トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 かまぼこ板の製造方法
【発明者】 【氏名】岡本 欽伍

【要約】 【課題】木の薄板を多数枚重ね合わせることによりかまぼこ板を効率良く製造する方法を提供する。

【解決手段】多数枚の木の薄板(11)を順次接着して積み重ねることにより所望のかまぼこ板(13)の幅(a)に対応する厚さ(a’)を有する薄板積重ね体(15)を形成し、該薄板積重ね体を薄板の接着面(17)と直角方向に縦横に切断することにより多数のかまぼこ板を形成し、各かまぼこ板内において薄板の接着面がかまぼこ板の上面(31)と直角且つかまぼこ板の側面(33)と平行になるようにしたことを特徴とするかまぼこ板の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数枚の木の薄板を順次接着して積み重ねることにより所望のかまぼこ板の幅に対応する厚さを有する薄板積重ね体を形成し、該薄板積重ね体を薄板の接着面と直角方向に縦横に切断することにより多数のかまぼこ板を形成し、各かまぼこ板内において薄板の接着面がかまぼこ板の上面と直角且つかまぼこ板の側面と平行になるようにしたことを特徴とするかまぼこ板の製造方法。
【請求項2】 木の薄板に節等の欠点があるときには、該欠点を打抜いて透孔を形成し、該透孔に対応する形状と厚さとを備えた欠点のない補修用薄板片を該透孔に嵌着することにより当該欠点のある薄板を予め補修するようにしたことを特徴とする請求項1のかまぼこ板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はかまぼこ板の製造方法に関するものであり、特に木材資源の節約、製造コストの低減等のために、木の薄板を多数枚重ね合わせることによりかまぼこ板を製造する方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】特開平2−135075号公報は下記の如きかまぼこ板の製造方法を開示している。
【0003】(イ)図10、図12に示すように、無欠点の2枚の廃材1、1’におけるそれぞれの側縁面に接着剤を塗布し、これらの廃材1、1’を側縁面にて相互に隣接させた状態で圧締接着してなるかまぼこ板の製造方法。符号2に示すものは接着面である。因みに、図12においては、それぞれ2枚の廃材1、1’よりなるかまぼこ板4枚が同時に製造される。
【0004】(ロ)図11、図13に示すように、無欠点の2枚の廃材3、3’におけるそれぞれの片面に接着剤を塗布し、これらの廃材3、3’を積み重ねた状態で圧締接着してなるかまぼこ板の製造方法。符号4に示すものは接着面である。因みに、図13においては、ぞれぞれ2枚の廃材3、3’よりなるかまぼこ板2枚が同時に製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の製造方法(イ)(ロ)においては次のような問題がある。
【0006】(a)2枚の廃材を圧締接着することによりかまぼこ板を製造する方法であるため、製造効率が悪く、大量生産に不向きである。
【0007】(b)かまぼこの製造段階においては、かまぼこは板付きの状態で重さが計測されるため、かまぼこ板の重さにバラツキがあると、かまぼこ自体の重さにバラツキが生ずる結果になる。即ち、かまぼこ板の重さは平均化させる必要がある。しかるに、2枚の廃材を圧締接着してなるかまぼこ板は重さがまちまちになることが往々にしてある。
【0008】(c)上記従来の製造方法(ロ)による、2枚の廃材3、3’を積み重ねた状態で圧締接着してなるかまぼこ板の場合には、該かまぼこ板にかまぼこを取り付けたときに、かまぼこの水分がかまぼこ板に充分に吸収されないという問題がある。即ち、かまぼこは図11における上側の廃材3上に取り付けられるのであるが、かまぼこの水分は当該上側の廃材3内には浸透するのであるものの、上側の廃材3と下側の廃材3’との間の接着面4には接着剤層があるため、上側の廃材3内に染み込んだ水分は該接着剤層に妨げられて下側の廃材3’内には浸透し得ないという問題があるのである。このように、かまぼこの水分がかまぼこ板に充分に吸収されない場合には、かまぼこの持ちが悪くなるおそれがある。
【0009】(d)2枚の廃材を圧締接着してなるかまぼこ板の場合、いずれか一方の廃材に臭いがあるときには、該かまぼこ板は使用することができなくなることがある。
【0010】(e)廃材に節等の欠点がある場合には、該廃材は使用することができない。
【0011】本発明は上記従来の製造方法における上述の如き問題を解決しようとしてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は下記のかまぼこ板の製造方法を提供するものである。
【0013】(1)多数枚の木の薄板を順次接着して積み重ねることにより所望のかまぼこ板の幅に対応する厚さを有する薄板積重ね体を形成し、該薄板積重ね体を薄板の接着面と直角方向に縦横に切断することにより多数のかまぼこ板を形成し、各かまぼこ板内において薄板の接着面がかまぼこ板の上面と直角且つかまぼこ板の側面と平行になるようにしたことを特徴とするかまぼこ板の製造方法(請求項1)。
