| 【発明の名称】 |
足部用衣類 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 厚人
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| 【要約】 |
【課題】歩行の際の転倒などの危険性を軽減し安全性を高めることができる足部用衣類を提供する。
【解決手段】靴下10は、足の指の付け根の裏面に形成される凹部に収容される凸部を有する緩衝部材20を、その先端部11に有している。これにより、この靴下10を着用した状態において、使用者の足の付け根から爪先に至るまでが略連続面となり、歩行の際にはこの連続面の全体において重心移動が行われるようになり、爪先だけに一度に重心が移動してバランスを崩す可能性が大幅に低減して転倒などの危険性が大幅に低減され、安全性が高まる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 足の複数の指を覆うための先端部を有する足部用衣類において、前記先端部の、前記複数の指の付け根の裏面に形成される凹部に対向する個所に、前記凹部内に収容される凸部を有する緩衝部材を固着してなることを特徴とする足部用衣類。 【請求項2】 前記緩衝部材が、前記複数の指の並列方向に延在した略棒状のものであることを特徴とする請求項1記載の足部用衣類。 【請求項3】 前記緩衝部材が、少なくとも2層構造から構成され、前記2層構造の内の前記複数の指の側に面する層が、前記複数の指の反対側に位置する層よりも軟質である、ことを特徴とする請求項1または2記載の足部用衣類。 【請求項4】 前記複数の指の反対側に位置する層の厚さが前記凹部の深さに応じて調節されることを特徴とする請求項3記載の足部用衣類。 【請求項5】 親指に対応する部分に前記緩衝部材が存在しないように配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の足部用衣類。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、足部用衣類に関し、特に、靴下やストッキング(パンティストッキングを含む。以下同じ)などのように、足の指を覆う先端部を有する足部用の衣類に関するものである。 【0002】 【従来の技術】靴下やストッキングなどの足部用衣類は、一般的には、足の保温、保湿、保護などのためだけに使用されている。特殊な例として、いわゆる抗菌処理を施した繊維を生地として使用することで、抗菌性を持たせたものもある。また、例えばスポーツ用の靴下として、各部における伸縮率を変えることでフィット性を高めたものもある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、靴などの履物を着用していない状態における人間の歩行は、通常、まず踵が地面に着き、次いで足の指の付け根(足の甲)が着き、最後に爪先が着地し、その後に爪先で地面を蹴るという順序で行われ、また、重心移動もこの順序で行われる。この歩行の際、特に老人の場合には、足の指の付け根から爪先に重心が移動したときに転倒し易いという問題がある。これは、面積の狭い爪先に重心が一度に移動し集中してバランスを崩すことが主な原因である。 【0004】しかしながら、従来の靴下やストッキングなどの足部用衣類は、上記のように足の保護などを主目的としたものである。このような問題に対処することはできなかった。 【0005】本発明は、上記のような問題を解消し、歩行の際の転倒などの危険性を軽減して安全性を高めることができる足部用衣類を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の足部用衣類は、足の複数の指を覆うための先端部を有する足部用衣類において、前記先端部の、前記複数の指の付け根の裏面に形成される凹部に対向する個所に、前記凹部内に収容される凸部を有する緩衝部材を固着してなることを特徴とする。 【0007】ここで、好ましい実施の形態において、前記緩衝部材は、前記複数の指の並列方向に延在した略棒状のものである。また、好ましい実施の形態において、前記緩衝部材は少なくとも2層構造から構成される。そして、これら2層構造の内の複数の指の側に面する層が複数の指の反対側に位置する層よりも軟質である。さらに、この複数の指の反対側に位置する層の厚さは凹部の深さに応じて調節される。 【0008】以上のように構成される本発明の足部用衣類によれば、足の複数の指の付け根に形成される隙間である凹部を緩衝部材が埋めることから、この付け根から爪先に至るまでが略連続面となる。そして、歩行の際には、この連続面の全体において重心移動が行われるようになる。このため、従来のように爪先だけに一度に重心が移動してバランスを崩す可能性が大幅に低減し、転倒するなどの危険性が大幅に低減される。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下は本発明を靴下に適用した例であるが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。つまり、靴下の他、例えばストッキングのように、足の指を覆う先端部を有する形態のものであれば、本発明を同様に適用できる。 【0010】図1と図2を参照して、靴下10は、先端部11、踵部12、および足首部13とから構成されている。ここで、この靴下10において、踵部12と足首部13は従来のものと同様なものである。 【0011】一方、先端部11には、緩衝部材20が固着されている。固着の方法としては、接着剤による接着、あるいは糸による縫着などの適宜な固着手段(縫着手段)が用いられる。また、固着の態様としては、緩衝部材2をそのまま接着や縫着などで先端部11に固着する方法、あるいは緩衝部材2を袋状物14内に収容し、この袋状物を先端部11に同様に固着する方法などの適宜な手法を使用することができる。以下の説明では、緩衝部材20を靴下の一部で作った袋状物14内に糸Tで縫着する例について説明するが、その他の手法も、適宜使用することができる。 