| 【発明の名称】 |
釜炒り茶又は碾茶の製造方法及びその製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】江口 勝平
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| 【要約】 |
【課題】勘を要することなく栄養分、香気成分に富み、カテキンの溶出量と生理活性の高い釜炒り茶又は碾茶の製造方法及びその製造装置の提供。
【解決手段】気密釜1で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しの各工程を順次行う炒り茶又は碾茶の製造であって、前記各工程を釜温に応じてタイマーを用いて制御し、その後、揉み乾燥、又は揉まずに乾燥処理する。生ぼけの排出をタイマーで行い、炒り蒸しを90秒以上に、気密釜の釜温を250℃〜400℃に、炒り葉を終了した茶葉を粗揉、揉稔、向炒り、中揉、精揉、火入れ乾燥の粗揉工程において、茶温を約37℃に制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気密釜で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しの各工程を順次行う炒り葉工程を経る釜炒り茶又は碾茶の製造方法であって、前記各工程を釜温に応じてタイマーを用いて制御し、その後、揉み乾燥、又は揉まずに乾燥処理することを特徴とする釜炒り茶又は碾茶の製造方法。 【請求項2】 生ぼけ排出をタイマーで行い、炒り蒸しを90秒以上に制御することを特徴とする請求項1記載の釜炒り茶又は碾茶の製造方法。 【請求項3】 気密釜の釜温を250℃〜400℃に制御することを特徴とする請求項1又は2記載の釜炒り茶又は碾茶の製造方法。 【請求項4】 茶葉中のカテキン類が茶原体3グラムに対し180m1で湯の温度を90度以上に浸出後、100m1中20mg〜200mg溶出されるとともに、乾物中には5重量%〜20重量%含まれていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の釜炒り茶及び碾茶の製造方法。 【請求項5】 炒り葉を終了した茶葉を揉み乾燥の粗揉工程において、茶温を約37℃に制御することを特徴とする釜炒り茶の製造方法。 【請求項6】 気密釜で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しを順次行う炒り葉工程と、揉稔、粗揉、揉稔、向炒り、中揉、精揉、火入れ乾燥での揉み乾燥工程、又は加熱本乾燥、木茎分離、加熱練り乾燥を経るための装置であって、炒り葉乾燥するまでの通過時間と温度とを設定する操作部と、生葉の投入量、通過時間及び温度の検出部、検出された通過時間と温度を設定値と比較し制御する制御部を備えたことを特徴とする釜炒り茶又は碾茶の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釜炒り茶又は碾茶の製造方法及びその製造装置に関する。 【0002】 【従来の技術】日本茶の製法には、不発酵茶で蒸熱法と釜炒り法に大別され、いずれも香味豊かな茶を作るために、生葉の酸化酵素の失活により変成される。蒸製法の技術はほぼ完成しているが、釜炒り法は徐々に技術が改善されつつある。 【0003】釜炒り茶又は碾茶を製造する釜炒法には青柳法及び嬉野法がある。青柳法は、開放釜に生茶葉を少量投入し、釜の下より加熱して、釜の温度を上げ、生茶葉からの揮発分(アルデヒドガス)及び蒸気を放出するように撹拌しつつ炒り、高温処理後、軽く揉みつつ葉振りし、酸化酵素を失活させ、揉捻を短時間行なった後、水乾を数回行なって玉緑茶を得る方法である。 【0004】嬉野法は、傾斜した開放釜に生茶葉を投入し、茶温を上げ、生ぼけ(アルデヒドガス)を放出するように撹拌した後、茶葉から発生する蒸気を包み込むようにして撹拌し、蒸気により酸化酵素の失活を行ない、次いで、揉捻、水乾を行なって玉緑茶を得る方法である。なお、碾茶は、酸化酵素の失活後に揉みを行わないで乾燥するものである。 