| 【発明の名称】 |
グミキャンデイ組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】重松 典宏
【氏名】石渡 健一
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| 【要約】 |
【課題】表面の溶解や濡れたりべたついたりしないタンニン含有食品を含むグミキャンデイを提供すること。
【解決手段】タンニン含有食品を含有し、ペクチンを原材料の固形分当り0.2重量%以上1.0%重量%以下含有するグミキャンデイ組成物。タンニン含有食品が茶葉又は茶抽出エキスである。グミキャンデイは例えば以下の様にして製造される。液糖に粉糖を加え、BX糖度80程度まで煮詰める。これに茶葉、又は茶エキス、及び果汁、香料を所望の配合量で添加し、溶解させる。別途、ゼラチンを熱水で溶解させてゼラチン溶液を調整する。また、熱水で溶解させたペクチン溶液を調整しておく。液糖に順次、ペクチン溶液、ゼラチン溶液を加え、煮詰め、最終BX糖度78〜80に調整し、コーンスターチで成型された型に流し込み、冷暗所で固める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タンニン含有食品を含有し、ペクチンを原材料の固形分当り0.2重量%以上1.0%重量%以下含有することを特徴とするグミキャンデイ組成物。 【請求項2】 タンニン含有食品が茶葉または茶抽出エキスである請求項1のグミキャンデイ組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、タンニン含有食品を含有するグミキャンデイ組成物、就中茶含有グミキャンデイ組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】茶は元来、薬用植物に属しており、近年、茶に含まれる体内調節機能を有する成分やその成分の作用機構が明らかになってきた。中でも茶が含有している植物性多価ポリフェノールは多くの生理活性作用を持ち、殺菌効果、口臭予防効果、免疫強化、アレルギー抑制作用、整腸効果が報告されているなど多くの生理活性作用が見出されてきた(日本食品科学会誌 ;Vol.43,No.1,pp.91-97,1996 ;Vol.42,No.11,pp.952-958,1995・食品工業 ;Vol.38,No.24,pp77-81,1995・)。このような中で、従来の水、温湯、熱湯により抽出して飲用すること以外に、茶葉、もしくは茶葉の抽出エキスを様々な食品に配合し、手軽に茶を摂取しようとする試みがなされ、多くの茶含有食品が開発されている。中でもゼラチンで固めたグミキャンデイは子供から大人まで受け入れやすい菓子であり、その食感は独特の弾力を持つことが好まれていることもあり、茶葉、茶エキスを配合したグミキャンデイを作ることが試みられている。 【0003】一般的なグミキャンデイの製造方法は、液糖と砂糖などの粉糖を混合加熱し、BX糖度80付近まで濃縮した後、果汁、香料、クエン酸などの香味料を添加混合し、さらに、前もって、熱水に加熱溶解させておいたゼラチン溶解液を加え撹拌後、コーンスターチで成型した好みの型にゾル溶液を充填し、冷却することにより得られる。 【0004】一方、茶はタンニンを多く含むことが特徴である。乾燥茶葉中には平均12%前後のタンニンが含まれ、飲用目的で抽出した水溶液には乾燥物換算で0.05%程度のタンニンが含まれる。タンニンとは植物界に広く分布する多数のフェノール性ヒドロキシル基を持つ芳香属化合物の総称であり、マイナスに荷電していることが特徴である。よって、プラスに荷電している成分を含む食品原料や食品組成物中では、タンニンとそれらの成分が複合体を形成し、凝集反応を起こすことが知られている(Foods & Food Ingred J Jpn;No.171,pp98-105,1997 ; J Agric Food Chem;Vol.44,No.1,pp80-85,1996)。この凝集反応は皮革工業において皮革中のコラーゲンと植物性多価フェノール類に含有されるタンニンを反応させ、皮をなめす工程に利用されている反応である(J Soc Leather Technol Chem;Vol.76,No.1,pp1-5,1992)。さらに日本薬局方においては、ゼラチンの確認試験において、タンニンとゼラチンの凝集反応を利用しているなど広く知られた反応である。食品分野においては、この凝集反応を利用し甘味を持続させる技術(特開平02−291234)が開発されている。 【0005】一方、このような複合体の形成防止技術としては、原材料中のタンニン含量を低下させた食品加工技術(特開平04−131050)、リン酸塩添加による凝集防止技術(特公昭63−22780)ラクトフェリンを含有させることによる凝集防止技術特開平08−266249)が開発されている。また、サイクロデキストリンにより包括した茶抽出物を食品に含有させた組成物(特開平03−168046)が開発されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】グミの持つ弾力のある食感はゼラチン特有のものといってよい。