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【発明の名称】 パンツタイプ紙おむつおよびパンツタイプ紙おむつの製造方法
【発明者】 【氏名】家守 啓

【要約】 【課題】脚を通しやすいパンツタイプ紙おむつおよびこれを製造しうるパンツタイプ紙おむつの製造方法を提案する。

【解決手段】おむつ外形を定める最外層シート7と半剛性の吸収体4とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分7aを残して止着してなるものであり、少なくとも股間部分Y2に関して、最外層シート7の幅が吸収体4の幅以下であるものとする。また、これを製造するために、おむつ外形を定める最外層シートの連続体70に対して、脚回り部分7aのカットを行った後に、吸収体4または吸収体を含む吸収体収容部5を積層する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】おむつ外形を定める最外層シートと半剛性の吸収体とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分を残して止着してなるパンツタイプ紙おむつにおいて、少なくとも股間部分に関して、前記最外層シートの幅が前記吸収体の幅以下であることを特徴とするパンツタイプ紙おむつ。
【請求項2】前記吸収体の側縁の外側に、脚回りを締め付ける弾性伸縮部が形成されている請求項1記載のパンツタイプ紙おむつ。
【請求項3】おむつ外形を定める最外層シートと半剛性の吸収体とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分を残して止着してなるパンツタイプ紙おむつの製造方法において、おむつ外形を定める最外層シートの連続体に対して、脚回り部分のカットを行った後に、前記吸収体または前記吸収体を含む積層体を積層することを特徴とするパンツタイプ紙おむつの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンツタイプ紙おむつおよびパンツタイプ紙おむつの製造方法に関し、さらに詳しくは、おむつ外形を定める最外層シートと半剛性の吸収体とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分を残して止着してなるパンツタイプ紙おむつ、およびこれを製造しうるパンツタイプ紙おむつの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパンツタイプ紙おむつ100は、図5に示すように、おむつ外形を定める最外層シート102A内面側に半剛性の吸収体101を備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分103を残して止着してなるものであり、股間部分Y1に関して、おむつ外形を定める最外層シート102Aの幅が吸収体101よりも広いものであった。
【0003】また、従来のパンツタイプ紙おむつの製造方法では、図6に示すように、おむつ外形を定める最外層シートの連続体102に対して、半剛性の吸収体101を積層した後の工程で、吸収体101,101間における吸収体101上に位置しない部分において脚回り部分103をカットしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来のパンツタイプ紙おむつは、股間幅が広く、脚を通す穴がおむつ側方に向かって開口しているために、おむつをはく又ははかせる際に太ももが脚回り部分に引っ掛かり易く、脚を通しづらいものであった。
【0005】この問題点は、主に前述した従来の製造方法に起因する。すなわち従来方法では、最外層シートに対して、半剛性の吸収体を積層した後の工程、または半剛性の吸収体を含む積層体を積層した後の工程で、おむつ外形を定める最外層シートの連続体の脚回り部分をカットしていたため、必然的に、カット可能な部分が吸収体間における吸収体上に位置しない部分に限られていた。その結果、従来方法では、脚回り部分のカット寸法およびカット形状も限られ、特に股間部分に関して最外層シートの幅を吸収体よりも狭くすることができなかったのである。尚、従来の製造方法において、股間部分の幅の狭い吸収体を積層することにより股間部分における最外層シートの幅を狭めることは、不可能ではないが、それによって股間部分の吸収能力が低下するため好ましくない。
【0006】そこで、本発明の主たる課題は、脚を通し易いパンツタイプ紙おむつを提供すること、および脚回り部分のカット寸法およびカット形状を自由に定めることができ、もって脚を通し易いパンツタイプ紙おむつを製造することのできるパンツタイプ紙おむつの製造方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発明のパンツタイプ紙おむつは、おむつ外形を定める最外層シートと半剛性の吸収体とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分を残して止着してなるパンツタイプ紙おむつにおいて、少なくとも股間部分に関して、前記最外層シートの幅が前記吸収体の幅以下であることを特徴とするものである。
