| 【発明の名称】 |
麦茶風味を有する食品材料の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】深谷 哲也
【氏名】村岡 明高
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| 【要約】 |
【課題】焙煎麦或はこれから麦茶を製造するときに副生する麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有する複合的香味の新規食品材料を得ることができる方法を提供する。
【解決手段】焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾して、圧搾物を得た後、この圧搾物を有機酸発酵するか、又は焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を有機酸発酵して、発酵物を得た後、この発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 焙煎麦の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項2】 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項3】 焙煎麦の加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項4】 焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項5】 加水物が焙煎麦に1.5〜7.0重量倍加水したものである請求項1又は3記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項6】 加水物が麦茶殻に0.5〜3.0重量倍加水したものである請求項2又は4記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項7】 加水物又は発酵物を70〜95℃に加熱する請求項1、2、3、4、5又は6記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項8】 スクリュープレスがメッシュサイズ0.5〜1.5mmのバレルを着装したものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項9】 有機酸発酵が乳酸発酵である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。 【請求項10】 リゾープス オリーゼで乳酸発酵する請求項9記載の麦茶風味を有する食品材料の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は麦茶風味を有する食品材料の製造方法に関する。焙煎麦から麦茶を製造することが行なわれる。そしてかかる麦茶の製造では、その製造残渣として、大量の麦茶殻が副生する。本発明は上記のような焙煎麦或は麦茶殻から麦茶風味を有する新規の食品材料を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、上記のような焙煎麦は、専ら麦茶の製造原料として利用されているのが実情である。また上記のような麦茶殻は、特に有効利用の途がなく、その処分に困っているのが実情である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、専ら麦茶の製造原料として利用されている焙煎麦或はその処分に困っている麦茶製造残渣としての麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有する新規の食品材料を得る方法を提供する処にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本発明は、焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法に係る。また本発明は、焙煎麦の加水物或は焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する麦茶殻の加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾することを特徴とする麦茶風味を有する食品材料の製造方法に係る。 【0005】本発明では、焙煎麦或はこれから麦茶を製造するときに副生する麦茶殻に加水する。焙煎麦から麦茶を製造するとき、製造残渣として、焙煎麦のほぼ2重量倍程度に相当する麦茶殻(水分40〜60重量%程度)が副生するが、本発明では、焙煎麦だけではなく、かかる麦茶殻をも利用することができる。本発明では、後の処理をし易くするため、かかる焙煎麦或は麦茶殻に加水する。加水の程度は特に制限されないが、焙煎麦に対しては1.5〜7.0重量倍(焙煎麦を含む全体としては2.5〜8.0重量倍となる量)とするのが好ましく、また麦茶殻に対しては0.5〜3重量倍(麦茶殻を含む全体としては1.5〜4重量倍となる量)とするのが好ましい。 【0006】本発明は、上記のような加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵する場合と、上記のような加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾する場合とを包含する。 【0007】先ず、先に圧搾し、後で有機酸発酵する場合について説明する。この場合には、上記のような加水物を通常は55℃以上、好ましくは70〜95℃に加熱する。焙煎麦或は麦茶殻に由来する澱粉粒を充分に糊化して、後のスクリュープレスによる圧搾を効率的に行なうためである。そして加熱した加水物をそのまま熱時でスクリュープレスに供して圧搾し、溶液分として圧搾物を得る。