| 【発明の名称】 |
魚介類および肉類のための消臭剤、消臭方法および消臭物質 |
| 【発明者】 |
【氏名】河合 俊和
【氏名】阿部 陽子
【氏名】村上 博司
【氏名】永井 幸枝
【氏名】杉谷 俊明
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| 【要約】 |
【課題】魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭物質、消臭剤および方法を提供する。
【解決手段】魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭剤および方法。該消臭剤は、下記の消臭物質を含む。消臭方法は、下記の消臭物質を魚介類または肉類に添加する。消臭物質:甘蔗汁および製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる。前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で、体積比0/100 以上50/50 未満の範囲と50/50 〜100/0 の範囲とを少なくとも含む2段階以上の濃度勾配にて溶出し、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 で溶出される画分を回収する。特に魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するために有効な消臭物質は、前記体積比0/100以上50/50 未満の範囲と65/35 〜100/0 の範囲とを少なくとも含む2段階以上の濃度勾配にて溶出し、体積比65/35 〜100/0 で溶出される画分を回収して得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 魚介類または肉類に特有な不快臭を消臭または低減するための消臭剤であって、該消臭剤が消臭物質を含み、該消臭物質が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比50/50〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる消臭物質であることを特徴とする消臭剤。 【請求項2】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比60/40 〜100/0 の範囲での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比60/40 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項1記載の消臭剤。 【請求項3】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項1記載の消臭剤。 【請求項4】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項1記載の消臭剤。 【請求項5】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項1記載の消臭剤。 【請求項6】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項1記載の消臭剤。 【請求項7】 前記合成吸着剤が有機系樹脂である請求項1〜6いずれか1項記載の消臭剤。 【請求項8】 前記合成吸着剤が芳香族系樹脂である請求項7記載の消臭剤。 【請求項9】 前記合成吸着剤が無置換基型の芳香族系樹脂である請求項8記載の消臭剤。 【請求項10】 前記カラムクロマトグラフィーでの処理において、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムを使用し、原料の通液をカラム温度60〜97℃にて行い、かつカラムに吸着された成分の溶出をカラム温度20〜40℃にて行う請求項1〜9のいずれか1項記載の消臭剤。 【請求項11】 魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法において、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる消臭物質を、魚介類または肉類に添加することを特徴とする方法。 【請求項12】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比60/40 〜100/0の範囲での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比60/40 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項11記載の方法。 【請求項13】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0の範囲での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項11記載の方法。 【請求項14】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項11記載の方法。 【請求項15】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項11記載の方法。 【請求項16】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する請求項11記載の方法。 【請求項17】 前記合成吸着剤が有機系樹脂である請求項11〜16のいずれか1項記載の方法。 【請求項18】 前記合成吸着剤が芳香族系樹脂である請求項17記載の方法。 【請求項19】 前記合成吸着剤が無置換基型の芳香族系樹脂である請求項18記載の方法。 【請求項20】 前記カラムクロマトグラフィーでの処理において、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムを使用し、原料の通液をカラム温度60〜97℃にて行い、かつカラムに吸着された成分の溶出をカラム温度20〜40℃にて行う請求項11〜19のいずれか1項記載の方法。 【請求項21】 甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる、魚介類または肉類に特有な不快臭の消臭または低減に有効な消臭物質。 【請求項22】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での2段階以上の濃度勾配での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での2段階以上の濃度勾配のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる21記載の消臭物質。 【請求項23】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での3段階以上の濃度勾配での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での3段階以上の濃度勾配のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる21記載の消臭物質。 【請求項24】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる21記載の消臭物質。 【請求項25】 前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる21記載の消臭物質。 【請求項26】 前記合成吸着剤が有機系樹脂である請求項21〜25のいずれか1項記載の消臭物質。 【請求項27】 前記合成吸着剤が芳香族系樹脂である請求項26記載の消臭物質。 【請求項28】 前記合成吸着剤が無置換基型の芳香族系樹脂である請求項27記載の消臭物質。 【請求項29】 前記カラムクロマトグラフィーでの処理において、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムを使用し、原料の通液をカラム温度60〜97℃にて行い、かつカラムに吸着された成分の溶出をカラム温度20〜40℃にて行う請求項21〜28のいずれか1項記載の消臭物質。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類または肉類の特有な不快臭、例えば、炭化水素、アルコール類、アルデヒド、有機酸、高度不飽和脂肪酸、窒素化合物、含硫化合物などによる複合された不快臭を、消臭もしくは低減するための消臭剤、消臭方法および消臭物質に関するものである。 【0002】 【従来の技術】魚介類または肉類の特有な不快臭は、それらの素材が潜在的に有する特有の臭い、及びそれらの鮮度の低下もしくは腐敗により、経時的に発生する複合的なものである。それらの不快臭の成分としては、例えば炭化水素、アルコール類、アルデヒド、有機酸、高度不飽和脂肪酸、窒素化合物、含硫化合物などによるものである。それらの成分の中には揮発成分であるものも多く、われわれは敏感にそれら揮発性成分を魚介類または肉類の特有な不快臭として感知することが出来る。 【0003】そこで一般的には、魚介類または肉類を調理する際には、ショウガ、ネギ、またはコショウ、ローレル、セージ、サンショウ等の香辛料等をいれたり、もしくは魚介類または肉類を食する際にわさび、ショウガ、にんにくをつけることにより、それら特有の不快臭を低減したり、または特有な不快臭と調和性をはかったりして呈味改善をおこなっている。