カラギーナンとカルシウム、カリウム、マグネシウム等の無機イオン及びローカストビーンガムを反応させるとゼラチンと非常に近い食感のゲルを作ることは公知の事実であるが、味覚、製造工程の煩雑さなどの問題を抱えているためゼラチンを凌駕するものではなく、やはりグミキャンデイの場合、ゼラチンを使用することが極めて一般的な技術となる。 【0007】グミキャンデイに使用されるゼラチンは、その製法からアルカリ処理ゼラチン、および酸処理ゼラチンに大別されるが、いずれもゼラチンの等電点よりpHが酸性側においてプラス、アルカリ側においてマイナスに荷電している。このため、等電点が一般的にpH5付近にあるアルカリ処理ゼラチンやpH8〜9にある酸処理ゼラチンの場合、pH5より酸性側もしくはpH8〜9より酸性側であると、タンニンを含む食品、例えば茶葉や茶抽出エキスを配合した場合、プラスのゼラチンとマイナスのタンニンがゼラチンータンニン複合体を形成し、凝集することによりゼラチンのゲル化を阻害する。このため、グミキャンデイの成形が困難となったり、グミキャンデイの表面が経時的に溶解し、濡れたりべたついたりするなど、製品性状を損ねる。また、グミキャンデイの場合、ゼラチンのゲル強度の向上、味質の向上および静菌のため、クエン酸を添加しpH3〜4に保つことが行われるが、これもゼラチンの等電点より酸性側になる一因となっており、ゼラチンータンニン複合体を形成させる原因になっている。 【0008】よって、茶葉、もしくは茶エキス等のタンニンを含有した食品を含むグミキャンデイを製造しようとする場合、従来法の様にゼラチンのみで成形しても、品質的に性状が維持されたグミキャンデイを製造するのは困難である。従って、本発明の解決するべき課題はゼラチンのみで成形しても上記の問題が生じないような茶葉、もしくは茶エキス等のタンニン含有食品を含むグミキャンデイを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明はタンニン含有食品を含有し、ペクチンを原材料の固形分当り0.2重量%以上1.0%重量%以下含有することを特徴とするグミキャンデイ組成物である。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明においては、タンニン含有食品を含有するグミキャンデイにおいてペクチンを配合することを特徴とする。ペクチンは、エステル化度が50%以上のハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、50モル%以下のローメトキシルペクチン(LMペクチン)に大別されるが、本発明の場合はHMペクチンを使用するのが好ましい。ここでエステル化度とはメチルエステル化されたカルボキシル基の全カルボキシル基に対する割合をいう。HMペクチンはLMペクチンとは異なり、ゲル化に際し無機塩の共存を必要としないため味覚に与える不要な原料の配合が必要ないこと、及びゲル化時間が遅いため下記に示す本発明によるグミキャンデイの製造工程において適切なゾル保持時間を有することがその理由である。HMペクチンの配合量は、グミキャンデイの原材料の固形分あたり、0.2重量%以上1.0重量%以下である。なお、原材料とはゼラチンやペクチンのようなゲル化剤以外のグミキャンディの成分を意味する。HMペクチンの配合量が0.2重量%未満であると、タンニン含有食品を配合した際、ゼラチンータンニン複合体の形成のためグミキャンデイのゼラチンによる成型性が阻害され配合効果は期待できない。1.0重量%より多くなるとペクチンの食感が出てしまい、ゼラチン特有の弾力性が失われペクチン独特の粘りがあるゼリー食感に近くなる。他のゲル化剤においては、0.2重量%〜1.0重量%というわずかな配合で、ゼラチンの食感を損ねることなく、ゼラチンータンニン複合体の凝集を抑制することはできない。 【0011】本発明におけるタンニン含有食品としては、例えば茶やコーヒー豆が代表的である。茶は、生の茶葉や、緑茶、紅茶、抹茶、ウーロン茶などの加工茶をはじめ、杜仲茶、甜茶など茶として使用されているすべての茶葉、またはこれらの茶葉から抽出されたエキスの使用が可能である。茶エキスは水により抽出するのが好ましく、熱水、冷水いずれの抽出でも良いが、効率良く抽出するには、熱水抽出が好ましい。また、茶エキスは、水抽出物そのものでも良く、また、それを乾燥させた乾燥物でも良い。コーヒー豆としてはその粉末もしくは抽出エキスを使用することができる。 【0012】本発明において、タンニン含有食品の配合量については特に制限はなく、味覚、風味、配合目的との兼ね合いから適度な配合量を任意に決定すれば良い。例えば原材料固形分当り5〜30重量%添加することができる。また、通常使用する糖類は、一般的には、水飴のような液糖に粉糖である砂糖を添加する場合が基本であるが、近年のダイエット、低カロリーなどの風潮から糖アルコールを使用することも差し支えない。これら糖類の配合量も特に制限はなく、目的に応じて決定することができ、例えば原材料固形分当り40〜90重量%添加される。また、食品としての味覚調整のため、香料、着色料、果汁、クエン酸などの成分を加えることも差し支えない。 【0013】ゼラチンは、一般的に原材料固形分当り4重量%〜9重量%添加することが基本であるが、本発明においても一般的な配合量で問題ない。