| 【発明の名称】 |
生中華麺または半生中華麺の製造方法並びにその調理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 徹
【氏名】山口 祥夫
【氏名】清田 博康
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| 【要約】 |
【課題】生麺または半生麺でありながら従来のごとく茹でる手間を必要とせずに、単に熱湯を注ぐのみの僅かな時間を待つだけで喫食できる生中華麺または半生中華麺類の製造方法並びにその調理方法を提供する。
【解決手段】主原料として小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉を使用し、これに対し澱粉配合比10〜60重量%、卵白粉末0.3〜2重量%の配合比で添加混合して常法により製麺する。前記製麺した未加熱の生中華麺または半生中華麺について、茹でを必要とせずに熱湯をカップ状容器に注ぐのみで、そのまま喫食可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主原料として小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉を使用し、これに対し澱粉配合比10〜60重量%、卵白粉末0.3〜2重量%の配合比で添加混合して常法により製麺することを特徴とする生中華麺または半生中華麺の製造方法。 【請求項2】 前記小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉について、小麦粉を分級し得た20ミクロン以下の微粉を3〜50重量%配合して調整したことを特徴とする請求項1記載の生中華麺または半生中華麺の製造方法。 【請求項3】 前記小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉について、小麦グルテンを添加して調整したことを特徴とする請求項1記載の生中華麺または半生中華麺の製造方法。 【請求項4】 主原料として小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉を使用し、これに対し澱粉配合比10〜60重量%、卵白粉末0.3〜2重量%の配合比で添加混合して、常法により製麺した未加熱の生中華麺または半生中華麺について、茹でを必要とせずに熱湯をカップ状容器に注ぐのみで、そのまま喫食可能とすることを特徴とする生中華麺または半生中華麺の調理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生麺または半生麺でありながら従来のごとく茹でる手間を必要とせずに、単に熱湯を注ぐのみの僅かな時間を待つだけで喫食できる生中華麺または半生中華麺類の製造方法であり、かつその調理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的な意味での生麺とは、狹義には製麺機により麺生地を細長く線切りされた段階のものであって、次工程の加熱処理が行われていないものを指し、これを茹でたものが茹で麺である。通常、茹で麺は線切り後直ちに、包装(耐熱性のプラスチックフィルム袋形式)、密封後に加熱殺菌したり、あるいは包装容器と茹で麺を別個に殺菌し、無菌下で包装容器に茹で麺を充填密封して、保存性を高めていることはよく知られている。また、従来より、いわゆる「カップめん」の分野において、一般消費者の意向にマッチした「ナマ志向」、「本物志向」として、茹で麺の保存性を高めた「生タイプ」は今日でも依然として根強い人気があり、更には中華麺(ラーメン)の生タイプも登場している。 【0003】しかし、一般に知られている生中華麺の場合、他の生麺と異なり、小麦粉に「かん水」と呼ばれるアルカリ製剤を添加するが、添加当初にみられるアルカリによる鮮明度の高い黄発色の色相が経時的に変化し、その結果、好ましくない褐色味を帯び、しかも日持ちの悪いことが欠点として挙げられ、また蛋白質量の多い程変色の度合も著しいことが認められる。加えて、従来より提供されている生麺または半生麺の場合、喫食時には必ず茹でることが不可欠であり、調理上の手間からみると、いわゆる即席麺(インスタントラーメン)、調理麺(簡便な食品、すなわちコンビニエンスフードとして、完全調理済みであって、調理の手間や時間の一部を省けるように予め処理加工された麺)と比較し簡便性に欠けていた。 