さらには、魚介類または肉類を焼いたり薫製したりすることによって、好ましい風味を付加することにより、それらの特有な不快臭をマスキング(消臭の一種)したり、または粕漬け、味噌漬け、醤油漬けをするなど、調理の方法を工夫することによって、魚介類または肉類の特有な不快臭を低減している。 【0004】しかしながら、近年の加工食品のバラエティー化の中で、魚臭さ、貝臭さ、肉臭さ、そしてそれらの生臭さに代表されるような、魚介類または肉類の特有な不快臭を嫌う商品があり、これら商品開発のために、魚介類または肉類の不快臭抑制剤もしくは魚介類または肉類の不快臭マスキングフレーバーが要求される。また、冷凍技術の進歩により、遠く海外から日本へ魚介類または肉類が輸入されているが、品質劣化に伴う魚介類または肉類の特有な不快臭は、冷凍技術だけで抑えることが出来るものでなく、また冷凍することにより冷凍特有のいわゆる冷凍臭がついてしまう。さらに、缶詰もしくはレトルト食品などの半加工済みまたは加工済み食品の場合、特に、魚介類または肉類の個体差によるばらつきが、結果として商品のばらつきの要因ともなり、消費者からのクレーム発生要因の一つにもなっている。 【0005】一方、魚介類または肉類の特有な不快臭は、その素材自身の種類によっても異なり、素材の相違により、魚介類または肉類の不快臭もいろいろな表現で表される。また、魚介類または肉類の鮮度が落ちて行くにつれ、魚介類または肉類の特有な不快臭が発生し、これらの不快臭も同様にいろいろな表現で表される。 【0006】この魚介類または肉類の特有な不快臭は、その主な原因化合物としては、例えば窒素化合物、高度不飽和脂肪酸、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、炭化水素などが挙げられ、その他に有機酸、含硫化合物が組み合わさった複合的な化合物群により構成されている。また、魚介類または肉類の特有な不快臭の原因化合物の中には揮発性の化合物もあり、これらが不快臭の大きな要因となっている。ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン等;アルコール類として、糖、アミノ酸、アルデヒド由来のアルコール類;アルデヒド類として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン(アクリルアルデヒド)等;有機酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等;高度不飽和脂肪酸として、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、もしくはこれらのトリグリセライド;炭素数18以上、二重結合3以上のカルボン酸および/またはそれらの低級アルコールエステル、グリセライド脂質等;窒素化合物として、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン等;含硫化合物としては、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、ジメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、ジメチルジサルファイド、二酸化硫黄等が魚介類または肉類の特有な不快臭として知られている。 【0007】そこで、魚介類または肉類の特有な不快臭の抑制剤として、特有な不快臭の一因である高度不飽和脂肪酸またはタンパク質等の酸化、もしくはタンパク質等の分解を防ぐために、トコフェロールやセサモール、BHT、BHAなどの食品用の抗酸化剤、もしくはソルビン酸などの食品用の保存剤を使用することが知られている(食品添加物辞典、食品化学新聞社、平成9年6月1日発行、日高徹ら編著)。 【0008】また、魚介類または肉類の特有な不快臭の消臭方法としては、マスキングにより改良する方法が知られている。マスキングによる消臭には、油脂の存在下焙煎玄米の微細粉末と接触させる方法(特開昭54-110354 号公報)、ライムフレーバーによる方法(特公昭60-018382 号公報)、ヨーグルトフレーバー、ミルクフレーバー及び発酵乳フレーバーなどの乳系フレーバーによる方法(特開昭6-000068号公報)、脂溶性ジンジャーフレーバーによる方法(特開平6-018971号公報)、食酢に添加する際のオレンジ、レモン、スダチ、レモンライムおよびカボスなどの柑橘類の果汁、ならびに、アップル−F、レモンライム−F、オレンジオイルおよおびレモンオイルなどの果汁の処理物による方法(特開平6-070746号公報)、ペパーミント系の香料を添加する方法(特開平6-193707号公報)、ならびに、味噌に添加するに際して、シュガーF、コクトゥ−F、オレンジ、スダチ、レモンライムおよびカボスの果汁、ならびに、アップル−F、レモンライム−F、オレンジオイルおよびレモンオイルなどの果汁の処理物による方法(特開平6-113778号公報)、可食性酵母および発酵性可食性有機物による方法(特開平8-140592号公報)が知られている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの魚介類または肉類の特有な不快臭を抑制もしくはマスキングする素材を用いた方法では、添加された魚介類または肉類本来の有する好ましい香りおよび食味が損なわれる可能性があり、また、添加されるマスキング剤によっては、それら自身の有する特異な臭気および食味が強調される場合が多い。このことにより、マスキング剤を添加することが出来る魚介類または肉類を用いた食品または組成物の種類も限られ、また、魚介類または肉類本来の有する好ましい香りおよび食味を残すためにも、マスキング剤の添加量も少量に制限されるため、十分な効果が得られない場合がある。 【0010】そこで本発明は、魚介類または肉類に特有な不快臭の消臭剤および消臭方法ならびに、魚介類または肉類に特有な不快臭の消臭に有効な消臭物質を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭化水素、アルコール類、アルデヒド類、有機酸、高度不飽和脂肪酸、窒素化合物、含硫化合物などの複合的な成分に由来する魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減する方法について鋭意研究した結果、甘蔗由来の抽出物をカラム分画して得た消臭物質を、魚介類または肉類に振りかけたり、あるいは調理の中に取り入れることにより、これらに特有な不快臭を消臭もしくは低減する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0012】すなわち本発明は第1に魚介類または肉類に特有な不快臭を消臭または低減するための消臭剤であって、該消臭剤が消臭物質を含み、該消臭物質が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる消臭物質であることを特徴とする消臭剤を提供する。 【0013】本発明は第2に、魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法において、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる消臭物質を、魚介類または肉類に添加することを特徴とする方法を提供する。 【0014】本発明は第3に、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる、魚介類または肉類に特有な不快臭の消臭または低減に有効な消臭物質を提供する。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明において、魚介類または肉類とは、特有な不快臭の低減を必要とする魚介類または肉類である。魚介類としては例えばサバ、イワシ、アジなどが挙げられ、貝類としては例えばアサリ、ホタテ、シジミ、ハマグリなどが挙げられる。肉類としては、マトン、ラム、ウサギ、イノシシ、鹿、牛、馬、鳥などの肉が挙げられる。生の魚介類または肉類のほか、これらの加工品(例えばカマボコ、ハム、ソーセージなど)、エキスまたはスープ(濃厚煮出汁などの液体、凍結乾燥粉末、固形物等)なども包含する。特有の強い匂いを有する魚介類および肉類において、本発明の効果が高い。 【0016】まず、本発明の消臭剤について説明する。本発明の消臭剤は、魚介類または肉類に特有な不快臭を消臭または低減するための消臭剤であって、次の消臭物質を含むことを特徴とする。すなわち消臭物質は、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で溶出し、該溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含み、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収して得られる消臭物質である。 【0017】本発明において「甘蔗汁」という語は、甘蔗(さとうきび)を圧搾して得られる圧搾汁または、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、精製糖製造工場における樹脂塔再生液、あるいは、植物由来の成分抽出法において汎用の溶媒で抽出された抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液を意味する。そのような抽出溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類が挙げられ、これらを単独でも組合せて使用してもよい。