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【発明の名称】 アロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法
【発明者】 【氏名】冨田 守

【氏名】外山 一吉

【氏名】水口 建治

【氏名】清瀧 兼司

【氏名】鈴木 一枝

【要約】 【課題】歯応えのある食感を有するアロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法を提供する。

【解決手段】アロエ葉肉を0.01〜0.04重量%濃度のカルシウム溶液で処理し、処理したアロエ葉肉を0.003〜0.025重量%濃度のカルシウムを含有する食品に添加し、120℃の温度で4分間以上のレトルト処理することを特徴とする少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品。
【請求項2】 レトルト食品が、液状流動性食品又は粥である請求項1に記載のレトルト食品。
【請求項3】 レトルト食品が、ヨモギ粉末を含有する粥である請求項1又は請求項2のいずれかに記載のレトルト食品。
【請求項4】 アロエ葉肉を0.01〜0.04重量%濃度のカルシウム溶液で処理し、処理したアロエ葉肉を0.003〜0.025重量%濃度のカルシウムを含有する食品に添加し、120℃の温度で4分間以上のレトルト処理することを特徴とする少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品の製造方法。
【請求項5】 レトルト食品が、液状流動性食品又は粥である請求項4に記載のレトルト食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯応えのある食感を有するアロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法に関するものである。詳しくは、中心部の温度として120℃で4分間以上のレトルト処理により、アロエ葉肉のゲルが軟化することなく、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持したアロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法に関するものである。
【0002】尚、本明細書において、百分率(%)の表示は、特に断りのない限り重量による値であり、破断応力は、幅2mm、長さ20mmのクサビ型プランジャーを装着したテンシプレッサー(タケトモ社製)により測定した値であり、g.w(グラム・ウエイト)で表示する。
【0003】
【従来の技術】従来、アロエ葉肉含有レトルト食品の製造法としては、アロエ葉肉にビタミン又はクエン酸を添加し、沖縄茶と混合し、瓶又は缶に充填し、115℃で15分間レトルト処理することからなるアロエ葉肉の腐食が防止されたアロエベラティーの製造方法が開示されている(特開平9−9904号公報)。
【0004】また、豆腐又はコンニャク原料、カルシウム及びアロエ草を擂り潰して生成されるゼリー状のアロエ並びにアロエ液を混合し、凝固剤を添加することにより製造される豆腐状又はコンニャク状のカルシウムを主体とするアロエ入り健康食品が開示されている(特開平3−53868号公報)。
【0005】また、液体と柔らかい固形物とが混合している具入り食品において、常温では流動性をなくし、加熱することにより流動性を回復させる物質であるゼラチン、寒天等により野菜等の具を液体と一体に固定化することにより製造される固形物の形崩れが防止できた具の固定化されたレトルト包装食品が開示されている(特開平4−23973号公報)。
【0006】また、粥を内容物とする包装体と野菜等の具及びスープを内容物とする包装体を、それぞれレトルト処理したものを一組として、粥と具との調理温度の差を解決し、米の変質を防止した粥食品包装体が開示されている(特開昭57−94259号公報)。
【0007】更に、炭酸カルシウムを含む粥がプラスチック製の容器に密封され100℃を超える温度で加熱殺菌されていることを特徴とするプラスチック臭を少なくした容器入り粥加工食品が開示されている(特開平4−200359号公報)。
【0008】しかしながら、これらの従来技術には、次に記載するとおりの不都合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、従来からアロエ葉肉含有レトルト食品は公知であったが、アロエ葉肉にビタミン又はクエン酸を添加することによりアロエ葉肉の腐食が防止されたレトルト食品が知られているのみであって、中心部の温度として120℃で4分間以上のレトルト処理により、アロエ葉肉のゲルが軟化することなく、生のアロエ葉肉のゲルに近似した歯応えを保持したアロエ葉肉含有レトルト食品については知られていなかった。