【0004】一方、従来のレンジアップ(電子レンジ利用による調理)やお湯を注ぐだけで喫食でき、茹でを必要としない麺の場合は、簡便性には長けていたが、それが茹で麺であったり、油で揚げた即席麺であることから、生麺特有の茹でたてとして好まれるコシのある食感とはほど遠いものであった。加えて、茹で麺は保存中に茹で伸びをおこし、経時変化が大きいという問題点もあった。そこで、茹でを必要とせず、レンジアップやお湯を注いで簡便に喫食可能な麺を作成することに着目した従来技術として、茹で麺にする方法(特開平6−209730号公報)、油で揚げる方法(特開平6−292528号公報)が知られている。しかしながら、前者の茹で麺にする方法は保存中に経時変化をおこし茹で伸びするという欠点があり、また、後者の油で揚げた即席麺は即席麺特有の食感であるため、茹でた生麺のそれとは異なり違和感を有するという欠点があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術において未解決であった茹で麺が経時変化をおこすという欠点、従来の即席麺が生麺を茹でたものと食感が異なるという欠点を克服し、しかも熱湯を注ぎ、短時間で簡便に喫食を可能とする生中華麺または半生中華麺の製造方法並びにその調理方法を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の生中華麺または半生中華麺の製造方法は、具体的には、主原料として小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉を使用し、これに対し澱粉配合比10〜60重量%、卵白粉末0.3〜2重量%の配合比で添加混合して常法により製麺することを特徴とするものである。また、前記小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉について、小麦粉を分級し得た20ミクロン以下の微粉を3〜50重量%配合して調整することもよい。 【0007】更に、前記小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉について、小麦グルテンを添加して調整することも好ましい。そして、本発明の生中華麺または半生中華麺の調理方法は、主原料として小麦粉蛋白含量15〜18%の高蛋白小麦粉を使用し、これに対し澱粉配合比10〜60重量%、卵白粉末0.3〜2重量%の配合比で添加混合して、常法により製麺した未加熱の生中華麺または半生中華麺について、茹でを必要とせずに熱湯をカップ状容器に注ぐのみで、そのまま喫食可能とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の最良の結果をもたらす実施の形態を説明する。本発明者は、生中華麺または半生中華麺について、熱湯を注ぐのみで短時間のうちに食することができること、しかも従来以上に簡便に喫食できるとともに、本格的な茹でたての食感が得られるように、試験、検討を重ねた結果、意図したとおりの本発明を完成に導くことができた。本発明の実施上、対象として使用する容器については、一般に広く市場に提供されている浅型どんぶり形状の紙製カップが適切であることから、カップ状容器としてPSP(ポリスチレンペーパー)製(大きさ。口径190mm×高さ97mm。内容量約600cc)を採用した(以下、単に、カップという。)。そこで、試験に際し、カップに内装した麺80gに対して500mlの熱湯(97℃)を注いだ場合の湯温の変化に注目する必要を認め、以下の表1に示す変化を確認した。 【0009】 【表1】
【0010】このような湯温の条件下において、湯戻りが可能となる生中華麺または半生中華麺について、後述する本発明の目的に合致する最良の配合を究明できた。本発明における該配合により作成した麺は、従来のような茹でることの手間が省けて簡便に喫食可能で、しかも、保存時における食感の経時変化ないしは品質劣化が少なく、熱湯を注ぐだけで本格的な茹でたての食感をもたらす生中華麺または半生中華麺である。本発明に係る前記中華麺の製造方法においては、原料粉の配合における小麦粉の蛋白含量と質、澱粉の配合量、微粉の配合量、小麦グルテン配合量、卵白の配合量、加水量が重要であり、それを使用しての製麺工程は通常の工程による常法に従って行われる。 