防水用ズボンの分解斜視図であり、1は前部材、2は膝下部材、3は後部材、4は尻当て部材、5は中パンツ、6は裾フラップであり、これらの各構成部材は防水生地例えばナイロン地にPVCコーティングを施した生地等をカッティングして形成される。
【0007】前部材1は、図2(イ)に示すように膝下部材2がそれぞれ合わせ部8において縫着一体化される。これは膝の屈伸性を高めて活動し易くするためである。前記後部材3は、上から下まで一体に形成され、図1のように両裾部には面接合テープ7がそれぞれ所定の間隔をあけて上下に複数本(図例では3本)取り付けられている。
【0008】前記尻当て部材4は、図2(ロ)のように上縁部を除く外周縁部が前記後部材3の上部に縫着され、尻部のほぼ全面を被覆するようにしてある。
【0009】この場合、前部材1の横幅寸法は通常より狭く(1/2程度)形成されると共に、後部材3の横幅寸法は通常より広く(2倍程度)形成され、図2(イ)のようにこれらの内側合わせ部9及び外側合わせ目10を縫着すると、縫い目ラインはいずれも正面側に位置するようにしてある。つまり、普通のズボンでは内側合わせ部及び外側合わせ部は、いずれも内外側面のほぼ中央に位置しているが、この防水用ズボン11では内外の合わせ部がいずれも正面側に位置している。
【0010】このように防水用ズボン11の内外合わせ部9、10を正面側に位置させたのは、雨天オートバイ等のサドル(図略)に座った際に、内側合わせ部9がサドルに接触しないように或はサドルの直近に位置しないようにするためである。
【0011】又、防水用ズボン11の縫製の際に、前部材1と後部材3との間に前記中パンツ5が縫い込まれる。この中パンツ5は比較的薄い防水素材から形成された前、後部材を縫着して成り、上縁部は前部材1及び後部材3の上縁部に縫着され、股下のほぼ中央部分が防水用ズボン11の股下部分に止着される。これは、防水用ズボン11を脱いだ時に、中パンツ5が引き連れて外側に出るのを防止するためである。但し、中パンツ5の両脚部の下端縁はいずれも止着されずフリー状態になっている。更に、防水用ズボン11のウエスト周囲にはゴムバンド12が取り付けられ、且つ縛り用のゴム紐13が環状に設けられている。
【0012】前記裾フラップ6は、再起反射糸を織り込んだ防水生地から形成され、図2(イ)、(ロ)に示すように一方の側縁部が前記外側合わせ部10の下端部にそれぞれ縫着されており、裏面側には図1のように面接合テープ14が縦方向に取り付けられ、この面接合テープ14を前記面接合テープ7に止着することで固定できるようにしてある。面接合テープ7に対する面接合テープ14の止着位置を変えることで、防水用ズボン11の裾開口部の径を容易に調整することができる。
【0013】この裾フラップ6は、防水用ズボン11の両裾部の外側にそれぞれ位置し、しかも織り込まれた再起反射糸がリフレクタ機能を発揮するため、夜間他車からのヘッドライトを反射し、他車のドライバーが視認し易くなる。尚、図2(イ)、(ロ)において、15は防水用ズボン11の両裾部の内側に縫着された補強部材であり、オートバイ等に接触し易い裾の内側を保護するものであるが、この補強部材15を設けないで実施することもある。
【0014】図3は、各構成部材の合わせ部の裏面防水処理を示すもので、防水素材例えばビニール等で形成された防水テープ16を、合わせ部の縫い目ライン17に沿って熱圧着等の手段により貼着する。
【0015】このように構成された本発明に係る防水用ズボン11は、雨天時に着用してオートバイ等に乗ると、前記のように股下の内側合わせ部9がサドルの上方に位置するため、股下部分の縫い目から雨水が浸入するのを防ぐことができる。しかも、各構成部材の合わせ部の縫い目ラインは、裏面側で前記のように防水テープ16による防水処理が施されているので、股下部分以外の縫い目から雨水等が染み込むこともない。従って、防水性能は万全である。
【0016】防水用ズボン11の尻部は、前記のように後部材3の外側には尻当て部材4が取り付けられると共に、内側には中パンツ5が介在しているためいわば三重構造となっており、新聞配達や郵便配達のようにオートバイ等への乗り降り回数が頻繁であっても、摩擦力や引っ張り力に対して強く、尻部の破損を防止して長期間の使用に耐えることができる。
【0017】又、防水用ズボン11の両裾部の外側には、リフレクタ機能を有する裾フラップ6が取り付けられているため、夜間降雨時に存在が目立ち他車のドライバーが視認し易くなって、交通事故を未然に防止することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、防水用ズボンの前部材は通常幅の約半分、後部材は通常幅の約2倍の寸法にそれぞれ設定し、後部材を尻部側から正面に回し込み、前部材と正面側で縫い合わせるようにしたので、合わせ部の縫い目ラインが正面側に位置することとなり、オートバイ等に乗車した際に、股下部分の縫い目がサドルに接触せず又はサドルの近辺に来ないため、股下部分の縫い目からの雨水の浸入を確実に防止する効果を奏する。又、防水用ズボンの尻部は、後部材と尻当て部材と中パンツとで三重構造としたので強度が強く、早期の破損を防止し耐久性を著しく向上させることができる。従って、一般用の防水用ズボンとして着用するほか、特にオートバイ等に乗って新聞配達や郵便配達等の業務を行うビジネス用として着用するとその効果は絶大である。更に、防水用ズボンの裾部にはリフレクタ機能を有する裾フラップが取り付けられているので、夜間降雨時でも存在が目立ち易くなり、二輪車で配達業務に携わる人を交通事故から保護する効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開平11−61513
【公開日】 平成11年(1999)3月5日
【出願番号】 特願平9−213116