ゼラチンは酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンのいずれを使用しても差し支えない。 【0014】本発明においてグミの製造工程の概要は例えば以下の様になる。まず液糖に粉糖を加え、BX糖度80程度まで煮詰める。これに茶葉、又は茶エキス、及び果汁、香料などを所望の配合量で添加し、溶解させる。別途、ゼラチンを熱水で溶解させてゼラチン溶液を調整しておく。また、ペクチンは、熱水中で溶解させペクチン溶液を調整しておく。液糖に順次、ペクチン溶液、ゼラチン溶液を加え、煮詰め、最終BX糖度78〜80に調整する。これを、コーンスターチで成型された型に流し込み、冷暗所で固めることにより製造される。 【0015】本発明において、HMペクチンがどの様な機構でゼラチンータンニン複合体の形成を阻害するのか、については不明であるが、ゼラチンとHMペクチンが相補的な架橋構造を構成していることや、LMペクチンでは効果が見られないことから、メチルエステル基の存在によるHMペクチン特異的な化学反応がおきていることも考えられる。 【0016】 【実施例】以下に本発明の実施例、比較例を示す。 【0017】実施例1次の処方でグミキャンデイを製造した。グミキャンデイの製造に当たっては、ブドウ糖液糖と砂糖を混合し煮詰めBX80まで濃縮し、果汁、クエン酸を加え撹拌混合した後、前もって調整しておいたゼラチン溶液、ペクチン溶液を加え、最終BX79に濃縮し調整した。その後、コーンスターチの型に流し込み、20度で12時間、冷却した。 【0018】 処方1 甜茶エキスパウダー 20kg ブドウ糖液糖 100kg(固形分 70kg) 砂糖 10kg 果汁 5kg(固形分 2kg) クエン酸結晶 1kg 計136kg(原材料固形分計103kg) ゼラチン 5.15kg(原材料固形分当たり5%) HMペクチン 0.515kg(原材料固形分当たり0.5%) 合計141.665kg【0019】 処方2 緑茶葉粉末 20kg ブドウ糖液糖 100kg(固形分70kg) 砂糖 10kg 果汁 5kg(固形分 2kg) クエン酸結晶 1kg 計136kg(原材料固形分計103kg) ゼラチン 5.15kg(原材料固形分当たり5%) HMペクチン 0.515kg(原材料固形分当たり0.5%) 合計141.665kg【0020】 処方3 甜茶エキス 40kg(固形分 20kg) ブドウ糖液糖 100kg(固形分 70kg) 砂糖 10kg 果汁 5kg(固形分 2kg) クエン酸結晶 1kg 計156kg(原材料固形分103kg) ゼラチン 5.15kg(原材料固形分当たり5%) HMペクチン 0.515kg(原材料固形分当たり0.5%) 合計161.665kg【0021】処方4処方1においてHMペクチン 0.0824kg(原材料固形分当たり0.08%) 他 同じ合計141.2324kg【0022】処方5処方2においてHMペクチン 1.545kg(原材料固形分当たり1.5%) 他 同じ合計142.695kg【0023】処方6処方2においてHMペクチン 0kg他 同じ合計141.150kg【0024】処方7処方3においてHMペクチン 0kg他 同じ合計161.150kg【0025】実施例2実施例1により製造した茶含有グミキャンデイを用いて成型性、室温における保存性を調べた。 【0026】 処方1 処方2 処方3 処方4 処方5 処方6 処方7 成型性 ◎ ○ ◎ △ ◎ △ △ 保存性 ◎ ◎ ○ × ○ × × 食感 ◎ ◎ ◎ △ △ △ △【0027】 成型性:型だし直後の成型性 ◎:良好 ○:柔らかい △:不良 ×:成型できず 保存性:グミキャンデイを個包装し、室温で1週間放置した時の性状 ◎:良好 ○:ややべたつく △:べたつく ×:形状維持困難 食感 :型だし直後の食感 ◎:良好 ○:ほぼ良好 △:違和感あり 【0028】 【発明の効果】以上のように、HMペクチン含量が0.1%未満の処方4、及び、HMペクチンを配合しない処方6、7においては、成型性、保存性、食感は不十分である。さらに、HMペクチン含量が1%を超える処方5においては、成型性、保存性は向上するものの、食感は違和感あるものとなっている。本発明による処方1、2、3はいずれも良好な成型性、保存性、食感を有する。本発明により、グミキャンデイに、茶葉、茶エキスを含有した、成型性、保存性、食感 に問題ない茶含有グミキャンデイを提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593106918 【氏名又は名称】株式会社ファンケル
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐々 紘造
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| 【公開番号】 |
特開平11−146761 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−333585 |
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