さらに、アルコール類、ケトン類の場合には、水との組合せで使用してもよい。さらには、上記甘蔗汁を固形化できるように処理を施し固形化後、再溶解したものを含む。 【0018】また、「甘蔗由来の製糖蜜」とは、甘蔗汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分を意味し、例えば原糖製造工場における一番白下、二番白下、製糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、ブラウンリカー、精糖廃蜜などが挙げられる。特に製糖廃蜜および精糖廃蜜とは甘蔗汁から糖の大部分を除去して残った糖蜜部分を意味し、製糖工場で最終的に得られる、もはや経済的に糖を回収しえない部分である。 【0019】上記甘蔗汁および/または製糖蜜を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理する。上記甘蔗汁または製糖蜜をそのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムで処理する。なお異物除去のために、カラムで処理する前に、甘蔗汁および/または製糖蜜を濾過することが好ましい。濾過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーン濾過、ケイソウ土濾過、精密濾過、限外濾過等の手段を好ましく使用できる。 【0020】固定担体としては、合成吸着剤を用いる。合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。さらに好ましくは芳香族系樹脂であり、特に無置換基型の芳香族系樹脂が使用できる。合成吸着剤として、例えばスチレン‐ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂等が使用でき、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂が使用できる。より好ましくは無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が使用できる。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイアイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50 (以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト (商標)系として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)等が挙げられる。なかでも、SP−850が特に好ましい。 【0021】固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類、さらには原料の種類等によって変化するが、原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量が好ましい。 【0022】原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことにより、原料中の消臭効果を有する成分は固定担体に吸着され、糖類の大部分がそのまま流出して除去される。なお、通液の際のカラム温度は、目的とする魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減できる消臭物質を効率よく固定担体に吸着させるために、およびカラム通液時の原料の腐敗を防止するために、60〜97℃が好ましい。 【0023】固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。ここで、消臭活性を有する成分を効率よく溶出するには、その前に残留する糖類や塩類などを水洗により十分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている目的とする消臭物質をより効率よく回収することができる。溶出溶媒は、エタノール‐水系溶出溶媒を使用する。溶出は、エタノール‐水系溶出溶媒で2段階以上の濃度勾配で行うことが必要である。この溶出は、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲の任意の濃度での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 の範囲の任意の濃度での溶出を少なくとも含む。すなわち、まずエタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲から選ばれる任意の濃度のエタノール‐水系溶出溶媒で、あるいは複数の濃度勾配で溶出を行い、この際に溶出する画分は除去する。ここで得られた画分には、本発明の効果が認められない。次いで、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 、好ましくは60/40〜100/0 、より好ましくは65/35 〜100/0 の範囲から選ばれる任意の濃度のエタノール‐水系溶出溶媒で、あるいは複数の濃度勾配で溶出を行い、ここで溶出される画分をすべて回収する。 【0024】前記溶出の好ましい実施態様を次に示す。例えば、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0未満の範囲での溶出(これは1段階でもよく、2段階以上の濃度勾配でもよい)および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。あるいは、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。あるいは、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。 【0025】エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満で溶出する画分は、悪臭として単一化合物であるメチルメルカプタン類に対して消臭効果が強いが、魚介類または肉類の複合的な不快臭の低減には効果が少なく、一方、エタノール/水の混合体積比50/50 〜100/0 で溶出する画分は、悪臭として単一化合物であるメチルメルカプタン類に対しての消臭効果は少ないが、魚介類または肉類の複合的な不快臭の消臭効果が高いことがわかった。さらに、エタノール/水の混合体積比60/40 〜100/0 で溶出する画分は、魚介類または肉類の不快臭の消臭活性がより高く、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲で溶出する画分は、消臭活性がさらに高い。 【0026】なお、本発明は、消臭活性が最も高い画分を回収して得られる消臭物質を、魚介類または肉類の不快臭の消臭または低減のために特に有効な消臭物質として、提供するものである。すなわち、上記した溶出を次のように行う:エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲での溶出を少なくとも含む2段階以上の溶出を行い、エタノール/水の混合体積比65/35 〜100/0 の範囲のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。この画分から得られた消臭物質は、魚介類または肉類に特有な不快臭の消臭または低減に特に有効な消臭物質である。 【0027】このような消臭物質を得るために好ましい前記溶出の実施態様を次に示す。前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での2段階以上の濃度勾配での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での2段階以上の濃度勾配のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。あるいは、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での3段階以上の濃度勾配での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 以上100/0 未満の範囲での3段階以上の濃度勾配のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分およびエタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。あるいは、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出、エタノール/水の混合体積比60/40 での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15および100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比65/35 、75/25 、85/15 および100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。あるいは、前記溶出が、エタノール/水の混合体積比0/100 以上50/50 未満の範囲での溶出および次いでエタノール/水の混合体積比100/0 での溶出を含み、エタノール/水の混合体積比100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒で溶出される画分を回収する。 