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【発明の名称】 三角麺類または五角麺類の製造装置および製造方法
【発明者】 【氏名】戸田 敬

【要約】 【課題】切刃やロール表面への麺帯や麺線の付着および切り出された麺線同士の付着を防止して、麺帯から三角麺類または五角麺類を円滑に且つ生産性良く製造することのできる製造装置および製造方法の提供。

【解決手段】2個の切刃から構成される切刃対を軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有する第1及び第2の回転ロールを備え、第1及び第2の回転ロールにおける前記切刃対が2個の円錐台形切刃から構成され、2個の円錐台形切刃はそれらの円形頂面及び円形底面の中心のいずれもが回転ロールの回転軸と一致して回転ロールの周囲に突出しており、該切刃対では各円錐台形切刃の円形頂面同士を互いに間隙を設けて対向・配置されており、第1の回転ロールにおける切刃対と第2の回転ロールの切刃対が互いに交互に噛合する三角麺類または五角麺類の製造装置並びにそれを用いる三角麺類または五角麺類の製造法により上記課題が解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2個の切刃から構成される切刃対を軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有する第1の回転切刃ロール、および2個の切刃から構成される切刃対を軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有する第2の回転切刃ロールを備え、第1および第2の回転切刃ロールにおける前記の切刃対は2個の円錐台形切刃から構成され、2個の円錐台形切刃はそれらの円形頂面および円形底面の中心のいずれもが回転切刃ロールの回転軸と一致して回転切刃ロールの周囲に突出しており、該切刃対では各円錐台形切刃の円形頂面同士を互いに間隙を設けて対向させて配置されており、第1の回転切刃ロールにおける切刃対と第2の回転切刃ロールの切刃対が互いに交互に噛合することを特徴とする三角麺類または五角麺類の製造装置。
【請求項2】 切刃対における2個の円錐台形切刃の各円形頂面間の間隙が0.2〜3mmである請求項1記載の製造装置。
【請求項3】 2個の円錐台形切刃の円形頂面の直径が、切刃対の円形頂面間におけるロール直径よりも大きいものである請求項1または2記載の製造装置。
【請求項4】 円錐台形切刃の円形頂面の直径と、切刃対の円形頂面間におけるロール直径との差が0.3〜3mmである請求項1〜3のいずれか1項記載の製造装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造装置における第1の回転切刃ロールおよび第2の回転切刃ロール間に麺帯を供給して麺線への切り出しを行うことを特徴とする三角麺類または五角麺類の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三角麺類または五角麺類の製造装置および製造方法に関する。より詳細には、本発明は、切刃やロール表面への麺帯や麺線の付着を防止して、麺帯から三角麺類または五角麺類を円滑に且つ生産性良く製造することのできる三角麺類または五角麺類の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械によって麺類を製造するに当たっては、一般に、製麺原料に加水し、混練して生地をつくり、それをロールなどにより複合、圧延して麺帯をつくり、必要に応じて麺帯を更に圧延した後、麺線に切り出す方法が汎用されており、それにより得られる麺類は、一般に、その断面形状が正方形、長方形または丸形を呈している。そのような従来の機械製麺法により得られる麺類は、外観的に画一的で変化に乏しく、しかも食感の点でも単調で変化が少なく、さらに茹でたり、蒸したりするのに長い時間を要する。麺類の茹で時間の短縮には、澱粉などの配合、麺線の細線化、麺線への切り込みの付与や溝の形成などが行われており、また弾力性の向上には増粘剤などの食感改良剤の添加や原料組成の異なる麺帯を三層重ねる三層麺類の製造などが行われているしかしながら、添加剤の使用は麺類の製造コストの上昇などを生じ易く、また三層麺類の製造は作業および装置が複雑となるという欠点を有する。さらに、茹で時間を短縮するための澱粉の添加や細線化、切り込みの付与や溝の形成などは、麺類の弾力性を低下させ易い。
