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【発明の名称】 米飯の凍結及び粒状化方法並びにその装置
【発明者】 【氏名】峠 博之

【氏名】太田 隆

【氏名】園田 啓之

【要約】 【課題】凍結米飯をひと粒ひと粒がばらばらにほぐれた状態にすることができ、しかも装置の保守を容易に行えるようにする。

【解決手段】空気を透過しないベルト4を有するコンベア2により冷却室内を搬送される米飯に上方から氷点下の冷却空気を吹き付けるとともに、米飯の米粒間に冷却空気が充分に送り込まれるようコンベア上の米飯を攪拌して凍結せしめ、凍結後の米飯を、軸方向に長尺にして平行に配設された前後2本の歯車を少なくとも1対有し、しかも両歯車は両歯車が互いに噛合しない間隔で配設され、これらの歯車が対向する側が下向きとなるように回転駆動される粒状化装置16の前記両歯車間に投入して凍結後の米飯中に含まれる米粒の塊を歯車間に挟み込んでほぐすようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】空気を透過しないベルトを有するコンベアにより冷却室内を搬送される米飯に上方から氷点下の冷却空気を吹き付けるとともに、米飯の米粒間に冷却空気が充分に送り込まれるようコンベア上の米飯を攪拌して凍結せしめ、凍結後の米飯を、軸方向に長尺にして平行に配設された前後2本の歯車を少なくとも1対有し、しかも両歯車は両歯車が互いに噛合しない間隔で配設され、これらの歯車が対向する側が下向きとなるように回転駆動される粒状化装置の前記両歯車間に投入して凍結後の米飯中に含まれる米粒の塊を歯車間に挟み込んでほぐす米飯の凍結及び粒状化方法。
【請求項2】冷却室内に、空気を透過しないベルトを有するコンベアと、同コンベアによって冷却室内を搬送される米飯に上方から冷却空気を供給する冷却器とを備え、前記コンベア上に、コンベア上の米飯を攪拌して米飯の米粒間に冷却空気を送り込む攪拌装置を備え、前記コンベアの搬出端に、軸方向に長尺にして平行に配設された前後2本の歯車を少なくとも1対有し、しかも両歯車は両歯車が互いに噛合しない間隔で配設され、これらの歯車が対向する側が下向きとなるように回転駆動する粒状化装置を備える米飯の凍結及び粒状化装置。
【請求項3】前記冷却室出口寄りにおけるコンベア上に、コンベアの走行方向と直交する回転軸まわりに、櫛状の歯を放射状に多数有するほぐし装置を備える請求項2に記載の米飯の凍結及び粒状化装置。
【請求項4】前記粒状化装置は、前記歯車を上下方向に2対備え、下段の歯車間における歯車外周間の間隔が上段の歯車間における歯車外周間の間隔よりも小なるものとした請求項2及び3に記載の米飯の凍結及び粒状化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炊き上げた米飯を凍結せしめて米のひと粒ひと粒をばらばらにほぐれた状態にする方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】調理済の冷凍食品には、ピラフや白飯などを凍結した凍結米飯がある。米飯は水分を多く含んでいることと表面に粘りがあることから調理済の米飯をそのまま凍結せしめると米粒どうしがくっついて塊ができやすく、この塊は解凍時に解凍むらの原因となって味や舌ざわりを損ねてしまう。また、凍結米飯に塊があると計量や袋詰めの際に塊が計量器や包装機に引っ掛かったりすることがある。
【0003】従来は冷却室内を走行するネットコンベアに炊き上げた米飯を載せ、ネットコンベアの下方から冷却空気を供給し、同冷却空気の風圧により米飯を流動させながら米飯を凍結せしめ、さらに凍結した米飯中の塊は冷却室の出口付近におけるコンベア上に設けたほぐし装置で崩していた。前記ほぐし装置は、コンベアの走行方向と直交する回転軸まわりに櫛状歯を放射状に備え、前記回転軸の駆動によって回転される櫛状歯が塊を押圧して崩すようになっている。
【0004】しかしながら上述した従来の装置では前記櫛状歯の間隔よりも小さな径の塊が残ってしまうことがあった。また、従来の装置ではコンベア用ネットの網目に米飯が詰まり易くて冷却空気の流れを妨げてしまうので、一定時間ごとにネットを洗浄しなければならないとともに、ネットの下側から米飯へ冷却空気を吹き付けるので、割れ米などの米飯中の小さな粒が冷却空気によって吹き上げられ、冷却室内に飛散して衛生管理および保守に手間が掛かるという問題もある。
【0005】さらに、ネットの下側から冷却空気を供給するようにしてあるので、ネットの下方に冷却器を設ける必要があり、したがってネットの高さが高くなって(3m程度)保守が危険かつ煩雑になるという問題もある。