【0028】カラム温度は、目的とする効果を有する消臭物質を効率よく溶出させるためには、20〜40℃が好ましい。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された状態である。 【0029】溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10(時間-1)が好ましい。なお、SV(Space Velocity の略)は、空間速度のことで、1時間当たりの樹脂容積の何倍量を通液するかという単位である。 【0030】カラムクロマトグラフィーでの処理は特に、次のようにして行うのが好ましい。すなわち、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて、エタノール‐水系溶出溶媒を用いて、前記したように溶出させる。 【0031】かくして回収された画分(消臭活性を有する)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥など)により濃縮して、消臭物質を得ることができる。 【0032】このようにして得られた消臭物質は、固形分60%以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。 【0033】本発明の消臭剤には、上記した消臭物質の他に、さらに添加剤、分散剤、賦形剤等の任意の成分を含むことができる。添加剤、分散剤、賦形剤としては、例えば砂糖、乳糖、トレハロースなどの各種糖類、パラチニット、ラクチトールなどの各種糖アルコール;アスパルテーム、ステビアなどの各種高甘味度甘味料、デキストリン、プルランなどの各種多糖類、コーンスターチ、バレイショデンプンなどの各種デンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの各種セルロース誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルなどの各種乳化剤、ビタミンCなどの各種ビタミン類、硬化油脂などの油脂類、紅花色素などの各種天然または合成色素類などが挙げられる。 【0034】本発明の消臭剤は、上記した消臭物質だけ、あるいはこれと上記の添加剤、分散剤、賦形剤等とを含むものであってもよいが、さらに造粒、打錠などすることにより、適当な形状に加工したり、水、アルコール、プロピレングリコールなどの、食品に利用上問題とならない溶解剤を用いて溶液状に加工して用いることができる。 【0035】本発明の消臭剤の形状は特に限定されず、固体状または液体状、あるいは両者の混在した状態など任意の形態をとることができる。 【0036】本発明の魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法は、上記した消臭物質を魚介類または肉類に、直接的または間接的に添加することを特徴とする。直接的添加方法としては、次のような方法が挙げられる。例えば上記消臭物質を対象となる魚介類や肉類に単に添加することによって、不快臭を抑制する。魚介類や肉類は生であっても、調理されていてもよい。あるいは、魚介類や肉類を調理する際に上記消臭物質を含有させる。調理方法としては、慣用の食品調理方法がいずれも使用でき、例えば煮る、焼く、炒める、揚げる、燻製にするなどの調理方法が挙げられる。上記消臭物質は、いずれの調理方法において使用することも可能である。例えば加熱調理の際には、最初から魚介類または肉類に添加しておいてもよいし、あるいは加熱中の適当な時期に添加することもできる。調理の種類と、魚介類または肉類の種類に応じて適当な方法を選択する。間接的添加方法としては、例えば漬ける(塩漬け、味噌漬け、糀漬け、糟漬け等)などの調理方法が挙げられる。魚介類や肉類を漬ける基剤(床)に上記消臭物質を含有させておく。あるいは、魚介類または肉類にかけるソースやたれなどに含有しておいて、それが魚介類または肉類と接触する際に消臭することも可能である。また、魚介類や肉類を生でそのままあるいは調理後に保存する際に、上記消臭物質を添加しておくことによっても、本発明の効果が得られる。 【0037】本発明においては、消臭物質の使用量または消臭剤における含有量は、上記消臭物質の精製度、あるいは対象となる魚介類または肉類の種類、部位、鮮度、産地および調理方法等の要因に依存するので、一概には決められない。消臭剤の使用または消臭方法の適用の際に、魚介類または肉類の特有な不快臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できるような、前記消臭物質の量を使用することが好ましい。例えば魚介類100 重量部に対して、上記消臭物質の量が1.0 ×10-7〜0.5 重量部、好ましくは1.0 ×10-5〜0.5 重量部となるような量で、または、肉類100 重量部に対して、上記消臭物質の量が1.0 ×10-9〜0.5 重量部、好ましくは1.0 ×10-7〜0.5 重量部となるような量で使用する。魚介類や肉類の固形部分を対象とする場合には、上記の範囲の上限に近い量で使用し、魚介類や肉類のエキスやスープを対象とする場合には、上記の範囲の下限に近い量で使用することができる。 【0038】本発明の消臭物質、消臭剤および消臭方法は、上記したように、魚介類または肉類に直接的または間接的に適用できる。この他にも、中間素材(または保存食品)として代表的な缶詰やビン詰、レトルト食品などに適用して、魚介類または肉類に特有な不快臭を消臭または低減することができる。 【0039】さらには、魚介類または肉類を含有する缶詰食品もしくはレトルト食品に、本発明の消臭物質、消臭剤または消臭方法を適用すると、魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減できるとともに、缶詰食品やレトルト食品に特有の、缶やレトルト用包装材由来と考えられる不快臭も抑えることができる。また、本発明の消臭物質、消臭剤および消臭方法は、魚介類または肉類を冷凍したときに特有のいわゆる冷凍臭の低減もしくは消臭にも有効である。 【0040】本発明を、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0041】 【実施例】なお、以下では、特に記載しない限り%は、重量%である。また、特に記載がなければ、官能検査は、対象食品を食するかまたは飲用することによって行った。 【0042】本実施例において、糖類とは、スクロース、グルコースおよびフルクトースを指し、これらの定量は、高速液体クロマトグラフィーによる内部標準法により標準物質(スクロース、グルコースおよびフルクトース)と比較することによって行い、スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計を定量した。なお、高速液体クロマトグラフィーの条件は、カラムERC−NH−1171(エルマ(株)製)、流速1.0ml/分、温度20℃、溶媒 アセトニトリル/水=80/20(体積/体積)、検出器RI−8010(東ソー(株)製)、内部標準物質 グリセリン(和光純薬(株)製)、クロマトレコーダー SC−8020(東ソー(株)製)であった。 【0043】参考例原糖製造工場の製糖工程にて得られた甘蔗汁(タイ国産、固形分18.8%)600リットルを、ジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外濾過(ダイセル化学工業(株)製、MH−25型、有効膜面積2m2 ×3本、分画分子量10万)で濾過処理した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)15リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100cm)に充填し、これに前記の甘蔗汁濾過処理物を、流速30リットル/時間(SV=2)の速度で通液した。なお甘蔗汁通過中は、ウォータージャケットには、80℃の水を常に循環させた。次に、45リットルの蒸留水を、流速30リットル/時間でカラムに通液して洗浄した。 【0044】次いで、55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))45リットルを、流速30リットル/時間(SV=2)にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお、溶出溶媒通過中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。カラムから溶出した画分を、濃縮機にて約20倍濃度に減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末(I)655gを得た。 【0045】粉末(I)の糖類を定量したところ、3.7%であった。 【0046】製造例1原糖製造工場の製糖工程にて得られた甘蔗汁(タイ国産、Bx22、純糖率84%、pH5.5)中の大きな異物をスリットサイズ0.1mmのスクリーンで取り除いた後、ジュースヒーターで70℃まで加温し、管型限外濾過(ダイセル化学工業(株)製、MH−25型、有効膜面積2m2 ×3本、分画分子量10万)で濾過処理し、この濾液にファインリカーを固形分比で1:1の割合になるように加えた液(純糖率が約92になる)を、薄膜濃縮機にてBx92になるまで濃縮した後、タービライザー(ホソカワミクロン(株)製)を用いて固形化した顆粒糖を原料として用いた。この顆粒糖を、Bx20になるように温水で完全に溶解した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)100ミリリットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径22mm、高さ45cm)に充填し、これに前記の顆粒糖を再溶解した処理液を、流速1リットル/時間(SV=10)の速度で6時間通液した。