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【発明の名称】 シリアル食品組成物
【発明者】 【氏名】富岡 里佳子

【氏名】重松 典宏

【氏名】石渡 健一

【要約】 【課題】蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖等を使用せずに、柔らかい食感、口どけの良い食感を持ったシリアル加工食品を提供すること。

【解決手段】シリアル類を糖アルコールで固めたシリアル食品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリアル類100重量部を、糖アルコールの乾物換算で60〜120重量部で固めたシリアル食品組成物。
【請求項2】 シリアル類100重量部に対して、蛋白質を30〜100重量部を含むことを特長とする請求項1のシリアル食品組成物。
【請求項3】 シリアル類100重量部に対して蛋白質を25〜60重量部、及びペプチドを20〜60重量部含むことを特徴とする請求項1のシリアル食品組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、シリアルを有意に補給するための食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の国民栄養調査によると食物繊維摂取量は目標摂取量よりも5g程度不足していると言われており、各食品メーカーなどが手軽な食物繊維補給食品としてシリアル加工食品を朝食用食品、スナック菓子、焼き菓子、チョコレート菓子、栄養調整食品などのバラエティーに富んだ形で上市している。
【0003】このようなシリアル加工食品として従来から蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖を単独で、又は複合で用いて固めたものがある。これらは通常、次のようにして製造される。即ち、シリアル100重量部(以下「部」と省略する)に対して、蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖等を乾物換算で80〜130部を植物油脂と混合し、100〜130℃の範囲で加熱し、その中へコーンフレーク、玄米フレーク、麦類のフレーク、穀類のパフや種実類のスライスや粒状のもの、ドライフルーツ等を添加し、混ぜ合わせる。冷風下にて冷却しながら7〜10ミリくらいの厚さに圧延し、適当な大きさのバー状、あるいはキャラメル状に切断、又は成型することにより製造される。また、果汁、乳製品、ココア、チョコレート、香料、着色料等を加えることにより味の変化をつけ、消費者の嗜好性に合わせた製品が製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来のシリアル加工食品は蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖等を多く使用しているため甘味度が高く、カロリーも高く、う蝕の問題もあり、近年の嗜好に合っていない。更に何よりも硬い食感はソフトな食感を好む最近の嗜好に対し解決すべき点である。現状では、食用油脂を添加したり、加工澱粉を配合するなどして、食感の改善に工夫されている。しかし、いずれも蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖等の固化による硬い食感を有意に改善するものではない。また、これらの糖類の配合量を減少させた場合は、結着性が低下し好ましくない。それ故、シリアル加工食品の硬さを解決し、柔らかい食感、口どけの良い食感を持ったシリアル加工食品を開発することは、嗜好の観点から見て重要なことであり、これが本発明が解決しようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の点について種々検討の結果、前記の糖類に替えて糖アルコールを用いることにより、上記課題が解決されることを見出し,本発明に到達した。即ち、本発明はシリアル類100部を糖アルコールの乾物換算で60〜120部で固めたシリアル食品である。本発明においては、蔗糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖等を使用せず、糖アルコールとして還元澱粉糖化物、還元麦芽糖、ソルビトールを使用する。更に、蛋白質を配合しても良い。また更に、ペプチドを蛋白質と共存させて配合してもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるシリアル類とは加工穀物食品のことで、穀類のフレーク、穀類のパフを例示できる。穀類としては、米、小麦、大麦、コーン、ライ麦、オーツ麦、ハト麦、アワ、ヒエ、キビ、ソバ、アマランサス、キヌア等の一般に食される穀類、雑穀類、擬似穀類を含む。穀類のフレークとは、上記の穀類を蒸煮した後、適度の厚さに圧篇し、焼いたものである。また、本発明における穀類のパフとは、上記の穀類を蒸煮して乾燥させた後、煎って膨化させたものである。
【0007】糖アルコールとしては還元澱粉糖化物、還元麦芽糖、還元乳糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等を例示できる。蛋白質としては乳蛋白、大豆蛋白、卵蛋白、シルク蛋白、小麦蛋白、米蛋白等を例示できる。ペプチドとしてはミルクペプチド、大豆ペプチド、卵白ペプチド、卵黄ペプチド、シルクペプチド、コラーゲンペプチド等を例示できる。