加熱した加水物をそのまま熱時で、したがって焙煎麦或は麦茶殻に由来する澱粉粒を糊化した状態でスクリュープレスに供することが肝要であり、一旦は澱粉粒を糊化しても、糊化した澱粉が老化するような温度条件下でスクリュープレスに供したのでは、得られる圧搾物の歩留まりが低い。スクリュープレスに代えて例えば遠心分離機を用いることも考えられるが、この場合には澱粉含有量の低い圧搾物しか得られず、その歩留まりも低い。スクリュープレスは、通常はメッシュサイズ0.3〜5mm、好ましくは0.5〜1.5mmのバレルを着装したものを用いる。澱粉含有量が高く、焙煎麦或は麦茶殻の断片等を含まない、麦茶風味を有する高品質の圧搾物を高歩留まりで得るためである。 【0008】本発明においてメッシュサイズとはバレルに開けた孔の直径を意味する。スクリュープレスに着装するバレルにはその全表面に対する開孔率5〜50%程度で多数の固液分離用の孔が穿設されているが、本発明においてメッシュサイズはかかる孔の直径である。加熱した加水物をそのまま熱時で、通常はメッシュサイズ0.3〜5mm、好ましくは0.5〜1.5mmのバレルを着装したスクリュープレスに供し、通常はその出口圧力0.1〜20kgf/cm2で圧搾して、溶液分として圧搾物を得るのである。 【0009】焙煎麦或は麦茶殻から圧搾物を得るときに副生する製造残渣(スクリュープレスから排出される固形分)は、焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣(麦茶殻)に比べ、重量換算でほぼ1/4以下となる。したがって焙煎麦或は麦茶殻の大半を圧搾物として有効活用でき、この圧搾物は、澱粉含有量が高く、麦茶特有の風味を有する。 【0010】かくして得た圧搾物を有機酸発酵する。有機酸発酵の種類、形態、条件等は特に制限されないが、コウジ酸発酵或は乳酸発酵が好ましく、コウジ酸発酵はコウジ菌としてアスペルギルス オリーゼ、例えばIFO4075、4078、4079等を用い、また乳酸発酵は乳酸菌としてリゾープス オリーゼ、例えばIFO4705、4716、4804等を用いるのが特に好ましい。圧搾物を、アスペルギルス オリーゼでコウジ酸発酵すると、一般にトウモロコシ澱粉を同様にコウジ酸発酵する場合に比べ、コウジ酸の生成が多い。また圧搾物を、リゾープス オリーゼで乳酸発酵すると、一般にトウモロコシ澱粉を同様に乳酸発酵する場合に比べ、乳酸以外のリンゴ酸やフマル酸の生成が特異的に多い。かかる有機酸発酵に際しては、圧搾物に予め緩衝剤、例えば炭酸カルシウムを加えておくのが好ましく、また必要に応じて他の発酵助材、例えば糖類を加えておくのが好ましい。 【0011】次に、先に有機酸発酵し、後で圧搾する場合について説明する。この場合には、前記のような加水物を有機酸発酵する。有機酸発酵それ自体は、圧搾物を有機酸発酵する場合について前述したことと同様である。そして有機酸発酵した発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾する。かかる圧搾それ自体も、加水物を圧搾する場合について前述したことと同様である。圧搾により、焙煎麦或は麦茶殻の断片等を含まない、麦茶風味を有する食品材料を高歩留まりで得ることができる。 【0012】焙煎麦或は麦茶殻の加水物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾した後、その圧搾物を有機酸発酵する場合も、また焙煎麦或は麦茶殻の加水物を有機酸発酵した後、その発酵物を加熱し、熱時でスクリュープレスにより圧搾する場合も、麦茶風味を有する複合的香味の新規食品材料を得ることができる。この食品材料は新規の食品素材として利用価値が高い。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明に係る麦茶風味を有する食品材料の製造方法としては、次の1)〜18)が挙げられる。 1)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0014】2)麦茶殻100重量部に水150重量部を加えること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 3)麦茶殻100重量部に水200重量部を加えること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0015】4)加水物を75℃に加熱すること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 5)加水物を85℃に加熱すること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0016】6)メッシュサイズ1.0mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾すること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 7)メッシュサイズ1.