【0003】かかる点から、従来にない外観および食感を有する麺類の提供を目的として、断面形状がほぼ正三角形をなす三角麺類が提案されている(特開昭53−26380号公報)。この従来技術では、前記三角麺類の製造装置として、図8に示すような、断面がほぼ正三角形をなすV溝状の切刃3を有する切断ロール4と、軸方向に平行な多数の凸条5を有する麺帯くわえ込みロール6から構成される麺線切り出し装置を用い、前記の切断ロール4と麺帯くわえ込みロール6の間に麺帯を通して麺線に切り出すことによって、ほぼ正三角形の断面形状を有する三角麺類を製造している。
【0004】しかしながら、上記従来の三角麺類の製造装置による場合は、切断ロール4の切刃3の切断機能が充分ではなく、麺帯の三角麺線への切り出しが確実に行われにくい。しかも、この製造装置による場合は、切り出された三角麺類が切断ロール4の切刃3のV溝(三角溝)内に付着して、麺線が切断ロール4から離れにくいために、目的とする三角麺類を円滑に且つ生産性良く製造することができない。また、さらに上記従来の三角麺類の製造装置は、V溝を有する切断ロール4と麺帯くわえ込みロール6からなっているために、五角麺類などのような他の変形麺類を製造することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、麺帯を所定の三角断面または五角断面を有する麺線に確実に切り出すことができ、しかも切り出された三角麺線または五角麺線の切刃やロール表面への付着や麺線同士の付着が生じず、三角麺類または五角麺類を円滑に且つ生産性良く製造できる三角麺類または五角麺類の製造装置および製造方法を提供することである。そして、本発明の目的は、画一的でない良好な外観を有し、滑らかで弾力のある良好な食感を有し、しかも短時間で茹であげたり、蒸したりすることのできる、高品質の三角麺類または五角麺類を円滑に且つ生産性よく製造し得る装置および方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく本発明者は種々検討を重ねてきた。その結果、麺帯から切刃を用いて三角麺線に切り出すに当たって、上記した従来技術におけるようなV溝を有する切断ロールと麺帯くわえ込みロールとを用いずに、それとは構造の大きく異なる麺線切り出し装置を用いると、すなわち、2つの円錐台形切刃を間隙をあけて配置して1組の切刃対を形成し、前記切刃対を所定の間隔をあけて軸方向に複数対配置させた第1と第2の回転切刃ロール(切断ロール)を形成し、前記第1および第2の回転切刃ロールの間に麺帯を通して麺線への切り出しを行うと、麺帯の三角麺線への切り出しが確実に行われ、しかも切り出された三角麺線の切刃への付着がなくなり、さらに隣合う麺線が左右に振り分けられるために麺線同士の付着がなく、外観および食感に優れ、短時間で茹で上がる高品質の三角麺類を極めて円滑に且つ生産性良く製造できることを見出した。さらに、本発明者は、上記した第1と第2の回転切刃ロールからなる麺線切り出し装置を用いて麺帯を麺線に切り出す際に、第1の回転切刃ロールと第2の回転切刃ロールとの間隔を拡げて回転切刃ロールに設けてなる円錐台形切刃の円形底面を相手側の回転切刃ロールから離すと、五角形状をなす麺線用空間が形成されて、三角麺類の場合と同様に、五角麺類を円滑に且つ生産性良く製造できることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、2個の切刃から構成される切刃対を軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有する第1の回転切刃ロール、および2個の切刃から構成される切刃対を軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有する第2の回転切刃ロールを備え、第1および第2の回転切刃ロールにおける前記の切刃対は2個の円錐台形切刃から構成され、2個の円錐台形切刃はそれらの円形頂面および円形底面の中心のいずれもが回転切刃ロールの回転軸と一致して回転切刃ロールの周囲に突出しており、該切刃対では各円錐台形切刃の円形頂面同士を互いに間隙を設けて対向させて配置されており、第1の回転切刃ロールにおける切刃対と第2の回転切刃ロールの切刃対が互いに交互に噛合することを特徴とする三角麺類または五角麺類の製造装置である。
