| 【発明の名称】 |
高級脂肪アルコール分散水性組成物、その製造方法及び該組成物を含有する飲食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】鎌尾 敦子
【氏名】田中 善晴
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| 【要約】 |
【課題】長期間保存しても、高級脂肪アルコールが沈殿又は遊離しないで均一な分散状態を保つことができ、かつ耐酸性、耐塩性、耐熱性に優れた高級脂肪アルコール分散水性組成物及びそれを含有する飲食品を提供する。
【解決手段】平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステル、多価アルコール及び低級アルコールを含む水性媒体中に、炭素数20〜36の高級脂肪アルコールを含有させ、該低級アルコールを実質上除去してなる高級脂肪アルコール分散水性組成物、及びそれを含有する飲食品である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステル、多価アルコール及び低級アルコールを含む水性媒体中に、炭素数20〜36の高級脂肪アルコールを含有させ、該低級アルコールを実質上除去してなる高級脂肪アルコール分散水性組成物。 【請求項2】炭素数20〜36の高級脂肪アルコール0.000085〜10重量%、平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステル0.01〜30重量%及び多価アルコール10〜80重量%を含有する請求項1記載の高級脂肪アルコール分散水性組成物。 【請求項3】炭素数20〜36の高級脂肪アルコールと、平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステルとを含有する低級アルコール溶液を調製し、次いでこの溶液と多価アルコール水溶液とを混合したのち、低級アルコールを実質上除去することにより、該高級脂肪アルコールを水性媒体中に均質に分散させることを特徴とする高級脂肪アルコール分散水性組成物の製造方法。 【請求項4】低級アルコール溶液がエタノール溶液であり、かつ高級脂肪アルコール1重量部に対して、低級アルコール3〜10000重量部を含有するものである請求項3記載の製造方法。 【請求項5】請求項1又は2記載の高級脂肪アルコール分散水性組成物を含有することを特徴とする飲食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高級脂肪アルコール分散水性組成物、その製造方法及び該組成物を含有する飲食品に関する。さらに詳しくは、本発明は、長期間保存しても高級脂肪アルコールが沈殿又は遊離しないで均質な分散状態を保持しうる上、耐酸性、耐塩性及び耐熱性などに優れる高級脂肪アルコール分散水性組成物、このものを効率よく製造する方法、及び上記高級脂肪アルコール分散水性組成物を含有する飲食品に関するものである。 【0002】 【従来の技術】高級脂肪アルコールは、植物ろうの成分であり、その例としてはドコサノール(C22H46O)、テトラコサノール(C24H50O)、ヘキサコサノール(C26H54O)、オクタコサノール(C28H58O)、トリアンコタノール(C30H62O)、ドトリアコンタノール(C32H66O)、テトラトリアコンタノール(C34H70O)などを挙げることができる。これらの中で、特に、オクタコサノールは運動量の増加、耐久力の向上、活性力の増強、筋肉の痛み軽減などの優れた生理活性作用を有することが知られている。したがって、高級脂肪アルコールを飲食品に、特に飲料に添加することが期待されることになる。しかしながら、高級脂肪アルコールは融点が極めて高く(融点70〜91℃)、ほとんどの物質に溶解しにくいため、均一に分散して安定な液状品として利用することは困難であった。そのため、高級脂肪アルコールの使用は制限されるのを免れず、キャンディやアイスクリームのような固形状の食品に限られ、細かい粉末としてふりかけたり、溶解して練り込んだりして食品に添加することが行われている。そこで、高級脂肪アルコールを、例えば飲料に添加配合する場合、様々な添加物を配合し熱殺菌処理をするため、耐酸性、耐塩性、耐熱性に優れ、かつ、長期間保存してもクリーミングを生じたり、高級脂肪アルコールが分離することなく、均一な分散状態を保つことが望まれている。また、飲料やゼリーなどの高い透明性を望む飲食品に高級脂肪アルコールを配合する場合、高級脂肪アルコールが分離するため、通常白濁し、見た目が悪くなる。このため、このような飲食品への高級脂肪アルコールの添加量は制限される。したがって、高級脂肪アルコールを透明な飲食品に配合する場合は、その透明性を損なうことがないように、また耐酸性、耐塩性、耐熱性が共に優れ、これらの条件下で十分に満足しうる安定な分散状態を保持しうることが望まれている。そこで、高級脂肪アルコールを使用及び摂取しやすくするために、高級脂肪アルコールの液状化が課題となっている。