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾すること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0017】8)圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液及び他の発酵助剤としてコーンスティプリカ水性液を加えること以外は前記1)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0018】9)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルスオリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0019】10)圧搾物に水を加え、クエン酸でpH4.0に調整してから、加熱殺菌して冷却すること以外は前記9)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0020】11)焙煎麦100重量部に水280重量部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0021】12)圧搾物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液及び他の発酵助剤としてコーンスティプリカ水性液を加えること以外は前記11)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0022】13)焙煎麦100重量部に水280重量部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、圧搾物を得る。この圧搾物に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0023】14)圧搾物に水を加え、クエン酸でpH4.0に調整してから、加熱殺菌して冷却すること以外は前記13)と同様にして麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0024】15)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0025】16)焙煎麦から麦茶を製造するときに副生する製造残渣としての麦茶殻100重量部に水100重量部を加え(麦茶殻に対し1重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0026】17)焙煎麦100重量部に水280重量部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物に緩衝剤として炭酸カルシウム水性液を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたリゾープス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養により乳酸発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0027】18)焙煎麦100重量部に水280重量部を加え(焙煎麦に対し2.8重量倍加水)、混合して加水物を調製する。この加水物に水を加え、加熱殺菌して冷却した後、予め馴養しておいたアスペルギルス オリーゼを加えて、雑菌汚染を防止しつつ、常温下で数日間の振とう培養によりコウジ酸発酵し、発酵物を得る。この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレルを着装したスクリュープレスで圧搾し、麦茶風味を有する食品材料を得る方法。 【0028】 【実施例】試験区分1・試験例1焙煎麦から麦茶を製造するときに副生した製造残渣としての麦茶殻100重量部(水分54重量%)に水100重量部を加え、混合して加水物を調製した。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレル(開孔率12%)を着装したスクリュープレスに供し、圧搾して(出口圧力2kgf/cm2)、圧搾物176重量部を得た。加水物に対する圧搾物の歩留まりは88重量%であり、圧搾物を得るときに副生した残渣(スクリュープレスの出口から排出された固形分)は24重量部であった。ここで得た圧搾物は、麦茶特有の風味を有しており、澱粉含有量14重量%で、麦茶殻の断片等を含まないものであった。 【0029】・試験例2〜7加水量、加熱温度或はバレルのメッシュサイズを表1記載のように変え、その他は試験例1と同様にして、圧搾物を得た。 【0030】・試験例8焙煎麦100重量部に水280重量部を加え、混合して加水物を調製した。この加水物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレル(開孔率12%)を着装したスクリュープレスに供し、圧搾して(出口圧力2kgf/cm2)、圧搾物355重量部を得た。加水物に対する圧搾物の歩留まりは93重量%であり、圧搾物を得るときに副生した残渣(スクリュープレスの出口から排出された固形分)は25重量部であった。ここで得た圧搾物は、麦茶特有の風味を有しており、澱粉含有量14重量%で、焙煎麦の断片等を含まないものであった。 【0031】各例の製造条件及び結果を表1にまとめて示した。 【0032】 【表1】
【0033】表1において、歩留まり:加水物に対する圧搾物の歩留まり残渣:スクリュープレスの出口から排出された固形分澱粉含有量:圧搾物中の澱粉含有量総合評価:下記の基準により評価した○;麦茶特有の風味を有しており、歩留まりが80重量%以上且つ澱粉含有量が10重量%以上であって、麦茶殻或は焙煎麦の断片等を含まないもの【0034】試験区分2・実施例1試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に30重量%炭酸カルシウム水性液100容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷却した。これに予め馴養しておいたリゾープス オリーゼ(IFO4705)の馴養液45容量部を加え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で8日間振とう培養(220rpm)により乳酸発酵し、食品材料を得た。ここで得た食品材料は、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規食品材料であった。 【0035】・実施例2試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に30重量%炭酸カルシウム水性液100容量部及び10重量%コーンスティプリカ水性液10容量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の食品材料を得た。 【0036】・比較例1試験区分1の試験例1で得た圧搾物350容量部に代えて15重量%トウモロコシ澱粉水性液350容量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして食品材料を得た。ここで得た食品材料は、いうまでもなく麦茶特有の風味を有せず、香味バランスも悪いものであった。 【0037】各例について、発酵日数3日及び8日における乳酸、リンゴ酸及びフマル酸の濃度を表2に示した。 【0038】 【表2】
