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【発明の名称】 動物用フード
【発明者】 【氏名】北川 明雄

【氏名】小坂 政晴

【氏名】宮本 操

【要約】 【課題】動物の餌に対するに喰い付きの改善を図る。

【解決手段】魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合することを特徴とする動物の喰い付き改善剤の提供。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合することを特徴とする動物の喰い付き改善剤。
【請求項2】 魚類白子が鮭白子である請求項1記載の喰い付き改善剤。
【請求項3】 請求項1又は2記載の喰い付き改善剤を配合することを特徴とする動物用フード。
【請求項4】 請求項1又は2記載の喰い付き改善剤を配合することを特徴とする魚釣り用餌。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な動物の喰い付き改善剤に関し、魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合した動物、魚類の喰い付き改善を促す新規な動物フードに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の動物用フードは動物肉や水産品の単身加工品が主であり、フードそのものを愛玩動物、畜産動物、使役動物、警察犬、盲導犬、魚類等の動物に餌として与えやすい形態で加工した製品がほとんどであった。動物に餌を与える場合、飼料が単調になりやすいため好き嫌いが出やすく、喰い付きが悪くなることがあった。このとき必然的に食べ残しがみられ、特に梅雨時、夏場には腐敗して、非衛生的な状態になることも多かった。
【0003】又、愛玩動物の飼育では、小さい頃から柔らかい餌を与える習慣ができている場合が多く、硬い餌を与えると一口喰い付いても途中で喰わなくなるケースがあった。
【0004】それのみならず、動物に必要成分が不足したときなどやビタミン類を補給するとか、野菜類をバランスよく配合する等の工夫をした動物フードがあるが、この場合、食べ残すか、目もくれないのが現状であった。そのために動物の飼料に対する喰い付きを向上した又は向上させる製品の出現が望まれていた。
【0005】魚釣り用餌とは餌そのものや寄せ餌やコマセ等釣り用に用いる全ての餌類を含むが、全く加工しない小昆虫、小魚、ゴカイ、ミミズ等の生ものそのものを用いたり、それらの粉砕品を用いるだけのことが主体であった。そのため、保存がきかず腐敗したり、効果が期待できない場合があった。
【0006】一方、魚類の白子としてのさけ白子の利用法としては、第1に成分を抽出して利用する方法、例えば、プロタミン(特公昭59−31518)、不飽和脂肪酸類(特開昭56−6738)、デオキシリボ核酸(特開昭55−2634、特開昭55−4308、特公平6−50988)、調味料(特開平1−222754)、呈味料(特開平1−222755)等が知られ、第2に白子そのままの配合製品、例えば、栄養素生物(特開平8−238072)、摺り身食品(特公昭63−31182)、白子配合味噌床(特開平7−289153)等が知られている。
【0007】しかしながら、魚類白子の喰い付き改善効果は、知られておらず、魚類白子を動物フードの喰い付き改善剤として配合した製品はなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、天然物由来で安全性、有効性が確保できる動物又は魚類に対する喰い付きを改善剤を得る目的で鋭意検討した結果、魚類白子の乾燥品又は加熱調理品が目的の効果を示すことを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合することを特徴とする喰い付き改善剤及び該喰い付き改善剤を配合した動物用フード又は魚釣り用餌からなる。
【0010】魚類白子としては、例えば、さけ、ます、にしん、たら等の魚類の白子が挙げられる。特に、さけ白子を用いるのが好ましい。
【0011】又、本発明の喰い付き改善剤を配合した動物用フード又は魚釣り用餌は、ペット用ふりかけ、食肉加工品、卵類加工品、水産加工品及び植物性食品等の製品として用いられる。
【0012】ペット用ふりかけとは、魚類白子の乾燥品又は加熱調理品をそのまま、又は、顆粒状にしたふりかけ粉末やペースト状、懸濁状のふりかけ液体を意味する。又、種種目的に応じて、それらに増量剤、防腐剤、安定剤等の添加物を配合することが可能である。