【0005】特公平1−49452号公報では、釜炒り法における炒り葉工程で密閉釜を用いて、生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しを行う際に、炒り釜は生葉の回転加熱の状態を10秒継続し、排気温度が45℃〜80℃に達した時に密閉し、30〜90秒間加圧炒り蒸し操作を経て炒り葉を行っている。 【0006】また、従来の蒸製法による揉み乾燥中の粗揉工程では、排面温度が約100℃で投入し、徐々に温度を低めにして約70℃にして取り出しが行われ、排面温度計は50℃から使用できる粗揉機が通常で、釜炒り法でも同じ機械が利用されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記生葉の炒り葉工程を密閉釜で自動制御する場合、生葉の加熱、生ぼけ排出、気密炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振りの工程中の茶葉の茶温を測定するために、回転ドラム内を測定する方法、即ち、ドラム内面温度や排気温度を測定する方法で行われていたが、ドラム内面温度の測定では釜の内面温度に影響され、また、排気温度の測定では外気の雰囲気温度に影響され、一回一回測定温度が安定せず、そのため、炒り葉工程の生ぼけ排出温度管理は、勘によって進められていた。 【0008】また、密閉時間30〜90秒や従来の粗揉機の温度の測定方法では、香味の良好な茶葉は得られにくいという問題点があった。 【0009】そこで、本発明は勘を要することなく栄養分、香気成分に富み、カテキン類の溶出量と生理活性の高い釜炒り茶又は碾茶の製造方法及びその製造装置を提供するものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の釜炒り茶又は碾茶の製造方法は、気密釜で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しの各工程を順次行う炒り葉工程を経る釜炒り茶又は碾茶の製造方法であって、前記各工程を釜温に応じてすべてタイマーを用いて制御し、その後、揉み乾燥、又は揉まずに乾燥処理することを特徴とする。生ぼけ排出をタイマーで行い、炒り蒸しを90秒以上に、気密釜の釜温を250℃〜400℃に、炒り葉を終了した茶葉を揉み乾燥の粗揉工程において、茶温を約37℃に制御することが好ましい。また、本発明の釜炒り茶又は碾茶の製造装置は、気密釜で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しを順次行う炒り葉工程と、粗揉、揉稔、向炒り、中揉、精揉、火入れ乾燥での揉み乾燥工程、又は加熱本乾燥、木茎分離、加熱練り乾燥を経るための装置であって、炒り葉乾燥するまでの通過時間と温度とを設定する操作部と、生葉の投入量、通過時間及び温度の検出部、検出された通過時間と温度を設定値と比較し制御する制御部を備えたことを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明は、生葉の投入量を定め、釜温の外壁を測定し、生葉の加熱、生ぼけ排出、密閉炒り蒸し、葉振りの各段階での通過時間を温度に応じてタイマーで時間制御し、粗揉乾燥工程では、排面温度計を30℃から測定できるように構成した。そのように構成した理由は、次のとおりである。 【0012】本発明は、生葉を投入、生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しの炒り葉工程を経て行う際、外壁温度感知器で釜温を測定し、回転撹拌、吸送気ファン、火炉の強弱、葉振り、生ぼけ排出を実施するもので、理論上は生葉の茶温を約80℃にし、吸引排出すれば解決するものである。 【0013】しかし、機内の茶温は、一方が開放された回転釜であるために雰囲気温度に影響され、気密にするまでの時間が不同であり、安定した炒り葉が自動で行えなかったが、密閉するまでの時間について試験を繰り返しタイマーを組み込んだところ、時間制御により正確に炒り葉の実施が行えることを発見した。