【0012】緩衝部材20は、図3に示したように、断面が四角形の棒状のもの、つまり細長い角柱状のものであり、クッション層21と支持層22との2層構造のものである。クッション層21は支持層22よりも軟質の材料、例えばスポンジなどで形成されている。また、支持層22は、クッション層21よりも固い材質の合成樹脂などで形成されている。クッション層21、支持層22は、例えば、発泡ウレタン材から構成されるが、これに限定されない。 【0013】さらに、緩衝部材20の太さ(幅と高さ)は、足の指の付け根の裏面に形成される凹部に入る程度の寸法に作られる。また、緩衝部材の長さは、足の親指から小指までの幅と同じ程度とされる。 【0014】そして、この緩衝部材20は、使用者が靴下10を履いた状態においては、クッション層21が使用者の足の指側を、また支持層22が足の指と反対側(つまり、靴を履いた状態では靴の底側、履かない状態では地面側)を、それぞれ向くように、上記のように先端部11に固着される。 【0015】次に、図4を参照して、靴下10の作製手順の一例を説明する。すなわち、先端部11を従来の靴下に比べて大きい寸法として、図4に示したように、その爪先側部11aと踵側部11bとの間にやや袋状物14となる外部開放の凹状の縫着部を形成する。そして、この縫着部に緩衝部材20を入れるとともに、爪先側部11aと踵側部11bとを緩衝部材20の上部に引き寄せる。さらに、図示したように、これら爪先側部11aと踵側部11bの隣接部分を緩衝部材20を包むように糸により縫製して閉じることで、袋状物14を構成する。 【0016】上記で構成された靴下10を使用者30が履いた状態を図5を示した。この状態において、緩衝部材20は、使用者30の足の複数の指の付け根の裏面の凹部31内に収容され、また足の指を横切る方向、つまり足の複数の指の並列方向に延在する状態で収容される。 【0017】そして、このように使用者30が靴下10を着用した状態で歩行する場合において、上記のように凹部31がを緩衝部材20によって埋められることから、足の指の付け根から爪先に至るまでが略連続面となる。よって、使用者30が歩行する際における、踵から足の指の付け根を経て爪先への重心移動がこの連続面の全体において行われるようになる。このため、従来のように爪先だけに一度に重心が移動してバランスを崩す可能性が大幅に低減し、転倒するなどの危険性が大幅に低減される。 【0018】さらに、この実施の形態の靴下を100人に着用させて1週間使用した場合、花粉症であるモニタ20人の中の約4割に相当する9人がその症状が改善したことが判明した。これは、実施の形態の靴下を履いた場合において、足の指の付け根の凹部に緩衝部材を設けることで、歩行の際のバランス性が改善したこと、あるいは、この緩衝部材が足の裏の指の付け根にある花粉症改善に効果のあるつぼを刺激することなどがその理由と考えられる。 【0019】図6に他の実施形態例を示す。図1に示す例では布により凹部を形成してそこに緩衝部材を収納し、開口部を糸で縫着している。それに対して図6に示す例では、足部衣類を構成する布Nを二重に折り返すことにより収納空間を形成し、その収納空間を収納部として緩衝部材20を収納している。 【0020】本形態例では、縫着が容易であるため生産性に優れる。また、底部が二重となっており耐久性に優れるという利点もある。 【0021】図7にさらに他の形態例を示す。本例でも布Nを二重に折り返して収納空間を形成し、その収納空間に緩衝部材20を収納している。ただ、図6に示す例では、足部衣類の外側に収納空間を形成したが、本例では足部衣類の内部(足が入る部分)に収納空間を形成し、この収納空間に緩衝部材20を収納してある。本例では、人間の足は二枚の布を介して緩衝部材20と接するため、緩衝部材20との接触による違和感が少ない。 【0022】なお、以上の例では、緩衝部材として、その全体が凸部となる棒状のものを用いたが、これに限定されず、このような凸部を片側(足の指の付け根の裏面の凹部に対応する側)に有するものであれば適宜な形状のものを使用することができる。例えば、緩衝部材は、このような凸部を有する断面T字状のものであっても良い。 【0023】また、緩衝部材20は、小指から薬指にわたる長さとすることが特に好ましい。すなわち、親指に対応する部分には緩衝部材が存在しないように緩衝部材の長さ、配置を選択することが好ましい。本発明者の実験によれば、小指から親指までの全指にわたる長さとすると全指が設置しない状態となる。しかるに人間の体重は足の外側(すなわち小指側)に大きくかかる場合があり、かかる場合には小指をくじくおそれがある。そこで、緩衝部材20の長さを足の幅より親指分短くし、親指に対応する部分に緩衝部材20が存在しないようにすれば親指の接地は確保されるため体重のかかり具合のバランスがとれ、小指をくじくということを防止することができる。なお、体重のかかり具合は個人差があるため必要に応じてい親指のみならず薬指の接地も確保するようにしてもよい。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の足部用衣類では、先端部に形成される凹部に収容される凸部を有する緩衝部材を固着する構成としたことから、足の付け根から爪先に至るまでが略連続面となり、歩行の際にはこの連続面の全体において重心移動が行われるようになる。このため、爪先だけに一度に重心が移動してバランスを崩す可能性が大幅に低減して転倒などの危険性が大幅に低減され、安全性を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597158964 【氏名又は名称】鈴木 厚人
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】福森 久夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−140703 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−310557 |
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