【0006】
【目的】本発明は上述した従来の技術における問題点を解消し、凍結米飯をひと粒ひと粒がばらばらにほぐれた状態にすることができ、しかも装置の保守を容易に行えるようにした。
【0007】
【手段】上記目的を達成するために、本発明に係る米飯の凍結及び粒状化方法は、空気を透過しないベルトを有するコンベアにより冷却室内を搬送される米飯に上方から氷点下の冷却空気を吹き付けるとともに、米飯の米粒間に冷却空気が充分に送り込まれるようコンベア上の米飯を攪拌して凍結せしめ、凍結後の米飯を、軸方向に長尺にして平行に配設された前後2本の歯車を少なくとも1対有し、しかも両歯車は両歯車が互いに噛合しない間隔で配設され、これらの歯車が対向する側が下向きとなるように回転駆動される粒状化装置の前記両歯車間に投入して凍結後の米飯中に含まれる米粒の塊を歯車間に挟み込んでほぐす構成としてある。
【0008】また、本発明に係る米飯の凍結及び粒状化装置は、冷却室内に、空気を透過しないベルトを有するコンベアと、同コンベアによって冷却室内を搬送される米飯に上方から冷却空気を供給する冷却器とを備え、前記コンベア上に、コンベア上の米飯を攪拌して米飯の米粒間に冷却空気を送り込む攪拌装置を備え、前記コンベアの搬出端に、軸方向に長尺にして平行に配設された前後2本の歯車を少なくとも1対有し、しかも両歯車は両歯車が互いに噛合しない間隔で配設され、これらの歯車が対向する側が下向きとなるように回転駆動する粒状化装置を備えるものとしてあり、また、前記冷却室出口寄りにおけるコンベア上に、コンベアの走行方向と直交する回転軸まわりに、櫛状の歯を放射状に多数有するほぐし装置を備え、さらに、前記粒状化装置は、前記歯車を上下方向に2対備え、下段の歯車間における歯車外周間の間隔が上段の歯車間における歯車外周間の間隔よりも小なるものとしてある。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面1〜5に基づいて説明する。冷却室1内の前後方向にはエンドレスコンベア2が水平に配設されていて、同コンベア2は冷却室前後の駆動輪3aと従動輪3b間にコンベアベルト4を掛け渡したものとしてあり、同コンベアベルトは空気を透過しない例えばスチールベルトよりなり、前記駆動輪3aの回転駆動により冷却室内を回走するようにしてある。
【0010】前記エンドレスコンベア2の上方には空気吹出用の整流体5をコンベアベルト4と平行に設けてあり、前記整流体には横幅亘りに適宜の間隔で多数のスリット状空気吹出孔6をあけてある。
【0011】整流体の上方には、送風機7をそれぞれ備える空気冷却器8を複数基(図1では4基)設けてあり、空気冷却器は氷点下の温度の冷却空気を供給するものとしてある。
【0012】コンベアベルト4上における前記空気吹出孔6からの冷却空気が吹き付けられる箇所のうち、複数箇所(図1では3か所)に、同ベルト上の米飯9を攪拌する攪拌装置10をほぼ等間隔となるように設けてある。
【0013】この攪拌装置10は図2に示すように、コンベアベルトの走行方向と直交する回転軸11まわりに放射状の攪拌羽根12を備え、回転軸11が図示省略のモータにより駆動されると攪拌羽根がコンベアベルト上の米飯9を後方へすくい上げるようにして攪拌し、米飯内に冷却空気を充分に送り込むようにしてある。
【0014】冷却室の出口寄りにおけるコンベアベルト上には、凍結された米飯9aをほぐすほぐし装置13を設けてあり、同ほぐし装置13は図3に示すようにコンベアベルトの走行方向と直交する回転軸14まわりに櫛状に並ぶ多数の歯15を放射状に備えるものとしてあり、櫛状の歯15の回転軸方向の間隔は例えば30mm程度にしてあって、回転軸14が図示省略のモータにより駆動されると、櫛状の歯15がブロック状に凍結した米飯9aを押圧して直径30mm程度の米飯の塊9bにするようになっている。なお、前記ほぐし装置13で押圧された米飯中には米粒のかけらなどの小片が含まれていることがあり、冷却空気を吹き付けると前記小片が冷却室内に飛散することがあるので、ほぐし装置13から冷却室出口にかけての製流体5には空気吹出孔を設けない。
【0015】エンドレスコンベア2の搬出端は、凍結米飯をひと粒ひと粒にほぐす粒状化装置16の投入口16aの上方に臨ませてあり、同粒状化装置の排出口16bは搬出コンベア17上に開口している。
【0016】前記粒状化装置16は図4に示すように、ケーシング18内に、前後で1対の歯車19a、19b、20a、20bを上下に2対備えており、各歯車は軸線方向が前記エンドレスコンベアの走行方向と直交し、軸線方向の長さがエンドレスコンベアの幅とほぼ同じ長尺のものとしてあって、少なくとも対となる歯車どうしは同形のものとしてある。