すなわち、釜温を近赤外線温度計により測定し、生ぼけ排気温度の設定で密閉すると、排気温度のセンサーが外気温に左右され、人間の勘により生ぼけ排出臭の香りを毎回判断して密閉していたが面倒であった。そこで、生葉の投入、生葉の加熱をタイマ−で設定し、その時間を測定比較したところ安定したので、タイマーをシーケンスに組み込んだ。 【0014】また、密閉時間は、従来、90秒以上になると蒸製法と同様に茶葉が褐変したり、香気がなくなるとされていたが、90秒以上の時間で酸素分圧が蒸製法の蒸熱中の茶葉より極度に少なく、炒り蒸し中に香気成分やその他養分等が酸化されて、減少せず、しかも生理活性の高い養分とすることができた。茶葉中のカテキン類は、炒り蒸しの時間を90秒、100秒、110秒、120秒、130秒、140秒、150秒と時間を長くし、釜内の絶対圧力を増して炒り葉を行うほど細胞組織がもろくなり、カテキン類の溶出が高くなることを発見した。一方、乾物中のカテキン類の成分量は、蒸製法と大体同等であったが、蒸製法における蒸熱工程と違い、炒り葉の工程では生葉の酸素分圧が少なくなり、養分の酸化が行われないため、生理活性の高い養分が生成することが判明した。ただし、170秒を超えると茶葉がもろくなって粉茶となるので、170秒を超えないようにする。 【0015】後の葉振りを従来通りにタイマーで設定し、粗揉乾燥工程では、従来と同様に、排面温度約100℃で投入し70℃で取り出したところ、茶温が高くなり、上乾き状態になり、茶葉の芯水を取り、茶あくを取り除くことが不可能であった。そこで、従来方法より風量も半減し、排面温度約75℃で投入し45℃で取り出しを実施したところ、従来通り茶温が37℃前後で平均に芯水が除かれ、良好な茶葉が得られた。そのため、排面温度35℃以上計測できる計器を設けた。 【0016】本発明の製造方法により、茶葉中のカテキン類が茶原体3グラムに対し180m1で湯の温度を90度以上に浸出後、100m1中20mgから200mg溶出されるとともに、乾物中には5重量%〜20重量%含まれる釜炒り茶及び碾茶を製造することができる。 【0017】以上より、本発明は、上記それぞれの計測値に基づいて、各工程を制御するものであり、さらに、その装置は上記各々の計測部より検出される数値を制御する釜炒り茶の製造装置である。 【0018】碾茶も炒り葉後、従来通り揉まずに乾燥する装置で構成される。 【0019】第1図は本発明の炒葉装置の1例を示す正面断面図、第2図は同平面断面図、第3図は網付円板、気密蓋の機構を示す正面図である。 【0020】炒釜本体1は、鋼材などの耐熱、熱伝導性の材料で成形した円筒形をしており、その一側は開放可能で、他側は網目状面2により構成されている。そして炒釜開放部3には、網付円板4が炒釜本体の開口部と嵌合、離脱できるように構成されている。この網付円板4は中央部に網付円板開口部5と、その周辺に網部6を有し、周縁枠に炒釜開放部3との網付円板嵌合部7を有している。この網付円板4の外側に更にこの網付円板の網部6と網付円板開口部5を覆う板状の気密蓋8が、同気密蓋8の周縁部に設けた気密蓋嵌合部9と網付円板4の周縁枠の突起部10の嵌合により、網付円板4の網部6及び開口部5を覆うように、また、同嵌合を離脱できるように構成されている。 【0021】炒釜本体1の網目状面2においては同側面を覆い、または開放するように水平移動できる気密蓋11を有する。 【0022】炒釜本体1は炒葉の操作中に、例えば、炒釜本体の外面に歯車12を設け、この歯車を回転駆動歯車13と噛合させて回転させる。 【0023】さらに、炒釜本体1の網目状面2側の外側に、作業中に発生する「生ぼけ」などの揮発分を排出し、また、作業の終期に炒釜内温を低下させるための吸送気ファン17が設けてある。 【0024】また、炒葉操作中に炒釜1内部の圧力が過度に上昇するのを防止するため同炒釜の網目状面2側の中央部に炒釜内に開口した鋼管18を設け、その先端に圧力計19及び安全排気弁20を備えている。 【0025】網付円板4と気密蓋8との水平移動及び炒釜開放部3対応位置への当接、離脱機構は、網付円板4と気密蓋8とをそれぞれ反転、伸縮又は上下移動及び水平移動して行う。 