【0008】そして、本発明は、上記本発明の製造装置における第1の回転切刃ロールおよび第2の回転切刃ロール間に麺帯を供給して麺線への切り出しを行うことを特徴とする三角麺類または五角麺類の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明する。本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置は、第1の回転切刃ロール(以下「第1回転切刃ロール」ということがある)および第2の回転切刃ロール(以下「第2回転切刃ロール」ということがある)を備え、それぞれの回転切刃ロールは、2個の切刃から構成される切刃対を回転切刃ロールの軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対有している。第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールに設けた前記の切刃対は、2個の円錐台形切刃から構成されている。切刃対を構成する2個の円錐台形切刃は、それらの円形頂面(すなわち小面積頂面)および円形底面(大面積底面)におけるそれぞれの円の中心点が、いずれも第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールの回転軸と一致するようにして第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールに設けられ、回転切刃ロール本体の周囲に突出している。そして、切刃対では、切刃対を構成している2個の円錐台形切刃の対向している2つの円形頂面は密接しておらず、間隙を設けて対向させて配置されている。さらに、第1回転切刃ロールにおける切刃対と第2回転切刃ロールの切刃対は互いに交互に噛合するような位置および寸法で、第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールに形成されている。
【0010】本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置では、切刃対を構成している2個の円錐台形切刃の対向する2つの円形頂面の間の間隙は、切刃の寸法や細部構造、切刃の材質、麺帯の厚さ、製造を目的とする三角麺類または五角麺類のサイズや各部の寸法などに応じて調節し得るが、一般に0.3〜3mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。また、本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置では、円錐台形切刃の円形頂面の直径と、切刃対の円形頂面間におけるロール直径は等しくてもよいが、円錐台形切刃の円形頂面の直径の方を切刃対の円形頂面間におけるロール直径よりもやや大き目にしておくことが好ましく、具体的には0.3〜3mm程度大きめにしておくことが好ましい。さらに、本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置では、回転している第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールの間に麺帯を通したときに、麺帯の三角麺線または五角麺類への切り出しが確実に行われるように、第1回転切刃ロールにおける切刃対とそれに隣接する第2回転切刃ロールにおける切刃対とが、互いに隙間なく密接して交互に噛合するようにして、第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールのそれぞれに切刃対を設けることが必要である。
【0011】上記の要件を満たしている限りは、本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置において、切刃対を構成する円錐台形切刃における各部の寸法、隣合う切刃対同士の間隔、第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールのロール本体の直径などは特に制限されず、麺帯の厚さ、製造を目的とする麺類の種類などに応じて調節することができる【0012】上記した構造を有する本発明の製造装置において、第1および第2の回転切刃ロールに設けてなる円錐台形切刃の円形底面を相手側の回転切刃ロールに接するようにして第1回転切刃ロールの切刃対と第2回転切刃ロールの切刃対を噛合させると、切刃対を構成している2個の円錐台形切刃における斜面、円形頂面および回転切刃ロール本体の外周との間に、三角形の頂角部分がやや外側に延びているか又はやや平坦になっている略三角形状麺線用空間が形成される。