なお、顆粒糖を再溶解した処理液を通液中は、ウォータージャケットには、70℃の温水を常に循環させた。次に、0.4リットルの蒸留水を、流速0.2リットル/時間でカラムに通液して2時間洗浄した。なお洗浄中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。次いで、エタノール/水(体積/体積)比が20/80 、30/70、40/60 、50/50 、55/45 、60/40 、65/35 、75/25 、85/15 、100/0 のエタノール‐水系溶出溶媒を各々0.6リットル用意し、この順番に流速0.2リットル/時間(SV=2)で3時間カラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を順次溶出し、各濃度の切り替えごとに分画した。なお、溶出溶媒通液中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。カラムから溶出した画分を、各々濃縮機にて減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥機で乾燥して、各々の画分の粉末(A)〜(J)を得た。 【0047】各エタノール‐水系溶出溶媒で溶出した画分から得た粉末(A)〜(J)の収量は、以下の表1に示す通りである。 【0048】 【表1】
試験例1製造例1で得られた、各エタノール‐水系溶出溶媒(エタノール/水(体積/体積))20/80 、30/70 、40/60 、50/50 、55/45 、60/40 、65/35 、75/25 、85/15 、100/0 で溶出した画分の粉末(A)〜(J)を使用して、あさりの水煮の消臭効果を試験した。あさりの水煮缶(商品名 あさり水煮、はごろもフーズ(株)製)の汁(以下、あさりの煮汁とする)を使用した。このあさりの煮汁に製造例1で得られた粉末(A)〜(J)をそれぞれ添加した。添加量は、あさりの煮汁100重量部に対して、6.0 ×10-1、6.0 ×10-2、6.0 ×10-3、1.2 ×10-3、6.0 ×10-4、1.0 ×10-4、1.0 ×10-5、1.0 ×10-6、1.0 ×10-7、1.0 ×10-8、 1.0×10-9重量部の11通りの濃度になるように調整した。これらについて官能検査をおこなった。官能検査は、専門の検査員の中で、最も臭いに鋭敏な検査員(パネラー)を選別し、前記試験品について、あさり特有の不快臭が消臭されているかどうかについて判断した。結果を表2に示す。 【0049】 【表2】
表2に示したように、合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系の溶出溶媒の濃度勾配で溶出した場合、該溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比が、60/40 〜100/0 の範囲で溶出した画分の粉末は、あさりの特有の不快臭をよく消臭していることがわかった。この画分では、粉末の添加濃度が1.0 ×10-5重量部以上であさりの特有の不快臭がよく消臭されており、また、1.0 ×10-7の薄い濃度においても、わずかながら消臭効果が認められた。さらには、該溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比65/35 〜100/0 の範囲で溶出した画分の粉末は、あさりの特有の不快臭に対する消臭効果は、1.0 ×10-7重量部の稀薄な添加濃度でも、十分に認められた。 【0050】この表2の結果をもとに、あさりの煮汁に対する消臭効果をグラフで表した。これを図1に示す。横軸に、各々の画分が溶出された溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比、縦軸に、各々の画分から得られた粉末(A)〜(J)をあさりの煮汁100重量部に対して、官能検査で消臭効果が有り(○)とされる最小添加量で除した値、すなわち得られた粉末1gがどれくらいの量(g)のあさりの煮汁を消臭できるか計算した値をプロットした。 【0051】図1より、同じ量の粉末を使用した場合には、溶出溶媒のエタノール/水比が65/35 〜100/0 (体積/体積)で溶出した画分の粉末が、最も多くのあさり煮汁を消臭できることがわかった。すなわち、あさり煮汁に特有な不快臭を消臭もしくは低減する消臭効果は、溶出溶媒のエタノール/水比が65/35 〜100/0 (体積/体積)において溶出する画分が最も高いことがわかった。 【0052】試験例2製造例1で得られた、各エタノール‐水系溶出溶媒(エタノール/水(体積/体積))20/80 、30/70 、40/60 、50/50 、55/45 、60/40 、65/35 、75/25 、85/15 、100/0 で溶出した画分の粉末(A)〜(J)を使用して、マトンの煮汁の消臭効果を試験した。まず、マトン500gを熱湯1リットルで30分間弱火で煮だし、濾紙で濾過した濾液を試験液として用いた。この濾液(マトンの煮汁)100重量部に対して、前記粉末(A)〜(J)を、6.0 ×10-1、6.0 ×10-2、6.0 ×10-3、1.0 ×10-4、1.0 ×10-5、1.0 ×10-6、1.0 ×10-7、1.0 ×10-8、1.0 ×10-9、1.0 ×10-10 、1.0 ×10-11 、1.0 ×10-12 および1.0 ×10-13 重量部の13通りの濃度になるように添加して、それぞれについて官能検査をおこなった。官能検査は、専門の検査員の中で、最も臭いに鋭敏な検査員(パネラー)を選別し、前記試験品について、マトン特有の不快臭が消臭されているかどうかについて判断した。結果を表3に示す。 【0053】 【表3】
表3に示したように、合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系の溶出溶媒の濃度勾配で溶出した場合、該溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比が、60/40 〜100/0 の範囲で溶出した画分の粉末は、マトンの特有の不快臭をよく消臭していることがわかった。この画分では、粉末の添加濃度が1.0 ×10-7重量部以上で消臭効果があり、また、1.0 ×10-10 重量部の薄い濃度においても消臭効果が認められた。さらには、該溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比65/35 〜100/0 においては、1.0 ×10-9重量部の濃度で消臭効果が十分にあり、1.0 ×10-11 重量部でもわずかながら消臭効果が認められた。 【0054】この表3の結果をもとに、マトンの煮汁に対する消臭効果をグラフで表した。これを図2に示す。横軸に、各々の画分が溶出された溶出溶媒のエタノール/水(体積/体積)比、縦軸に、各々の画分から得られた粉末(A)〜(J)をマトンの煮汁100重量部に対して、官能検査で消臭効果が有り(○)とされる最小添加量で除した値、すなわち得られた粉末1gがどれくらいの量(g)のマトンの煮汁を消臭できるか計算した値をプロットした。 【0055】図2より、同じ量の粉末を使用した場合には、溶出溶媒のエタノール/水比が65/35 〜100/0 (体積/体積)で溶出した画分の粉末が、最も多くのマトンの煮汁を消臭できることがわかった。すなわち、マトンの煮汁に特有な不快臭を消臭もしくは低減する消臭効果は、溶出溶媒のエタノール/水比が65/35 〜100/0 (体積/体積)において溶出する画分が最も高いことがわかった。 【0056】参考試験例製造例1で得られた、各エタノール/水(体積/体積)比20/80 、30/70 、40/60 、50/50 、55/45 、60/40 、65/35 、75/25 、85/15 、100/0 の溶出溶媒で溶出した画分から得られた粉末(A)〜(J)を使用して、メチルメルカプタンに対する消臭効果を試験した。 【0057】メチルメルカプタンナトリウム水溶液(15% in water、東京化成工業(株)製)100マイクロリットルを、蒸留水を用いて、100mlにメスアップして1000倍希釈した。この1000倍希釈したメチルメルカプタンナトリウム溶液を、バイアル瓶に500マイクロリットル分注し、これに、製造例1で得られた粉末(A)〜(J)の0.2%水溶液(pH7.5に調整)を、500マイクロリットル加えた。これを25℃で1時間インキュベートした。インキュベート後、分光光度計(機器名 UV−160、島津製作所製、25℃の水をセルホルダーに循環させておいた)にセットした1cmセルに、インキュベートしたサンプルの200マイクロリットルを、マイクロピペッターを用いて入れた(なお、この際サンプルがセルの壁につかないように注意した)。すぐにパラフィルムを用いて2重にセルのふたをするとともに、200nmの波長で分光光度計の測定を開始し、3分後における気相中のメチルメルカプタン量を測定した。なお、サンプルをセットしてから測定終了まで約4回セルを持ち上げ軽く振り(この際、液がセルの壁につかないように注意した)、セルの気相中におけるメチルメルカプタン量が平衡になるようにした。なお、ブランクは粉末の水溶液の代わりに、同量の0.2Mのリン酸バッファー(pH7.5)を入れたものを用いた。 【0058】なお、メチルメルカプタンの消臭率は、以下の式1により求めた。また、各粉末(A)〜(J)における消臭活性回収量を以下のようにして求めた。まず、消臭活性(すなわち粉末1g当たりの消臭力)を、以下の式2に示すように、式1で求めた消臭率を使用粉末の量(g)で除すことにより求めた。次に、式3にしめすように、式2で求めた消臭活性に、各粉末の収量(g)をかけて消臭活性回収量を求めた。その結果を表4に示す。 【0059】 【数1】 消臭率(%) =((サンプルの吸光度)/(ブランクの吸光度))×100 (式1) 【0060】 【数2】 消臭活性=消臭率(%) ×(1/使用粉末の量(g) ) (式2) (ここで、消臭活性は、粉末1g当たりの消臭力であり、U/gで表される) 【0061】 【数3】 消臭活性回収量(U) =消臭活性 (U/g)×各粉末の収量 (g) (式3) 【0062】 【表4】