【0026】本発明装置の網付円板4は、第3図に示す如く、網付円板4の外縁部に網付円板支持枠27を設け、この支持枠27に網付円板支持腕28を連設し、その一端が炒釜本体1と平行に設置した支持軸29に支承されている。そして、上記網付円板支持枠27と網付円板外縁とはローラー30によって同枠27が固定しても網付円板4が嵌合された炒釜本体の回転に応じて回転するように構成されている。 【0027】また、気密蓋8はその中央部に回転自在に気密蓋支持腕31を枢着し、この気密蓋支持腕31が上記網付円板支持腕28が支承されている支持軸29に網付円板支持腕28の外側に支承されている。 【0028】このような構造になっているから、網付円板4と気密蓋8とが各支持腕28,31の長さを夫々網付円板4が炒釜本体の開放部3及び気密蓋8が網付円板4の開口部5及び網部6に対応する位置に設置できる長さに設定すれば、その各支持腕28,31を支軸部29を中心にして反転させて位置決めができ、また、炒釜本体1の開放部3の対応位置より離脱することがきる。また、同網付円板4と気密蓋8との位置決めを支持腕28の反転でなく、支持腕28の伸縮によっても行うことができる。そして、各網付円板4、気密蓋8が支持軸29に支承されて水平に移動することができる。 【0029】以上の構成により、炒釜本体の開放部3に網付円板4を嵌合し、さらに気密蓋8を嵌合した状態、すなわち、密閉した状態に適宜なし得ることができる。 【0030】一方、炒釜本体1の開口部3の反対側においては、周縁部に炒釜本体1の周縁部突起32と嵌合する嵌合部33を有し、水平に移動する気密蓋11を設ける。気密蓋11の水平移動は、例えば、鋼管18の炒釜本体より外部に導出した管体に沿って油圧などの手段によって水平移動させることができる。 【0031】炒釜本体1の外部には、茶葉温を感知するための排気温度感知機34、及び内部に炒釡外壁温度を感知する外壁温度感知機35を設けて炒釜の温度管理を行う。 【0032】本発明の炒葉装置の生茶葉供給機は、傾斜した生葉供給コンベア14からスプリング15に支持された計量コンベア16を経て生茶葉供給部36の生茶葉供給口39がレール40上を水平移動し、網付円板4の開口部5に当接するように設置されている。 【0033】本発明の炒葉装置の火袋41は下方に加熱部42、上方に排気口43を有し、中央に炒釜本体1を収容できる開口部を有する火袋室であって一般に耐火材料、例えば、鋼材で造られている。加熱部42は普通ガスバーナーを用い、加熱を調整できるように強弱の切り換えを可能にしておく方がよい。また、排気口43は排気調整弁44により、火袋41内の温度を調整できるようにすることが望ましい。 【0034】本発明の炒葉方法は、網付円板4を炒釜本体1に嵌合し、気密蓋8は炒釜対応位置から離脱させ、他方の気密蓋11は炒釜本体より放した位置において、炒釜本体を回転させるととともに、鋼管18の安全排気弁20を希望する絶対圧力に合わせ、かつ吸送気ファン17を排気の方に回転させる。そして、火袋41下部の加熱部42を始動させ、炒釜本体1及び一側に嵌合した網付円板4が回転され、炒釜本体1が加熱される。 【0035】炒釜本体1の外壁面が250〜400℃位になった時、生茶葉供給部36を水平に移動させ、生茶葉供給口39を網付円板4の中央開口部5に当接する。そして、この供給口39より生茶葉供給部36の送り機38により生茶葉を順次炒釜本体1内に送り込む。この供給量は炒釜1の容積によって、また、茶葉の種類によって相違するが、大体約760リットル炒釜の容積に対し約10kgである。このようにして、炒釜本体1内に生茶葉を供給した後、生茶葉供結部36を炒釜1より離す。炒釜1内に供結された生茶葉は、撹拌されつつ加熱されて、生茶葉中の初期揮発分(生ぼけ)が発生する。これを吸送気ファン17より排気し、炒釜1より外部に排出する。その後、直ちに気密蓋8を網付円板4の開口部5及び網部6を覆うように嵌合し、同時に気密蓋11を水平移動して炒釜本体1に嵌合し、炒釜1を密封状態とする。