また、上記した構造を有する本発明の製造装置において、第1と第2の回転切刃ロールに設けてなる円錐台形切刃の円形底面を相手側の回転切刃ロールから離して第1回転切刃ロールの切刃対と第2回転切刃ロールの切刃対を噛合させると、2個の円錐台形切刃における斜面、円形頂面、円形底面および回転切刃ロール本体の外周との間に、五角形の頂角部分がやや外側に延びているか又はやや平坦になっている略五角形状の麺線用空間が形成されるそして、上記した略三角形状または略五角形状の麺線用空間が形成されることによって、麺帯の麺線への切断時に、麺帯や麺線にかかった圧力が略三角形状または略五角形状の麺線用空間における前記した頂角の部分から外方に逃がされたり緩和され、三角形または五角形に切り出された麺線が切刃に強く押圧されて付着するのを防止でき、目的とする三角麺類または五角麺類を円滑に生産性よく製造することが可能になる。
【0013】本発明の製造装置では、各部の寸法、装置の全体的な規模などは、製造を目的とする麺類の種類、本発明の製造装置を用いる現場の状況や規模などに応じて適宜決めることができる。本発明の製造装置を用いて三角麺類または五角麺類を製造するに当たっては、製麺原料の種類、配合組成、麺生地の調製、麺帯の製法などは特に制限されず、製造を目的とする麺類の種類などに応じて従来既知のいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、本発明では、麺帯の調製に当たって、ロールによる圧延または複合・圧延工程を用いるのがよく、その場合には複数の連続した圧延ロールを用いて徐々に圧延を行うのがよい。その際の圧延率(圧延前後の厚さの減少率)は20〜50%とすることが好ましい。
【0014】本発明では、三角麺類または五角麺類の種類は特に限定されず、例えば、うどん、冷麦、日本そば、そうめん、ラーメンや焼きそばなどの中華麺類、冷麺などのいずれであってもよく、特にうどんなどの太物の麺類が好ましい。また、本発明で得られる三角麺類または五角麺類は、生麺、乾燥麺、半乾燥麺、蒸麺、茹麺、冷凍麺、即席麺などのいずれの形態で流通、販売してもよく、麺類の種類に応じて、上記で得られた三角麺類または五角麺類を処理すればよい。
【0015】
【実施例】以下に図を参照して本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。図1は、本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置における第1回転切刃ロールおよび第2回転切刃ロールの概観を示した図である。第1回転切刃ロール1aおよび第2回転切刃ロール2aは、2個の円錐台形切刃1b,1cおよび2b,2cからなる切刃対1d,2dを回転切刃ロールの軸方向に沿って所定の間隔をあけて複数対ずつ有している。切刃対1d,2dでは、図2(図1の部分拡大図)に示すように、切刃対1d,2dを構成している2個の円錐台形切刃1bと1cおよび2bと2cにおける小面積の円形頂面と大面積の円形底面のうち、小面積の円形頂面1eと1fを対向させ、また2eと2fを対向させて配置してある。対向して円形頂面1eと1f、また2eと2fは互いに密接しておらず、両者間に間隙1h,2hを設けてある【0016】図3に示すように、複数の切刃対1dを有する第1回転切刃ロール1aおよび複数の切刃対2dを有する第2回転切刃ロール2aを、第1回転切刃ロール1aの円錐台形切刃1b,1cの底面および第2回転切刃ロール2aの円錐台形切刃2b,2cの底面が相手側の回転切刃ロールに接するようにして、第1回転切刃ロール1aにおける切刃対1dと第2回転切刃ロール2aにおける切刃対2dを互いに噛合させて平行に配置することにより、本発明の三角麺類の製造装置が形成される。そして、この三角麺類の製造装置の第1回転切刃ロール1aと第2回転切刃ロール2aの間に麺帯を供給すると、切刃対1dにおける円錐台形切刃1bと切刃対2dにおける円錐台形切刃2cとにより、そして切刃対1dにおける円錐台形切刃1cと切刃対2dにおける円錐台形切刃2bによって麺帯から麺線への切り出しが行われて、三角形断面を有する麺線が形成される。