【0013】食肉加工品とは牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、やぎ肉等の畜肉類や家兎肉、家禽肉類に魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合して加工した製品、例えば、ハム、ベーコン、サラミ、ソーセージ、缶詰め等が挙げられる。
【0014】卵類加工品とは鶏卵、あひる、うずら等の家禽類の卵に魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合した加工品、例えば、液状卵、紛状卵、ドレッシング等が挙げられる。
【0015】水産加工品とは水産物の素干品、塩干品、煮干品、薫製品・培乾品、塩蔵品、練り製品に魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合した加工品である。水産物の素干品、塩干品、煮干品、薫製品・培乾品、塩蔵品は粉砕したりほぐした形状でペット用ふりかけの増量剤として使用できる。
【0016】植物性食品とは植物繊維質に富んだ食品であれば何でも良いが、植物蛋白質に富む豆類、豆類加工製品例えば大豆、小豆、落花生等を用いた製品に魚類白子の乾燥品又は調理品を配合して加工した製品が挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の魚類白子の乾燥品及び加熱調理品を配合した喰い付き改善剤は、以下に述べる製造法により得られる。
【0018】魚類白子の直接乾燥品は、例えば、魚類白子を水洗した後、割砕し、白子袋を除去した後、乾燥することにより得られる。乾燥方法としては、魚類白子から単に水分を除去すれば済むというものではなく、最終乾燥品の特性、品質に適合した方法を選択する必要がある。本発明においては噴霧乾燥、流動層乾燥及び凍結乾燥を用いるのが好ましい。特に噴霧乾燥及び流動層乾燥が好ましく、更に好ましくは流動層乾燥が適している。
【0019】噴霧乾燥とは、液状又はスラリー状の溶液とした魚類白子原料を熱風中で多数の微細な液滴に噴霧分散し、これら液滴群を瞬時に乾燥することによって粉粒状製品を得る乾燥法である。本発明品の乾燥条件はマイルドな乾燥条件で表面蒸発時間を長くすることで液適温の上昇を遅らせ、その間に中心部の含水率を可能な限り低下させ、急激膨張に起因する中空粒子を発生させず、破裂させない条件を設定するのが好ましい。このことにより粉体特性のみならず、喰い付き効果の一つの要因である魚類白子の独特な香りをそのまま残すことが可能である。乾燥温度は溶液の沸点にも起因するが、概ね品温が45℃から90℃が好ましく、特に品温が50℃から60℃が好ましい。熱風温度を140℃から220℃にコントロールすることで達成できる。又、魚類白子の直接噴霧乾燥のみならず、粒体に溶液白子原料を噴霧して造粒する噴霧造粒法、例えば流動造粒法や転動撹拌造粒法等の方法も可能である。
【0020】流動層乾燥とは、乾燥塔内で熱風により流動化状態にある、媒体粒子群(流動層)にスラリー状物質をポンプで直接供給し乾燥する手法であって、供給されたスラリーは媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動層内に分散され熱風により乾燥される。媒体粒子群の表面積が非常に大きいのでスラリー中の蒸発物は短時間で乾燥され、媒体粒子表面に残った固形分は媒体粒子同士の接触により連続的に剥離し、廃棄熱風に同伴して乾燥塔より排出されサイクロン、バグフィルターで乾燥粉体として回収する方法である。噴霧装置が不要で、装置がコンパクトで、高粘性な溶液白子原料でも乾燥が可能で、熱効率が高いので乾燥法として特に好ましい。
【0021】凍結乾燥とは魚類白子を凍結させ、真空下で水分を昇華、乾燥させる方法で白子の品質を変化させず乾燥させる点で好ましい。
【0022】これらの方法での乾燥品の含有水分は3%から10%に乾燥することが好ましい。10%以上の水分では粉体としての流動性が悪く、その後の加工が難しく、3%以下の水分では粉立ちが多く乾燥収率の低下や製造コスト高となり実用上難しい。
【0023】魚類白子の加熱調理においては、白子の水分が効率的に気散し、しかも蛋白質が過度に変成しない温度範囲、例えば80℃から200℃以下の品温を維持させるのが好ましい。本温度範囲を効率的に達成する加熱調理法としては、マイクロ波加熱処理法及び遠赤外加熱法が好ましい。又、減圧下加熱することにより効率的に乾燥品を得ることができる。