【0039】・実施例3試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に水400容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷却した。これに予め馴養しておいたアスペルギルス オリーゼ(IFO4075)の馴養液90容量部を加え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で5日間振とう培養(220rpm)によりコウジ酸発酵し、食品材料を得た。ここで得た食品材料は、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規食品材料であった。 【0040】・実施例4試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に水400容量部を加え、クエン酸でpH4.0に調整したこと以外は実施例3と同様にして、実施例3と同様の食品材料を得た。 【0041】・比較例2試験区分1の試験例8で得た圧搾物500容量部に代えて15重量%トウモロコシ澱粉水性液500容量部を用いたこと以外は実施例3と同様にして食品材料を得た。ここで得た食品材料は、いうまでもなく麦茶特有の風味を有せず、香味バランスも悪いものであった。 【0042】各例について、発酵日数2日及び5日におけるコウジ酸の濃度を表3に示した。 【0043】 【表3】
【0044】・実施例5焙煎麦から麦茶を製造するときに副生した製造残渣としての麦茶殻100重量部(水分54重量%)に水100重量部を加え、混合して加水物を調製した。この加水物350容量部に30重量%炭酸カルシウム水性液100容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷却した。これに予め馴養しておいたリゾープス オリーゼ(IFO4705)の馴養液45容量部を加え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で8日間振とう培養(220rpm)により乳酸発酵し、発酵物を得た。この発酵物を90℃に加熱し、そのまま熱時で、メッシュサイズ0.5mmのバレル(開孔率12%)を着装したスクリュープレスに供し、圧搾して(出口圧力2kgf/cm2)、食品材料を得た。発酵物に対する食品材料の歩留まりは90重量%であった。ここで得た食品材料は、麦茶殻の断片等を含まない、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規食品材料であった。 【0045】・実施例6焙煎麦100重量部に水280重量部を加え、混合して調製した加水物を用い、この加水物350容量部に30重量%炭酸カルシウム水性液100容量部及び10重量%コーンスティプリカ水性液10容量部を加えたこと以外は実施例5と同様にして、実施例5と同様の食品材料を得た。 【0046】各例について、発酵日数3日及び8日における乳酸、リンゴ酸及びフマル酸の濃度を表4に示した。 【0047】 【表4】
【0048】・実施例7実施例5と同じ加水物500容量部に水400容量部を加え、121℃で15分間加熱殺菌した後、32℃に冷却した。これに予め馴養しておいたアスペルギルス オリーゼ(IFO4075)の馴養液90容量部を加え、雑菌汚染を防止しつつ、32℃で5日間振とう培養(220rpm)によりコウジ酸発酵し、発酵物を得た。この発酵物を、以下実施例5と同様にして圧搾し、食品材料を得た。発酵物に対する食品材料の歩留まりは94重量%であった。ここで得た食品材料は、麦茶殻の断片等を含まない、麦茶特有の風味を有する複合的香味の新規食品材料であった。 【0049】・実施例8実施例6と同じ加水物500容量部に水400容量部を加え、クエン酸でpH4.0に調整したこと以外は実施例6と同様にして、実施例6と同様の食品材料を得た。 【0050】各例について、発酵日数2日及び5日におけるコウジ酸の濃度を表5に示した。 【0051】 【表5】
【0052】 【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発明には、焙煎麦或はこれから麦茶を製造するときに副生する麦茶殻を可能な限り有効活用して、麦茶風味を有する複合的香味の新規食品材料を得ることができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000104113 【氏名又は名称】カゴメ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】入山 宏正
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| 【公開番号】 |
特開平11−318380 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−152096 |
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