また、この表4の結果をもとに、溶出溶媒のエタノール/水体積比とメチルメルカプタンの消臭活性回収量との関係を表したグラフを図3に示す。 【0063】この結果より、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール‐水系の溶出溶媒で溶出した場合、該溶出溶媒のエタノール/水体積比が0/100 〜40/60 の範囲で溶出した画分は、本発明の消臭効果は少ないが、メチルメルカプタンに対して消臭効果が強いことがわかった。 【0064】製造例2原糖製造工場の製糖工程にて得られた、甘蔗汁(タイ国産、Bx22、純糖率84%、pH5.5)中の大きな異物をスリットサイズ0.1mmのスクリーンで取り除いた後、ジュースヒーターで70℃まで加温し、管型限外濾過(ダイセル化学工業(株)製、MH−25型、有効膜面積2m2 ×3本、分画分子量10万)で濾過処理し、この濾液の純糖率が95%になるようファインリカーを加え調整した液を、薄膜濃縮機にてBx92になるまで濃縮した後、タービライザー(ホソカワミクロン(株)製)を用いて固形化した顆粒糖を原料して用いた。この顆粒糖を、Bx20になるように温水で完全に溶解した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)45リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径26.0cm、高さ120cm)に充填し、これに前記の顆粒糖を再溶解した処理液を、流速450リットル/時間(SV=10)の速度で6時間通液した。なお、顆粒糖を再溶解した処理液を通液中は、ウォータージャケットには、70℃の温水を常に循環させた。次に、180リットルのイオン交換水を、流速90リットル/時間でカラムに通液して洗浄した。イオン交換水で洗浄後、カラムから溶出した画分について糖の検出を行ったところ、ハンドレフ ブリックス(Bx)計(アタゴ(株)製、N−1E型)において、Bxが約0になっているのを確認した。なお洗浄中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。次いで、エタノール/水混合比(体積/体積)40/60 および100/0 の溶出溶媒を各々用意し、流速90リットル/時間(SV=2)の速度で、まずエタノール/水混合比40/60 (体積/体積)で3時間通液し、溶出した画分を捨てた。次に、エタノール/水混合比100/0 (体積/体積)で3時間通液して、合成吸着剤に吸着している成分を溶出した。このエタノール/水混合比100/0 (体積/体積)で溶出した画分を回収し、濃縮機にて減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥機で乾燥して、茶褐色の粉末(II)221gを得た。なお、溶出溶媒通液中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。 【0065】粉末(II)の糖類を定量したところ、糖類は検出することができなかった。 【0066】実施例1 魚臭(鰹のあら) 参考例で得られた粉末(I)および製造例2で得られた粉末(II)を使用して、魚臭の消臭効果を試験した。鰹のあら500gを水1000mlで15分間煮沸した後、冷却し、東洋濾紙No.2にて濾過した濾液を、魚臭溶液として用いた。上記粉末(I)の10%水溶液1mlまたは粉末(II)の0.001%水溶液1mlに、上記魚臭溶液9mlを、50ml容のバイアルビンに加えて密閉し、1時間後における臭いを調べた。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表5に示したように、5段階で評価した。結果を表6に示す。 【0067】 【表5】 表5 評価段階 評価基準 0 魚臭がほとんど感知できない臭い 1 魚臭がやっと感知できるほどの臭い 2 魚臭がすぐ感知できるほどの臭い 3 魚臭が強く嫌な臭い 4 魚臭が強烈な嫌な臭い 【0068】 【表6】
表6から粉末(I)または(II)を添加した魚臭溶液では、魚臭が除かれていることが分かった。また、粉末(II)では、粉末(I)より消臭効果が高い。 【0069】実施例2 あさりの水煮(缶詰) 参考例で得られた粉末(I)および製造例2で得られた粉末(II)を使用して、あさりの水煮の消臭効果を試験した。100mlのビーカー中に、あさりの水煮(稲葉食品(株)製)50gおよび上記粉末(I)の0.1%水溶液1mlまたは粉末(II)の0.0001%水溶液1mlを入れてよくかき混ぜた。パラフィルムで密閉し、30分間放置した後、開封して中のあさりの水煮を食べて、その風味を調べた。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同体積の蒸留水を入れたものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表7に示したように、5段階で評価した。結果を表8に示す。 【0070】 【表7】 表7 評価段階 評価基準 0 あさりの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 あさりの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 あさりの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 あさりの生臭さが強い臭い 4 あさりの生臭さがより強い嫌な臭い 【0071】 【表8】
表8から、粉末(I)または(II)を添加したあさりの水煮では、その生臭さが除かれていることがわかる。また、粉末(II)では、粉末(I)より消臭効果が高い。さらに、あさりの生臭さ由来ではなく、缶詰特有の臭さがなくなっているというパネラーの共通した意見が得られた。 【0072】実施例3 ツナそぼろ製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表9に示す配合でツナそぼろの消臭効果を試験した。市販のツナ缶(一缶)をザルに空け油分をしっかりと切り、材料および粉末(II)をすべて鍋に入れ、ヘラでツナをほぐした。水分がなくなってサラッとするまで中火で炒めた。器にあけ、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表10に示したように、5段階で評価した。結果を表11に示す。 【0073】 【表9】 表9 試験品 対照品 ツナ缶 (g) 190 190 上白糖 (g) 18 18 醤油 (ml) 36 36 酒 (ml) 16 16 粉末(II) (g) 0.01 ― 【0074】 【表10】 表10 評価段階 評価基準 0 ツナの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 ツナの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 ツナの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 ツナの生臭さが強い臭い 4 ツナの生臭さがより強い臭い 【0075】 【表11】
表11から、粉末(II)を添加したツナそぼろでは、ツナの生臭さが除かれていることがわかった。また、パネラーの意見として、ツナの生臭さが減り、塩辛さがこなれてさっぱりしているいう意見があった。 【0076】実施例4 サバの味噌煮製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表12に示す配合でサバの味噌煮の消臭効果を試験した。新鮮なサバを2枚におろし、それぞれ2つに切って皮に包丁目を入れた。鍋に水、酒、醤油、砂糖および粉末(II)を入れ、火にかけ溶かした。皮を上にしてサバを鍋に入れ、煮立ってから約10分煮た後、味噌を煮汁で溶きながら入れ、さらに5〜6分間煮た。器にあけ、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表13に示したように、5段階で評価した。結果を表14に示す。 【0077】 【表12】 表12 試験品 対照品 サバ (g) 150 150 味噌 (g) 13 13 上白糖 (g) 6 6 醤油 (ml) 6 6 酒 (ml) 15 15 水 (ml) 70 70 粉末(II) (g) 0.02 ― 【0078】 【表13】 表13 評価段階 評価基準 0 サバの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 サバの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 サバの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 サバの生臭さが強い臭い 4 サバの生臭さがより強い臭い 【0079】 【表14】