【0010】従来のアロエ葉肉含有レトルト食品は、前記のとおり、ビタミン又はクエン酸の添加処理が実施され、アロエ葉肉の腐食防止はなされているが、カルシウム溶液による処理が実施されていないことから、後記する試験例からも明らかなとおり、中心部の温度として120℃で4分間以上のレトルト処理でアロエ葉肉のゲルが軟化するという問題点を有していた。
【0011】また、前記のとおり、従来からアロエにカルシウムを適用した豆腐状又はコンニャク状のカルシウムを主体とするアロエ入り健康食品が知られているが、このアロエ入り健康食品は、アロエ葉肉そのものではなく、これを擂り潰し豆腐原料又はコンニャク原料と共に加工した食品であって、豆腐状又はコンニャク状の食感を有しているものの、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持していないという問題点を有していた。
【0012】また、前記のとおり、従来のレトルト包装食品において、野菜等の具の形崩れを防止するためにゼラチン、寒天等により野菜等の具を液体と一体に固定化することが知られているが、ゼラチン、寒天等により野菜等の具本体の軟化は防止できないという問題点を有していた。
【0013】また、前記のとおり、従来から粥と具との調理温度の差を解決し、米の変質を防止するために、粥を内容物とする包装体と野菜等の具及びスープを内容物とする包装体を別体とすることが知られているが、各内容物の調製及びレトルト処理に二重の手間を必要とするという問題点を有していた。
【0014】更に、前記のとおり、従来、プラスチック製の容器を使用した粥加工食品のプラスチック臭を少なくするために、炭酸カルシウムを粥に添加することが知られているが、粥中にカルシウムが含有されるが、アロエ葉肉自体にはカルシウム溶液による処理が実施されていないことから、後記する試験例からも明らかなとおり、中心部の温度として120℃で4分間以上のレトルト処理でアロエ葉肉のゲルが軟化するという問題点を有していた。
【0015】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、アロエ葉肉を0.01〜0.04%濃度のカルシウム溶液で処理し、処理したアロエ葉肉を0.003〜0.025%濃度のカルシウムを含有する食品に添加し、中心部の温度120℃で4分間以上のレトルト処理を実施することにより、従来にない、少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品が製造できることを見い出し、本発明を完成した。
【0016】本発明の目的は、従来の欠点を解消した生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持したアロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の第一の発明は、少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品であり、レトルト食品が液状流動性食品又は粥であること、及びレトルト食品がヨモギ粉末を含有する粥であることを望ましい態様としてもいる。
【0018】前記課題を解決する本発明の第二の発明は、アロエ葉肉を0.01〜0.04%濃度のカルシウム溶液で処理し、処理したアロエ葉肉を0.003〜0.025%濃度のカルシウムを含有する食品に添加し、120℃の温度で4分間以上のレトルト処理することを特徴とする少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有するレトルト食品の製造方法であり、レトルト食品が液状流動性食品又は粥であることを望ましい態様としてもいる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳述するが、本発明の理解を容易にするために、最初に本発明の第二の発明から説明する。
【0020】本発明の方法の出発原料としては、アロエ生葉より表皮を剥離し、ゲル部分を摘出したアロエ葉肉を使用することができ、簡便には65℃で10分間の加熱殺菌処理がなされた市販の殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)を使用することができる。