【0011】従来より、麺類において澱粉の使用目的としては、食感の改良、外観上のつや、透明感の向上以外に、茹で時間の短縮や湯戻りが早くなることが知られているが、本発明においても、前記配合について澱粉の添加量が重要な要因である。そこで、本発明者等は、澱粉量が異なる配合で粉を作成し、RVA(粘度迅速測定装置: ラピッドビスコアナライザー、オーストラリア所在のNEWPORTSCIENTIFIC社製)により、粘度、糊化開始温度、最高粘度を測定した。なお、前記装置は、ブラベンダーのアミログラフをより迅速にしたもので、外筒回転式の粘度計で、小麦粉の懸濁液を自動的に一定の温度のもとに、加熱または冷却しながら生じた糊の変化をトルクの変化として捉え、記録する装置である。また、表2に示す配合原料100重量%に対し、粉末かん水2重量%、食塩0.5重量%、アルコール2重量%、水34重量%を加え、ミキサーに入れ10分間撹拌した後、成型して麺帯とし、これを26番角刃にて切り出し、生麺を得た。これら生麺それぞれ80gをカップに入れ、熱湯(97℃、500ml)を注ぎ3分後にサンプリングし、それらのα化度の測定も行った。結果は表2のとおりである。表2から理解されるとおり、澱粉の添加量が多くなるに従い糊化開始温度、最高粘度時の温度が低くなり、α化度が進む。 【0012】 【表2】
【0013】本発明は澱粉を添加することにより湯戻りを早くし、蛋白の高い小麦粉を用いること、または小麦粉に微粉、小麦グルテンを添加することで食感が柔らかくなるのを防ぎ、更に卵白添加により食感を改良していることを特徴とする。本発明における特徴の1つとして、原料の小麦粉は蛋白値の高いものが必要となる。蛋白の値としては15〜18%のものを必要とし、16〜17%の小麦粉を用いるのが望ましい。小麦粉の蛋白値が14%以下のものを用いると食感が柔らかく、好ましくない。小麦粉の蛋白含量を増加させる方法として、(1)小麦粉中の高蛋白のセクションを取り分ける方法、または(2)20ミクロン以下の微粉を小麦粉中に3〜50重量%配合する方法、(3)小麦粉中に小麦グルテンを0.5〜10重量%配合する方法、(4)前記(1)、(2)または(3)の併用がある。 【0014】この原料小麦粉に対する配合として澱粉を10〜60重量%添加する。該澱粉は20〜40重量%の範囲が好ましい。澱粉の配合量が10重量%に満たない場合、熱湯を注いでも戻りきれず、茹でが足りないような食感となる。澱粉の量が多すぎると食感が柔らかく、茹で伸びが早くなる。澱粉の種類は、タピオカ澱粉に限らず、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉等も使用可能と思われる。更に卵白粉末の配合としては、小麦粉中0.3〜2重量%、好ましくは1〜2重量%を添加することにより、歯切れのよい食感が得られる。卵白粉末の配合量が少ないと柔らかい食感で茹で伸びが早くなり、多すぎると卵白特有のゴキゴキした食感となる。 【0015】次に本発明により配合した粉をミキサー((株)大和製作所製。型式名、M21)に入れ、加水を行い練る。加水量は前述した配合で作成したミックス粉100重量%に対して総加水量で30〜45重量%の水を加える必要があり、好ましくは36〜40重量%である。加水量が少ないと湯戻りが悪く、ねちゃつく食感となる。また、茹で伸びも早い傾向にある。加水量が多すぎると製麺作業性が悪くなり、また、保存性も悪くなる。練り水には、粉100重量%に対してかん水を約2重量%、食塩を約0.5重量%、保存性を上げる目的でアルコールを2〜4重量%加えるのが望ましい。加水後は、常法に従い通常の製麺工程を経てミキシング、形成、切り出しを行い麺を作成すればよい。 【0016】 【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、実施例の中の官能評価は5段階で評価しており、評価基準以下のとおりである。 5…標準よりかなり優れる4…標準より優れる3…標準2…標準より劣る1…標準よりかなり劣る実施例1ベース粉の違いによる比較を行った。表3に示す配合原料100重量%に対し、粉末かん水2重量%、食塩0.5重量%、アルコール2重量%、水34重量%を加え、ミキサーに入れ10分間撹拌した後、成型して麺帯とし、これを26番角刃にて切り出し、生麺を得た。これら生麺それぞれ80gをカップに入れ、熱湯(97℃、500ml)を注ぎ3分後にパネラー5人で試食を行い、食感と色調についての官能評価を行った。結果は表3に示されるとおりである。 【0017】 【表3】