表14から、粉末(II)を添加したサバの味噌煮では、サバの生臭さが除かれていることがわかった。また、パネラーの意見として、サバの臭みがとれて食べやすいという意見があった。 【0080】実施例5 にぼし参考例で得られた粉末(I)または製造例2で得られた粉末(II)を使用して、にぼしに対する消臭効果を試験した。にぼし500gをフードプロセッサーにかけ、粉砕した後、にぼし粉末として用いた。このにぼし粉末2gに、粉末(I)の0.25%または粉末(II)の0.0002%水溶液1mlを、50ml容のビーカーに加えて均一に混ぜ、サランラップを用いて蓋をし、30分後にサランラップをあけた直後の、にぼしの臭いを調べた。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表15に示したように、5段階で評価した。結果を表16に示す。 【0081】 【表15】 表15 評価段階 評価基準 0 にぼしの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 にぼしの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 にぼしの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 にぼしの生臭さが強く嫌な臭い 4 にぼしの生臭さが強烈な嫌な臭い 【0082】 【表16】
表16から粉末(I)または(II)を添加したにぼしでは、にぼしの生臭さの臭いが除かれていることが分かった。また、粉末(II)では、粉末(I)より消臭効果が高い。 【0083】実施例6 しらす干し製造例2で得られた粉末(II)を使用して、しらす干しの消臭効果を試験した。しらす干し500gをフードプロセッサーにかけ、粉砕した後、しらす干し粉末として用いた。このしらす干し粉末200gに、粉末(II)の0.01%水溶液1mlを加えて均一に混ぜ、ご飯にかけて食べた。対照には、上記粉末を加えずに使用した。官能検査は、5名の人に、上記しらす干しご飯を食べてもらい、試験品と対照品についての味を比較した。 【0084】その結果、試験品の方が対照品に比べて生臭さが少ないため、食べやすいという意見が共通した意見であった。しかし、しらすを好む人は、しらすの味が物足りなかった、という感想があり、またしらすの嫌いな人はこのぐらいの味であれば食べることが出来るという感想を得ることが出来た。このことから、食材の好みにも合わせて添加量を決める必要がある。 【0085】実施例7 いわしの煮物製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表17に示す配合でいわしの消臭効果を試験した。いわしの頭を落とし、内臓を抜き、3〜4cmの長さに切った。鍋に醤油、上白糖、酒、みりん、水、粉末(II)を入れ、一煮立ちさせた。鍋に切ったいわしと長ねぎ、もしくはショウガを入れ、時々鍋を揺すりながら弱めの中火で15分間煮た。器にあけ、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。なお、調理時間は均一になるように統一した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表18に示したように、5段階で官能試験を行った。結果を表19に示す。 【0086】 【表17】 表17 試験品A 試験品B 試験品C 対照品 いわし(g) 200 200 200 200 長ネギ(g) 7 7 7 7 ショウガ(g) 4 4 - - 上白糖(ml) 16 16 16 16 醤油(ml) 105 105 105 105 酒(ml) 30 30 30 30 みりん(ml) 30 30 30 30 水(ml) 134 134 134 134 粉末(II)(g) 0.03 - 0.03 - 【0087】 【表18】 表18 評価段階 評価基準 0 いわしの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 いわしの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 いわしの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 いわしの生臭さが強い臭い 4 いわしの生臭さがより強い臭い 【0088】 【表19】
表19から、粉末(II)を添加したいわしの煮物では、いわし特有の生臭さが除かれていることがわかり、さらにショウガと組み合わせて粉末(II)を添加したいわしの煮物においては、いわしの生臭さがほとんど感じないほどにまで、いわし特有の生臭さが消臭されていた。 【0089】実施例8 いわしの臭気測定器による臭いの測定試験いわしを丸ごとフードプロセッサーにてミンチにした後、製造例2で得られた粉末(II)を0.03%、0.015%それぞれ添加した試験品A、試験品B10gを臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)に入れ、無臭空気を充填した後、口をパラフィルムで包み、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、パラフィルムをはずし、開封直後のΣ値を臭気測定器(カルモアΣ;カルモア(株)製)で測定した。対照には、上記粉末の代わりに同体積の水を添加した。なお、各値はベース値 (サンプルの代わりに、無臭空気を吸い込み測定したΣ値)を差し引いた値である。その結果を表20に示す。 【0090】 【表20】 表20 カルモアΣの測定値(Σ値) 試験品A 試験品B 対照品開封直後Σ値 406 634 1028表20から、いわしに製造例2で得られた粉末(II)を添加した場合、Σ値は添加量に応じて明らかに減少していることがわかった。 【0091】実施例9 ホタテ煮(缶詰) 製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表21に示す配合でホタテ貝柱煮の消臭効果を試験した。鍋に水、酒、醤油、砂糖および粉末(II)を入れ、火にかけ溶かした。市販の缶詰のホタテ貝柱水煮フレーク(商品名 ホタテ貝柱水煮フレーク、日本水産(株))をザルに空け、水分をしっかりと切った後、鍋に入れ、煮立ってから約10分煮た。器にあけ、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。なお、調理時間は均一になるようにした。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表22に示したように、5段階で評価した。結果を表23に示す。 【0092】 【表21】 表21 試験品 対照品 ホタテ (g) 95 95 上白糖 (g) 5 5 醤油 (ml) 50 50 酒 (ml) 15 15 水 (ml) 70 70 粉末(II)(g) 0.005 ― 【0093】 【表22】 表22 評価段階 評価基準 0 ホタテの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 ホタテの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 ホタテの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 ホタテの生臭さが強い臭い 4 ホタテの生臭さがより強い臭い 【0094】 【表23】
表23から、粉末(II)を添加したホタテ煮では、ホタテの生臭さが除かれていることがわかった。 【0095】実施例10 アジの干物製造例2で得られた粉末(II)を使用して、アジの干物の消臭効果を試験した。市販のアジの干物に粉末(II)の0.01%水溶液をはけで5回塗って、魚焼き機で焼いた後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに水を塗ったものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表24に示したように、5段階で評価した。結果を表25に示す。 【0096】 【表24】 表24 評価段階 評価基準 0 アジの生臭さがほとんど感知できない臭い 1 アジの生臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 アジの生臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 アジの生臭さが強い臭い 4 アジの生臭さがより強い臭い 【0097】 【表25】
表25から、粉末(II)を添加したアジの干物では、アジの生臭さが減少されていることがわかった。 【0098】実施例11 魚醤製造例2で得られた粉末(II)を使用して、市販されている魚醤に粉末(II)を0.05%添加したものと、添加していないものについて官能検査をおこなった。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表26に示したように5段階で行った。結果を表27に示す。 【0099】 【表26】 表26 評価段階 評価基準 0 魚醤特有の臭さがほとんど感知できない臭い 1 魚醤特有の臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 魚醤特有の臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 魚醤特有の臭さが強い臭い 4 魚醤特有の臭さがより強い臭い 【0100】 【表27】