【0021】本発明の方法に使用されるカルシウム溶液は、食品に許容されるものであれば特に限定されることはないが、貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、骨焼成カルシウム、貝殻未焼成カルシウム、卵殻未焼成カルシウム、骨未焼成カルシウム、サンゴ未焼成カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム強化剤を含有する水溶液が望ましい。
【0022】本発明の方法に使用されるカルシウムを含有する食品は、カルシウムを大量に含有する食品である煮干し、ひじき、ごま、わかめ、こんぶ、脱脂粉乳、ナチュラルチーズ等をその成分として含有するか、又は必要に応じて前記カルシウム強化剤を添加することにより、カルシウム含有量が増加された食品であって、カルシウムの食品中での分散容易性を考慮すると液状流動性食品であることが望ましい。液状流動性食品として、具体的には、粥、雑炊、リゾット、クリームシチュー等が例示され、アロエ葉肉の風味を活かした食品として、粥が特に望ましい。
【0023】本発明の方法に使用されるカルシウム溶液のカルシウム濃度を0.01〜0.04%、望ましくは0.02〜0.035%、に調整し、カルシウム溶液によりアロエ葉肉を処理し、かつこのカルシウム処理済みのアロエ葉肉を、0.003〜0.025%、望ましくは0.005〜0.02%、の濃度でカルシウムを含有する食品に添加する。これらの処理により、中心部の温度として120℃で4分間以上のレトルト処理によりアロエ葉肉のゲルが軟化するという問題点が解決され、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持することができる。
【0024】カルシウム溶液による処理は、カルシウム溶液中にアロエ葉肉を浸漬させ、アロエ葉肉中にカルシウムを含浸させることにより実施される。具体的には、カルシウム濃度がアロエ葉肉添加後最終的に前記範囲となる2倍濃度のカルシウム溶液1重量部中に1重量部のアロエ葉肉を5〜60分間浸漬させること等により実施される。必要があれば、60〜90℃の温度に加熱してカルシウムの含浸を促進することもできる。
【0025】カルシウムを含有する食品へのアロエ葉肉の添加は、カルシウムを含有する食品中にアロエ葉肉を添加することにより実施される。具体的には、カルシウム濃度がアロエ葉肉添加後最終的に前記範囲となる1.1倍濃度のカルシウムを含有する食品9重量部中に1重量部のアロエ葉肉を添加すること等により実施される。
【0026】本発明の方法のレトルト処理は、食品衛生法関係の規格基準である食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月28日、厚生省告示第370号)「容器包装詰加圧加熱殺菌食品の製造基準」に従って、中心部の温度として120℃で4分間以上の処理又はこれと同等以上の効力を有する殺菌処理を実施する。
【0027】前記方法により製造されたレトルト食品は、後記する実施例からも明らかなとおり、少なくとも200g.wの破断応力を有するアロエ葉肉を含有しており、アロエ葉肉が生のアロエ葉肉ゲルの歯応えを保持した食品である。尚、破断応力が200g.w未満では柔らかすぎて生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えが得られず、また、カルシウム濃度を上昇させると生のアロエ葉肉ゲルの破断応力である340g.wに近似するが、これを超えて固くなることはなく、逆に後記する試験例からも明らかなとおり、カルシウム濃度が一定値を超えた場合、アロエ葉肉ゲルの軟化が始まることから、破断応力の上限値は340g.wに近似した値であった。
【0028】即ち、本発明のレトルト食品に含有されるアロエ葉肉は、前記のとおりの物性を有することから、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えのある食感を有し、粥、雑炊、リゾット、クリームシチュー等の液状流動性食品の具材として好適である。特に、粥の具材として、アロエ葉肉の風味を活かすことができることから好適である。
【0029】更に、本発明のレトルト食品の一例である粥の場合、これにヨモギ粉末(仙波糖化社製)を粥に対して0.01〜0.05%添加することが、色調及びアロエ葉肉の風味を一層引き立たせることができるので望ましい。
【0030】本発明のレトルト食品が収納される容器は、レトルト処理に耐えられるものであればよく、缶、瓶、樹脂製容器、レトルトパウチ、レトルトパック等を使用することができる。
【0031】次に試験例を示して本発明を詳記するが、本発明においては、次の試験方法を採用した。