高級脂肪アルコールを液状化するために、これまでに種々の検討がなされてきた。例えば、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液に、オクタコサノールを単独で、もしくは油脂に溶解した混合物の状態で加え、ホモミキサーを用いて乳化することによりオクタコサノールを乳化又は可溶化したオクタコサノール含有水溶性組成物を得る方法(特開昭61−263937号公報)、界面活性剤を含む水に高級脂肪アルコールを加え、高級脂肪アルコールの融点以上に加熱し、乳化機を用いて乳化する方法(特開昭61−31064号公報)や高級脂肪アルコールを低級アルコールに溶解し、次いで水を混合することにより高級脂肪アルコールを析出させ、さらに低級アルコールを除去したのち、界面活性剤を加えて析出した高級脂肪アルコールを水に分散させることを特徴とする高級脂肪アルコールの分散方法(特開昭62−99334号公報)などが提案されている。しかしながら、これらの方法で製造した液状組成物は、飲料に用いた場合、保存中に高級脂肪アルコールが上部に遊離したり、または沈殿したりして分散安定性の点で問題があり、耐酸性、耐塩性、耐熱性がともに優れ、安定な分散状態を保つ組成物として十分に満足しうるものではなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情のもとで、長期間保存しても高級脂肪アルコールが沈殿又は遊離しないで均質な分散状態を保持しうる上、耐酸性、耐塩性及び耐熱性などに優れる高級脂肪アルコール分散水性組成物を提供することを目的としてなされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、分散安定性に優れる高級脂肪アルコール分散水性組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、高級脂肪アルコールと特定のポリグリセリン脂肪酸モノエステルとを含有する低級アルコール溶液を、多価アルコール水溶液と混合し、低級アルコールを実質上除去することにより、高級脂肪アルコールが水性媒体中に均質に分散した水性組成物が得られ、このものは前記目的に適合しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステル、多価アルコール及び低級アルコールを含む水性媒体中に、炭素数20〜36の高級脂肪アルコールを含有させ、該低級アルコールを実質上除去してなる高級脂肪アルコール分散水性組成物、(2)炭素数20〜36の高級脂肪アルコールと、平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステルとを含有する低級アルコール溶液を調製し、次いでこの溶液と多価アルコール水溶液とを混合したのち、低級アルコールを実質上除去することにより、該高級脂肪アルコールを水性媒体中に均質に分散させることを特徴とする高級脂肪アルコール分散水性組成物の製造方法、及び(3)第(1)項記載の高級脂肪アルコール分散水性組成物を含有することを特徴とする飲食品、を提供するものである。また、本発明の好ましい態様は、(4)炭素数20〜36の高級脂肪アルコール0.000085〜10重量%、平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸及び/又はオレイン酸とのモノエステル0.01〜30重量%及び多価アルコール10〜80重量%を含有する第(1)項記載の高級脂肪アルコール分散水性組成物、及び(5)低級アルコール溶液がエタノール溶液であり、かつ高級脂肪アルコール1重量部に対して、低級アルコール3〜10000重量部を含有するものである第(2)項記載の製造方法、である。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物は、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、多価アルコール及び低級アルコールを含む水性媒体中に高級脂肪アルコールを含有させ、該低級アルコールを実質上除去してなる高級脂肪アルコールが均質に分散した水性組成物である。本発明組成物においては、高級脂肪アルコールとして、炭素数20〜36のものが用いられ、具体的には、小麦胚芽油、密ろう、キャンデリラろう、カルナバろう、木ろう、モンタンろう、オウリキュリーろう、米糠ろう、鯨ろうなどの天然動植物からの抽出、分離、濃縮されたものを好適に使用することができる。この高級脂肪アルコールとしては、特に生理活性の面から、オクタコサノール(C28H58O)を主体とするものが好適である。本発明に用いる高級脂肪アルコールの純度は、特に制限がなく、例えば5〜100重量%のものを使用することができる。また、これら天然由来の高級脂肪アルコール中には、通常炭素数の異なる高級脂肪アルコールが混在しているが、これらの高級脂肪アルコールが混在したままの状態で使用することができる。