表27から、粉末(II)を添加した魚醤では、明らかに、魚醤特有の臭さ、すなわち魚の生臭さが除かれていることがわかった。 【0101】実施例12 鳥レバーの甘辛煮製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表28に示す配合で鳥レバーの甘辛煮を作った。鳥レバーを一口大に切り、また心臓の部分は半分に割り、ボールに水を入れ血のかたまりを除き、火にかけた沸騰したお湯に鳥レバーを入れ、強火で3分間ゆで、湯を捨てた。続いて、醤油、酒、みりん、水、粉末(II)を鍋に入れ、一煮立ちさせた。鳥レバーおよび、小口切りした長ねぎを鍋に入れ、弱火で時々かき混ぜながら水分がほとんどなくなるまで煮た後、器にあけてさまし、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。なお、調理時間は均一になるようにした。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表29に示したように、5段階で調理した日と次の日に官能試験を行った。結果を表30に示す。 【0102】 【表28】 表28 試験品 対照品 鳥レバー(g) 200 200 長ネギ (g) 14 14 醤油 (ml) 30 30 酒 (ml) 10 10 みりん (ml) 10 10 水 (ml) 100 100 粉末(II)(g) 0.01 ― 【0103】 【表29】 表29 評価段階 評価基準 0 鳥レバー臭さがほとんど感知できない臭い 1 鳥レバー臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 鳥レバー臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 鳥レバー臭さが強い臭い 4 鳥レバー臭さがより強い臭い 【0104】 【表30】
表30から、粉末(II)を添加した鳥レバーの甘辛煮では、その特有のレバー臭さが除かれていることがわかる。また、調理してから1日経過すると、対照品ではレバー臭さが少し増しているのに対し、試験品ではレバー臭さが調理後に比べ減少しているのが明らかにわかった。 【0105】実施例13 豚レバーの佃煮製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表31に示す配合で豚レバーの佃煮を作った。鍋に、醤油、砂糖、粉末(II)をいれ一煮立ちさせた。この中に、スライスした豚レバーを入れ、時々かき混ぜながら、弱火で水分がほとんどなくなるまで煮た。器にあけてさました後、その臭いを調べた。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。なお、調理時間は均一になるようにした。官能検査は、調理した次の日に専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表32に示したように5段階で行った。結果を表33に示す。 【0106】 【表31】 表31 試験品A 試験品B 対照品 豚レバー(g) 200 200 200 酒 (ml) 200 200 200 醤油 (ml) 90 90 90 上白糖 (g) 25 25 25 粉末(II)(g) 0.05 0.005 ― 【0107】 【表32】 表32 評価段階 評価基準 0 豚レバー臭さがほとんど感知できない臭い 1 豚レバー臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 豚レバー臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 豚レバー臭さが強い臭い 4 豚レバー臭さがより強い臭い 【0108】 【表33】
表33から、粉末(II)を添加した豚レバーの甘辛煮では、その特有のレバー臭さが除かれていた。 【0109】実施例14 ラム肉のメンチカツ製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表34に示す配合でラム肉のメンチカツを作った。ラムロール薄切りをフードプロセッサーにてミンチにし、その他の具の材料および粉末(II)をすべてボールに入れ、よく混ぜ合わせた。メンチカツ一つ当たり具が40gになるように成形した。この成形した具に、別に用意した小麦粉、卵水、パン粉の順に適量同一になるようにつけ、170℃の油で5分間揚げた。さました後に官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。なお、調理時間は均一になるようにした。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表35に示したように5段階で行った。結果を表36に示す。 【0110】 【表34】 表34 具材 試験品 対照品 ラム挽肉(g) 200 200 合挽肉 (g) 400 400 タマネギ(g) 230 230 パン粉 (g) 70 70 牛乳 (ml) 160 160 卵 (g) 約60(1個) 約60(1個) 塩 (g) 1.5 1.5 コショウ(g) 0.5 0.5 粉末(II) (具に対する%) 0.05 ― 【0111】 【表35】 表35 評価段階 評価基準 0 ラム肉臭さがほとんど感知できない臭い 1 ラム肉臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 ラム肉臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 ラム肉臭さが強い臭い 4 ラム肉臭さがより強い臭い 【0112】 【表36】
表36から、粉末(II)を添加したラム肉のメンチカツでは、ラム肉特有の臭いが減少していることがわかった。また、パネラーの意見では、対照に比べて試験品では、油臭さが少ないため食べやすいという意見が多かった。 【0113】実施例15 ラム肉の臭気測定器による臭いの測定試験ラム肉をフードプロセッサーにてミンチにした後、製造例2で得られた粉末(II)を0.30%または0.15%それぞれ添加した試験品Aまたは試験品B10gを臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)に入れ、無臭空気を充填した後、口をパラフィルムで包み、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、パラフィルムをはずし、開封直後のΣ値を臭気測定器(カルモアΣ;カルモア(株)製)で測定した。対照には、上記粉末の代わりに同体積の水を添加した。なお、各値はベース値(サンプルの代わりに、無臭空気を吸い込み測定したΣ値)を差し引いた値である。その結果を表37に示す。 【0114】 【表37】 表37 カルモアΣの測定値(Σ値) 試験品A 試験品B 対照品 開封直後Σ値 588 780 1239 表37から、ラム肉に実施例2で得られた粉末(II)を添加した場合、Σ値は添加量に応じて明らかに減少していることがわかった。 【0115】実施例16 焼き餃子製造例2で得られた粉末(II)を使用して、表38に示す配合(1個あたり)で焼き餃子を作った。餃子の皮に、粉末(II)を添加したギョウザの具(タカノフーヅ(株)製)を入れ、餃子を作った。次に、フライパンに軽く油をしいて火にかけ、フライパンが温まってきたところで、餃子を並べ、餃子の上全体に少しずつ油を垂らしかけ、中火で焦げ色が付くまで焼いた。熱湯をフライパン1バッチあたり、70ml注ぎ、ふたを少しずらしてのせ、弱めの中火で水分がなくなるまで焼いた。官能検査は、餃子が温かいうちに専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表39に示したように5段階で行った。結果を表40に示す。 【0116】 【表38】 表38 試験品A 試験品B 対照品 餃子の皮 1枚 1枚 1枚 餃子の具(g) 10 10 10 粉末(II)(具に対する%) 0.01 0.005 ― 【0117】 【表39】 表39 評価段階 評価基準 0 餃子の具由来の、肉特有の臭さがほとんど感知できない臭い 1 餃子の具由来の、肉特有の臭さがやっと感知できるほどの臭い 2 餃子の具由来の、肉特有の臭さがすぐ感知できるほどの臭い 3 餃子の具由来の、肉特有の臭さが強い臭い 4 餃子の具由来の、肉特有の臭さがより強い臭い 【0118】 【表40】
表40から、粉末(II)を添加した焼き餃子では、焼き餃子特有の臭さ、すなわち餃子の具に含まれる肉由来の臭さが除かれていることがわかった。 【0119】 【発明の効果】本発明の消臭物質、消臭剤および方法を使用すると、魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減することが可能である。しかも使用する消臭物質は、昔から人々に食されてきた食品である甘蔗から得られたものであるので、人体に安全なものである。よって、本発明の消臭剤および方法は、魚介類または肉類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための用途に広く使用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000174998 【氏名又は名称】三井製糖株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松井 光夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−187825 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−366959 |
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