【0017】また、図4に示すように、複数の切刃対1dを有する第1回転切刃ロール1aおよび複数の切刃対2dを有する第2回転切刃ロール2aを、第1回転切刃ロール1aの円錐台形切刃1b,1cの底面および第2回転切刃ロール2aの円錐台形切刃2b,2cの底面が相手側の回転切刃ロールから離れているようにして第1回転切刃ロール1aにおける切刃対1dと第2回転切刃ロール2aにおける切刃対2dを互いに噛合させて平行に配置することにより、本発明の五角麺類の製造装置が形成されるそして、この五角麺類の製造装置の第1回転切刃ロール1aと第2回転切刃ロール2aの間に麺帯を供給すると、切刃対1dにおける円錐台形切刃1bと切刃対2dにおける円錐台形切刃2cとにより、そして切刃対1dにおける円錐台形切刃1cと切刃対2dにおける円錐台形切刃2bによって麺帯から麺線への切り出しが行われて、五角形断面を有する麺線が形成される。
【0018】上記本発明の製造装置では、切刃対1dをなす円錐台形切刃1bと1cにおける小面積の円形頂面1eと1fが接触しておらず、両者間に間隙1hを有し、且つ切刃対2dをなす円錐台形切刃2bと2cにおける円形頂面2eと2fが接触しておらず、両者間に間隙2hを有していることによって、円錐台形切刃の斜面と回転切刃ロール本体の表面により形成される三角形状の麺線用空間1i,2iの頂角の外方に延長空間部1j,2jが形成され(図3)、または円錐台形切刃の斜面、円錐台形切刃の底面および回転切刃ロール本体の表面により形成される五角形状の麺線用空間1i,2iの頂角の外方に延長空間部1j,2jが形成される(図4)。前記の延長空間部1j,2jが存在することによって、麺帯を麺線に切り出す際に麺帯や麺線にかかった圧力を前記した延長空間部1j,2jに逃がしたり、緩和することが可能になる。その結果、切り出された麺線が円錐台形切刃の表面や回転切刃ロール本体の表面に過度に押圧されなくなって、切り出された三角麺線の円錐台形切刃や回転切刃ロール本体表面への付着が防止され、目的とする三角麺類または五角麺類を円滑に生産性よく製造することができる間隙1h,2hの幅S1,S2は切刃の寸法や細部構造、切刃の材質、麺帯の厚さ、製造を目的とする三角麺類のサイズや各部の寸法などに応じて調節し得るが、上記したように、一般に0.2〜3mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。
【0019】本発明の製造装置では、切刃対1d,2dを構成する円錐台形切刃1b,1c2b,2cにおける斜面の傾斜角度、長さ、間隙1h,2hの幅S1,S2などを製造を目的とする三角麺類または五角麺類の形状などに応じて調整することができ、それによって、断面形状が、例えば、図4の(a)に示すような正三角形の麺類、(b)に示すような頂角が鋭角である二等辺三角形の麺類、(c)に示すような頂角が鈍角である二等辺三角形の麺類、(d)に示すような前記以外の三角形をなす麺類、(e)に示すような頂部の外方に延長部を有する略三角状をなす麺類、(f)に示すような五角形状の五角麺類などのような種々の三角麺類または五角麺類を製造することができる。
【0020】本発明の製造装置では、第1回転切刃ロール1aにおける隣り合う切刃対1dと1dとの距離L1は、第2回転切刃ロール2aにおける切刃対2dの軸方向幅F2と同じであるか又はほぼ同じであるようにし、且つ第2回転切刃ロール2aにおける隣り合う切刃対2dと2dとの距離L2は、第1回転切刃ロール1aにおける切刃対1dの軸方向幅F1と同じであるか又はほぼ同じであるようにすることが好ましい。それによって、第1回転切刃ロール1aにおける切刃対1dと第2回転切刃ロール2aにおける切刃対2dとの間の噛合がきちんと行われて、麺帯の三角麺類または五角麺類への切り出しを確実に実施することができ、またきれいな切断面を有する三角麺類または五角麺類を得ることができる。
【0021】また、本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置では、第1回転切刃ロール1aの切刃対の円形頂面間におけるロール直径D1と、小面積の円形頂面1eおよび1fの直径E1とは同じであっても、または直径E1が直径D1に比べて多少大きくなっていてもよいが、一般に直径E1が直径D1に比べて約0.3〜3mm程度大きくなっていることが、切り出した麺線の切刃からの分離が円滑に行われる点から好ましい。また、第2回転切刃ロール2aの切刃対の円形頂面間におけるロール直径D2と、小面積の頂面である円形頂面2eおよび2fの直径E2との関係も、前記と同じようにする。