本発明組成物においては、ポリグリセリン脂肪酸モノエステルとして、平均重合度4〜10のポリグリセリンとミリスチン酸やオレイン酸とのモノエステルが用いられる。ポリグリセリンの平均重合度が4未満では透明な高級脂肪アルコール分散水性組成物が得られにくいし、10を超えると入手が困難である。また、モノエステルを構成する脂肪酸がミリスチン酸及びオレイン酸以外のものでは、分散安定な高級脂肪アルコール分散水性組成物が得られにくい。本発明においては、このポリグリセリン脂肪酸モノエステルは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に、平均重合度10のポリグリセリンとオレイン酸とのモノエステルが好ましい。ミリスチン酸とのモノエステルは、オレイン酸とのモノエステルに比べて、耐酸性、耐塩性及び耐熱性の点でやや劣る傾向がある。 【0006】本発明組成物においては、多価アルコールとして、例えばプロピレングリコール、グリセリン、さらには糖アルコール、具体的にはマルチトール、還元水あめ、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが好ましく用いられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明組成物においては、組成物の調製時に高級脂肪アルコールを溶解するために用いられ、その後除去されて組成物中に実質上含まれない低級アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどを使用することができるが、組成物中に残存した場合に食用としての安全性の点からエタノールが特に好ましい。また、低級アルコール以外にも高級脂肪アルコールを溶解し、かつ水と相溶性のある溶剤も用いることができるが、毒性の点でいずれも適当でない。この低級アルコールの使用量については、後述の高級脂肪アルコール分散水性組成物の製造方法の説明において記載する。また、本発明組成物において用いる水については、飲食品に使用しうる水であればよく、特に制限はない。本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物においては、前記高級脂肪アルコール0.000085〜10重量%、前記ポリグリセリン脂肪酸モノエステル0.01〜30重量%及び前記多価アルコール10〜80重量%を含有するのが好ましい。高級脂肪アルコールの含有量が0.000085重量%より少ないと、高級脂肪アルコールとしての生理作用上の効果が期待できないし、10重量%より多いと、容易に高級脂肪アルコールを安定に分散することができず好ましくない。ポリグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が0.01重量%より少ないと安定な高級脂肪アルコール分散水性組成物が得られにくいし、30重量%より多いと高級脂肪アルコールの含有量が少なくなるので好ましくない。さらに多価アルコールの含有量が10重量%未満の場合、安定な高級脂肪アルコール分散水性組成物が得られにくく、80重量%を超えると粘度が高くなり、分散させることが困難になる。 【0007】本発明組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種食品添加物、例えば他の界面活性剤、安定剤、調味料、酸、塩などを、適宜含有させることができる。ここで、他の界面活性剤としては、各種食品用界面活性剤、例えば本発明で規定する以外のポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ステロール、コール酸、デソキシコール酸、ユッカ抽出物などが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、安定剤としては、各種食品用安定剤、例えばアラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、酸としては例えば、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、炭酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸などを挙げることができ、塩としては例えば、アスコルビン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カルシウム、コハク酸−ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸−ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどを挙げることができる。このようにして得られた高級脂肪アルコール分散水性組成物は、長期間保存しても、クリーミングを生じたり、高級脂肪アルコールが分離することなく、均一な分散状態を保つことができる。このような本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物は、以下に示す本発明方法に従えば、極めて効率よく製造することができる。 