(1)各試料の破断応力の測定法破断応力の測定は、前記のとおり、試料中のアロエ葉肉を一定の大きさ(一辺の長さが10mmの立方体)に切断し、これに対して、幅2mm、長さ20mmのクサビ型プランジャーを装着したテンシプレッサー(タケトモ社製)を使用して、定速圧縮破断速度120mm/minの条件で実施した。
【0032】(2)各試料の歯応え試験方法試料中のアロエ葉肉を、20歳から40歳までの男女各20人からなるパネルにより、次の評価方法により官能的に試験した。各試料を0点:アロエ葉肉の歯応え良好1点:歯応えやや良2点:歯応えやや不良3点:歯応え不良の4段階により評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、良:0.5点未満やや良:0.5点以上1.5点未満やや不良:1.5点以上2.5点未満不良:2.5点以上3.0点未満の基準により判定した。
【0033】(3)各試料の風味試験方法試料を、20歳から40歳までの男女各20人からなるパネルにより、次の評価方法により官能的に試験した。各試料を0点:風味良好1点:風味やや良2点:風味やや不良3点:風味不良の4段階により評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、良:0.5点未満やや良:0.5点以上1.5点未満やや不良:1.5点以上2.5点未満不良:2.5点以上3.0点未満の基準により判定した。
【0034】試験例1この試験は、破断応力、歯応え、及び風味を指標として、レトルト食品の製造方法におけるカルシウム溶液のカルシウム濃度及びカルシウムを含有する食品のカルシウム濃度の条件、並びに好適な歯応えを有する破断応力の範囲を調べるために行った。
【0035】(1)被検試料の調製表1に示すとおり、加熱処理条件、カルシウム溶液処理工程におけるカルシウム濃度、及びカルシウムを含有する食品のカルシウム濃度を変更したことを除き、実施例1と同一の方法により、50種類のレトルト食品試料を調製した。尚、アロエ生葉より表皮を剥離し、ゲル部分を摘出した一辺の長さが10mmの立方体のアロエ葉肉を試料1(対照1)、また、65℃10分間の加熱殺菌処理がなされた殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)のアロエ葉肉を一辺の長さが10mmの立方体に切断したものを試料2(対照2)とした。
【0036】(2)試験方法各試料の破断応力、歯応え、及び風味を、いずれも前記の試験方法により試験した。
【0037】(3)試験結果この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなとおり、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持し、かつカルシウムに由来する好ましくない後味等の不良な風味のないアロエ葉肉含有レトルト食品を製造するためには、カルシウム溶液処理工程におけるカルシウム濃度、及びカルシウムを含有する食品のカルシウム濃度が、それぞれ0.01〜0.04%及び0.003〜0.025%であることが必要であり、望ましくは0.02〜0.035%及び0.005〜0.02%であることが判明した。
【0038】更に、好適な歯応えを有する破断応力の範囲が少なくとも200g.wであり、生のアロエ葉肉ゲルに近似した望ましい歯応えが得られる破断応力は250g.w以上であることも判明した。尚、各カルシウム濃度が一定値を超えるとアロエ葉肉ゲルの軟化が始まることも判明した。
【0039】また、試料3及び試料4の結果の比較により、通常の100℃の加熱処理に比較して、120℃で4分間以上のレトルト処理において、アロエ葉肉のゲルの軟化が大きな問題であることを示した。
【0040】尚、加熱時間、レトルト食品の種類、又はカルシウム強化剤の種類を適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0041】
【表1】

次に実施例を示して本発明を更に詳記するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】実施例1水洗浸漬した市販の米3kg、水道水17kg、及び乳酸カルシウム五水和物(三栄源エフ・エフ・アイ社製)17gを30l容量の大鍋に添加し、100℃で2時間炊き込み、カルシウム濃度0.011%の粥約19kgを製造した。