【0008】本発明のパンツタイプ紙おむつにおいて、前記吸収体の側縁の外側に、脚回りを締め付ける弾性伸縮部が形成されているのは好ましい。
【0009】一方、本発明のパンツタイプ紙おむつの製造方法は、おむつ外形を定める最外層シートと半剛性の吸収体とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分を残して止着してなるパンツタイプ紙おむつの製造方法において、おむつ外形を定める最外層シートの連続体に対して、脚回り部分のカットを行った後に、前記吸収体または前記吸収体を含む積層体を積層することを特徴とするものである。
【0010】<作用>本発明のパンツタイプ紙おむつは、少なくとも股間部分に関して、おむつ外形を定める最外層シートの幅が半剛性の吸収体の幅以下であるため、脚通し穴が従来のものよりも下方に向かって開口する。したがって、本発明のパンツタイプ紙おむつは、従来のものと比べて脚を通しやすい。また、吸収体の側部外側に弾性伸縮部を備える本発明のパンツタイプ紙おむつは、弾性伸縮部分が太ももつけ根部分にフィットするため、股漏れを起こしにくいものとなる。このパンツタイプ紙おむつでは、弾性伸縮部分は吸収体の側部外方に位置するものの伸縮するものであるため、脚通し易さが損なわれることはない。また、本発明のパンツタイプ紙おむつの製造方法では、おむつ外形を定める最外層シートの連続体に対して、脚回り部分のカットを行った後に、前記吸収体または前記吸収体を含む積層体を積層するため、従来例のようにカット可能な部分が吸収体間における吸収体上に位置しない部分に限られない。したがって、本発明のパンツタイプ紙おむつの製造方法においては、脚回り部分のカット寸法およびカット形状を自由に定めることができ、例えば上述の本発明のパンツタイプ紙おむつのように、少なくとも股間部分に関して最外層シートの幅が吸収体の幅以下であるものも製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ詳述する。図1は本発明に係るパンツタイプ紙おむつ例1を示し、図2はトップシート側から視た展開状態を示し、図3は股間部分Y2の縦断面を示している。すなわち、本例の紙おむつ1は、おむつ外形を定める最外層シート7と半剛性の吸収体4とを備え、前身頃両側と後身頃両側とを、脚周り部分7aを残して止着してなるものであり、少なくとも股間部分Y2に関して、最外層シート7の幅が吸収体4の幅以下であるものである。
【0012】より具体的には、図2に示すように、おむつ外形を定める最外層シート7には、脚回り部分7aのカットによって4隅部分に前見頃フラップ部分FF1,FF2および後見頃フラップ部分FB1,FB2が形成されている。そして、図1に示すように、前身頃および後身頃を重ねるようにして、前見頃フラップ部分FF1,FF2の側端部とこれに対応する後見頃フラップ部分FB1,FB2の側端部とが、ホットメルト接着材あるいは熱シール等で止着されている。また、最外層シート7は、図3に示すように、2枚の可撓性シート7D,7E(例:不織布)よりなる2重構造とし、かつ脚周り部分7aおよび腰周り部分7bにおけるシート7D,7E間に、胴周りおよび脚回りの締め付けのための弾性伸縮部材G1,G1をそれぞれ適宜の数配設する。さらに、最外層シート7は、図示しないが、胴周り部分と股間部分(脚回り部分を形成する部分)とを一体とすることにより形成することもできる。
【0013】また、本例の紙おむつ1では、最外層シート7の内面側に、股間部分Y2を間に前後方向に延在する吸収体収容部5が備えられ、この吸収体収容部5内に吸収体4が内包されている。吸収体収容部5は、図3に示すように、不織布などからなり着用者の肌に直接触れる透液性トップシート2と、ポリエチレンなどからなる不透液性バックシート3とからなり、これらの間に、綿状パルプを主体とし必要によりこれを図示しない吸収紙で包んだ吸収体4が内包される。トップシート2とバックシート3とは、周縁部分において例えばホットメルト接着剤等により接着される。両側の接着縁部分においては、その縁部分長手方向に沿ってトップシート2およびバックシート3間に弾性伸縮部材G2,G2を適宜の数配設するのが望ましい。これによって、股間部Y2において吸収体4の側部外側に位置する吸収体収容部5側縁5a,5aが弾性伸縮部として機能し、太もものつけ根に良好にフィットするため、股漏れ防止が図られる。また、吸収体4の幅は、従来のものと同様に約9cmであるのが好ましい。
【0014】さらに、本例の紙おむつ1では、吸収体収容部5を包むように、伸縮性不織布などからなる疎水性でかつ通気性のバリヤーシート6が配設されている。バリヤーシート6の両側部の各々はM字状に折り返されており、おむつ内方向に突出する折り返し部分6A,6A…内に糸ゴムなどの弾性伸縮部材G3,G3…が挟まれるとともに、当該折り返し部分6A,6A…の対向内面が接着固定されている。これにより、バリヤーシート6の折り返し部分6A,6A…が吸収体4の側縁外側において脚回りを締め付ける弾性伸縮部として機能する。バリヤーシート6は、例えばホットメルト接着材または熱シール等により、トップシート2およびバックシート3の周縁部に止着される。また、バリヤーシート6は、バックシート3の外側の部分におけるバックシート3側面の反対側の面において、止着部分が線状(前身頃から後身頃方向)となるように最外層シートに止着される。