【0017】また、各対となる歯車どうしは噛合しておらず、上段の歯車19a、19bの外周間の隙間W1は下段の歯車20a、20bの外周間の隙間W2よりも大であり、具体的には上段の歯車19a、19b間の隙間W1が5mm程度、下段の歯車20a、20b間の隙間W2はほぼ0mmとしてある。なお、対となる歯車どうしは最も接近する位置において歯車の山21と谷22が対向するようにしてある。
【0018】各歯車は図示省略のモータによって駆動されるようになっていて、内側、すなわち各対の歯車が対向する側が下向きとなる方向に回転駆動させられる。
【0019】次に上述した本実施例の装置の作用を説明する。冷却室1内において空気冷却器8で氷点下に冷却された空気は送風機7から送り出され、整流体5のスリット状空気吹出孔6からコンベアベルト4により搬送される米飯9に吹き付けられる。
【0020】この際、前記空気吹出孔6が整流体5に適宜の間隔で多数設けられているので、米飯9には間欠的に冷却空気が吹き付けられる。すなわち、空気吹出孔の直下は冷却空気が高風速で吹き付けられて米飯が急激に冷却される強風ゾーン、その他の場所は冷却空気の風速が低く、穏やかに冷却される弱風ゾーンとしてあり、弱風ゾーンにおいて米飯内部の熱が外部に放出されることにより、米飯はほぼ均等に冷却、凍結される。
【0021】上述の間欠的な冷却によりある程度冷却された米飯9は攪拌装置10の攪拌羽根12によってほぐされ、冷却空気が米飯の間へ充分に送り込まれるようにしてあり、かくすることにより凍結に要する時間が短縮される。米飯は攪拌装置10によって攪拌されるので、ある程度はほぐされるが、それでも凍結時に米粒どうしがくっついてブロック状の凍結米飯9aとなる。
【0022】前記ブロック状の凍結米飯9aはほぐし装置13に送られ、櫛状歯15によって押圧されて同櫛状歯の間隔(本実施例では30mm)よりも小径の塊9bとなるようにほぐされる。前記ほぐし装置13でほぐされた米飯は飛散防止のため冷却空気を当てずに冷却室から搬出され、粒状化装置16に投入される。
【0023】同粒状化装置16においては、米飯の塊9bが上段の歯車19a、19b間および下段の歯車20a、20b間を通過する際に歯車間に挟み込まれてひと粒ひと粒がばらばらの米飯9dにほぐされる。
【0024】すなわち、上段の歯車における歯車外周間の隙間W1よりも大径の塊は、上段の歯車間を通過する際に、少なくとも隙間W1よりも小径な塊9cにまでほぐされ、さらに、下段の歯車間を通過する際にひと粒ひと粒がばらばらの状態の米飯9dになるようにほぐされる。ほぐされた米飯9dは排出口16bから搬出コンベア17に送り出され、同搬出コンベアによって計量や包装等の工程に送られる。上述した実施例においては、攪拌装置10を空気吹出口6の直下に設けるようにしてあるが、図5に示すように前後の空気吹出口6を攪拌装置に向けて開口し、攪拌装置に吹き付ける冷却空気の風量を大ならしめるようにしてもよい。
【0025】
【発明の作用、効果】上述した本発明においては、冷却室内を搬送される米飯が攪拌装置によって攪拌されるので、米飯の米粒間に空気冷却器からの冷却空気が充分に送り込まれ、短時間で均一に凍結される。
【0026】凍結された米飯中には米粒どうしがくっついてできた塊があるが、凍結された米飯はほぐし装置を通過する際に、塊が櫛状歯によって押圧されて小径の塊にほぐされる。
【0027】前記ほぐし装置を通過した米飯中には小径の塊が残るが、粒状化装置において歯車間を通過する際に前記小径の塊が歯車間に挟み込まれてひと粒ひと粒がばらばらの状態にほぐされる。したがって、解凍時に塊による解凍むらが生じることがなく、また、凍結された米飯が計量や包装の際に計量器や包装器に詰まってしまうようなトラブルは解消される。
【0028】また、本発明の装置においてはコンベアのベルトを空気を透過しないものとしてあるので、従来の装置におけるネットコンベアのようにネットの網目に米飯が詰まるような問題はなく、また、割れ米等の米飯中の小さな粒が冷却空気によって吹き上げられて冷却室内に飛散するようなおそれも殆どなく、コンベアベルトや冷却室内の洗浄といった衛生管理および保守の煩雑さを軽減することができる。
【出願人】 【識別番号】390026974
【氏名又は名称】株式会社東洋製作所
【出願日】 平成10年(1998)5月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 清美
【公開番号】 特開平11−318362
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−126503