【0043】これとは別に、65℃で10分間の加熱殺菌処理がなされた市販の殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)のアロエ葉肉(一辺の長さを10mmの立方体に切断したもの)1.5kgをカルシウム濃度0.05%の乳酸カルシウム五水和物の水溶液1.5kg中に30分間浸漬処理し、カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉約3kgを製造した。
【0044】次いで、250ml容量のレトルトパック(東洋製罐社製)に、前記粥180g及び前記カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉20gを充填して密封し、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)を使用して、120℃で10分間のレトルト処理し、アロエ葉肉を含有するレトルト粥100個を製造した。
【0045】レトルトパックを開封し、前記試験方法により試験した結果、得られたレトルト粥は、含有されるアロエ葉肉の破断応力が334g.wであり、アロエ葉肉のゲルの軟化も認められない、生のアロエ葉肉ゲルの歯応えに近似した良好な歯応えを有し、アロエ葉肉の風味が活かされたレトルト粥であった。
【0046】実施例2水洗浸漬した市販の米3kg、水道水17kg、及び乳酸カルシウム五水和物(三栄源エフ・エフ・アイ社製)17gを30l容量の大鍋に添加し、100℃で2時間炊き込み、カルシウム濃度0.011%の粥約19kgを製造し、この粥10kgに、ヨモギ粉末(仙波糖化社製)1gを添加して混合し、ヨモギ粥約10kgを製造した。
【0047】これとは別に、65℃で10分間の加熱殺菌処理がなされた市販の殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)のアロエ葉肉(一辺の長さを10mmの立方体に切断したもの)1kgをカルシウム濃度0.07%の乳酸カルシウム五水和物の水溶液1kg中に10分間浸漬処理し、カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉約2kgを製造した。
【0048】次いで、250ml容量のレトルトパック(東洋製罐社製)に、前記ヨモギ粥180g及び前記カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉20gを充填して密封し、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)を使用して、120℃で10分間のレトルト処理し、アロエ葉肉を含有するレトルト粥50個を製造した。
【0049】レトルトパックを開封し、前記試験方法により試験した結果、得られたレトルト粥は、含有されるアロエ葉肉の破断応力が302g.wであり、アロエ葉肉のゲルの軟化も認められない、生のアロエ葉肉ゲルの歯応えに近似した良好な歯応えを有し、アロエ葉肉の風味とヨモギの風味とが相乗的に活かされた鮮やかな緑色のレトルト粥であった。
【0050】実施例3後記の配合に従い、材料を30l容量の大鍋に添加し、100℃で15分間煮込み、カルシウム濃度0.006%の雑炊約25kgを製造した。
【0051】これとは別に、65℃で10分間の加熱殺菌処理がなされた市販の殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)のアロエ葉肉(一辺の長さを10mmの立方体に切断したもの)1.5kgをカルシウム濃度0.04%のクエン酸カルシウム四水和物の水溶液1.5kg中に60分間浸漬処理し、カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉約3kgを製造した。
【0052】次いで、200ml容量のアルミニウム製缶(東洋製罐社製)に、前記雑炊162g及び前記カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉18gを充填し、巻締して密封し、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)を使用して、120℃で5分間のレトルト処理し、アロエ葉肉を含有するレトルト雑炊100個を製造した。
【0053】レトルト処理済みの缶を開封し、前記試験方法により試験した結果、得られたレトルト雑炊は、含有されるアロエ葉肉の破断応力が295g.wであり、アロエ葉肉のゲルの軟化も認められない、生のアロエ葉肉ゲルの歯応えに近似した良好な歯応えを有するアロエ葉肉を含有するレトルト雑炊であった。
【0054】
雑炊の配合 (kg)