【0008】本発明方法においては、まず、前記の高級脂肪アルコールとポリグリセリン脂肪酸モノエステルを低級アルコールに溶解して低級アルコール溶液を調製する。この際、低級アルコールは、高級脂肪アルコール1重量部に対して、3〜10000重量部、好ましくは5〜5000重量部、より好ましくは10〜1000重量部の割合で用いるのが有利である。この低級アルコールの量が3重量部未満では、高級脂肪アルコールを溶解するのが困難であるし、10000重量部を超えると低級アルコールの除去に多大のエネルギーを必要とし、経済的に不利となる。次に、別途調製した多価アルコール水溶液を、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃に昇温したのち、このものと、前記で調製した高級脂肪アルコール及びポリグリセリン脂肪酸モノエステルを含有する低級アルコール溶液とを、例えばプロペラ式撹拌機などの撹拌機を用いて混合処理しながら、常圧又は減圧下、場合によっては、加熱により、低級アルコールを実質上除去することによって、均質な液状の高級脂肪アルコール分散水性組成物が得られる。さらに、本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物は、60〜100℃で殺菌処理又は必要に応じて100〜150℃の高温殺菌若しくは減菌処理を行うことができる。このようにして得られた高級脂肪アルコール分散水性組成物は、長期間保存しても高級脂肪アルコールが沈殿あるいは浮遊することなく、均質な分散状態を保つことができ、また、酸性条件下でも安定な分散状態を保持することができる。上記のようにして得られた高級脂肪アルコール分散水性組成物はそのまま摂取したり、あるいは飲料又は食品の添加原料として使用される。例えば、スポーツ飲料、炭酸飲料、栄養飲料などの飲料やパン、めん、菓子類、乳肉製品、調味料などの飲食品に高級脂肪アルコールを添加するための配合原料として使用することができ、その範囲は、特に制限はなく、あらゆる種類の飲食品に適用することができる。飲食品の添加物原料として用いる場合には、1〜200000重量倍程度に希釈するようにして用いるのが望ましい。 【0009】本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物を含有する飲食品としては、例えば、パン、ビスケット、キャンディ、ゼリーなどのパン・菓子類、ヨーグルト、ハムなどの乳肉加工食品、味噌、ソース、たれ、ドレッシングなどの調味料、豆腐、麺類などの加工食品、マーガリン、ファットスブレッド、ショートニングなどの油溶性物質加工食品、粉末飲料、粉末スープなどの粉末食品など、さらにはカプセル状、タブレット状、粉末状、顆粒状などにした健康食品などを挙げることができる。本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物を含有する飲料とする場合、例えば、食塩などのミネラル、酸味料、甘味料、アルコール、ビタミン、フレーバー及び果汁などの中から選ばれた少なくとも1種を含む飲料、例えば、スポーツ飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、アルコール飲料、ビタミン・ミネラル飲料などを挙げることができる。その他、加工乳、豆乳及び手術前又は手術後などの栄養補給のための濃厚流動食などにも使用できる。本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物は長期間保存してもクリーミングを生じたり、高級脂肪アルコールが分離することなく、透明で均質な分散状態を保つことができる高級脂肪アルコールを含有する組成物であり、耐酸性、耐塩性、耐熱性にも優れ、食品及び食品添加物に使用される酸や塩を配合しても安定性を保つことができる上、60〜100℃で殺菌処理又は必要に応じて100〜150℃高温殺菌若しくは滅菌処理を行うことができ、この際の加熱に対しても安定であり、また長期間保存しても均質な分散状態を保つことができる。 【0010】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。 実施例1500ml容ステンレス製ビーカーに、オクタコサノール[商品名:ニッサンオクタコサノール12−O、日本油脂(株)製]6gと界面活性剤としてペンタグリセリンモノミリステート[商品名:サンソフトA−141E、太陽化学(株)製]30gをエタノール60gに約75℃に加温しながら溶解した。別に、500ml容ガラス製ビーカーに、グリセリン150gと水114gを撹拌しならが約75℃に加温後、前記の混合物を添加し、90℃に昇温しながらプロペラ式撹拌機で撹拌した。その後、加温及び撹拌を続けながらエタノールを除去することにより高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。