その間、炒釜本体1は、加熱と回転を続け、炒釜1内の圧力が約1.2kg(絶対圧力)、茶温が102〜104℃位で炒り蒸しを行なう。この間、炒釜内の茶葉は、茶葉から発生する水分が大気圧蒸気より高温の飽和蒸気となり、この蒸気中で茶葉が回転、撹拌されながら処理されるので、茶葉中の酸化酵素の失活を完全に行なうことができる。 【0036】そして、両側の気密蓋8,11を水平移動させて炒釜本体1より離す。そして、吸送気ファン17より吸気を行い、充満した蒸気を除いて炒釜1内の温度を低下させ、加熱部42の加熱状態を小にして、茶温80〜60℃前後で茶葉の回転、撹拌を続け、葉振り操作を行なう。この操作により、茶葉の「むれ」を生ずることなく、葉振りを行なうことができる。 【0037】その後、加熱部42よりの加熱を停止し、炒釜1の温度を更に低下させた後、網付円板4を移動させて炒釜本体1より放し、吸送気ファン17を送気の方に逆回転させ、強送風を行いつつ炒釜本体1を逆回転させると、炒葉が移動し炒葉を炒釜本体開口部3下端より落下し取り出される。 【0038】なお、本発明の装置の茶葉の加熱は、加熱部42と併用して遠赤外線によって茶葉を加熱する方法を使用すると、さらに良い結果が得られる。この方法を採用するには、遠赤外線発生器の炒釜内壁面及び/又は鋼管18の炒釜内に突出部の先端に取付けて、遠赤外線の照射を行う。 【0039】これに使用する遠赤外線発生器は、その種類、形状について特定されず、電気エネルギー、加熱部による熱を遠赤外線に変換して器外に放出し炒釜内の茶葉に照射して加熱することができるものであれば充分である。本遠赤外線照射により茶葉の加熱速度を高めることができ、茶葉のクロロフィルが濃厚に保持され、香味を保持しうる利点を有する。 【0040】本発明の炒葉装置を用いて炒葉を製造する場合、生ぼけ排出、炒り蒸し、葉振りなどの各工程における温度、時間の管理を本発明の装置の生茶葉の投入、炒釜の加熱、生ぼけの排出、炒り蒸し、葉振り、茶葉の取り出しの各工程を茶葉の性質に応じた火炉の温度の調節、炒釜の回転及び逆転、並びにその温度の調整、吸送気ファンの回転及び逆転、並びにその速度の調節、嵌合部の開閉、嵌合時間及び葉振り時間、取り出し操作をシーケンサーに設定して自動制御することにより何回でも良好な安定した操作を行うことができる。 【0041】このように、本発明の方法を自動制御により行う場合は、本発明の装置の円筒形炒釜本体の外側に温度センサー(外壁温度感知器)35を取り付け、同炒釜の外側の吸送気ファンの近くに、炒釜内の温度を感知する雰囲気温度センサー(排気温度感知器)34を配設し、タイマーを設置する。これらの温度、炒釜の回転、逆転、網付円板の嵌合、離脱、気密蓋の嵌合、離脱、吸送気ファンの回転、停止、逆転、生茶葉供給部の作動、停止、送気の作動、停止並びに炒釜及び吸送気ファンの回転速度の調整はインバーターにより行い、これらをシーケンサーに記憶させる。 【0042】図4は制御装置のブロック図を示し、上記測定値が図4中のCPU(中央処理装置)に記憶されることになり、EPROMは消去書き込み可能読取専用のROMであり、処理を行うための制御プログラム、演算プログラムなどが書き込まれ、RAMは所定のアドレスに対して書き込み可能な読み取り可能で、制御装置により、計測された入力データから選択する生葉の投入量と釜温を中心に演算し、生茶の投入、加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉振り、取り出しを制御するものである。 【0043】したがって、生葉の投入量は、回分式で所定の分量に制御し、給葉機で制御し、外壁温度は燃焼調整することで制御し、吸送気ファン、炒釜の正逆回転、外蓋、中蓋の開閉を制御する。 【0044】 【実施例】添付図面の第1図、第2図によって説明する。 【0045】約760リットルの円筒炒釜を用い、この炒釜本体1を駆動歯車13により1分間約30回の速度で回転し、火袋41の下方の加熱部42のバーナーを大小共に点火し、炒釜外壁に設けられている外壁温度感知器35により炒釜本体内面の温度が約300℃になるまでに炒釜本体1に網付円板4を網付円板水平移動桿21によって移動させ、網付円板の嵌合部7を釜本体開放部3の周縁に嵌合させる。 