【0024】本発明の喰い付き改善剤に、添加物としてビタミン類、栄養必須成分、呈味料、甘味料等を配合して栄養バランスの優れた製品とすることも可能である。又、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤等の安定剤、保存剤を添加し、製品安定性を向上させることが可能である。さらに、必要に応じて賦形剤、着色剤、芳香剤、矯味剤等を添加してもよい。
【0025】本発明の喰い付き改善剤は、顆粒剤、ペースト剤又は懸濁溶液剤等の剤型に加工して用いることができる。
【0026】顆粒剤の製造法としては魚類白子の噴霧乾燥品に賦形剤として結晶セルロース等を加え湿式造粒して乾燥し整粒することで得られる。これらを袋や容器に詰めてふりかけ製品とすることができる。又、顆粒剤には、添加物としてビタミン類、栄養必須成分、呈味料、甘味料、酸化防止剤、防腐剤、展着剤又はpH調整剤等を配合することにより、ふりかけ性能や栄養バランスの優れたふりかけ製品とすることも可能である。ふりかけ性能が良いものとは粉体の流動性が高く、容器への残存量が少なく、吸湿時の再凝集性が少ない等の餌へのふりかけ行為の際の特性(ふりかけ特性)と餌への付着性、均一分散性等の餌にふりかけた後の特性(混合特性)の2つの特性が良好なものである。
【0027】ペースト剤は魚類白子の乾燥を水分10%以上の含水状態で止めたものでも、乾燥品に再度水を加えて10%以上にしたものでも良い外観がペースト状の剤を示す。更に乳鉢、すり鉢できめ細かく、すりつぶしたものでも良い。ペースト剤は固形乾燥状態の餌に混ぜ加えたとき、被混合物との付着性が優れ、臭いも強い良好な喰い付き改善剤である。
【0028】懸濁溶液剤は魚類白子固形分を溶液に懸濁させたものであり、ミネラルや他の水溶性栄養素を配合するのに優れる剤であり、動物への摂餌形態により選択できる剤である。
【0029】以下、実施例により本発明について更に詳細に説明する。
【0030】
【実施例】
【0031】実施例1冷凍鮭白子1Kgを水洗した後、ホモミキサーで割砕し、水3Kgを加えて白子袋類を除去して白子懸濁液を調整した。この懸濁液を噴霧乾燥機を用いて品温を60℃にコントロールして粒径が200メッシュ以下の粉末状乾燥品を得た。この粉末状乾燥品の水分は7%であった。この鮭白子の直接乾燥品をふりかけ口付きの容器に入れ、市販のドライペットフードにふりかけたところ、流動性が良く、容器への付着が少なく、1週間使用してもベト付き等が見られずふりかけ特性が良好で、ドライペットフードに均一に付着し混合特性も良好であった。
【0032】試験例1実施例1で得られた鮭白子ふりかけを混合したドライペットフードを飼育犬12匹を用いて、喰い付き試験を実施した。喰い付き試験は正味のドライペットフード(餌1)と鮭白子ふりかけを混合したドライペットフード(餌2)の2種の餌入れを30cm離して、飼育犬の前方3メートル先に置き、どちらの餌入れに喰い付くかを調べた。飼育犬12匹の全てが餌2に真直ぐに喰い付く結果であった。
【0033】実施例2実施例1で得られた鮭白子の直接乾燥品1Kgに、結晶セルロース1Kgを混合した後、エタノール水を加え撹拌造粒機を用いて練合し、0.8mmバスケットを使用した円筒造粒機にて造粒後、50℃、15時間乾燥し整粒した。その顆粒の水分は8%であり、これを1包2gにスティック充填して鮭白子ふりかけとした。缶詰製の飼猫用餌(餌3)に鮭白子ふりかけスティックから、ふりかけたところ、ふりかけ特性が優れ、ふりかけ後の混合特性も良好であった。
【0034】試験例2餌3に実施例2の顆粒をふりかけた飼い猫用餌(餌4)を飼育猫6匹を用いて喰い付き試験を実施した。喰い付き試験は餌3と餌4の2種の餌入れを30cm離して、飼育猫の前方1メートル先に置き、どちらの餌入れに喰い付くかを調べた。飼育猫6匹の全てが餌4に真直ぐに喰い付く結果であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合した動物用フードは、愛玩動物、畜産動物、使役動物、警察犬、盲導犬、魚類等の動物に餌として与えやすく、その喰い付きを改善することができる。又、結果として、飼料の食べ残しがなくなり、飼育環境の衛生化をもたらす。さらに、本発明の魚類白子の乾燥品又は加熱調理品を配合した魚釣り用餌は、従来用いられた加工しない餌と比べ、保存性を有するという特徴をもつ。
【出願人】 【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−299430
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−111785