【0008】糖アルコールはシリアル類100部に対し、乾物換算で60〜120部、好ましくは70〜110部配合する。糖アルコールをこの範囲内で配合すると糖アルコールが持つ低粘性の性質(糖度70%、25℃の時150cps〜1500cps)により、柔らかくシリアルを結着させることができる。糖アルコール60部未満ではシリアルの結着性が悪くなり製造上好ましくなく、120部より多い場合は柔らかくなり過ぎて歯切れが悪く食べにくい。
【0009】本発明においては、好ましくは蛋白質をシリアル類100部に対し、30〜100部加えても良い。この場合、蛋白質を加えることにより、糖アルコールの保水性が向上し、全体の結着性を損なうことなく、口どけ、歯切れが良くなり、好ましい食感を与えることができる。ただし、30部未満では口どけや歯切れを向上させる効果はなく、100部より多い場合はシリアル類の結着性が悪くなる傾向にある。
【0010】又、本発明においては、シリアル類100部に対して糖アルコール、蛋白質に加え、更にペプチドを加えても良い。この場合、シリアルと蛋白質とペプチドの配合割合が重要である。配合としては、シリアル100部に対し、蛋白質を25〜60部とし、ペプチドを20〜60部添加する。この場合、蛋白質よりも分子量が低く、低粘性であるペプチドを加えることにより、味質を変化させることなく、より柔らかく口どけの良い食感を与えることができる。蛋白質が25部未満、ペプチドが20部未満であると、食感には効果がなく、蛋白質が60部、ペプチドが60部より多い場合、柔らかくなり過ぎたり、吸湿性が高くなり過ぎるなどの傾向にある。
【0011】また、嗜好性に対応するために種実類のスライスや粒状のローストしたもの、ドライフルーツ、ココアやお茶のパウダー、油脂類、グリセリンエステル、ショ糖エステル、、大豆レシチン、卵黄レシチン等の乳化剤を配合したり、フルーツペースト、香料や香辛料などで味付けをしたり、栄養強化の目的でビタミン類やミネラル類等を添加することも可能である。
【0012】本発明組成物の製造法としては、例えば糖アルコール、油脂、乳化剤を合わせて、混ぜながら110〜120℃に加熱し、これに必要に応じて蛋白質、ペプチドを混ぜ合わせる。この時に、嗜好性に対応するためにココアや香料を加えたり、栄養強化のためにビタミン類やミネラル類を添加しても良い。次にシリアルを混ぜ込む。更に必要に応じて種実類やドライフルーツを混ぜ込んでも良い。これを冷却しながら7〜10ミリ位の厚さに圧延し、適当な大きさのバー状、あるいはキャラメル状に切断、又は成形する。以上のような組成物において製造されたシリアル食品組成物は甘すぎず、柔らかな食感のものである。
【0013】
【実施例】以下、 本発明を実施例、比較例で詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0014】実施例1、比較例1〜2玄米フレーク、還元澱粉糖化物、カカオ脂及び乳化剤を表1に示した配合で以下のように製造した(還元澱粉糖化物は乾物換算)。還元澱粉糖化物、カカオ脂,乳化剤を合わせて、混ぜながら115℃に加熱し、これに玄米フレークを加え、混ぜ込む。これを冷却しながら8ミリ位に圧延し、適当な大きさのキャラメル状に切断する。上記の製造方法で得られたシリアル食品組成物の硬さと歯切れについて、5人のパネラーにより評価した。点数は5段階評価で、1(悪い)〜5(良い)とした。結果を表1に示した。なお、比較例1は結着性が劣っていた。
【0015】比較例3玄米フレーク、ショ糖、水飴及び植物性油脂を表1に示した配合で、実施例1と同様の方法によりシリアル加工食品を製造し、実施例1と同様の評価を行なった。本比較例は従来の代表的なシリアル加工食品である。結果を表1に示した。
【0016】
【表1】

【0017】実施例2〜4実施例1で用いた原料に更に乳蛋白とココアを加え、表2に示す配合で以下のようにシリアル食品を製造した。還元澱粉糖化物、カカオ、乳化剤を合わせて、混ぜながら115℃に加熱し、これに乳蛋白を加え、良く混ぜ合わせる。更に、玄米フレークを加え、混ぜ込む。これを冷却しながら8ミリ位に圧延し、適当な大きさのキャラメル状に切断する。得られたシリアル食品組成物をの評価を実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
【0018】
【表2】

【0019】実施例5〜7実施例2で用いた原料に更にコラーゲンペプチドを加え、表3に示す配合で実施例2と同様の方法でシリアル食品組成物を製造し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
【0020】
【表3】

【0021】
【発明の効果】本発明によるシリアル食品組成物は硬い食感が改善されており、従来のシリアル食品よりも柔らかい食感のシリアル食品組成物として提供できる。以上のごとく、本発明によるシリアル食品組成物は従来のものと比べ、食感、口どけ等が改善されたものである。
【出願人】 【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々 紘造
【公開番号】 特開平11−9211
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−184565