【0022】本発明の製造装置では、切刃対1dと切刃対2dの噛合がきちんとなされる限りは、第1回転切刃ロール1aにおける切刃対1dを構成する円錐台形切刃1b,1cと第2回転切刃ロール2aにおける切刃対2dを構成する円錐台形切刃2b,2cとは、全く同じ円錐台形状を有していても又は異なっていてもよい。本発明の製造装置において、円錐台形切刃1b,1c,2b,2cの全てが同じ円錐台形状を有し、両者における間隙1hおよび2hの幅S1およびS2が同じであり且つ第1回転切刃ロール1aの直径D1と第2回転切刃ロール2aの直径D2が同じである場合は、断面形状およびその寸法が全体に均一に揃った三角麺類または五角麺類を得ることができる。一方、本発明の製造装置において、第1回転切刃ロール1aにおける円錐台形切刃1b,1cと第2回転切刃ロール2aにおける円錐台形切刃2b,2cの形状が互いに相違したり、間隙1hおよび2hの幅S1およびS2が互いに異なっていたり、および/または第1回転切刃ロール1aの直径D1と第2回転切刃ロール2aの直径D2が異なる本発明の製造装置による場合は、切刃対1dと切刃対2dとで異なった形状の三角麺類または五角麺類への切り出しがなされるため、一般に2種類の異なった三角断面を有する三角麺類の交ざったもの、または2種類の異なった五角断面を有する五角麺類の交ざったものが得られる。そのうちでも、本発明では、第1回転切刃ロール1aおよび第2回転切刃ロール2aとして、両者における切刃対1dと2dが同じであるものを用いることが好ましい。
【0023】本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置は図1〜図4のものに限定されるわけではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、本発明の製造装置において、第1回転切刃ロール1aにおける円錐台形切刃1b,1cおよび第2回転切刃ロール2aにおける円錐台形切刃2b,2cは、1個の円錐台より形成せずに、図6に示すように、2つの円錐台1kと1mを結合した構造、または2kと2mを結合した構造としてもよい。この図6の製造装置を用いて麺帯の麺線への切り出しを行った場合は、図7の(a)に示すような、2つの側辺3,3’が内側に多少くびれた略三角形状をなす三角麺類を得ることができる。さらに、本発明の製造装置において、図示はしないが、切刃対1d,2dを構成する円錐台形切刃1b,1cおよび2b,2cにおける円錐台の斜面部分を直線状とせずに、外方に多少湾曲した形状にすると、図7の(b)に示すような、三角形の2辺が内側に湾曲した略三角形状をなす麺類を得ることができる。また、三角麺類または五角麺類の製造に当たっては、三角形の3つの辺の1つ以上に適当な切れ込みを入れたり、溝を形成することによって、茹で時間や蒸し時間の一層の短縮を図ることができる。
【0024】本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置では、切刃対1dおよび2dは、第1回転切刃ロール1aの本体、および第2回転切刃ロール2aの本体に固着して設けてあっても、または着脱可能に取り付けてあってもよい。
【0025】《実施例1》
(1) 小麦粉100重量部に、食塩4重量部を水40重量部に溶かした水溶液を加え、ミキサーで10分間混練して生地を調製した。1時間熟成した後、ロールによる複合、圧延して麺帯とした。この麺帯を30分間熟成した後、さらにロールにより圧延して厚さ2.6mmの麺帯を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺帯を、麺線用空間1iおよび2iがほぼ正三角形状を呈し、円錐台形切刃1bと1cとの間隙1hが1mm、円錐台形切刃2bと2cとの間隙2hが1mmであり、且つ延長空間部1jと2jの深さが1.5mmである図3に示す三角麺類の製造装置に供給して麺線に切り出したところ、断面がほぼ正三角形(一辺の長さ3mm)の三角麺(うどん)を、切刃や回転切刃ロール表面への麺帯や麺線の付着、切り出された麺線同士の付着を生ずることなく、円滑に生産性良く製造することができた。
(3) 上記(2)で得られた三角麺の100gをpHを5.0〜6.0に調整した温度96〜99℃の熱湯中で6分間茹であげて歩留り280%の茹で麺とした後、水洗、冷却、pHの調整を行って、ポリプロピレンフィルムで包装した【0026】《実施例2》