【0015】ところで、本例のパンツタイプ紙おむつは、前述したように従来の製造方法では製造できないが、次述の本発明に係る紙おむつの製造方法によれば製造することができる。すなわち、図4に示すように、予め巻取られた連続最外層シート70を繰り出し、図示しないロールカッター装置等によって、股間となる部分の幅が吸収体4の幅以下となるように脚回り部分7aをカットする(くり抜く)。
【0016】しかる後、連続最外層シート70の上面(おむつ内面となる面)に、股間部分を中心にして前後方向に延在するように吸収体収容部5を配設する。吸収体収容部5は、図示しないが、例えば連続最外層シート70の所定位置に、不透液性バックシート3、吸収体4、透液性トップシート2をこの順に積層することにより配設する。この際、連続最外層シート70と不透液性バックシート3の周縁部とを接着し、バックシート3の周縁部とトップシート2の周縁部とを接着する。トップシート2およびバックシート3間に弾性伸縮部材G2,G2を配する場合には、バックシート3の周縁部に弾性伸縮部材G2,G2を配した後にトップシート2を積層し、その際に当該周縁部を接着する。また、バリヤーシート6を配設する場合にはれを最初に積層接着し、続いてバリヤーシート6の上に、バックシート3、吸収体4およびトップシート2をこの順に積層し、バックシート3周縁と透液性トップシート2周縁とを接着する。これらの接着は、ホットメルト接着材または熱シール等により行う。
【0017】以降の工程については図示していないが従来の製造方法と異ならない。すなわち、吸収体収容部5の配設が完了したならば、続いて、連続最外層シート70の一方の側端が他方側に折り返えされる。その際またはその後、連続最外層シート70において前側の最外層シートをなす部分7’における前見頃フラップ部分FF1と後側の最外層シート部分7’’における前見頃フラップ部分FF2との境界部分Lが(以上の符号は図4参照)、ホットメルト接着剤または熱シール等で止着されるとともに、同時に止着部分において分断されて個別製品化される。連続最外層シート70は、ホットメルト接着剤または熱シール等で止着された後に切断することもできる。
【0018】この製造方法例において、前述したように、最外層シート7を2枚の可撓性シート7D,7Eよりなる2重構造とし、かつ脚周り部分7aおよび腰周り部分7bにおけるシート7D,7E間に、胴周りおよび脚回りの締め付けのための弾性伸縮部材G1,G1をそれぞれ適宜の数配設する場合、図示しないが、2枚の可撓性シート7D,7Eを重ね合わせ接着するとともに、その際にそれらの間の所定の位置に弾性伸縮部材G1,G1を配することにより一体的な最外層シート7を形成し、この最外層シート7について脚回りのカットを行うことができる。脚回りのカット以降の工程は、前述の方法と同様にして行うことができる。また、図示しないが、最外層シート7において内面側を構成する一方の可撓性シート7Dについて脚回り部分をカットし、続いて吸収体収容部5を配設する前あるいは吸収体収容部5を配設した後に、一方の可撓性シート7Dにおける吸収体収容部5配設側の反対側に、予め脚回り部分をカットしておいた、最外層シート7において外面側を構成する他方の可撓性シート7Eを、両可撓性シート7D,7Eの脚回り部分が重なるように重ね合わせ接着することもできる。尚、これらの方法における可撓性シート7D,7E相互の接着は、ホットメルト接着剤または熱シールにより行うことができる。
【0019】また、上記製造方法例では、吸収体収容部5を構成するトップシート2、吸収体4およびバックシート3を、順次、連続最外層シート上に積層し固定することとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、吸収体収容部5を構成するトップシート2、吸収体4およびバックシート3を予め積層し一体として吸収体収容部5の積層体(バリヤーシート6を設ける場合には、これも一体としておくことができる。)を形成し、この積層体を連続最外層シート上に積層し固定することもできる。
【0020】
【発明の効果】以上の通り、本発明のパンツタイプ紙おむつによれば、股間幅が吸収体幅よりも広くなるため脚が通し易くなる。また本発明のパンツタイプ紙おむつの製造方法によれば、カット可能な脚回り部分部分が吸収体間における吸収体上に位置しない部分に限られないため、脚回り部分のカット寸法およびカット形状を自由に定めることができ、もって脚を通し易いパンツタイプ紙おむつを製造することができるようになる。
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
【公開番号】 特開平11−107007
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−274024