調製直後及び40℃で60日間保存後の高級脂肪アルコール分散水性組成物における分散粒子の平均粒径をサブミクロン粒度分布測定装置[型式:N4SD、コールター(株)製]により測定し、第2表に記載し、併せて目視による外観結果を記載した。表中、○は分散安定性良好、×は浮遊物発生、*は調製直後に分離、**は調製直後にゲル化をそれぞれ表す。高級脂肪アルコール分散水性組成物は40℃で60日間恒温槽に保存したところオクタコサノールの浮遊、沈澱はまったく認められず、オクタコサノールの分散安定性は良好であった。また、第1表に示す種類と量の各材料を用い飲料を調製し、100ml容ビンに充填し、密封した。この飲料を95℃で15分間加熱殺菌し、飲料を得た。このようにして得られた飲料を40℃で1カ月保存したのち、下記の官能評価により風味を評価した。官能評価は10名のパネラーを選び、「風味良好である」3点、「異味異臭がわずかにある」2点、「異味異臭がある」1点の3段階で評価し、平均点を算出し、第2表にその結果を示した。 【0011】 【表1】
【0012】実施例2〜4実施例1に準じて、第2表に示したポリグリセリン脂肪酸モノエステルを用いて高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。それぞれに配合するポリグリセリン脂肪酸モノエステルの商品名は、実施例2はサンソフトQ−14S(デカグリセリンモノミリステート)、実施例3はサンソフトA−171E(ペンタグリセリンモノオレエート)、実施例4はサンソフトQ−17S(デカグリセリンモノオレエート)[いずれも太陽化学(株)製]である。これらの高級脂肪アルコール分散水性組成物を実施例1と同様の方法で評価を行い、その結果を第2表に示した。 比較例1ポリグリセリン脂肪酸モノエステルとして、ペンタグリセリンモノラウレート[商品名:サンソフトA−121E、太陽化学(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。調製した高級脂肪アルコール分散水性組成物は白濁し、40℃に60日間保存するとクリーミングを生じた。また、調製直後の高級脂肪アルコール分散水性組成物における分散粒子の平均粒径を実施例1と同様の条件で測定した結果、236nmであった。また、この高級脂肪アルコール分散水性組成物を用い、実施例1と同様にして飲料を調製しようとしたが、白濁し調製不能であった。これらの結果を第2表に示した。 比較例2ポリグリセリン脂肪酸モノエステルとして、トリグリセリンモノオレエート[商品名:サンソフトA−171C、太陽化学(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。得られた高級脂肪アルコール分散水性組成物は白濁し、調製直後に高級脂肪アルコールの分離が認められた。また、この高級脂肪アルコール分散水性組成物を用い、実施例1と同様にして飲料を調製しようとしたが、白濁し調製不能であった。これらの結果を第2表に示した。 比較例3実施例1のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの代わりにHLB値15のショ糖モノオレエート[商品名:リョートーシュガーエスエテルO−1570、三菱化成食品(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。調製した高級脂肪アルコール分散水性組成物は水、高級脂肪アルコール、多価アルコール及び界面活性剤を撹拌により混合した時点でゲル状になり、高級脂肪アルコールを均質に分散させることができなかった。また、この組成物は、当然なことながら飲料の調製に使用することはできなかった。これらの結果を第2表に示す。 比較例4実施例1のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの代わりにHLB値16のショ糖モノラウレート[商品名:リョートーシュガーエステルL−1695、三菱化成食品(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。調製した高級脂肪アルコール分散水性組成物は白濁し、60℃に1カ月間保存すると高級脂肪アルコールの分離を生じた。また、調製直後の高級脂肪アルコール分散水性組成物における分散粒子の平均粒径を実施例1と同様の条件で測定した結果、532nmであった。また、この高級脂肪アルコール分散水性組成物を用い、実施例1と同様にして飲料を調製しようとしたが、白濁し調製不能であった。これらの結果を第2表に示した。 比較例5実施例1のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの代わりに酵素処理レシチン[商品名:サンレシチンA、太陽化学(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。調製した高級脂肪アルコール分散水性組成物は水、高級脂肪アルコール、多価アルコール及び界面活性剤を撹拌により混合した時点でゲル状になり、高級脂肪アルコールを均質に分散させることができなかった。