【0018】表3の結果から分かるように、ベース粉の蛋白(小麦粉の蛋白+グルテンの蛋白)の値が低い比較例1、2は、食感の評価がかなり低くなった。これは湯戻しをよくするために澱粉を25重量%配合しているため、柔らかくなりすぎることによるものである。実施例1については食感は良い評価であった。この結果から、ベース粉には高い蛋白値の粉が必要であることが確認された。 【0019】実施例2表4に示した配合原料100重量%に対し、粉末かん水2重量%、食塩0.5重量%、アルコール2重量%、水34重量%を加え、ミキサーに入れ10分間撹拌した後、成型して麺帯とし、これを26番角刃にて切り出し、生麺を得た。これら生麺それぞれ80gをカップに入れ、熱湯を注ぎ1分、2分、3分、4分後にサンプリングし、それらの水分を測定した。また、3分後の麺についてはα化度の測定も行った。更に、それぞれに熱湯を注ぎ1分、2分、3分後においてパネラー5人で試食を行い食感を評価した。結果を表5に示した。 【0020】 【表4】
【表5】
【0021】表5の結果より、澱粉の添加量が多いと水分、α化度ともに高くなる事が確認された。また、食感の結果は、澱粉10重量%添加では3分後でも湯戻りしておらず評価が低かった。澱粉25重量%では3分後に最もよい食感であった。澱粉を40重量%添加すると1分後が最もよい食感であり、時間が経つと柔らかくなる傾向にある。これらの結果より、ある程度の澱粉の添加は必須条件であり、また、澱粉の添加量を多くしていくことで湯戻し時間を短くできることが確認された。 【0022】実施例3生麺、半生麺の品温の違いによる湯戻りの違いをテストした。実施例2の配合原料100重量%に対し、粉末かん水2重量%、食塩0.5重量%、アルコール2重量%、水34重量%を加え、ミキサーに入れ10分間撹拌した後、成型して麺帯とし、これを26番角刃にて切り出し、生麺を得た。その生麺の一部を半乾燥させ、半生麺を得た。それぞれの麺80gをカップに入れ、生麺は0℃、5℃、15℃、25℃の品温で、半生麺は25℃の品温で熱湯(97℃、500ml)を注ぎ3分後に試食を行い、官能評価を行った。結果を表6に示した。 【0023】 【表6】
【0024】表6の結果のように、品温が5℃以上あれば問題なく喫食可能なレベルであることが確認された。また半生麺であっても、熱湯を注いで3分で十分食べられることが確認された。 【0025】実施例4実施例3と同条件で作成した麺帯を24番角刃で切り出し、ウェーブをつけウェーブ麺を作成した。実施例3と同様の調理により十分喫食可能であった。 【0026】実施例5調理方法について前記した発明の実施の形態に示す製麺工程に従い作成した麺80gをPSP(ポリスチレンパーパー)製のカップ(口径190mm×高さ97mm、内容量約600cc)に軽くほぐして入れた。次いで、フリーズドライの具材を入れ、熱湯(97℃)を約500ml注ぎ入れ軽く麺をほぐし内蓋にて施蓋した。3分後、内蓋をあけ、濃縮スープを入れかき混ぜた後、ごま、紅生姜等の具材を加え、試食を行った。試食の結果、十分に喫食可能な状態であり、かつ従来の即席麺と同様に調理には手間がかからないにもかかわらず、生麺の茹でたての好ましい食感が得られた。 【0027】 【発明の効果】本発明の配合により麺を作成すると、茹での手間を必要とせず、簡便に喫食可能な麺を作成できる。また、即席麺のような油で揚げた物や茹で麺でないため、生麺の茹でたての食感を有する麺を製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000164689 【氏名又は名称】熊本製粉株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安達 信安 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−28067 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−202196 |
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