御飯 3.0 水道水 20.0 魚介エキス(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.2 薄切り済み生シイタケ 0.5 一口大に切断済みの鶏肉 2.5 酒(小西酒造社製) 0.8 醤油(キッコーマン社製) 0.5 乳酸カルシウム五水和物(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.013使用した成分は、特別な記載がない限り全て市販品を使用した。
【0055】実施例4後記の配合に従い、次のとおり、常法により、ホワイトシチュー約15kgを製造した。即ち、野菜の具の下ごしらえとして、ニンジン1.2kgはくし型に切り、面とりし、ジャガイモ1.6kgは四つ切りにし、面とりし、玉ネギ1.6kgは角切りにし、それぞれを別々に塩ゆでにした。次いで、下ごしらえとして、豚肉3.2kgは2センチの角切りにし、塩、胡椒をまぶし、バター0.12kg、月桂樹の葉8枚とともに20l容量の大鍋に添加して炒め、水道水8kgを加えて100℃で30分間、アクをとりながら煮込み、肉をとりだし、布巾でゆで汁を濾過し、約7kgのゆで汁を得た。次に、20l容量の大鍋にバター0.36kgを溶解し、小麦粉0.48kgを少量ずつ添加し、着色しないように注意しながら炒め、小麦粉に火が通った時点で前記ゆで汁7kg及び牛乳(カルシウム含有濃度0.1%)1.6kgを少量ずつ添加してのばし、前記下ごしらえ済みの野菜の具及び豚肉を添加し、100℃で10分間煮込み、食塩0.04kg、胡椒0.001kgで調味し、最後に生クリーム0.8kg及び乳酸カルシウム五水和物0.029kgを添加して緩やかに攪拌し、カルシウム濃度0.022%のクリームシチュー約15kgを得た。
【0056】これとは別に、65℃で10分間の加熱殺菌処理がなされた市販の殺菌済アロエ葉肉缶詰(東京果汁社製)のアロエ葉肉(一辺の長さを10mmの立方体に切断したもの)1kgをカルシウム濃度0.07%のパントテン酸カルシウムの水溶液1kg中に5分間浸漬処理し、カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉約2kgを製造した。
【0057】次いで、200ml容量のアルミニウム製缶(東洋製罐社製)に、前記クリームシチュー162g及び前記カルシウム溶液処理済みアロエ葉肉18gを充填し、巻締して密封し、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)を使用して、120℃で5分間のレトルト処理し、アロエ葉肉を含有するレトルトクリームシチュー50個を製造した。
【0058】レトルト処理済みの缶を開封し、前記試験方法により試験した結果、得られたレトルトクリームシチューは、含有されるアロエ葉肉の破断応力が301g.wであり、アロエ葉肉のゲルの軟化も認められない、生のアロエ葉肉ゲルの歯応えに近似した良好な歯応えを有するアロエ葉肉を含有するレトルトクリームシチューであった。
【0059】
クリームシチューの配合 (kg)
ニンジン 1.2 ジャガイモ 1.6 玉ネギ 1.6 豚肉(バラ肉) 2.5 バター(森永乳業社製) 0.48 小麦粉(日清製粉社製) 0.48 牛乳(森永乳業社製:カルシウム含有濃度0.1%) 1.6 食塩(日本たばこ産業社製) 0.04 胡椒(ライオン社製) 0.001 生クリーム(森永乳業社製) 0.8 乳酸カルシウム五水和物(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.029 水道水 8.0 月桂樹の葉 8(枚)
使用した成分は、特別な記載がない限り全て市販品を使用した。
【0060】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、アロエ葉肉含有レトルト食品及びその製造方法に関するものであり、本発明により奏せられる効果は次のとおりである。
1)120℃4分間以上のレトルト処理により、アロエ葉肉のゲルが軟化することなく、生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えを保持したアロエ葉肉含有レトルト食品を製造することができる。
2)少なくとも200g.wの破断応力を有する生に近似したアロエ葉肉ゲルの歯応えを保持したアロエ葉肉含有レトルト食品を製造することができる。
3)生のアロエ葉肉ゲルに近似した歯応えのある食感を有し、アロエ葉肉の風味を活かしたレトルト食品を製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月10日
【代理人】 【氏名又は名称】工藤 力
【公開番号】 特開平11−137192
【公開日】 平成11年(1999)5月25日
【出願番号】 特願平9−323888