(1) 小麦粉100重量部に、食塩4重量部を水40重量部に溶かした水溶液を加え、ミキサーで10分間混練して生地を調製した。1時間熟成した後、ロールによる複合、圧延して麺帯とした。この麺帯を30分間熟成した後、さらにロールにより圧延して厚さ2.6mmの麺帯を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺帯を、麺線用空間1iおよび2iの1つの頂角の角度が40°であり、残りの2つの頂角の角度がそれぞれ70°で、円錐台形切刃1bと1cとの間隙1hが1mm、円錐台形切刃2bと2cとの間隙2hが1mmであり、且つ延長空間部1jと2jの深さが1.5mmある二等辺三角形を呈する図3に示す三角麺類の製造装置に供給して麺線に切り出して、1つの頂角の角度が約40°であり、残りの2つの頂角の角度がそれぞれ約70°であって、1つの辺の長さが2mmで残りの2つの辺の長さがそれぞれ3mmである二等辺三角形の断面形状を有する三角麺類を、切刃や回転切刃ロール表面への麺帯や麺線の付着、切り出された麺線同士の付着を生ずることなく、円滑に生産性良く製造することができた。
(3) 上記(2)で得られた三角麺の100gをpHを5.0〜6.0に調整した温度96〜99℃の熱湯中で5分間茹であげて歩留り290%の茹で麺とした後、水洗、冷却、pHの調整を行って、ポリプロピレンフィルムで包装した(4) 上記(3)で得られた包装麺を5℃の冷蔵庫で5日間保存した後、取り出して沸騰水中で2分間再度茹でて、その外観、食感および食味の評価を行った。その結果、茹であげた三角麺は、麺線にひねり、うねりなどのクリンプ状態を生じていて、従来にない新鮮で多様な外観を有していた。また、その食感は、滑らかで、且つ三角形の頂点部分、特に角度が約40°である頂点やその近傍部分は柔らかであり、一方中心部は弾力性に富む、歯ごたえのある食感を有し、一つの麺に柔らかさと弾力性、歯ごたえの両方を併せもつ、変化および多様性に富む、従来の麺類にはみられないような、良好な食感および食味を有していた。
【0027】《比較例1》
(1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って厚さ2.6mmの麺帯を製造した(2) 上記(1)で得られた麺帯を、図8に示す、ほぼ正三角形状をなすV溝(V溝における一辺の長さ約3mm)を有する切断ロール4と麺帯くわえ込みロール6からなる麺線切り出し装置に供給して、麺線への切り出しを行ったところ、麺線が切断ロール4のV溝に付着して、三角麺を円滑に製造することができなかった。
【0028】《実施例3》
(1) 実施例1の(1)および(2)と同じ工程を行って、断面が正三角形をなす三角麺を製造した。
(2) 上記(1)で得られた三角麺を、竿に掛けて、温度30℃で60分間予備乾燥した後、温度45℃で4時間本乾燥し、さらに温度25℃で1時間仕上げ乾燥を行って、水分含量が14重量%である乾燥三角麺を製造し、長さ20cmに切断して、200gずつに分けて、包装した。
(3) 上記(2)で得られた乾燥三角麺を沸騰水中で8分間茹でて、歩留り300%の茹で麺を得た。
【0029】《実施例4》
(1) 実施例1で用いた三角麺類の製造装置において、第1および第2回転切刃ロールの中心軸の間隔を更に2mm拡げて、図4に示す五角麺類の製造装置とした。
(2) 上記(1)の五角麺類の製造装置に、実施例1の(1)と同様にして製造した厚さ2.6mmの麺帯を供給して麺線に切り出したところ、断面が五角形状をなす五角麺(うどん)を、切刃や回転切刃ロール表面への麺帯や麺線の付着、切り出された麺線同士の付着を生ずることなく、円滑に生産性良く製造することができた。
【0030】
【発明の効果】本発明の三角麺類または五角麺類の製造装置による場合は、麺帯を所定の三角断面または五角断面を有する麺線に確実に切り出すことができ、しかも切り出された三角麺線または五角麺線の切刃やロール表面への付着が生じず、さらに隣合う麺線が左右に振り分けられるために麺線同士の付着が生じず、三角麺類または五角麺類を円滑に且つ生産性良く製造することができ
【出願人】 【識別番号】596154871
【氏名又は名称】株式会社岩手製麺
【出願日】 平成9年(1997)10月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】辻 良子 (外1名)
【公開番号】 特開平11−113515
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−297962