【0014】(2)木の薄板に節等の欠点があるときには、該欠点を打抜いて透孔を形成し、該透孔に対応する形状と厚さとを備えた欠点のない補修用薄板片を該透孔に嵌着することにより当該欠点のある薄板を予め補修するようにすることが望ましい(請求項2)。
【0015】
【作用】
[請求項1のかまぼこ板の製造方法]薄板積重ね体の厚さが形成されるかまぼこ板の幅となる。即ち、薄板積重ね体は薄板の接着面と直角方向にのみ切断され、薄板の接着面と平行に切断されることはない。形成されたかまぼこ板においては、薄板の接着面がかまぼこ板の上面と直角且つかまぼこ板の側面と平行になる。即ち、形成されたかまぼこ板においては、細長片状に切断された薄板片はかまぼこ板の側面と平行に立てた状態で相互に隣接する。従って、図6に示すように、かまぼこの水分は各薄板片内に充分に浸透する。因みに、図7に示すように、形成されたかまぼこ板において細長片状に切断された薄板片がかまぼこ板の上面と平行に積重ねられた状態になる場合には、かまぼこの水分は最上部の薄板片内には浸透するものの、当該最上部の薄板片下面の接着剤層により遮断されるため、下側の薄板片内には浸透しない。
【0016】[請求項2のかまぼこ板の製造方法]薄板の透孔に嵌着された補修用薄板片は接着剤により下側の薄板と上側の薄板とに接着される。補修用薄板片は当該薄板の透孔に対応する形状と厚さとを備えた欠点のない薄板片であるから、薄板積重ね体内に支障なく組み込まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。本発明によるかまぼこ板の製造方法においては、まず多数枚の木の薄板11、11・・・を順次接着して積み重ねることにより所望のかまぼこ板13の幅a(図1、図5参照)に対応する厚さa’(図2参照)を有する薄板積重ね体15を形成する。木の薄板11、11・・・としては、例えば厚さ6mm又は4mmのモミの薄板を用いる。該薄板積重ね体15を薄板11、11・・・の接着面17と直角方向に縦横に切断することにより多数のかまぼこ板13、13・・・を形成する。図示の事例においては、まず薄板積重ね体15を長さ方向の切断線19にて切断することにより複数の第一切断積重ね体21を形成し(図2、図3)、該第一切断積重ね体21を幅方向の切断線23にて切断することにより複数の第二切断積重ね体25を形成し(図3、図4)、該第二切断積重ね体25を長さ方向の切断線27にて切断することにより複数のかまぼこ板13を形成している(図4、図5)。この場合、各かまぼこ板13内において薄板11(細長片状に切断された薄板片11’)の接着面17がかまぼこ板13の上面31と直角且つかまぼこ板13の側面33と平行になるようにする(図6参照)。符号35に示すものはかまぼこ板13の上面31に取り付けられたかまぼこである。
【0018】木の薄板11に節等の欠点41があるときには、予め該欠点41を一例として円板状に打抜いて透孔43を形成し、該透孔43に対応する形状と厚さとを備えた欠点のない補修用薄板片45を該透孔43に嵌着することにより当該欠点41のある薄板11を予め補修する。補修された薄板11は他の薄板11、11間に接着される。符号47に示すものは打抜かれて除去された欠点部である。図8、図9参照。
【0019】
【発明の効果】本発明は下記の如き優れた効果を発揮する。
【0020】■本発明によれば、木の薄板を多数枚重ね合わせてなるかまぼこ板を効率良く製造することができる。従って、かまぼこ板の製造コストの低減を図ると共に木材資源の節約に寄与することができる。
【0021】■本発明により製造されるかまぼこ板は木の薄板を多数枚重ね合わせてなるものであるため、かまぼこ板の重量を平均化することができる。従って、かまぼこの製造段階においてかまぼこ自体の重さを平均化することができる。
【0022】■形成されたかまぼこ板においては、細長片状に切断された薄板片はかまぼこ板の側面と平行に立てた状態で相互に隣接する。従って、かまぼこの水分は各薄板片内に充分に浸透するため、かまぼこの持ちが良くなる。
【0023】■本発明により製造されるかまぼこ板は木の薄板を多数枚重ね合わせてなるものであるため、多数枚の薄板中に臭いのある薄板が小数枚混入していても殆ど支障がない。
【0024】■請求項2の補修方法を行なえば、節等の欠点がある薄板でも支障なく使用することができる。従って、木材を節約することができる。
【出願人】 【識別番号】592186456
【氏名又は名称】有限会社岡本木工所
【出願日】 平成9年(1997)7月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
【公開番号】 特開平11−42067
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−215573