また、この組成物は、当然なことながら飲料の調製に使用することはできなかった。これらの結果を第2表に示す。 比較例6実施例1のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの代わりにデカグリセリンジステアレート[商品名:サンソフトQ−182S、太陽化学(株)製]を用いた以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。得られた高級脂肪アルコール分散水性組成物は白濁し、調製直後に高級脂肪アルコールの分離が認められた。また、この高級脂肪アルコール分散水性組成物を用い、実施例1と同様にして飲料を調製しようとしたが、白濁し調製不能であった。これらの結果を第2表に示した。 【0013】 【表2】
【0014】実施例5500ml容ステンレス製ビーカーに、オクタコサノール[商品名:ニッサンオクタコサノール12−O、日本油脂(株)製]15gと界面活性剤としてデカグリセリンモノオレエート[商品名:サンソフトQ−17UL、太陽化学(株)製]90gをエタノール100gに約75℃に加温しながら溶解した。別に、500ml容ガラス製ビーカーに、プロピレングリコール145g及び水50gを撹拌しながら約75℃に加温後、前記の混合物を添加し、90℃に昇温しながらプロペラ式撹拌機で撹拌した。その後、加温及び撹拌を続けながらエタノールを除去することにより高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。高級脂肪アルコール分散水性組成物は40℃で60日間恒温槽に保存したところオクタコサノールの浮遊、沈澱はまったく認められず、オクタコサノールの分散安定性は良好であった。 比較例7実施例5において、エタノールを除去しなかったこと以外は実施例5と全く同じ操作を繰り返して高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。高級脂肪アルコール分散水性組成物は白濁し、40℃に60日間保存するとクリーミングを生じた。 実施例6500ml容ステンレス製ビーカーに、オクタコサノール[商品名:ニッサンオクタコサノール60−O、日本油脂(株)製]6gと界面活性剤としてペンタグリセリンモノオレエート[商品名:サンソフトA−171E、太陽化学(株)製]15gとデカグリセリンモノオレエート[商品名:SYグリスターMO−750、阪本薬品工業(株)製]30gをエタノール60gに約75℃に加温しながら溶解した。別に、500ml容ガラス製ビーカーに、グリセリン45gと水204gを撹拌しながら約75℃に加温後、前記の混合物を添加し、90℃に昇温しながらプロペラ式撹拌機で撹拌した。その後、加温及び撹拌を続けながらエタノールを除去することにより高級脂肪アルコール分散水性組成物を得た。実施例1と同様にして飲料を調製し、100ml容ビンに充填し、密封した。この飲料を95℃で15分間加熱殺菌し、飲料を得た。このようにして得られた飲料を40℃で2カ月間保存したのち、分散安定性を評価したところ、高級脂肪アルコールの分離はまったく認められず、分散状態は安定であった。 実施例7第3表に示す種類と量の各材料を配合し、よく混合したのち、100ml容耐熱性容器に入れた。このゼリーを85℃で20分間加熱殺菌し、ゼリーを得た。このようにして得られたゼリーを25℃で3カ月間保存したのち、分散安定性を評価したところ、高級脂肪アルコールの分離はまったく認められず、分散状態は安定であった。 【0015】 【表3】
【0016】比較例8実施例7において、第3表の配合材料中実施例1の高級脂肪アルコール分散水性組成物を比較例4の高級脂肪アルコール分散水性組成物に変えた以外は実施例7と同様にして、ゼリーを得た。このようにして得られたゼリーを25℃で3カ月間保存したのち、分散安定性を評価したところ、高級脂肪アルコールの分離が認められ、分散状態は不安定であり、製品として使用することはできないと判断した。 【0017】 【発明の効果】本発明の高級脂肪アルコール分散水性組成物を各種飲食品の製造に際して添加配合することにより、耐酸、耐塩及び耐熱性に優れ、かつ、長期間保存しても、クリーミングを生じたり、高級脂肪アルコールが分離しないで透明で均質な分散状態を保つことができる高級脂肪アルコールを含有する飲食品を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004341 【氏名又は名称】日本油脂株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】内山 充
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| 【公開番号】 |
特開平11−187850 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−356712 |
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