【0046】釜温が300℃に達したら生茶葉供給部36をレール40により移動させ、生茶葉供給口39を網付円板開口部5に当接し、ホッパー37より供給された生茶は生茶葉送り機により順次生茶葉供給口39より網付円板開口部5を通って炒釜本体1に供給される。1回の供給量は約10kgである。 【0047】この生茶葉の供給を1分間で終了させた後、生茶葉供給部36をレール40により移動させ、網付円板4より離す。この状態で炒釜本体1中の生茶葉は、同本体1の回転のもと、10秒間加熱下に炒釡内を集葉板45により撹拌される。この間に生葉の温度は、60〜70℃に上昇する。 【0048】次いで、吸送気ファン17を吸気の方向に回転させ、炒釜内に発生した生茶葉から発散する「生ぼけ」を炒釜外に70秒間で排出する。この間に生茶葉は80℃に上昇する。 【0049】吸送気ファンを停止し、気密蓋8を水平に移動し、気密蓋8の嵌合部9を網付円板4の突起部10に嵌合すると同時に、本網付円板4の対向側にある気密蓋11を水平移動させて気密蓋11の嵌合部33を炒釜本体の周縁部突起32と嵌合させる。炒釜内の絶対圧力が約1.2kg、茶温が約102〜104℃になるまで、回転、加熱し、2分40秒間茶葉の炒り蒸しを行なう。 【0050】炒り蒸し時間が経過したら、加熱バーナー42の大を消し、小だけにし、炒釜本体内面の温度を300℃から約250℃に下げ、気密蓋8を網付円板4から離し、更に上方に移動させる。また、同時に、気密蓋11を水平移動させ炒釜本体1より離すと、充満空気が3秒で瞬時に排出される。 【0051】吸送気ファン17を吸気の方向に回転させ充満空気を排出し、炒釜中を低温にし、茶温が60〜70℃位に達した時、吸送気ファン17はそのまま回転させて、約1分30秒間葉振り操作を行ない、その後、加熱バーナー42を消す。 【0052】上記のごとくして、炒釜温度を低下させた後、網付円板4を網付円板支持腕28により炒釜本体開放部3より離し、炒釜のドラムを逆転して吸送気ファン17を送気の方向に逆回転させ茶葉を押す状態で10秒間で取り出し、冷却する。取り出した茶葉は、揉み乾燥、又は揉まないで乾燥する方法で荒茶が得られる。 【0053】表1は本発明による製造方法で得られた釜いり茶の分析結果である。 【0054】 【表1】
本発明の製造方法で得られた釜いり茶は、従来の蒸製法に比べてカテキン類が多量に抽出されることが判る。 【0055】なお、本発明の炒葉方法並びに炒葉装置は、日本緑茶のみならず半発酵茶、発酵茶、薬草の酵素処理、乾燥等にも使用することができる。 【0056】 【発明の効果】本発明により、人間の勘に頼ることなく、炒り葉し、揉み乾燥するか、揉まずに乾燥する際、茶葉の通過時間、温度、及び生葉の投入量と釜温を基準として、タイマー制御により処理が可能となり、荒茶までを蒸製法と同様にFA化することができ、また、製品の安定したものができる。さらに、炒り葉工程は、半発酵茶、発酵茶の残酸化酵素の失活にも役に立つ。かつまた、薬草等の乾燥処理にも役立つ。 【0057】炒り葉乾燥する際、茶葉の通過時間、温度、及び生葉の投入量を基準として、多量のカテキン類を溶出し、有効なカテキン類を含有する希望通りの品質の日本茶を製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598035554 【氏名又は名称】江口 勝平 【識別番号】598035565 【氏名又は名称】江口 亜由美
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小堀 益 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−262359 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−67207 |
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